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番外編

君に捧ぐ花束は―一也・後編―

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 私はメアリーの華奢な足を押し上げる。淡い光の中で、無垢な亀裂がキラキラと光っていた。

「メアリー、もう陰裂が愛液で潤んでるぞ」
「ひあっ……あっ、ああっ、かずやさまぁ、それはずかしいのっ、はうっ、やぁっ、らっ、あんっ……あ、だめ、着物の中に入っちゃっ」

 私はまるで獣のように、横になったメアリーの着物の中に強引に顔を押し入れる。彼女の体温を感じつつ、私は右の太腿を畳に押し付け、左の足を抱えながら顔を濡れた女陰に埋めた。
 縦筋がぴっちりと閉じた薄桃色の亀裂に、舌を這わせると、まるで中から果汁が溢れ出すように、愛液が舌に絡みついてくる。
 人形のような無機質な女陰なのに、慎ましい花の奥は、瑞々しい肉花が詰まっていやらしい。だが、メアリーの女陰ここは神聖で、いつまでも触れていたくなるほど魅惑的だ。
 しかし、いくら興奮するからと言っても彼女の肉体を傷つけてはならない。丁重な愛撫を心がけねば、変態的な性行為も許されぬ。

「きゃうっ! あっ、んっ、あ、ょわ、いっ、かずやさまぁ、あっ、んんっ、はぁっ、あっあっあっ、気持ちいい、はぁっ、いゃ、奥ひくひくしちゃ、んんっ!」
「はぁっ……、ほら。こうして指で捲りあげてみても、お前の女陰が物欲しげにヒクヒクと蠢いているのがわかるな。メアリー、1週間ぶりの私の舌はどうだ……はぁっ」

 舌で割ると、膣穴が収縮しているのが見えた。私は膣穴に舌を這わせ、ゆっくりと上に向かって撫でるように愛撫する。そして舌を器用に動かし、花弁一つ一つに触れ慈しむように舐めると、最後の仕上げで深く接吻するように吸った。そして、仕上げとばかりに舌を尖らせ先端に埋もれている陰核を、上下に動かすとメアリーの太腿がガクガクと震え、絶頂に達したのがわかった。

「――――ッッ! んっ、あっ、あんっ、ひぁ、かずやさま、そんなに音を立てないでぇ、あっ、ああっ、んっっ!! やぁ、気持ちいい、んぁぁっ」

 達した余韻で腰を引こうとするメアリーの女陰にさらに顔を埋めると、逃さないように隅々まで舌で貪り陰核を唇に包み込む。
 逃げられないように押さえつけ、舌で淫らにぬらぬらと円を描くようにして愛撫すると、メアリーは畳にすがりつくようにして、腰を震わせ、掠れた甘い声で絶頂に達した。
 私は着物の裾をあげると、月明かりと部屋の灯りに照らされた濡れそぼる陰裂を凝視する。

「桜の花びらのような陰裂だ。ほら、私の指が欲しかろう。物欲しげに穴がひくひくしているのがバレているぞ。メアリーは陰核の場所を押すと、直ぐによがるな。だが今日はゆっくりと腟内なかを解そう」
「あっ、んん! はぁっ、あっあっ、いいっ、んっ、あんっ、一也様ぁ……はぁっ、あんっ……いつもと違う、なにこれぇっ……ひぁっ!」

 手袋を口で外し、綺麗に爪を整えた指を愛液で濡れた花弁の穴へと挿入する。入口付近で第一関節の手前ほどまでで挿入を留める。くにゅくにゅと音を立ててゆっくりと動かすと、こそばゆい感覚から、快楽に変わるだろう。
 ここも十分に女が感じる場所だ。
 私に色目を使った女中どもはおぞましいが、女が感じる場所を学習する教材としては、役立ってくれた。

「メアリー、やはりお前はこの入口が心地よいようだな。まずはここを解し、陰核の裏へと指を動かす。その間も、膨らんだ陰核への愛撫はやめず転がすように舐めると、快感が増幅されるのだ」
「あっ、あっあっあ! いわ、言わないでぇっ、やらぁっ、あっ、あんっ、だめ、だめです、すごい感じちゃ、――――んんっっ!」

 指の腹で入口を十分に解し、陰核の裏まで行くと抑え込むように撫でる。女の腟内なかは赤子が通る産道になっているので、男が思うほど敏感に感じるように出来てはいない。
 だが、こうして気分を高めて、十分に腟内なかを解して愛でてやれば、感じやすくなる。
 愛液を絡ませて肉を割ると、私はメアリーに合わせるように緩やかに動かした。目隠しをしたまま、私の愛撫に鳴いて体を反らせると、ついに絶頂に達する。
 だが、私はそれだけでは許さず唇で陰核を吸い上げ、舌で優しく転がしながら人差し指と中指を根元まで挿入して、緩やかに動かした。 

「やぁぁっ、ほ、本当に、すごく感じて、だめ、あっあっ、変になっちゃう、んん、気持ちいいっ、あっあっ、やぁ、かずやさまぁ、ひっあ、だめ、わたし、わたし、あ、やぁぁ!」
「んっ……はぁ、派手に潮吹きをしたな。眼鏡が汚れてしまった。さぁ、メアリー。本来ならもう一度、お前を指で攻めたてる所だが今日は趣向を変えよう。淫具を用意した」
「はぁ、ん、ごめんなさい。勝手に、あ、あれは出ちゃうんです。イング……? それなぁに? あ、あの、一也様……。この目隠しを外してもいいですか? お顔が見えないと不安なの」

 駄目だ、と言ってやりたかったが私の顔が見えないと不安だ、と言うメアリーは愛しく、たまらなく心を打たれた。
 私はメアリーに目隠しを外す許可をする。
 むしろ、私はこの淫具に反応するメアリーの表情を、見てみたいと思っていたので好都合である。
 私は、小さな木箱をポケットから取り出すとゆっくりと蓋をスライドさせて開けた。直径一センチほどの金属の玉が二つ並んでいる。
 それを手に取ると、美しい鈴の音が聞こえた。メアリーは不思議そうに淫具を見ている。

「それが、イングなんですか?」
「そうだ。『りんの玉』と言う淫具でな。『名代玉』とも言うが、もとは遊郭で遊女たちがあそこの締りを良くするために使っていたものだ。この玉を二個腟内なかに入れて性交すると、不感症であっても転がり回るほど快感を感じるという」

 実際、そこまで快楽を感じるかは分からんが頬を染めて戸惑い、青い瞳を潤ませているメアリーの様子を見ると、羞恥させる道具としては申し分ないだろう。
 私は、無垢な幼子のような亀裂に、爽やかな鈴の音がなる金の玉をゆっくりと挿入していく。

「ひぁっ、ん、冷たっ……あ、あう、二個も……んっ、んんっ……はぁっ」

 二個の金の玉を入れると、ちょうど腟内なかには、第二関節くらいの異物が入った事になる。それをこれからどうするのかと、メアリーは不思議そうにしていた。
 そんな彼女の陰裂に、私はすでに痛いくらい勃起した摩羅の先端を濡れた膣口に押し当てると、一気に挿入する。

 ――――チリン、チリン。

「ひっ、やああぁぁ!」

 麻羅の根元まで挿入すると、金の玉が互いにぶつかり合う爽やかな鈴の音が聞こえた。月明かりと、仄暗い明かりの中でメアリーの腰が弓なりにしなって目が見開かれる。
 麻羅で突くと、おそらく滑らかな金の玉が普段は届かぬ未知の場所を刺激して、メアリーに快感をもたらしているのだろうと推測する。

「くっ、はっ、メアリー……! 締め付けがすごい、ぞっ……淫らな花弁から鈴の音が聞こえてくるとは風流だな。腟内なかを突き上げる度に鳴り響いているぞ、はぁっ」
「あっ、んっ、やぁっ、動かしたら腟内なかで玉が、当たって、んんっ、あっあっあっ、奥で擦れちゃう、いやぁんっ」

 メアリーの両腿を押さえつけ、ズンズンと腰を動かすと中で玉がぶつかり合い、金の玉の内部に仕込まれた鈴が鳴り響く。愛らしい顔は涙で濡れ、桜色の唇から唾液が垂れて、瞳が潤む。
 心なしか何時もより締め付けがきつい。ただでさえ私の麻羅を溶かしそうなくらい気持ちの良い腟内《なか》が蠢いている。メアリーは、愛液を垂らしながら激しい快楽に、正気を失いそうになっていた。

「っ、はぁっ、見てみろメアリー! 愛液が白濁してきたな……っ、私の魔羅でかき混ぜられ酷くっ、感じてるのだろう!」
「んっぁ、すごっい、あっ、ん、イクッ、一也さまぁ、あっ、やぁ、直ぐにいっちゃ、あっあっあっ、――――ッッ! イクッ、またいっちゃう、やぁぁっっ!」

 メアリーは、幼子のように両手を胸元で固くさせると、絶頂に達する。私の魔羅に犯され上下に突き上げられ、ぐにぐにと円を描くように動かされると、そのつど何度も腰を弓なりにしならせて快感の頂まで登った。
 腰の動きに合わせて鳴る鈴の音は淫靡で、私はメアリーの愛らしい胸の蕾を摘まむと笑った。

「はぁっ、んんっ、この可愛い蕾にも鈴をつけたいものだ。はぁっ、ぐっ、んんっ、メアリーっ、はぁっ」
「んんっ、あっ、ああっ、はぁっ、一也さまぁっ、あっ、愛してますっ、はぁっ、ああっ」

 私が強要せずとも、メアリーは愛してると言ってくれる。私はそれに焚き付けられ、メアリーの太腿を抱きかかえると華奢な体に乗り、まるで獣のように彼女の体を押しつぶし、雌に盛るように腰を動かした。
 鈴の音が激しく鳴り響き、メアリーは私の背中に抱きついて甘い唾液を垂らしている。
 嗚呼、なんて愛しい女だ。壊してしまいたくなるほど、愛してる。

「ひやぁっ、鈴、気持ちいい、気持ちいいのっ、あっ、もうだめです、堪忍してください、あんっ、あっ、――――ッッ!!」
「くっ、あっ……はぁっ!」

 ぎゅっとメアリーの腟内なかが私の魔羅を締め付けると、堪らず私は達して精液を注ぎ込む。私の体の下で震える華奢なメアリーを抱くと、今度は四つん這いにして目隠ししていた布で両手首を縛った。
 嗚呼、無理をさせるつもりはないが、あまりにもメアリーが愛らしく、淫らに幼い花弁が私を誘うのだから仕方あるまい。
 こんなふうに私が何度も求める相手は、世界中を探してもメアリーしかいないだろう。

「やぁん……っ、一也様、もう、あっ、あああっ、やぁぁ、んっ、んんっ、あっ、あう、気持ちいい、だめぇっ」
「はぁっ、もう少し我慢してくれ……っ、精液で溢れさせぬと、その鈴はっ、取れないのでな、はぁっ、ああっ」

 真っ赤な嘘だったが、尻をあげるメアリーに伸し掛かるようにして腰を動かす。畳に頬を付けると、彼女は涙を溢れさせ愛らしく喘いでいる。
 先端で鈴を押すと、子宮近くにある快楽の点を刺激したようで、メアリーの膣口から愛液がどっと溢れて体を震わせていた。あまりの快楽に声も出せないようで、腟内なかが何度も収縮し、メアリーが連続的に達している事が体感できた。
 私は倒れ込むメアリーを抱きしめ、尻に打ち付けるように腰を動かしては、腟内なかに白濁した液体を放出する。
 嗚呼、いかん。
 男子ルーデサックも足りなくなるほどメアリーを愛してしまう……。これでは彼女の体に負担がかかってしまうな。

「あっ、ああっ! もう、もう、無理、一也様ぁ、イクの止まらないよぉ、あ、はぁぁっ、お腹いっぱいっ、いっぱいなのっ」
「はぁっ、では、これでっ、最後だな、はぁっ……愛してる、メアリー」

 掠れた甘い声で懇願するメアリーに私は腟内なかに最後の欲望を吐き出した。
 ようやく、私はメアリーの腟内なかから魔羅を抜くと、彼女の腰を抱いた。綺麗な花弁から金の玉がぽとり、ぽとりと吐き出される様子は美しい人魚姫の産卵のようで淫らだ。
 私はメアリーの花弁を綺麗に拭き取り、拘束を取ると、呼吸を乱す汗ばんだ彼女を抱きしめる。

「はぁ……はぁ……一也様、軍服が汚れちゃう」
「構わん、また綺麗に洗えば良いだけだ。それより、痛くなかったか。この淫具を使ったのは初めてなのに、無理をさせた」
「大丈夫です、その……痛くなかったです」
「途中で止められず、何度もお前を求めてしまった」
「う、うん。その、あれは、えと……。一也様は優しいから心配してくれるんですね」

 メアリーは言葉を濁し頬を染めると、私のことを優しいと言った。いや、そんなはずは無いだろう……私は優しくなど無い。
 私は、嫌がるお前を手籠にしたじゃないか。
 だが、私は顔が熱くなるのを感じ背けるとメアリーの頭を抱いた。

「別に……。疲れただろう、布団は敷いておくから、今日はここで眠れ」
「一也様も一緒がいいです」
「……そうだな」

 我ながらもう少し、女を喜ばせる事を言えないものかと思う。しかし、日本男子たるもの、つらつらと軟弱な囁きなど無用だと自分に言い聞かせていた。
 愛している、で良いのだ。
 安心しきった仔猫のように胸元に擦り寄るメアリーの柔らかな金の癖毛を撫でながら、私は目を閉じた。


 一也編 完
 
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