【R18】悪徳と聖女〜その男、狂犬につき〜

蒼琉璃

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29 トリガーは引かれて①(※性描写有り)

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「それは……本当ですか?」

 私は、モッソ様の言葉が信じられなくて、問い質した。あの狼獣人の暗殺者を雇ったのは、恐らく宮廷に仕える者だろう、だなんて……。私と接点も全くないソルフェージュ帝国の貴族が、聖女暗殺だなんて、恐ろしい事を考えたの?

「ええ。あの狼獣人はどうやら、その界隈ではそこそこうての暗殺者アサシンであるようですな。ただ、愛国心が強いといいますか……、過激な思想を持っていたようです。周囲に、聖女様について、不穏な事を漏らしていたそうですので、そこを依頼主に利用されたのかもしれません」
 
 モッソ様は、酒場でお会いした時の印象とは異なり、気取った感じの物言いで、跪いている。獅子の黄金のたてがみも、あの時よりフサフサとしていて、派手な紳士の装いをしているから、まるで獣人族の王子様みたいだわ。
 レジェロ様の依頼を受け、モッソ様は、獣人族達のコミュニティの中で、色々と探ってくれているみたい。
 私は、協力を断られるかもしれないと思っていたので、アリア様の預言通り『聖女』に力を貸してくれる仲間が現れた事が、とても心強かったわ。
 あの暗殺未遂事件があってから、アリア様は色々と動き回っているようだし、最上位の巫女としても、何かと最近はお忙しいみたいなのよね。
 私の事は常々、気に掛けて下さっているけれど、最近は一緒にお茶をして過ごす時間もなく、寂しいわ。今日もこの場所にはいらっしゃらないし。

「んまぁ、あの酒宿場で聖女ちゃんが殺されそうになったのも事実だし? 皇族が、暗殺者を雇うのも今さら驚きもしねぇかなぁ? しっかし、暗殺未遂なんて起こしゃ、聖女ちゃんがモノホンだって、世間に言ってるようなもんだよねぇ☆」

 レジェロ様は鼻で笑うと、机に両足を放り出して言った。

「ま、まだ黒幕が皇族と決まったわけじゃあ……」

 彼の言う皇族の中には、ランスロット様も含まれている筈よね。
 私が、予想以上に聖女として悪目立ちをしてしまったせいで、暗殺しようとしたのかしら……? 
 そう考えると、血の気が引いてしまう。
 レジェロ様の言う通り、暗殺未遂のお陰で、私の事を知らなかった人々にまで、アリオーソの聖女という存在が知られ、帝都では式典の時に起きた神竜の件も再燃し、噂になっているんだとか。
 気になるのは、酒宿場の襲撃の時のような用意周到さはなく、白昼堂々私の命を奪いに来た事よね。
 ううん、あれは……あの暗殺者が私に近付く前に、レジェロ様が不審な人物に、気付いてくれたお陰だわ。
 側で立ってくれていなかったら、間近で、命を奪われてしまったかもしれないもの。

「ご安心下さい、聖女様。酒宿場で出逢った時から、貴女様とは不思議な御縁を感じておりました。私は、邪神を倒した英雄の一人……今度は聖女様のために、命懸けでお護りいたします」
「あ、ありがとう……ございます」

 頭の中で、色々と考えを纏めようとしていると、モッソ様はいきなり恭しく私の手を取り、口付け、目を輝かせた。慣れない貴族のマナーに、居心地が悪くなってしまった私は、レジェロ様へ助けを求めるかのように、視線を向ける。

「ちょっとちょっと~~、ドルチェちゃんが困ってるっしょ。勝手にお触りは禁止だかんね、先ずはウロボロスの騎士様である俺を通してくんね? よろしく、でっかい猫ちゃん♪」
「おい、次に俺の事を猫と呼んだら、首を圧し折るぞ」
「んじゃ、馴れ馴れしくドルチェちゃんに触んなって。次やったらてめぇ、ぶっ殺すからな。んで、結局ぅ、お前の調べからしてどうなんよ。依頼主から黒幕まで、もっと詳しく踏み込んだ事は、分かんねぇわけ? 男か女か、とか。まさかメヌエットちゃん、直々なわけ……ねぇか♡」

 め、メヌエット様が?
 レジェロ様は足を下ろすと、挑発的にモッソ様に顔を寄せ、中指を立てた。私はハラハラしながら、二人を見守るしかない。モッソ様は、眉間に皺を寄せると、レジェロ様に鋭い牙を見せて、低く唸る。

「あ、あのっ……」

 私はとても不安そうな顔をしていたみたいで、彼は咳払いをすると、気を取り直して話し始める。

「まさか、あの慈愛溢れる女帝陛下様が、そのような野蛮な事を、考える筈がなかろう。黒幕の方はまだ、調査中だが……、宮廷の者である事は間違いない。俺は、黒幕が帝国支配の安定を望む宰相か、帝国過激派のアンダンテ公爵じゃないかと睨んでいる。ただ、あの暗殺者に直接依頼したのが、エルフの女だって事は分かっているぞ」

 エルフの女、と言う言葉にレジェロ様の眉が、ピクリと動く。酒宿場を襲撃する事を命令したのが、ランスロット様だと仮定すると、彼の側にいるフィーネ様が、暗殺者に依頼したの?
 ううん、宮廷にはエルフの侍女もいるだろうし、近衛兵の中にもいるでしょう。それはともかくとして、黒幕はやっぱり帝国なのね……。

「やれやれ、まさかフィーネじゃねぇだろうなぁ。さすがに実の妹をぶっ殺すのは、夢見悪ぃからよ」
「フィーネ? あいつが、聖女様殺しを依頼する動機はないだろう。それに、邪神を倒した英雄の一人だ。秘境に住むオーガ族ならともかく、顔は割れている筈だからな」

 モッソ様の言う通りだわ。
 あんなに、美人だし英雄として帰還した方よ。
 ソルフェージュ帝国でも、魔法剣士という、珍しい技能を習得している有能な彼女を、他のエルフと見間違えるなんて事はないと思う。
 それに、レジェロ様の妹と敵対するのは嫌だし……別人であって欲しいわ。
 そんな事を思っていると、レジェロ様は珍しく無言のまま立ち上がり、モッソ様に金を、放り投げた。

「んじゃ、これは報酬の一部な♪ これからも、ドルチェちゃんの親衛隊として、引き続き黒幕調査、よろしこ」
「もちろんだ、我が命はアリオーソの聖女様の物で……」
「あっ……、れ、レジェロ様、待って。モッソ様、ごめんなさいっ……また今度!」

 珍しくレジェロ様が、私を置いて立ち去ろうとしたので、モッソ様にペコリと頭を下げると、慌ててレジェロ様の後を追い掛けた。

「レジェロ様、どこに行くの?」
「考え事しよっかなーって♪」
「さっきのお話し? もしかしてレジェロ様は、ランスロット様の命令を受けたフィーネ様が、暗殺者を雇ったと考えているの?」

 私の質問に、レジェロ様はチラリとこちらを見た。確かに、あの時ここに訪れたフィーネ様の雰囲気は怖かったけれど、酒宿場では、優しく声を掛けてくれたわ。
 それに、実の兄妹でお互い剣を抜くような事には、なって欲しくない。

「ん~~。こればっかは、あいつを絞めねぇと分かんねぇな。幻覚魔法ミラージュを使えば、姿を変えられるし? でもまぁ、そんだけ聖女ちゃんが、本格的に脅威になってきたってわけよ♡ だいじょーぶ、聖女ちゃんの命を狙うってんなら、仕方ねぇけどぶっ殺すだけ☆」

 物騒すぎる……。
 軽い感じで、レジェロ様は話しているけれど、前方を真っ直ぐ見つめる彼の視線は、普段と違っていて真剣な眼差しだわ。
 レジェロ様は長身で、私より歩幅が大きいから、いつもは私に合わせてくれるんだけど……今日は、ついて行くのにやっとな位だわ。それだけ、真剣に考え事をしているせいね。
 聖女として私が有名になれば、簡単に手は出して来ない、と踏んでいたレジェロ様は、次の手を早急に打たないと、と考えているのかも。
 ウロボロスの騎士として、あれこれ真剣に考えを巡らせ、私を護ろうとしてくれている事に、感謝の気持ちで一杯になる。

「あれ、ドルチェちゃん。もしかしてぇ……俺の部屋について来るつもりぃ?」
「う、うん……。考え事の邪魔をするつもりはないの。静かにしているわ。だから、レジェロ様のお部屋に行ってもいい?」
 
 私。離れるのが心細いって素直に言うべきかしら。
 そう言えば、レジェロ様が私の寝室に入り浸る事はしょっちゅうだけど、私の方から、レジェロ様のお部屋に行った事はないわ。うん……だって今までは私を護るためって言って、片時も離れないんだもの。 
 レジェロ様はニッと笑みを浮かべると、私の腰を抱き寄せ、壁に押し付けた。

「きゃっ……!」

 か、顔が近い……。
 レジェロ様って、口調や性格はともかく本当に顔だけは綺麗で、心臓に悪い。鍛えられた体だって、大きくて強くて温かくて……安心できるわ。
 私を命懸けで、助けようとしてくれる唯一のエルフだし。レジェロ様の事をちゃんと知りたい……、向き合いたい。いつの間にか、そう考える時間が増えている。

「え~~? 最近ご無沙汰だったっしょ。俺の部屋になんか来たら、気持ちいい事我慢できなくなっちゃうよ♡」

 唇が触れるか否かで煽る、レジェロ様に私は真っ赤になると、鼓動が早くなる。
 私だって子供じゃない。
 何度も、レジェロ様と営みをしているのだから、自分がどうなってしまうかだなんて、充分すぎるほど分かっているわ。
 私たちの始まりが営みなら、ウロボロスの騎士であるレジェロ様の絆が深まれば深まるほど、もっと聖女として強くなれるかもしれない。

「う、うん……それでも良いわ。でも、あの……私、もっとレジェロ様の事を知りたい。い、営みを……し、しても良いけどっ、お話もしたいし、もっと……繋がりたいの」

 思わずしどろもどろになってしまって、恥ずかしい事を口走る。私は何を言っているのかしら? あまりにも顔が近すぎて、私はレジェロ様の胸板に手を置く。
 掌から規則正しい鼓動を感じながら、恐る恐るレジェロ様を見つめると、珍しく彼は目を見開いていた。
 不意に私から退くと、頬をポリポリと掻き、首を傾げ、私を見つめる。
 今まで見た事がない表情だわ。
 うーん、これって……照れてるのかしら? 
 レジェロ様が、どういう気持ちなのか知りたい。

「な、なぁに? 私、変な事を言ったかしら」
「俺の事、知りたいの?」

 いつものふざけた口調じゃないわ。
 それが妙に気恥ずかしくて、胸が締め付けられる。何これ……変だわ、ドキドキするもの。

「う、うん。もちろん、レジェロ様が嫌がる事は聞かないわ。私だって話したい事は沢山あるの」 
「ん、良いよ。んじゃ、ドルチェちゃん抱きながら話してもいい? つーか、ドルチェちゃんさぁ、ついに俺の事本気で好きになっちゃったでしょ?」
「えっ……」
「俺があげた指輪も、いつも律儀に着けてるじゃんね♪」

 私の心臓が飛び跳ねた。
 過ごす時間が長くなればなるほど、私はレジェロ様を頼って、信頼するようになっていたのは確かだわ。
 彼に振り回されている所もあるけれど。指輪だって、なんとなく肌身離さず、毎日着けていると安心するし……やだ、なんかそう言われると顔が熱い。

「きゃっ」

 レジェロ様はニヤリと笑うと、私を抱き上げて部屋へと向かう。
 私は抵抗する事もなく、彼の首に抱きついた。
 内部の構造は私のお部屋と変らないけれど、生活感はない。綺麗に整頓されていて、アリア様に招かれた時のままじゃないかしら。
 必要最低限の物しか家具はなく、蒼い薔薇が飾られているだけで、私物もないようだわ。寝に帰るための部屋……という感じね。
 いつでも何かあれば、逃げられるようにしているのが、彼らしいわ。
 レジェロ様は私をベッドに優しく横たえると、私の横に寝転び頬杖をつき、お腹を撫でながら覗き込んできた。

「んで、聖女ちゃん、俺の何が聞きたいの~? 元カノっぽかった女? それとも経験人数? 俺はもう、ちゃんドル命♡に、なってっからそこは安心して♪」
「ち、違うっ……レジェロ様、そう言うのは聞きたくないわ。邪神軍をどうして倒そうと思ったとか、フィーネ様や、家族の事とか」

 首筋に唇を這わせていたレジェロ様が、目を細めながら私の紋章を擽ると、敏感に体が反応する。
 紋章をレジェロ様に撫でられると、まるで媚薬を飲んだみたいに、体が熱くなるわ。

「んーー。家族ねぇ。つまんねぇ話だよ。あの時代、どこにでも転がってるようなお涙頂戴なやつ。俺達はソルフェージュ帝国の西にある連合国のひとつ、ビバーチェで育った。あっこには、エルフの集落があるんで」
「はっ……んっ……ビバーチェ……? 確かあそこは……」

 ビバーチェは、西の小国ね。
 今は復興しているけれど、過去には邪神軍によって、壊滅状態まで襲撃された事がある場所だって、聞いた事があるわ。そこから、難民となった人々が大陸中、散り散りになったらしいけれど。
 レジェロ様と目があった瞬間、何かに引き込まれるような感覚がした。
 始めて営みをしたあの時のように、眼前に不思議な光景が広がり、私は動揺する。
 美しい緑、どこまでも続く青い空、そして、太陽に照らされた大きな白い月……。こんなにもよく見える場所があるのね、綺麗だわ。
 異国を思わせる樹木を模して造られた建造物は、エルフ達が好んで使う、不思議な模様や、古代のハイエルフ語が描かれていて、神秘的だわ。
 ここはもしかして、ビバーチェにあるエルフの集落かしら?

(あ……あれは)
 
 エルフの小さな男の子と女の子が走っている。私は本能的に、この二人は兄妹で、レジェロ様とフィーネ様なんだと確信したの。
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