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86 切れる ※ ーガストー・サオマー (改)
しおりを挟む「! あれ?リーフ?肌の色が………陽の光のせいか?」
ああ、薬が……切れる時間だ…
「ああああっ💙あああああっ💙 んんんっ」
俺は突き上げられ揺さぶられイカされる中、両手で自分の顔を覆った。
後悔の念が押し寄せてくる。
セプターに嫌われたくない。
何としてもこの部屋に来る前に逃げるべきだった。
「なんで顔を隠しているんだ? ん? 髪の色が陽に当たって段々と……… !! 気のせいじゃない?!…濃い青になったぞ。その髪はどうしたんだ!」
ようやくセプターは身体の動きを止めた。
「………うっう、ヒック……ううううっ…」
「どうしたんだ、泣くなリー………!!」
見られないように顔を覆っていた手をセプターが解いた。
ぐちゃぐちゃに泣きながら見上げるとセプターは驚愕の表情で俺を見下ろしている。
「…ガ…ストー?………???????…あれ…?……リーフは?」
「う、ううう、ううう…うううううっ…」
「なんでお前がここにいるんだ」
『なんでお前がここにいるんだ。』だってよ………薬のせいとは言え、討伐中に俺が消えても気にもとめてなかったよな お前は。
所詮、セプターにとって俺はその程度の男なんだ。
堪こらえようとすればするほど悔しくて悲しくて涙が止まらない。
セプターは二人の身体が繋がっている状態が理解出来ずにパニックになっている。
「俺が抱いていたのは、リーフのはずだ…」
「うっ…俺は、嫌だって…言っただろ…」
「これはどういう事だ?! なんでリーフじゃないんだっ?!どうしてガストーがここにいるんだ??」
!!!
「…愛してるって言って、お前が俺を抱いたんじゃないかっ!!」
泣きながら思い切り怒鳴った。
俺はもっと傷ついているんだからこれくらい傷つけてもいいだろう。
驚いたセプターは いきなりペニスを引き抜いた。
ギチギチに入っていたモノを無理やり引き抜くから後孔は裂け激痛に俺は声をあげた。
「あぐぅああああっ!!」
大きく開けた蜜壺からは愛しあった証と傷つけられた代償が混じり合って流れ出ている。
「ひっ…うっ…ううっ………痛いっ……うう…」
「あ、あ、なんで…こんなことに…どう…し……俺は…なんてことを…」
セプターは青い顔してじりじりと後退りして壁に背中をぶつけて止まると同時に絶叫した。
「…ぅうわああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」
ガクンと床に崩れ落ちたセプターは頭を抱えて自分を責める言葉をつぶやいている。
可哀想だとは思ったが もう元には戻らない。
俺はよろよろとベッドから降り、床を汚しながら、部屋に備え付けてあるシャワールームにおぼつかない足取りで入った。
鏡に映る自分の身体には無数の赤い花びらが舞踊っているのが見える。
討伐中の古い物から、さっきつけられた新しいものまで…
花びらを指でたどると キュウウッと腹の中が収縮して中から もう一つの愛されていた証が零れだしてきた。
「ふ…うう…セプターに愛された証が身体中に…こんなに沢山……沢山あるのに…」
俺じゃダメなんだ。
「うっ、うううう、ううっ」
熱いシャワーを浴びながら声を殺して涙が枯れるまで泣いた。
薄紫色のバスローブを着て寝室に戻るとセプターの叫び声は無く部屋は静まりかえっていた。
項垂れたままセプターが床に座っている。
「……シャワーを浴びて……服を着ろ…」
「………俺はもう………駄目だ…リーフを愛する資格がない…」
!
リーフ、リーフって…くそっ!
涙はシャワーで出し切ったはずの涙がまた頬を伝い、悔しさの混じった涙声で怒鳴りつけた。
「そんなことばかり言って俺のことはどうなんだよ!身体がこんなになっているのに 俺のことはどうでもいいのかよ!!」
「!!…ガストー…すまない…俺は、俺は、」
「俺を抱いた責任はちゃんと取れよ。プロポーズも指輪も貰っているんだ」
ないがしろにされたことが悔しくて言うつもりなかった言葉が口をついて出てくる。
左手薬指のアメジストの指輪を見せると、大きく目を見開いてセプターは固まった。
少し間があって喉から声を絞り出すようにつぶやいた。
「…その…指輪…どうして…っ…」
「昨夜、お前が膝まづいて俺の指にはめてプロポーズしたんだろう!!」
「俺が…?!……!!!!!」
自分の指にあるリングに今頃気付き 青ざめている。
「指輪が俺の手に…ああ…どうしてこんなことをしたんだ……もう取り返しがつかない…」
セプターは独り言を言って指輪のはまった左手を強く握りしめて後悔の言葉をこぼす。
「……こんなことって言うのか…やっぱり自分のことだけだな…俺のことはどうでもいいんだな……」
「はっ!!……すまない。そんなことはない」
「……身体中が痛くて歩けない。俺の部屋に連れて行ってくれ」
「…わかった……すまない」
流石に姫抱っこはしてくれず俺を背負うことになった。
アイツだったら姫抱っこだったのに…俺に対しての扱いとは全然違うな……っ!!
「ひあああんっ💙」
「ガストー?」
ぼーっと考え事をしていたのか、背負った時にセプターの指が無遠慮に双丘の谷間を撫でた。
「…触るな…そこはさっきまでお前が入ってた所だ……痛くて敏感になってるから」
「!…すまない…」
セプターの身体に緊張感で強張る。
俺の身体をそっとベッドルームまで届けると身の回りの世話をするメイドと医師の手配をしてからセプターは出て行った。
多分、しばらくの間は罪悪感からセプターは俺の傍にいてくれると思う。
でも すぐにリーフのところに行ってしまうだろう。
それでもいい。
この指輪と愛されていた幸せな思い出だけを抱えて俺は一人でも生きていける。
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