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第二部 天魔界編
漆、天と地の暴君―其の伍―
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『なにさ、誰かと思ったらあんたなの。ちょっと……あんた、魔羅が勃ってるわよ』
「さ、さ、朔ちゃん!」
「まぁ……これは仕方ない。ったく、お前ら揃いも揃って、第六天魔王様と呼べって言ってんだろーが。あぁ、その女に確かめたい事がある」
紅雀は朔が、妖魔の誰しもが恐れる第六天魔王だと言うことも完全に無視して、布で隠す素振りも見せず陰茎を、天に向かって反り返らせている彼を呆れたように指さした。
若菜との女同士の秘密の戯れを楽しんでいた紅雀は少々、機嫌を悪くしたが子供の頃から知っているはずの朔の裸体に頬を染めて、視線を反らしている若菜を見ると、妖艶に微笑む。
『ねぇ、若菜。あんた、半年ぶりに朔に会ったんだろう? もっとたっぷり愛して貰いなさいよ。私も手伝うからさ……ねぇ、魔王様?』
「ふん、お前に言われなくてもその女は犯すつもりだったがな。俺が欲しくて風呂で盛って誘ってたんだろ? なぁ『神の繭』」
あえて高圧的に、若菜と紅雀に言うと見下すように朔は言うと、二人の傍まで歩み寄り、潤んだ蜜色の瞳で見上げてくる若菜を見下ろした。澄んだ蜂蜜色の瞳と視線が合うと、やはり胸がざわめき、軽く舌打ちする。
あの時の『神の繭』と違う所は、この視線のせいなのかもしれない。
心が飲み込まれてしまいそうなおかしな浮遊感に鼓動が早くなり、勃起した魔羅がピクピクと脈打つ。
「そ、そんなつもりは無かったけど……あ、あの、お風呂でごめんなさい」
紅くなりながら、痴態を詫びる若菜の背後に回った紅雀が、恥ずかしそうにする若菜の両の太腿をゆっくりと開くと、わずかに小さな悲鳴をあげた。
紅雀に愛撫された花弁は、お湯と愛液で濡れてキラキラと輝いている。
このまま、若菜を押し倒して乱暴に犯したい衝動に狩られたが、他の男に触れられたこの娘を、じっくりと穢して自分のものにしたいという欲求にも狩られた。
そして何より誰にも渡さず、自分のもとに繋ぎ止めて置きたいという執着心。
天魔界の女はすべて自分のもの、望めばいつでも手に入り、掃いて捨てるほど存在する彼女達に、なんの執着も未練も無かった筈だ。
しかし、若菜を目の前にすると今までにない感情に振り回され、魔王はうんざりとしていた。
「封印が解かれてから、どういう訳か他の女を抱けなくなった。俺の知る『神の繭』では一度も起きなかった現象だぞ。お前は一体どんな秘密を隠し持ってる? まさか朔の義姉だからという、下らん理由じゃねぇだろ?」
一瞬、目を丸くして苦笑する紅雀を無視して、朔は跪くと、柔らかな若菜の乳房に触れた。陶器のような滑らかな肌は、心地良く指に馴染んで吸い付いてくる。
白桃のような乳房をゆっくりと揉み込み、薄桃色の突起した蕾を親指で弾くように撫でると、若菜の蜜のような甘い声が響いた。
「んんっ、ふぁっ…ぁっ、あぁっ、んっ……そ、そんな事言われても……ひ、秘密なんて無いよ、わ、わからないもん……ぁっ、あっあっんっ……!」
「言え……神の繭。言わねぇと、また気絶するまで抱くぞ」
『……野暮な事を言うんじゃないよ、朔。今は魔王なんだか知らないけど、優しくしてやりな。そうでないと、女の秘密なんてわかりゃしないよ……ねぇ、はぁ……若菜』
紅雀はそう言うと、若菜を膝立ちさせ背中を舌先でねっとり舐めながら彼女を座ったまま支えると、豊かな乳房を朔の前に付き出す。
フンと鼻を鳴らした朔は、若菜の乳房に舌先を這わせ、乳輪を分厚い舌先でなぞった。
そ若菜はその快楽に、すがるように朔の肩に手を置く。
「ゃっ、はぁっ……あっあっ……ぁあっ、あふっ、朔ちゃん、やぁっ……あっ、あんん、紅雀、ふぁっ、あっ、だめ、あんんっ……ふぁぁ」
紅雀の舌先がゆっくりとうなじを舐め、耳の付け根まで、上がると淫靡な表情をしながら甘噛みし、朔は濡れた瞳で震える若菜の乳房を揉み込みながら、昨晩よりマシになった傷口を舌先でなぞり、痛みを与える。
「っっ、ぁっ、あんっ、ゃ! 朔ちゃんいじわる、しないで、はぁっ、あっあっ、やぁ、あっ、あん、だめ、お胸とお耳はっ、あっ、あ、あ、力が入らなっ……やぁっ」
「おい、もう腰に力が入らなくなってるのか? まだまだこれからだぞ、はぁっ……お前は……んっ、人一倍快楽に弱い『神の繭』だから、この俺を誘うような香りを放ってんだろ」
朔は低く喉の奥で笑うと、桜の蕾のような愛らしい乳首を舌で押し付けて根元から円を描くように舐めた。その瞬間、若菜はガクガクと体を震わせ、軽く絶頂に達する。
腰が抜けて、前のめりになった若菜の腰を抱くと、若菜と朔の視線が間近に迫った。
最愛の義弟が、見知らぬ魔王として他人行儀で接してくる事に、心の整理がいまだできない若菜は悲しみを感じて、朔の頬に触れた。
「……はぁ、朔ちゃん。はぁ……はぁっ、もう若菜って呼んでくれないの?」
「……っ……」
快楽に熱を帯びた瞳に悲しい色が宿って、その言葉を紡いだ瞬間、朔の心臓がいつもとは違う不可思議な動きをした。
脈拍がどんどんと早くなり、周りの音が聞こえなくなったかと思うと、義姉の頬に片手で撫で、無意識に唇を重ね合わせていた。
「若……菜……」
貪るように唇を何度か啄むと、感情に突き動かされるままに舌先を絡み合わせる。
何かに急かされるように柔らかな舌先を奪って、表面を舌でなぞり口腔内の隅々まで舐めた。若菜の呼吸さえも奪ってしまいそうな熱い口付けに、若菜は思わず、すがるように広い背中の義弟に抱き付いた。
激しい口づけの中に、愛しい人の影を見たからだ。
紅雀の存在を忘れるほど、華奢な若菜の体を抱擁して、甘く深い口付けを堪能する。
「はぁ……んんっ、朔ちゃん……好き……はぁ、大好きだよ」
「……はぁっ……っ。おい、離れろ」
若菜の切ない告白に、我に返った第六天魔王は唇を離して、戸惑う若菜の体を自分から押し退けた。優しく背後から紅雀が抱きとめると、金色の目を細め、赤い紅をつけた唇を釣り上げる。
心の奥底から揺さぶられるような、若菜に対する切なくも激しい強い感情に心を支配されそうになった事を、妖魔の蛇女に見透かされたような気がして、朔は舌打ちする。
「女が二人も居て、やることは一つだよなぁ? おい、若菜……紅雀だっけ。この第六天魔王様に寵愛されたいのならば、まずは奉仕して見ろよ」
『全く、魔王っていうのは素直じゃないねぇ。若菜、私がきちんと教えであげるよ。朔の気持ちいい場所をさ……若菜の口は小さくて、あんたの巨根は全部入らないからね』
二人の前で、猛った陰茎を突き出した仁王立ちする朔に、若菜は頬を染めて直視するのが恥ずかしいのか目をそらした。
紅雀は、背後から若菜の両手を誘導すると根元を支えさせた。細い指先で陰茎を撫でるようにうながす。
まずは、お手本とばかりに紅雀が亀頭の舐め方を伝授した。鈴口をなぞってゆっくりと頭をねぶるように唾液を絡ませて舐める。そして手のひらでこねるように撫で、喉の奥まで飲み込む様子は、熟練の技と言える。
朔の巨根も平気な様子で強く吸い上げた。
「っはぁ……くぅ、あっ、蛇神の式神は……さすが、だねぇ。妖魔の女なんて興味無かったが、お前の口腔内は気持ちが良さそうだ」
「わ、私だって……頑張れば……できるよ」
『んぅ……ちゅ、ほら、若菜が拗ねちゃうわよぅ。無理しないように、ゆっくり水飴を舐めるようにしなさいな』
むぅ、と頬を膨らませる若菜だったが、朔には『義姉さんは無理しなくて良い、俺がするから』と言われていたことを少し、不満に思っていたのを思い出した。
じっと朔を見上げながら、若菜は懸命に舌先で少し大きな亀頭を舐めた。傷付けないように優しく舐め、指先で擦る若菜を見下すとぞくぞくと背中に快感が走るのを感じた。
紅雀に比べれば、拙く、天魔の女達と比べても、特に上手な部類ではないが羞恥に頬染めながら、負けじと愛情を込めて舐める様子がいじらしく、心が踊り嗜虐心が芽生える。
「ん……はぁっ、ほらもっと……指先で先端を撫でてみろ、っ……はぁ、それから……、少しでいいから口に含んでみろ、歯を……っ、立てないようにな。大丈夫だ」
「ん、こう……? んんっ……はぁっ、んぅ、朔ちゃん痛くない……? はぁ……ん、んん……ちゅ……わたし……朔ちゃんに、気持ちよく……なってほしいな」
義弟を気遣うように、先端だけ口に含んで優しく吸い付くと舌先で転がすように舐める。若菜の愛撫を手伝うように、紅雀が竿の部分を舐め上げると、甘い唾液に混じって、透明な液体が若菜の舌先に絡んだ。
自分の愛撫でも、感じてくれているのだろうかと嬉しくなってくる。
こんな風に朔に奉仕をするのも、半年ぶりのことだった。
『はぁ……んむ、良いわよ、若菜。魔王はねぇ、先端が一番弱いんだよ。こね回すように舐めてごらん……んんっ』
「はぁ……んっ、んん、はぁ……んん、んっ、んぅ……ん、あっ、はぁっ……ふぅっ、んぅ、んっんっ……きゃっ、けほっ」
柔らかな稲穂の髪を撫でながら、小さな口腔内の入口を犯すような気分に劣情が高まる。
柔らかな舌の感触を堪能するように先端を押し付けると、とうとう白濁した液体がどろりと、若菜の舌先に垂れて咳き込んだ。
『若菜、無理に飲まなくたっていいんだよ。第六天魔王の精液なんて、どれだけの霊力があるかわからないんだからねぇ』
「っはぁ……ああ、別に構わなぇよ。それより……お前の胸に落ちてる方が、よっぽど淫らに見える」
ふっくらとした薄桃色の唇から滴り落ちた、義弟の白濁した液体が柔らかな乳房を穢すように落ちると、朔は溶岩のように燃える瞳を細めて、勃起した陰茎の先を擦りつけた。
薄桃色の乳輪と蕾に、自分の残滓を塗りこむように、朔に動かせれると甘い吐息が零れ落ちる。
「ゃ、やぁ、恥ずかしい……ぁっ、あっ、ああっ、ゃ、なに? 紅雀、そんなの……あっ、や、や、やめて、恥ずかしいってば」
『ほら、どうせまた洗うんだから、もっと淫らにおなりよ。はぁ、若菜の霊力はこんなにも清らかで無垢なのに、どうして、こんなにも男を誘う体なんだろうねぇ。ほら、魔王様の精液まみれだよ』
紅雀は、第六天魔王の強力な霊力と、若菜の天上の華のような清らかで清浄な霊力に当てられたように理性を砕けさせると、呼吸を乱し若菜の乳房を背後から擦りつけるように動かす。
白濁した液体を潤滑油に乳房の間を、雄々しい陰茎が動くと、楽しげに朔は口端に笑みを浮かべた。
「恥ずかしいのか……? そのわりには『神の繭』の雌の香りが漂ってきてるみてぇだが。お前、穢されて感じてるのかよ」
「あふっ、やぁ、ぁ、そんな……そんなこと、や、んっ……ぁ、あぅ、はぁっ……あっ、はぁっ……んん、も、もう……」
下腹部に感じる疼きに、若菜は切ない声をあげた。朔に触れて欲しくて堪らないが、それを口にするのが恥ずかしい。すがるように視線を向けると、朔は一瞬黙りこくって目線を逸した。
ゆっくり胸の間から陰茎を抜き、紅雀にちらりと視線を送る。朔の感覚がまだこの器には残っており、物言わずとも紅雀とは意思疎通が出来た。
紅雀が、再び若菜の体を支えるように座らせると、ゆっくりと主に向けて足を開かせる。朔はそそり勃った陰茎を花弁の亀裂に這わせると、恥毛の無いその感触を楽しむかのように濡れた花弁に滑らせた。
朔は吐息を洩らしながら、淫らな粘着音と共に小さな花芯までゆっくりと表面をなぞり、時折、朔の陰茎を若菜の花弁に押し付けて、花芯を攻め立てた。
「あっ、ああっ、あっ、やぁん、ひっ……あっ、あはっ、んぅっ、ああっ、あっ、やぁ、あ、いやぁ、擦れちゃう、あっ、はぁっ……気持ちいいっ」
『若菜、はぁ……っ、あんたが感じると、霊力の香りも濃くなっていくのさ。朔の魔羅と女陰が擦れる音が響いてるよ……可愛いねぇ、あぁ、もったいない、極上の蜜だ』
陰茎に擦られ、焦らされる快楽に蜜が溢れて水音が激しくなる。
紅雀はため息を付きながら若菜の乳房を揉み込み、しなやかな指先で花芯に絡みついた蜜を指に絡ませるように撫でると、うっとりと口に含んだ。
若菜の太腿を抑え付け、速度を上げながら朔は残忍な笑みを口端に浮かべた。
紅雀の舌先が耳朶を愛撫し、若菜の意識は真っ白になって蕩けていく。
「っ……はぁっ、昨日は随分と挿入を急いだからな。んんっ……もっと、焦らしてやるよ……舐めたり、弄ったり……っ、んっ、どうして挿れてくれないの、って……っ、はぁ、せがむ位にな、義姉さん」
「やっ、やっ……さく、――――っっ!!」
絶頂に達して、華奢な体を硬直させた若菜を紅雀が抱きしめた。
この『神と繭』との淫靡で甘い時間をすぐに手放すのは忍びない。これは長年待たされた完全復活への渇望なのだと、朔は言い聞かせていた。
「さ、さ、朔ちゃん!」
「まぁ……これは仕方ない。ったく、お前ら揃いも揃って、第六天魔王様と呼べって言ってんだろーが。あぁ、その女に確かめたい事がある」
紅雀は朔が、妖魔の誰しもが恐れる第六天魔王だと言うことも完全に無視して、布で隠す素振りも見せず陰茎を、天に向かって反り返らせている彼を呆れたように指さした。
若菜との女同士の秘密の戯れを楽しんでいた紅雀は少々、機嫌を悪くしたが子供の頃から知っているはずの朔の裸体に頬を染めて、視線を反らしている若菜を見ると、妖艶に微笑む。
『ねぇ、若菜。あんた、半年ぶりに朔に会ったんだろう? もっとたっぷり愛して貰いなさいよ。私も手伝うからさ……ねぇ、魔王様?』
「ふん、お前に言われなくてもその女は犯すつもりだったがな。俺が欲しくて風呂で盛って誘ってたんだろ? なぁ『神の繭』」
あえて高圧的に、若菜と紅雀に言うと見下すように朔は言うと、二人の傍まで歩み寄り、潤んだ蜜色の瞳で見上げてくる若菜を見下ろした。澄んだ蜂蜜色の瞳と視線が合うと、やはり胸がざわめき、軽く舌打ちする。
あの時の『神の繭』と違う所は、この視線のせいなのかもしれない。
心が飲み込まれてしまいそうなおかしな浮遊感に鼓動が早くなり、勃起した魔羅がピクピクと脈打つ。
「そ、そんなつもりは無かったけど……あ、あの、お風呂でごめんなさい」
紅くなりながら、痴態を詫びる若菜の背後に回った紅雀が、恥ずかしそうにする若菜の両の太腿をゆっくりと開くと、わずかに小さな悲鳴をあげた。
紅雀に愛撫された花弁は、お湯と愛液で濡れてキラキラと輝いている。
このまま、若菜を押し倒して乱暴に犯したい衝動に狩られたが、他の男に触れられたこの娘を、じっくりと穢して自分のものにしたいという欲求にも狩られた。
そして何より誰にも渡さず、自分のもとに繋ぎ止めて置きたいという執着心。
天魔界の女はすべて自分のもの、望めばいつでも手に入り、掃いて捨てるほど存在する彼女達に、なんの執着も未練も無かった筈だ。
しかし、若菜を目の前にすると今までにない感情に振り回され、魔王はうんざりとしていた。
「封印が解かれてから、どういう訳か他の女を抱けなくなった。俺の知る『神の繭』では一度も起きなかった現象だぞ。お前は一体どんな秘密を隠し持ってる? まさか朔の義姉だからという、下らん理由じゃねぇだろ?」
一瞬、目を丸くして苦笑する紅雀を無視して、朔は跪くと、柔らかな若菜の乳房に触れた。陶器のような滑らかな肌は、心地良く指に馴染んで吸い付いてくる。
白桃のような乳房をゆっくりと揉み込み、薄桃色の突起した蕾を親指で弾くように撫でると、若菜の蜜のような甘い声が響いた。
「んんっ、ふぁっ…ぁっ、あぁっ、んっ……そ、そんな事言われても……ひ、秘密なんて無いよ、わ、わからないもん……ぁっ、あっあっんっ……!」
「言え……神の繭。言わねぇと、また気絶するまで抱くぞ」
『……野暮な事を言うんじゃないよ、朔。今は魔王なんだか知らないけど、優しくしてやりな。そうでないと、女の秘密なんてわかりゃしないよ……ねぇ、はぁ……若菜』
紅雀はそう言うと、若菜を膝立ちさせ背中を舌先でねっとり舐めながら彼女を座ったまま支えると、豊かな乳房を朔の前に付き出す。
フンと鼻を鳴らした朔は、若菜の乳房に舌先を這わせ、乳輪を分厚い舌先でなぞった。
そ若菜はその快楽に、すがるように朔の肩に手を置く。
「ゃっ、はぁっ……あっあっ……ぁあっ、あふっ、朔ちゃん、やぁっ……あっ、あんん、紅雀、ふぁっ、あっ、だめ、あんんっ……ふぁぁ」
紅雀の舌先がゆっくりとうなじを舐め、耳の付け根まで、上がると淫靡な表情をしながら甘噛みし、朔は濡れた瞳で震える若菜の乳房を揉み込みながら、昨晩よりマシになった傷口を舌先でなぞり、痛みを与える。
「っっ、ぁっ、あんっ、ゃ! 朔ちゃんいじわる、しないで、はぁっ、あっあっ、やぁ、あっ、あん、だめ、お胸とお耳はっ、あっ、あ、あ、力が入らなっ……やぁっ」
「おい、もう腰に力が入らなくなってるのか? まだまだこれからだぞ、はぁっ……お前は……んっ、人一倍快楽に弱い『神の繭』だから、この俺を誘うような香りを放ってんだろ」
朔は低く喉の奥で笑うと、桜の蕾のような愛らしい乳首を舌で押し付けて根元から円を描くように舐めた。その瞬間、若菜はガクガクと体を震わせ、軽く絶頂に達する。
腰が抜けて、前のめりになった若菜の腰を抱くと、若菜と朔の視線が間近に迫った。
最愛の義弟が、見知らぬ魔王として他人行儀で接してくる事に、心の整理がいまだできない若菜は悲しみを感じて、朔の頬に触れた。
「……はぁ、朔ちゃん。はぁ……はぁっ、もう若菜って呼んでくれないの?」
「……っ……」
快楽に熱を帯びた瞳に悲しい色が宿って、その言葉を紡いだ瞬間、朔の心臓がいつもとは違う不可思議な動きをした。
脈拍がどんどんと早くなり、周りの音が聞こえなくなったかと思うと、義姉の頬に片手で撫で、無意識に唇を重ね合わせていた。
「若……菜……」
貪るように唇を何度か啄むと、感情に突き動かされるままに舌先を絡み合わせる。
何かに急かされるように柔らかな舌先を奪って、表面を舌でなぞり口腔内の隅々まで舐めた。若菜の呼吸さえも奪ってしまいそうな熱い口付けに、若菜は思わず、すがるように広い背中の義弟に抱き付いた。
激しい口づけの中に、愛しい人の影を見たからだ。
紅雀の存在を忘れるほど、華奢な若菜の体を抱擁して、甘く深い口付けを堪能する。
「はぁ……んんっ、朔ちゃん……好き……はぁ、大好きだよ」
「……はぁっ……っ。おい、離れろ」
若菜の切ない告白に、我に返った第六天魔王は唇を離して、戸惑う若菜の体を自分から押し退けた。優しく背後から紅雀が抱きとめると、金色の目を細め、赤い紅をつけた唇を釣り上げる。
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「女が二人も居て、やることは一つだよなぁ? おい、若菜……紅雀だっけ。この第六天魔王様に寵愛されたいのならば、まずは奉仕して見ろよ」
『全く、魔王っていうのは素直じゃないねぇ。若菜、私がきちんと教えであげるよ。朔の気持ちいい場所をさ……若菜の口は小さくて、あんたの巨根は全部入らないからね』
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紅雀は、背後から若菜の両手を誘導すると根元を支えさせた。細い指先で陰茎を撫でるようにうながす。
まずは、お手本とばかりに紅雀が亀頭の舐め方を伝授した。鈴口をなぞってゆっくりと頭をねぶるように唾液を絡ませて舐める。そして手のひらでこねるように撫で、喉の奥まで飲み込む様子は、熟練の技と言える。
朔の巨根も平気な様子で強く吸い上げた。
「っはぁ……くぅ、あっ、蛇神の式神は……さすが、だねぇ。妖魔の女なんて興味無かったが、お前の口腔内は気持ちが良さそうだ」
「わ、私だって……頑張れば……できるよ」
『んぅ……ちゅ、ほら、若菜が拗ねちゃうわよぅ。無理しないように、ゆっくり水飴を舐めるようにしなさいな』
むぅ、と頬を膨らませる若菜だったが、朔には『義姉さんは無理しなくて良い、俺がするから』と言われていたことを少し、不満に思っていたのを思い出した。
じっと朔を見上げながら、若菜は懸命に舌先で少し大きな亀頭を舐めた。傷付けないように優しく舐め、指先で擦る若菜を見下すとぞくぞくと背中に快感が走るのを感じた。
紅雀に比べれば、拙く、天魔の女達と比べても、特に上手な部類ではないが羞恥に頬染めながら、負けじと愛情を込めて舐める様子がいじらしく、心が踊り嗜虐心が芽生える。
「ん……はぁっ、ほらもっと……指先で先端を撫でてみろ、っ……はぁ、それから……、少しでいいから口に含んでみろ、歯を……っ、立てないようにな。大丈夫だ」
「ん、こう……? んんっ……はぁっ、んぅ、朔ちゃん痛くない……? はぁ……ん、んん……ちゅ……わたし……朔ちゃんに、気持ちよく……なってほしいな」
義弟を気遣うように、先端だけ口に含んで優しく吸い付くと舌先で転がすように舐める。若菜の愛撫を手伝うように、紅雀が竿の部分を舐め上げると、甘い唾液に混じって、透明な液体が若菜の舌先に絡んだ。
自分の愛撫でも、感じてくれているのだろうかと嬉しくなってくる。
こんな風に朔に奉仕をするのも、半年ぶりのことだった。
『はぁ……んむ、良いわよ、若菜。魔王はねぇ、先端が一番弱いんだよ。こね回すように舐めてごらん……んんっ』
「はぁ……んっ、んん、はぁ……んん、んっ、んぅ……ん、あっ、はぁっ……ふぅっ、んぅ、んっんっ……きゃっ、けほっ」
柔らかな稲穂の髪を撫でながら、小さな口腔内の入口を犯すような気分に劣情が高まる。
柔らかな舌の感触を堪能するように先端を押し付けると、とうとう白濁した液体がどろりと、若菜の舌先に垂れて咳き込んだ。
『若菜、無理に飲まなくたっていいんだよ。第六天魔王の精液なんて、どれだけの霊力があるかわからないんだからねぇ』
「っはぁ……ああ、別に構わなぇよ。それより……お前の胸に落ちてる方が、よっぽど淫らに見える」
ふっくらとした薄桃色の唇から滴り落ちた、義弟の白濁した液体が柔らかな乳房を穢すように落ちると、朔は溶岩のように燃える瞳を細めて、勃起した陰茎の先を擦りつけた。
薄桃色の乳輪と蕾に、自分の残滓を塗りこむように、朔に動かせれると甘い吐息が零れ落ちる。
「ゃ、やぁ、恥ずかしい……ぁっ、あっ、ああっ、ゃ、なに? 紅雀、そんなの……あっ、や、や、やめて、恥ずかしいってば」
『ほら、どうせまた洗うんだから、もっと淫らにおなりよ。はぁ、若菜の霊力はこんなにも清らかで無垢なのに、どうして、こんなにも男を誘う体なんだろうねぇ。ほら、魔王様の精液まみれだよ』
紅雀は、第六天魔王の強力な霊力と、若菜の天上の華のような清らかで清浄な霊力に当てられたように理性を砕けさせると、呼吸を乱し若菜の乳房を背後から擦りつけるように動かす。
白濁した液体を潤滑油に乳房の間を、雄々しい陰茎が動くと、楽しげに朔は口端に笑みを浮かべた。
「恥ずかしいのか……? そのわりには『神の繭』の雌の香りが漂ってきてるみてぇだが。お前、穢されて感じてるのかよ」
「あふっ、やぁ、ぁ、そんな……そんなこと、や、んっ……ぁ、あぅ、はぁっ……あっ、はぁっ……んん、も、もう……」
下腹部に感じる疼きに、若菜は切ない声をあげた。朔に触れて欲しくて堪らないが、それを口にするのが恥ずかしい。すがるように視線を向けると、朔は一瞬黙りこくって目線を逸した。
ゆっくり胸の間から陰茎を抜き、紅雀にちらりと視線を送る。朔の感覚がまだこの器には残っており、物言わずとも紅雀とは意思疎通が出来た。
紅雀が、再び若菜の体を支えるように座らせると、ゆっくりと主に向けて足を開かせる。朔はそそり勃った陰茎を花弁の亀裂に這わせると、恥毛の無いその感触を楽しむかのように濡れた花弁に滑らせた。
朔は吐息を洩らしながら、淫らな粘着音と共に小さな花芯までゆっくりと表面をなぞり、時折、朔の陰茎を若菜の花弁に押し付けて、花芯を攻め立てた。
「あっ、ああっ、あっ、やぁん、ひっ……あっ、あはっ、んぅっ、ああっ、あっ、やぁ、あ、いやぁ、擦れちゃう、あっ、はぁっ……気持ちいいっ」
『若菜、はぁ……っ、あんたが感じると、霊力の香りも濃くなっていくのさ。朔の魔羅と女陰が擦れる音が響いてるよ……可愛いねぇ、あぁ、もったいない、極上の蜜だ』
陰茎に擦られ、焦らされる快楽に蜜が溢れて水音が激しくなる。
紅雀はため息を付きながら若菜の乳房を揉み込み、しなやかな指先で花芯に絡みついた蜜を指に絡ませるように撫でると、うっとりと口に含んだ。
若菜の太腿を抑え付け、速度を上げながら朔は残忍な笑みを口端に浮かべた。
紅雀の舌先が耳朶を愛撫し、若菜の意識は真っ白になって蕩けていく。
「っ……はぁっ、昨日は随分と挿入を急いだからな。んんっ……もっと、焦らしてやるよ……舐めたり、弄ったり……っ、んっ、どうして挿れてくれないの、って……っ、はぁ、せがむ位にな、義姉さん」
「やっ、やっ……さく、――――っっ!!」
絶頂に達して、華奢な体を硬直させた若菜を紅雀が抱きしめた。
この『神と繭』との淫靡で甘い時間をすぐに手放すのは忍びない。これは長年待たされた完全復活への渇望なのだと、朔は言い聞かせていた。
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それではお楽しみください。すずなり。
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