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71 火属性の魔物討伐 2日 愛している ※ ーガストー・サオマー

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オークト様に頼まれた解毒用の薬草は岩場の隙間に少量しか生えておらず見つけるのに苦労した。

それでもやっと一抱ひとかかえ分、取ってきた。


これくらいあれば絶対に足りないということはないだろう。

拠点に戻ってくると、アリージャはすでに戻っていてオークト様と二人、鍋で薬を作っている。

雲から飛び降りてオークト様の元へと駆け寄った。


「オークト様、遅くなりました。これくらいあれば足りますか?」

「あ、あ、こ、こんなに沢山、あ、有難うございます。」


俺が取ってきた薬草を鍋には入れずに腰につけたアイテム収納ボックスにしまう。


「オークト様? 鍋に入れて薬を作るのではないんですか?」

「も、もう使う必要なくなったんです。き、貴重な薬草を有難うございました。」

「使う必要がないって?…!……まさか!!セプターが死んだんですか!!セプターっ!!」

「い、行っては駄目です。」


オークト様の静止を振り切ってテントの中に飛び込む。


「セプター!」


薄暗いテントの中は獣のような息遣いと、肉がぶつかり合う湿った音と、むせ返るような匂いが混ざり合って異様な空間になっている。


「?!……セプター?」


ベッドの上で力なく四肢を投げ出した神子様を抱き続けているセプターがいた。


「はーっ、はあっ、はあっ、うっ!!」


儀式をあれだけ嫌がっていたセプターが、髪を振り乱して一心不乱に闇雲に腰を打ちつけている。

いつも冷静で自分に厳しい騎士として凛としているセプターの姿とはかけ離れている。


明らかに様子がおかしい!
こんなのはセプターじゃない!
まさか魔物の毒が回っておかしくなっているのか?

だとしたらかなり危険な状態じゃないか!


オークト様を呼びに行こうと後ずさると何かを踏んで俺はひっくり返った。


「いてて…なんだこれは薬瓶?なんで落ちて…」


俺を転がした薬瓶を拾ってよく見るとピンク色の魔方陣が刻まれている。


「サ、サオマ様、は、早く出て下さい。」


テントの隙間からオークト様が顔だけ出して小声で呼ぶ。


「! オークト様、セプターの様子がおかしんです。すぐに診て下さい。」

「し、静かに! は、早くこっちへ。あ、危ないです。お、襲われますから」

「襲われるって?もしかして、これか!セプターになにを飲ませた!」

「!………ひぃっ…」


オークト様がテントから離れた。


「待って下さい。オークト様、待てーっ!!」


追いかけようと立ち上がると後ろから腰を掴まれた。


「うわっ!」

「リーフ、どこに行くつもりなんだ。俺の傍にいるって言っただろう。」


 ? リーフだと?


「セプター、しっかりしろ、待ってろ。今オークト様に治してもらうから…」

「はあっ、愛してる。どこにも行かせない。愛してる。」


まっすぐ見つめられて心が揺れる。


「愛してる?…俺を?」

「愛してる、リーフ💗」


 !


「やめろっ、んんっ、あっ、嫌だっ、っ…んんんん💗」


噛み付くようなキスで歯列を舐め回して舌で開けろとノックされる。


「んっ、んうっ、んんっ」


駄目とわかっているのに、好きな男のキスに酔って少しだけ開けてしまった。

僅かな隙きを逃さずセプターは一気に侵入して、口腔内を隅々まで掻き回し、舌を吸い出したり、唾液を味わい、自由に暴れる舌に抱かれて骨抜きにされてしまう。


「はあっ、あはっ、力抜ける、っ…あ」

「んん💗はあっ、チュッ、なんでまた服を着たんだ。ン?愛せないじゃないか。」


双丘の谷間に指を這わせて秘めた場所を探り当てて入り口を擦られる。


「はあっ、だめだ、くらくらするっ、はあっ…あ💗💗💗」


ゴリゴリと俺に興奮したものを押し付けながら、ズボンを破くように脱がされる。 


「やああっ!! んんん💗はあっ、んん💗セプター…うん💗…駄目だ……」

「はあっ💗んん💗チュッ💗はあっ、俺の事、愛していないのか?」


 !


「………愛して………いる。だけどこれは…んんん💗はぁっ💗駄目だ。」


抱かれたい。セプターと一つになりたいに決まっているじゃないか。


「リーフ、お前が欲しい。」

「!」


リーフと呼ばれて理性を取り戻して突き放した。



「駄目だ、一線を越えたら きっと後悔する!俺もお前も!」

「後悔?駄目?なんでだ?なんで駄目なんだリーフ!さっきは良いと言ったじゃないか!」



俺がわからないなんて、一体どんな薬を盛られたんだ。


「セプターしっかりしてくれ。俺の顔を良く見てくれ、ガストーだ。お前の親友のガス………」

「あ、あ? ちがう?! あああああっ!! リーフじゃないっ!リーフっ!!リーフはどこだっ!!リーフ!!俺のリーフっ!」


俺に拒絶されたセプターは叫び、消えたリーフを探して苦しみ始めた。


「リーフ、リーフ、愛している。あいしてる。あいしてるぅぅぅっ」

「セプター正気に戻れ」

「嫌だー!!リーフ、リーフっ!!リーフがいない!!リーフ!!どこだあああああっ!!」


どうしよう、このままではセプターが壊れる。

セプターを助けるには………


俺が『リーフ』になるしかない。


混乱するセプターを抱きしめて、今まで言いたくても言えなかった言葉を伝える。


「ごめんな、セプター…もう探さなくても大丈夫だ。リーフはここにいるだろ。お前のことを愛してる…」

「あ? リーフ?…リーフ💗リーフ💗💗ああ良かったリーフだ」


泣きながら抱きついてきて、喜びのキスのシャワーを浴びせるセプターを制した。


「待ってくれ。一つだけ頼みがある。」

「なんだ?何でも言ってくれ。お前の言うことなら何だって聞いてやる」

「……それなら名前を呼ぶのはやめてくれ。」

「なんでだ。俺の付けた名前が気に入らなかったのか? 凄く喜んでたじゃないか」


セプターがつけた名前!!


「そうか……それでも討伐中は名前を呼ぶのは駄目だ。そのかわり後は何をしてくれても構わない」

「……わかった、名前は呼ばなければ…続きを…お前を抱いて良いんだな?」
 
「……ああ、お前の好きなようにしてくれ。愛しているよ、セプター」
 

 
 
 
 
 
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