スクールカースト上位の俺は異世界の中心で男にまわされる

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113 騙す ーエイプ・フリーレルー (改)

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まずは2人排除。

このことが外に漏れたら大変ですからね。

この場で秘密裡ひみつりに全員を葬った後の言い訳は、フェリス・オークト様の実験ミスにしましょうか?

……違いますね。

分娩室で魔法の実験などありえない。


ではラリー殿下が王になれなかったため、ご乱心のため勇者全員を殺害したということにしてはどうでしょう?

大量殺人をしたラリー殿下の親として現国王にも責任を取る形で失脚してもらえますから一石二鳥ですね。

そして一人生き残った私が亡くなった勇者達の代表として国を治めることにする。

ふふ、これが一番良い案ですね。

国を手中に収めてから、隣国から妃を迎えれば、名実ともに国王として君臨するのになんの問題ないはずです。


それにはまず 魔力のあるオークト様を上手く操らなくてはいけません。

どうすれば……



「ああ、そうそう、オークト様に大事なことを言い忘れていました」

「だ、大事なこと?」

「新しい神子様を召喚して私が国王になれば、大魔導士の席が空きます。私の次に実力のある魔導士は貴方ですから、次期大魔導士の称号は貴方に譲る事になることでしょう」

「だ、だ、大魔導士の称号?」

「それに大魔導士ともなれば予算を気にせず、大好きな魔法の研究も思う存分出来ますよ」

「え、え、だ、大魔導士エイプ・フリーレル様、そ、それは本当ですか?」


ふふふ、興奮気味に話に食らいついてきましたね。

私は良く知っているのですよ。

貴方は地位や権力などは欲しがらず、興味があるのは魔法の研究だけですよね?

こんなうまい話に飛びつかないわけがない。


「オークト様、駄目です!先程フリーレル様は皆を亡き者にしようとしていたではありませんか!!」


サオマめ 余計な口出しを!!


『ウインドカッター』
『アクアカッター』

「うあっ!!」


死んだか?
いや、柱の陰に上手く隠れたようですね。
身体は大きいくせにすばしっこい。

しかし驚いた。
オークト様がアクアカッターをサオマ様に撃つとは思いもしなかった。


「サオマ様、黙りなさい。自分の力が足りず召し抱えられないからと言って人の脚を引っ張るのですか!」

「そ、そ、そうです。わ、わ、私が大魔導士になるのを邪魔しないで下さい!」

「オークト様!!そんなっ!!」


くく、思った通り。
研究欲に目がくらんだオークト様の耳には私の声以外は届かない。


「さあ、オークト様 神子様を渡して下さい」

「は、は、はい。ど、どうぞ」


オークト様はヨレヨレの神子様の手を引き連れてこようとするが10歩程歩いたところで、神子様が座り込んでしまった。

歩かせようとしているオークト様は神子様の傍に片膝をついて声をかけている。

出産したばかりで体力がないのか?
仕方ない、私が迎えに行くか。

ゆっくりと歩を進めるうちに気が付いた。

油断している今なら 水のオートガードエリア内からオークト様に直接攻撃が可能なのではないかと、そうすれば神子様共々処分することが出来るじゃないか?

ふふ、なんて良い考えだ。

確実に仕留めてやる。


私は神子様とオークト様に目線を合わせるように傍まで行き膝をつく。


「連れてきて有難うございます、オークト様。これは私からのお礼です」


お二人の顔に両手をかざして言った。


『ウインドカッター』

「!!!」

ドシュッ 


『ウインドカッター』『ウインドカッター』『ウインドカッター』『ウインドカッター』『ウインドカッター』

ドシュッ ドシュッ ドシュッ ドシュッ ドシュッ


両手から繰り出されるウインドカッターで二人を切り刻み、冷たい返り血を私は喜んで全身に浴びる。


「ははははは、やったぞ!はははははははは……はっ?!水?!!」


そこに死体はなく水たまりがあるだけ。


「やはり、そうでしたか、貴方を信じなくて良かった」


殺したはずの男の声が聞こえてきた。


「は? オークト様?」


「 私の魔法『水の虚像アクアアバター 』です。良く出来ているでしょう」


流暢に喋るフェリス・オークトは元の位置から全く動いていなかった。

私はオークトが作った魔法の虚像に騙されて攻撃をしていたのか。


「騙したなオークトぉ!!『ウイン……』」
「今です!!」

『ファイヤーボール』


 ?!


私のすぐ横から聞こえる 火属性ファイヤーボール の魔法?!

ありえない!

そこには アリージャ の死体が横たわっているだけのはず…だ…
 
 
頭は高速で回っているのに身体が動かない。まるで遅延魔法をかけられているようだ。

迫る熱量の方へ視線を動かせば、仰向けで絶命していたはずのアリージャが両腕をこちらに向けて『ファイヤーボール』を放っている。

回避行動をとる暇もなく、私の頭から足まで左半身にファイヤーボールが打ち込まれた。


「ぐがああああっ!!!」





 
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