スクールカースト上位の俺は異世界の中心で男にまわされる

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26 祝福の義式

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「では神子様の言う通り、『サカシ』と言う者を探しておきます。」

「違う!坂井だっ!! 探す気あるのかよっ!!」

「申し訳ありません。異国の名前は分かりづらいのです。『サカイ』ですね。必ず探しておきます。ですが今日は選ばれし12人の勇者達に祝福を授ける日なので早く支度をなさって下さい。」

「なんで授けなくちゃいけないんだよ。俺は神子じゃないんだ。男となんかしたくないんだよ。それに俺はエルを抱いて疲れている。絶対出ないからな。」




そう、エルを抱くのは大変だった。

息子がなかなか元気にならない。

どうにか抱いたけど、全然気持ち良くないし、ただ疲れただけだった。

なんでだ? 

普通はSEXで疲れたと言っても気持ちいい疲れのはずなのに………身体が凄く重くて怠い。


逆にエイプやラリーに抱かれた方のが数倍気持ち良かったな…。


ついエイプの股間のあたりを目が追ってしまう。


くそ、俺はコイツに女にされちまったのか?


「………神子様、違いますよ。」

「えっ!」

「今日は貴方をお守りする勇者達にお目通りをしていただいて挨拶のキスをするだけです。」


なんだ…祝福の話か。女になったってことを否定されたのかと思った。


「……キスすればいいのか?」

「はい、皆、神子様にお会いするのを心待ちにしております。」

「だけど俺は神子じゃない。」

「異世界の方なら神子様の祝福を与えることは出来ます。どうか本物の神子様が見つかるまでお役目をお願いします。」


チッ、駄目だったか。
坂井が来るまでの間、我慢するしかないか。
男とキスなんてしたくもないけど、キス一つで抱かれずに済むなら仕方ないか。


用意された服に着替えてムカつきながら謁見の間のでっかい椅子に座って、選ばれし12人の勇者を迎えた。

選ばれし12人の勇者は俺を見るなり皆怪訝そうに顔を曇らせる。


当たり前だ。

男が純白のドレスを着て待っているんだからな。

結婚式じゃねぇっつーの。

俺だって好きでこんなドレスを着たわけじゃない。

これしかエイプが用意しなかったんだ!!


「謁見が遅れたのはそういうことか。」


「失礼します」と急に執事が入ってきてエイプに耳打ちしてすぐに下がっていった。


「只今連絡が入り、本日セプター・バンテール様は屋敷の方で急病人が出た為、参加できないとのことです。」

「アイツ何やってんだ。」


濃い青い髪の男が文句を言っているが、一人でもキスしなくて済むのは俺としては嬉しい。
そいつは坂井にキスしてもらえばいいだろう。


「神子様に病を移してはいけないと思われたのではないか?」

「では祝福の義は取りやめになるのか?」


勇者達の中で憶測が飛び交う。


「静粛にお願いします。セプター・バンテール様は後日改めて挨拶をするということで、今日はここにいる者だけで祝福の義式を行いましょう。」

 
はー、やっぱやるのかよ。


男の頬にキスするなんて憂鬱だな。
 
 
 

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