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17 偽りの聖女②
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「地下には、邪教の信者が隠れていると言う噂を耳にした事があるぞ」
「あの地下神殿は連合騎士団が潰したという話だったじゃないの。生き残りかしら……なんとおぞましい」
わ……私が邪神の魔女……?
ランスロット様が、声高らかに宣言すると、その場は凍り付き、ざわざわと騒がしくなってしまったの。私の体は、まるで無数の視線の針に刺されているみたいで、例えようもない恐怖を感じるわ。
混乱の最中、連合騎士団を掻き分けるようにして、騒ぎを聞きつけたフィーネ様達が駆け寄ってきた。モッソ様は驚愕の表情で目を見開き、ラルゴ様は無表情で私を見ているわ。フィーネ様は「あの馬鹿」と悪態をついて、舌打ちをする。
私は、自分の置かれている状況を再確認し、恐怖で体を強張らせながら、成り行きを見守るしか出来なかった。
私はこのまま地下牢に繋がれて、処刑されてしまうの?
帝国民の人集りはやがて、衛兵によって追い払われ、散り散りになり、その場に集まっていた人々は、宮殿から追い出されてしまっているようだわ。
「あぁ、ちょっと良いかなぁ~~、ランスロットくん。ドルチェちゃんを地下牢に繋ぐんなら、この俺も一緒にしてくんね? 悪ぃけど俺、極悪人からこの子を一生護るって、誓いを立てた、騎士様だかんね♡」
レジェロ様はニヤリと笑うと、ランスロット様に向けて中指を立てて舌を出した。
「ほう。それは残念だな、レジェロ。お前は常に自分の利益しか頭にない男だから、いずれこうなるだろうと思っていたが。邪神の魔女からなにか、良からぬ事を持ち掛けられたのだろう。俺を裏切り、仲間を裏切り、ソルフェージュ帝国を裏切って悪に加担するとわな。その男も地下牢に繋いでおけ。ただし、お前は、この娘とは遥か遠く離れた監獄へ連れて行ってやる」
その言葉と共に、レジェロ様は背後から頭を殴られ、膝をついたところを縛られてしまった。悲鳴を上げた私の両手を、再び騎士が乱暴に掴むと、あまりにも痛くて小さく呻き声を上げてしまったの。
「い、いゃ、離して!」
「お待ち下さい、ランスロット様」
静かなよく通る女性の声が響くと、騎士達の動きが止まる。
私とレジェロ樣を取り囲んでいた人々が道を開けると、そこには質素な深紫のドレスに身を包み、黒いヴェールを頭から被った金髪の女性が立っていた。
彼女を護るように、魔法使いの男性達と、巫女と思わしき女性達が、彼女の背後に控えているわ。どこか、メヌエット様の面影を感じる。
あの方はもしかして……?
「これはこれは、アリア様。皇族を離れ、生涯女神ブリッランテに身を捧げる貴女様が、ソルフェージュ城にいらっしゃるとは驚きました。お父上様のご逝去の時でさえ、貴女様は、宮殿に現れなかったと言うのに」
やっぱりアリア様だわ。
でも、どうしてここにいらっしゃるの?
だって、私が案内された来賓席ではお姿をお見掛けしなかったもの。
ブリッランテの神殿へ向かわれてからは、そのお姿を帝国民に、お見せになる事はなかった筈。それなのに、今日に限って現れるなんてと思いながら、私は何故か少し安堵したわ。
アリア様は、ランスロット様の問い掛けに臆する事もなく、閉じた瞼を薄っすらと開けた。
「女神ブリッランテ樣の啓示が視えたのです。わたくしはこの日を、以前より予言し、約束の日にソルフェージュ城を訪れました。これより、この方の処遇は、わたくしとブリッランテ神殿に委ねられます」
「神竜を狂わせた娘を、ブリッランテ神殿に? それではアリア様の身に危険が及びましょう。邪神の魔女が持つ力は、一瞬にして神竜を殺すほどだ」
暗雲が垂ちこめる空の下、ランスロット樣の漆黒のマントが風に靡く。
ランスロット様には、死竜と化してしまった神竜が、見えなかったのかしら?
それとも……最初から知っていて?
あの夢の事が、どうしても頭の中から離れなくて、邪推をしてしまうわ。
ふとレジェロ様を見ると、この状況を楽しんでいるようで、縛られて胡座をかいたまま、楽しそうにニヤニヤと笑っていた。
「ご心配ありません、ランスロット樣。ブリッランテには種族や性別を問わず、優秀な魔法使いが揃っております。わたくしは『この事』を、生前からお父様に伝えておりました。古来よりソルフェージュの皇帝は、予言の巫女の言葉に耳を傾け、帝国を導いています。それはこの度即位された、女帝メヌエット様も、ご存知でしょう」
アリア様は静かに、光を失った瞳でランスロット樣を見つめている。
そんな事は、全然知らなかったけれど、いくら皇族が女神アリオーソを信仰していても、女神ブリッランテに選ばれた力の強い『予言の巫女』の力は無視出来ない……という事なのかしら?
ランスロット様は鼻を鳴らすと、腕を組んで言った。
「仕方がありませんね。俺はまだ皇族の一員ではない。今後の処遇は、メヌエット様のご判断にお任せ致しましょう。それまでは、ブリッランテ神殿で、その娘を拘束されるといい。アリア様も、くれぐれもこの男のように、邪神の魔力に惑わされないように願いますよ」
呆れたように溜息をついて、ランスロット様がそういうと、レジェロ樣の腕を騎士達が掴んで、強引に立たせた。もしかして、彼を地下牢に閉じ込める気なのかしら?
「ま、待って下さい! ランスロット様。レジェロ様も……私と共にブリッランテ神殿にっ」
ランスロット様は不敵に笑うと、私の元まで歩み寄り、ゆっくりと跪いて、私の顎を掴んだ。
「俺に、そんな要求が出来る立場にあるとでも思っているのか、ドルチェ」
彼の言葉に体が反射的にビクリと震えて、硬直する。そうね、ここにいる人達は皆、私の事を、邪神の魔女だと思っているのですもの。
こんな形で、ランスロット様に自分の名前を覚えられるなんて、思いもしなかったわ。
ふと、項垂れた私へ助け舟を出すように、アリア様が言った。
「ランスロット様。そのエルフは、こちらで拘束致しましょう。獣人やオーガとは異なり、エルフには魔力があります。こちらではそれらを封じる、ソルフェージュの地下牢より、強力な魔法の檻がありますので」
「その男には関係ない。簡単に檻を破るぞ。好きにするといい、俺は警告はした。その男を逃せば、貴女の立場も危うくなるだけだからな。この事はメヌエット様に報告しておきましょう」
ランスロット様がそう言って嘲笑う。
それを言い終わる前に、レジェロ様は自分で勝手に、縄を外していたけれど。
ランスロット様は余裕の表情を浮かべながら、騎士団を引き連れて宮殿の方へ向かってしまったわ。
「いやぁ、ナイスタイミング! さっすがはアリアちゃん♡ あいつらブチ殺すのは簡単だけど、プラスでランスロットはこの俺でも、ちょい、きちぃな~~と思ってたんでサンクス✩」
レジェロ様は相変わらず軽い調子でそう言うと、私の腕を縛っていた縄を解いて、抱き上げてくれたの。アリア様は、そんふざけた様子のレジェロ樣を無視して、私の前までくると、手探りで恭しく地面に跪いた。
「どうか数々のご無礼をお許し下さいませ、聖女様。貴女様がアレクサンドラ大陸に降臨される事を、心よりお待ちしておりました」
「あ、アリア……様。お立ちになって下さい」
突然の事に驚いた私は、彼女を戸惑うように見た。
✥✥✥
私達はその後、転移魔法で、女神ブリッランテの神殿の内部まで移動した。
初めて、魔法で移動する事を経験したから、私は少し気分が悪くなったけれど、あまりにも美しく神秘的な神殿の内部に溜息を漏らした。黄金の輪が四方八方に組み合わさった装置に、色取り取りの宝石がついている。
「ほーん、さっすがは本場の魔導瞬間移動装置は違うねぇ♪ ピッカピッカ! 遥か遠く離れた連合国まで飛べるって噂よ。つーかさぁ、邪神退治の時にでも、使わせて欲しかったな~~♪ んでね、ドルチェちゃん。あそこについてる魔石一つだけでもさぁ、売ったらン十万の価値があるよん♡」
「もう! レジェロ様ってばこんな時に辞めて。失礼だわ。誤解されるじゃない。それにしてもここは、神殿の地下なのかしら? 空が高いわ」
ブリッランテ神殿の頭上には、夜になると魔力のオーロラが見えるの。円形の神殿の上には月と太陽がちょうど頭上にくるように設計されていると、聞いた事があるわ。
「ええ。私達は時に、この魔力のオーロラの力とゲートを借りてアレクサンドラ大陸の最果てまで向かうのです。星も月も太陽も、占星術には欠かせません。七神はお互い作用しあい、信頼し、必要としてこの世界の全ては成り立っているのです」
盲目のアリア様は、杖をつきエルフの巫女に手を借りながら歩くと、私達に説明をして静かに微笑みかけてくれたの。たとえ魔力を司る女神であっても、太陽の男神グランディオーソ、月の女神エレジー、星の女神ヴィヴァーチェの力を借りなければいけないという事なのかしら。
なんだかとても、神秘的で感動するわ。
「ところで聖女様、あの時、地面に押さえつけられたのではありませんか? 聖女様の着替えを用意しております。終えられましたら、お伝えしたい事がありますので、レジェロ様とご一緒に、いらして下さいませ」
そういうと、アリア様が私の手を握った。温かく優しいアリア様の手に触れると、私は緊張の糸が切れたように、一気に涙が溢れた。
★★★★★
★ミニ世界設定。
オラトリオの王都の地下には、かつて邪神を崇拝するカルト教団の神殿がありましたが、連合騎士団により掃討され、埋められている。隠れて信仰する者もいるが、ほぼ処刑されています。
「あの地下神殿は連合騎士団が潰したという話だったじゃないの。生き残りかしら……なんとおぞましい」
わ……私が邪神の魔女……?
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混乱の最中、連合騎士団を掻き分けるようにして、騒ぎを聞きつけたフィーネ様達が駆け寄ってきた。モッソ様は驚愕の表情で目を見開き、ラルゴ様は無表情で私を見ているわ。フィーネ様は「あの馬鹿」と悪態をついて、舌打ちをする。
私は、自分の置かれている状況を再確認し、恐怖で体を強張らせながら、成り行きを見守るしか出来なかった。
私はこのまま地下牢に繋がれて、処刑されてしまうの?
帝国民の人集りはやがて、衛兵によって追い払われ、散り散りになり、その場に集まっていた人々は、宮殿から追い出されてしまっているようだわ。
「あぁ、ちょっと良いかなぁ~~、ランスロットくん。ドルチェちゃんを地下牢に繋ぐんなら、この俺も一緒にしてくんね? 悪ぃけど俺、極悪人からこの子を一生護るって、誓いを立てた、騎士様だかんね♡」
レジェロ様はニヤリと笑うと、ランスロット様に向けて中指を立てて舌を出した。
「ほう。それは残念だな、レジェロ。お前は常に自分の利益しか頭にない男だから、いずれこうなるだろうと思っていたが。邪神の魔女からなにか、良からぬ事を持ち掛けられたのだろう。俺を裏切り、仲間を裏切り、ソルフェージュ帝国を裏切って悪に加担するとわな。その男も地下牢に繋いでおけ。ただし、お前は、この娘とは遥か遠く離れた監獄へ連れて行ってやる」
その言葉と共に、レジェロ様は背後から頭を殴られ、膝をついたところを縛られてしまった。悲鳴を上げた私の両手を、再び騎士が乱暴に掴むと、あまりにも痛くて小さく呻き声を上げてしまったの。
「い、いゃ、離して!」
「お待ち下さい、ランスロット様」
静かなよく通る女性の声が響くと、騎士達の動きが止まる。
私とレジェロ樣を取り囲んでいた人々が道を開けると、そこには質素な深紫のドレスに身を包み、黒いヴェールを頭から被った金髪の女性が立っていた。
彼女を護るように、魔法使いの男性達と、巫女と思わしき女性達が、彼女の背後に控えているわ。どこか、メヌエット様の面影を感じる。
あの方はもしかして……?
「これはこれは、アリア様。皇族を離れ、生涯女神ブリッランテに身を捧げる貴女様が、ソルフェージュ城にいらっしゃるとは驚きました。お父上様のご逝去の時でさえ、貴女様は、宮殿に現れなかったと言うのに」
やっぱりアリア様だわ。
でも、どうしてここにいらっしゃるの?
だって、私が案内された来賓席ではお姿をお見掛けしなかったもの。
ブリッランテの神殿へ向かわれてからは、そのお姿を帝国民に、お見せになる事はなかった筈。それなのに、今日に限って現れるなんてと思いながら、私は何故か少し安堵したわ。
アリア様は、ランスロット様の問い掛けに臆する事もなく、閉じた瞼を薄っすらと開けた。
「女神ブリッランテ樣の啓示が視えたのです。わたくしはこの日を、以前より予言し、約束の日にソルフェージュ城を訪れました。これより、この方の処遇は、わたくしとブリッランテ神殿に委ねられます」
「神竜を狂わせた娘を、ブリッランテ神殿に? それではアリア様の身に危険が及びましょう。邪神の魔女が持つ力は、一瞬にして神竜を殺すほどだ」
暗雲が垂ちこめる空の下、ランスロット樣の漆黒のマントが風に靡く。
ランスロット様には、死竜と化してしまった神竜が、見えなかったのかしら?
それとも……最初から知っていて?
あの夢の事が、どうしても頭の中から離れなくて、邪推をしてしまうわ。
ふとレジェロ様を見ると、この状況を楽しんでいるようで、縛られて胡座をかいたまま、楽しそうにニヤニヤと笑っていた。
「ご心配ありません、ランスロット樣。ブリッランテには種族や性別を問わず、優秀な魔法使いが揃っております。わたくしは『この事』を、生前からお父様に伝えておりました。古来よりソルフェージュの皇帝は、予言の巫女の言葉に耳を傾け、帝国を導いています。それはこの度即位された、女帝メヌエット様も、ご存知でしょう」
アリア様は静かに、光を失った瞳でランスロット樣を見つめている。
そんな事は、全然知らなかったけれど、いくら皇族が女神アリオーソを信仰していても、女神ブリッランテに選ばれた力の強い『予言の巫女』の力は無視出来ない……という事なのかしら?
ランスロット様は鼻を鳴らすと、腕を組んで言った。
「仕方がありませんね。俺はまだ皇族の一員ではない。今後の処遇は、メヌエット様のご判断にお任せ致しましょう。それまでは、ブリッランテ神殿で、その娘を拘束されるといい。アリア様も、くれぐれもこの男のように、邪神の魔力に惑わされないように願いますよ」
呆れたように溜息をついて、ランスロット様がそういうと、レジェロ樣の腕を騎士達が掴んで、強引に立たせた。もしかして、彼を地下牢に閉じ込める気なのかしら?
「ま、待って下さい! ランスロット様。レジェロ様も……私と共にブリッランテ神殿にっ」
ランスロット様は不敵に笑うと、私の元まで歩み寄り、ゆっくりと跪いて、私の顎を掴んだ。
「俺に、そんな要求が出来る立場にあるとでも思っているのか、ドルチェ」
彼の言葉に体が反射的にビクリと震えて、硬直する。そうね、ここにいる人達は皆、私の事を、邪神の魔女だと思っているのですもの。
こんな形で、ランスロット様に自分の名前を覚えられるなんて、思いもしなかったわ。
ふと、項垂れた私へ助け舟を出すように、アリア様が言った。
「ランスロット様。そのエルフは、こちらで拘束致しましょう。獣人やオーガとは異なり、エルフには魔力があります。こちらではそれらを封じる、ソルフェージュの地下牢より、強力な魔法の檻がありますので」
「その男には関係ない。簡単に檻を破るぞ。好きにするといい、俺は警告はした。その男を逃せば、貴女の立場も危うくなるだけだからな。この事はメヌエット様に報告しておきましょう」
ランスロット様がそう言って嘲笑う。
それを言い終わる前に、レジェロ様は自分で勝手に、縄を外していたけれど。
ランスロット様は余裕の表情を浮かべながら、騎士団を引き連れて宮殿の方へ向かってしまったわ。
「いやぁ、ナイスタイミング! さっすがはアリアちゃん♡ あいつらブチ殺すのは簡単だけど、プラスでランスロットはこの俺でも、ちょい、きちぃな~~と思ってたんでサンクス✩」
レジェロ様は相変わらず軽い調子でそう言うと、私の腕を縛っていた縄を解いて、抱き上げてくれたの。アリア様は、そんふざけた様子のレジェロ樣を無視して、私の前までくると、手探りで恭しく地面に跪いた。
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「あ、アリア……様。お立ちになって下さい」
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✥✥✥
私達はその後、転移魔法で、女神ブリッランテの神殿の内部まで移動した。
初めて、魔法で移動する事を経験したから、私は少し気分が悪くなったけれど、あまりにも美しく神秘的な神殿の内部に溜息を漏らした。黄金の輪が四方八方に組み合わさった装置に、色取り取りの宝石がついている。
「ほーん、さっすがは本場の魔導瞬間移動装置は違うねぇ♪ ピッカピッカ! 遥か遠く離れた連合国まで飛べるって噂よ。つーかさぁ、邪神退治の時にでも、使わせて欲しかったな~~♪ んでね、ドルチェちゃん。あそこについてる魔石一つだけでもさぁ、売ったらン十万の価値があるよん♡」
「もう! レジェロ様ってばこんな時に辞めて。失礼だわ。誤解されるじゃない。それにしてもここは、神殿の地下なのかしら? 空が高いわ」
ブリッランテ神殿の頭上には、夜になると魔力のオーロラが見えるの。円形の神殿の上には月と太陽がちょうど頭上にくるように設計されていると、聞いた事があるわ。
「ええ。私達は時に、この魔力のオーロラの力とゲートを借りてアレクサンドラ大陸の最果てまで向かうのです。星も月も太陽も、占星術には欠かせません。七神はお互い作用しあい、信頼し、必要としてこの世界の全ては成り立っているのです」
盲目のアリア様は、杖をつきエルフの巫女に手を借りながら歩くと、私達に説明をして静かに微笑みかけてくれたの。たとえ魔力を司る女神であっても、太陽の男神グランディオーソ、月の女神エレジー、星の女神ヴィヴァーチェの力を借りなければいけないという事なのかしら。
なんだかとても、神秘的で感動するわ。
「ところで聖女様、あの時、地面に押さえつけられたのではありませんか? 聖女様の着替えを用意しております。終えられましたら、お伝えしたい事がありますので、レジェロ様とご一緒に、いらして下さいませ」
そういうと、アリア様が私の手を握った。温かく優しいアリア様の手に触れると、私は緊張の糸が切れたように、一気に涙が溢れた。
★★★★★
★ミニ世界設定。
オラトリオの王都の地下には、かつて邪神を崇拝するカルト教団の神殿がありましたが、連合騎士団により掃討され、埋められている。隠れて信仰する者もいるが、ほぼ処刑されています。
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