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【龍月編】
晴れない気持ちと二人の距離②(※性描写あり)
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鳴麗が、宮廷の職について一カ月ほどたった。
職場に慣れてきた彼女が、徐々に任される仕事量も増え、今日はいつもより遅い帰宅になってしまった。最近の龍月は、あいかわらず仕事に追われているようで、自分よりも帰ってくるのが遅く、巻物を持ち帰っては、自室に籠もり、仕事に明け暮れることも少なくなかった。
鳴麗は、そんなすれ違いの生活が寂しくて、一緒に住んでいるのにも関わらず、義兄が恋しくてしかたなかった。
「水狼のいうように、私ってばまだまだ幼獣で、兄さん離れできてないのかなぁ。はぁ………」
もう『月の印』が出て、立派な成獣の雌になったのに、あれから激しい衝動にかられるようなこともない。仕事中に、あんな衝動が起こったら大変なので、安堵しているものの、鳴麗は、もしかして『月の印』が消えてしまったんじゃないかと、不安になっていた。
あれば厄介だが、無くなったら無くなったで不安になってしまい、この体の変化に、すっかり自分は振り回されているような気がして溜息をついた。もしかして、このまま立派な黒龍の姿になれなかったらどうしよう、そんなことさえ思ってしまう。
「ただいまー! あれ、龍月兄さん今日も遅いのかな」
しゅん、と耳をしならせる鳴麗は花彫の食卓机に達筆な字で書かれた手紙が置かれていることに気が付いた。椅子に座り、鳴麗は、尻尾を猫のようにゆらゆらと揺らしながら読む。
『鳴麗へ 今日は体調があまり思わしくないので先に休む。申し訳ないが、食事は自分で作って食べてくれ。兄より』
その内容を読むと、鳴麗は一気に心配になってしまった。やっぱり働きすぎではないだろうか? 龍月は、高級官吏の中で最年少、優秀で仕事が早い。家事も完璧だし、とってもかっこう良くて優しいから、玄武様が信頼し、頼るのも良くわかる。
でも、大好きな義兄の健康は心配だ。なにより大切な家族と一緒に過ごす時間が減ってしまって悲しい。
玄武様は尊敬する、大好きな四神さまだけど、こうなったら、不敬覚悟で龍月のために直談判するべきか、と鳴麗は拳を作って頬を膨らませた。
過保護な両親から独立する条件として、両親が突きつけたのは、義兄のお屋敷に一緒に住むということだった。龍月とずっと一緒にいたい鳴麗にとっては、願ったり叶ったりだ。
仲の良い友だちは、鳴麗に番の雄や好きな雄のことを話しては、鳴麗も、早く好きな番を見つけるべきだと言うけれど、鳴麗としては龍月と一緒にいられればそれだけでいいし、満足だった。
いつか、好きな雄ができたり龍月に番ができたときは考えなければならないが、そんな日は永遠に来なくても良いとさえ思っていた。
「やっぱり兄離れできてないや。でも、とりあえず龍月兄さんが心配だし、起こさないように様子を見に行こうかな」
お湯を沸かして、温かいお茶を煎れると鳴麗は盆を持って、龍月の寝室へと向かった。花彫の格子戸を、音を立てないようにして開けると、油燈は消されているようで部屋の中は薄暗く、満月の明かりでぼんやりと様子が伺えた。
花鳥彫の書斎机、天蓋付きの床几、整理整頓された部屋は義兄の性格をよくあらわしている。
机の上に膳を置くと、寝返りを打ったように布団が動いたので、忍び足で龍月のところまで向かった。
中衣姿の龍月は黒髪を下ろし、首筋に汗が滲んでいる。呼吸も荒く、つらそうに見えたので義兄の額に触れようとすると手首を捕まれ、鳴麗は心臓か飛び出しそうになるほど驚いた。
「ひぇえっ!!」
「はぁ……、っ……ミン………リィ……なぜ、私の部屋に……はぁ、今は自分の部屋に戻っていなさい……」
「龍月兄さん、起こしてごめんなさい。で、でも顔が赤いよ? お熱があるんじゃない? お医者さまを呼ぶ?」
頬を染めた龍月の瞳は艷やかで、こんな時なのに、妙にドキドキしてしまう。美人な義兄はこんな時でも綺麗で、淫らだ。
ずいぶんと具合が悪そうだし、医者を呼ばなければ、と焦る鳴麗の手首を持つと、龍月は辛そうに体を起こした。
義妹には、体調を崩しているように見えているのかも知れないが、そうではない。他の黒龍の、特に雄の『月の印』を見たことがない鳴麗はとまどうばかりだ。
久々に強い症状が出てしまい、龍月は自室に篭もっていた。本当は、そうなる前にカルマを買ったりするのだが、最近では鳴麗のことを思って控え、自分で処理をしていた。
しかし最近はめっきり仕事が忙しく、家に帰っては泥のように眠り、小さな症状を見送って我慢していたら、反動のように大きな性欲がやってきたのだ。
部屋に入るな、と書いておくべきだったと後悔したが、鳴麗は心配そうに額をくっつけてくる。
「やめろ……、私から……離れなさい。だめだ……鳴………麗」
「な、なんで? 心配だもん!」
雄の『月の印』は歯止めが効かなくなる。それも、愛している雌に触れられてしまったらもう抑えようがない。
義妹に最後まで手を出さないという兄としての理性が働かなくなってしまえば、彼女を傷つけてしまう。だが、両手で鳴麗の頬を包み込むと発作的に口づけた。
「んっ……んんっ……んぅ……兄さ……んっ、はぁ、はぁ……あっ……はぁ、また……きちゃった……『月の印』が」
この間の口づけとはまるで違う、もっと成獣の雄を感じさせるような、情熱的で深くて甘いものだった。舌が絡まると、鳴麗は背中からぞくぞくと忘れかけていた『月の印』の感覚が蘇ってきた。
自分と同じように、甘い吐息を漏らす可愛らしい義妹を見ると、もう、龍月は気持ちを抑えることができなくなってしまった。
義妹を抱き寄せ、床几《しょうぎ》の上に押し倒し、吐息を漏らしながら熱っぽい視線を向けた。
綺麗な長い黒髪が鳴麗の頬をくすぐる。
「はぁ……、もう、がまん……できない。鳴麗……私を、突き飛ばして逃げ……はぁっ……なさい」
「はぁっ、ん……ゃ、逃げない……龍月兄さん……はぁ、くるしいもん……はぁ、兄さんも同じなの? はぁっ……んっ、兄さんじゃなきゃいや」
「っ……もう、どうなっても知らないぞ。はぁっ……」
ようやく、鳴麗は龍月も同じ症状で苦しんでいるのだと知った。血の繋がりは無いが、大事な家族である龍月と、一線を越えてしまっていいわけがない。けれど、もし初めての交尾をするなら大好きな義兄が良いと鳴麗は思った。
「う……ん、龍月兄さん、好き!」
職場に慣れてきた彼女が、徐々に任される仕事量も増え、今日はいつもより遅い帰宅になってしまった。最近の龍月は、あいかわらず仕事に追われているようで、自分よりも帰ってくるのが遅く、巻物を持ち帰っては、自室に籠もり、仕事に明け暮れることも少なくなかった。
鳴麗は、そんなすれ違いの生活が寂しくて、一緒に住んでいるのにも関わらず、義兄が恋しくてしかたなかった。
「水狼のいうように、私ってばまだまだ幼獣で、兄さん離れできてないのかなぁ。はぁ………」
もう『月の印』が出て、立派な成獣の雌になったのに、あれから激しい衝動にかられるようなこともない。仕事中に、あんな衝動が起こったら大変なので、安堵しているものの、鳴麗は、もしかして『月の印』が消えてしまったんじゃないかと、不安になっていた。
あれば厄介だが、無くなったら無くなったで不安になってしまい、この体の変化に、すっかり自分は振り回されているような気がして溜息をついた。もしかして、このまま立派な黒龍の姿になれなかったらどうしよう、そんなことさえ思ってしまう。
「ただいまー! あれ、龍月兄さん今日も遅いのかな」
しゅん、と耳をしならせる鳴麗は花彫の食卓机に達筆な字で書かれた手紙が置かれていることに気が付いた。椅子に座り、鳴麗は、尻尾を猫のようにゆらゆらと揺らしながら読む。
『鳴麗へ 今日は体調があまり思わしくないので先に休む。申し訳ないが、食事は自分で作って食べてくれ。兄より』
その内容を読むと、鳴麗は一気に心配になってしまった。やっぱり働きすぎではないだろうか? 龍月は、高級官吏の中で最年少、優秀で仕事が早い。家事も完璧だし、とってもかっこう良くて優しいから、玄武様が信頼し、頼るのも良くわかる。
でも、大好きな義兄の健康は心配だ。なにより大切な家族と一緒に過ごす時間が減ってしまって悲しい。
玄武様は尊敬する、大好きな四神さまだけど、こうなったら、不敬覚悟で龍月のために直談判するべきか、と鳴麗は拳を作って頬を膨らませた。
過保護な両親から独立する条件として、両親が突きつけたのは、義兄のお屋敷に一緒に住むということだった。龍月とずっと一緒にいたい鳴麗にとっては、願ったり叶ったりだ。
仲の良い友だちは、鳴麗に番の雄や好きな雄のことを話しては、鳴麗も、早く好きな番を見つけるべきだと言うけれど、鳴麗としては龍月と一緒にいられればそれだけでいいし、満足だった。
いつか、好きな雄ができたり龍月に番ができたときは考えなければならないが、そんな日は永遠に来なくても良いとさえ思っていた。
「やっぱり兄離れできてないや。でも、とりあえず龍月兄さんが心配だし、起こさないように様子を見に行こうかな」
お湯を沸かして、温かいお茶を煎れると鳴麗は盆を持って、龍月の寝室へと向かった。花彫の格子戸を、音を立てないようにして開けると、油燈は消されているようで部屋の中は薄暗く、満月の明かりでぼんやりと様子が伺えた。
花鳥彫の書斎机、天蓋付きの床几、整理整頓された部屋は義兄の性格をよくあらわしている。
机の上に膳を置くと、寝返りを打ったように布団が動いたので、忍び足で龍月のところまで向かった。
中衣姿の龍月は黒髪を下ろし、首筋に汗が滲んでいる。呼吸も荒く、つらそうに見えたので義兄の額に触れようとすると手首を捕まれ、鳴麗は心臓か飛び出しそうになるほど驚いた。
「ひぇえっ!!」
「はぁ……、っ……ミン………リィ……なぜ、私の部屋に……はぁ、今は自分の部屋に戻っていなさい……」
「龍月兄さん、起こしてごめんなさい。で、でも顔が赤いよ? お熱があるんじゃない? お医者さまを呼ぶ?」
頬を染めた龍月の瞳は艷やかで、こんな時なのに、妙にドキドキしてしまう。美人な義兄はこんな時でも綺麗で、淫らだ。
ずいぶんと具合が悪そうだし、医者を呼ばなければ、と焦る鳴麗の手首を持つと、龍月は辛そうに体を起こした。
義妹には、体調を崩しているように見えているのかも知れないが、そうではない。他の黒龍の、特に雄の『月の印』を見たことがない鳴麗はとまどうばかりだ。
久々に強い症状が出てしまい、龍月は自室に篭もっていた。本当は、そうなる前にカルマを買ったりするのだが、最近では鳴麗のことを思って控え、自分で処理をしていた。
しかし最近はめっきり仕事が忙しく、家に帰っては泥のように眠り、小さな症状を見送って我慢していたら、反動のように大きな性欲がやってきたのだ。
部屋に入るな、と書いておくべきだったと後悔したが、鳴麗は心配そうに額をくっつけてくる。
「やめろ……、私から……離れなさい。だめだ……鳴………麗」
「な、なんで? 心配だもん!」
雄の『月の印』は歯止めが効かなくなる。それも、愛している雌に触れられてしまったらもう抑えようがない。
義妹に最後まで手を出さないという兄としての理性が働かなくなってしまえば、彼女を傷つけてしまう。だが、両手で鳴麗の頬を包み込むと発作的に口づけた。
「んっ……んんっ……んぅ……兄さ……んっ、はぁ、はぁ……あっ……はぁ、また……きちゃった……『月の印』が」
この間の口づけとはまるで違う、もっと成獣の雄を感じさせるような、情熱的で深くて甘いものだった。舌が絡まると、鳴麗は背中からぞくぞくと忘れかけていた『月の印』の感覚が蘇ってきた。
自分と同じように、甘い吐息を漏らす可愛らしい義妹を見ると、もう、龍月は気持ちを抑えることができなくなってしまった。
義妹を抱き寄せ、床几《しょうぎ》の上に押し倒し、吐息を漏らしながら熱っぽい視線を向けた。
綺麗な長い黒髪が鳴麗の頬をくすぐる。
「はぁ……、もう、がまん……できない。鳴麗……私を、突き飛ばして逃げ……はぁっ……なさい」
「はぁっ、ん……ゃ、逃げない……龍月兄さん……はぁ、くるしいもん……はぁ、兄さんも同じなの? はぁっ……んっ、兄さんじゃなきゃいや」
「っ……もう、どうなっても知らないぞ。はぁっ……」
ようやく、鳴麗は龍月も同じ症状で苦しんでいるのだと知った。血の繋がりは無いが、大事な家族である龍月と、一線を越えてしまっていいわけがない。けれど、もし初めての交尾をするなら大好きな義兄が良いと鳴麗は思った。
「う……ん、龍月兄さん、好き!」
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