スクールカースト上位の俺は異世界の中心で男にまわされる

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100 木属性の魔物討伐 最終日 強敵 ※ ーエイプ・フリーレルー

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今日は木属性の魔物の王を討伐する日。

朝、幻視薬をディッセン・アルーバに飲ませるのを確認してから、エリア7に入っていった。


「んーー💗ノーベン💗好きー💗……しようー💗」

「ディッセン、今はダメだよ💗ここの魔物を退治したらご褒美にいっぱいしてあげる💗」

「本当か!俺、頑張って倒すぞ💗」

「ふふふ、ボクも頑張っちゃうからな💗」


 ………………。


「聞いててウザい。あのバカップルどうにかしてくれ。このイヤリングもアイツらみたいで顔の傍をちょろちょろとウザくて本当に邪魔だ」


神子様の言っている意味は半分もわかりませんが、多分二人の悪口に間違いないようです。


私も正直言ってののしりたい気持ちで一杯です。


「皆さん、もうすぐ討伐エリア7に着きますから気を引き締めて下さい。」


パーティーの殿を務めているアルーバ兄弟はキスに夢中。


「あッ💗ん💗ん💗ちゅ💗」

「ん💗クチュ💗ディッセン💗んっ💗」


「「「………………。」」」


何を言ってもあの二人には聞こえていないみたいです。

繋がってないだけマシと思いましょう。




林を抜けると中級の魔物達が殺気立って襲いかかってきた。

レベルの低い魔物達を倒し尽くすと待っていた魔物の王は30mもある大きな薔薇の魔物だった。

薔薇の魔物は私達を敵とみなすと、花びらを撒き散らす嵐で視界を塞ぎ、身動きが取れないところに自らの葉を飛ばして獲物の身体に巻き付け完全に動きを封じようとする。そしてムチのようにしなる棘だらけの茎を何本もふりまわして打ち殺すようだ。

皆、焼き払って逃げたり、ギリギリで回避して距離をとった。

こんなに離れていては攻撃が当たらない。

あ、そういえば…


「ノーベン・アルーバ、魔法学園の森を焼きましたよね。その魔法で焼き払えませんか?」

「あの森は魔物じゃないから良く燃えたんだ。あの魔法やってもいいけど俺達の魔力ゼロになるぞ」

「倒せなかった場合、戦力はアリージャのみですか……アリージャ一人で倒せますか?」

「そんなの無理だよ」

「困りましたね」

「おい、フリーレル見ろ!!」


ノーベン・アルーバの指差す方向に目をやると薔薇の魔物の攻撃を受けた周りの木々や、巻き添えをくらった王の下僕達は棘に刺された者からバタバタと倒れて動かなくなっている。


「みんな気をつけて下さい。あの棘には毒があるようです。なるべく当たらないように攻撃しなくてはなりません。」

「そんなのどうやって攻撃すんのさ」

「今まで通りにやるしかありません。火属性のアルーバ兄弟とアリージャの3人が攻撃を担当して、私は防御強化と治癒ヒールを担当して、神子様をお守りします」


私は一人一人に『風の鎧』で防御強化して3人を攻撃に向かわせる。

だが花びらや葉の攻撃が何発か当たると『風の鎧』の魔法の効果が消えてしまう。そのたびに防御魔法と治癒ヒールを交互にかけるから目まぐるしい忙しさです。

それでも我々の地道な攻撃により薔薇の魔物は真っ黒に焼けただれ黒い煙をあちこちから登らせて動きが鈍くなってきました。


「薔薇の魔物は弱ってきているようです」

「よーし、俺がとどめを刺してやる。ノーベンご褒美絶対だからな💗」

「うん💗沢山あげるよ💗」


弱った薔薇の魔物は震えながら焼け焦げた黒い鞭を身体にグルグルと巻き付けて苦しそうによじっていく。

ディッセンが炎の剣を振りかぶり薔薇の魔物に切りかかった。

炎の剣を振り下ろす直前に薔薇の魔物はよじった鞭を凄い勢いで振りほどき振りまわした。

焼けた転げた鞭に付いていた毒の刺は遠心力で千切れて私達の方に飛んでくる。


『風の鎧!!』


今まで攻撃組にかけていた防御魔法を自分と神子様を守るためにかける。

ガンガンガン!!

『風の鎧』に3つの刺が刺さり防御魔法は消失する。急ぎ新しい『風の鎧』を精製した。


「『風の鎧!!』ふう、ここまで飛んでくるなんて危なかった。神子様、大丈夫ですか?」

「ああ、何だよ、全然弱ってないじゃないか。アイツ、めちゃくちゃしぶとくて強いぞ」

「最後の悪あがきでしょう。私達には火属性の勇者がいるから大丈夫ですよ。」


神子様を落ち着かせていると、叫び声が聞こえてくる。


「ディッセェェェェェェン!!!」

「あ…あ………」


ディッセンは棘の攻撃を避け切れずに左肩に被弾していた。


「ノーベンすぐに解毒薬を!!!」

「飲ませたけど効かないっ!!」

「効かない?!こちらに戻って下さい。早く!!あともう少しだというのに………」


薔薇の魔物は棘のなくなった黒い鞭をまるで喜んでいるみたいに地面を叩いていた。





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