スクールカースト上位の俺は異世界の中心で男にまわされる

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1 7月20日 (改)

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俺 浜中幸男は自分で言うのも何だが、この学校でみんなが一目を置くイケメンでその上成績優秀だ。

親は不動産経営をしていて資産家の息子で、誰もがみんな俺と親しくなりたがっている。

声をかけてくる奴らが多い中、このスクールカースト上位の俺のことを完全無視するやつがいる。

隣のクラスにいるメガネの地味陰キャ 坂井公彦だ。

体育の合同授業でボッチの坂井に俺の方から声をかけてやったのに、曖昧な返事をして嬉しくなさそうな顔をする。

コイツ陰キャのくせに生意気だぞ!!

その日から坂井にちょっかいを出し始めた。

最近ではどうしたらアイツを支配できるかということばかり考えている。



「明日から夏休みか…くそっ」


坂井の顔見なくてせいせいするはずなのに なんでこんなにイライラするんだ。


担任の夏休みの注意事項のつまらない話が延々と続く中、前の方からこっそりと俺の机の上に小さく折りたたまれたピンクのメモが置かれる。

宛名は俺だ。開いて読むと、一番前に座っているこの前寝た女からだ。


〈 幸男くんへ♥明日から夏休みだね♥私、幸男くんとネズミの海に行きたいな♥デートに連れてってね♥あとでLIME交換してね♥トモヨ♥ 〉


「うざ!」


メモを握りつぶして送り主を睨むとニコニコ笑いながら手を振っている。

昨日までメガネをかけて地味な女が今日は髪を下ろしてコンタクトレンズにしている。唇もほんのり赤い。


勘違いすんなバカ女。
お前にLIME教えるわけないだろ。

そうだ💡


握りつぶしたメモのシワを伸ばして、その裏に返事を書いて広げたまま後ろのクラスメートに渡す。

わざと遠回しに回すように指示して勘違い女の所に届くようにしてやった。

メモが運ばれていくところから次々と反応するのが見えて面白い。

だんだんバカ女ゴールに近づくと教室の中は賑やかになり「みんな静かにしなさい。」と先生に怒られた時に丁度女の所にメモが配達された。


「いやああああああ」

「どうした岡田、先生はお前を怒ったんじゃないぞ。」

「いやいやああっ、いやああああああぁぁぁぁっ」

「どうした、具合が悪いのか? 今 保健室に連れて行くからな。みんな少し早いがHRを終わる。チャイムが鳴るまでは教室を出るな。鳴ってからたら帰って良いぞ。」


泣き叫ぶ勘違い女と担任がいなくなり、ウチのクラスはどこよりも早くHRが終わった。


「幸男、アレは酷くないか?アイツ登校拒否になっちまうぞ。」

「別に明日から夏休みなんだから来なくてもいいだろ。それに俺は事実を書いただけだ。なんなら今追いかけていって加藤が慰めてやれば?」

「えっ!嫌だよ………でもよ。〈 一度寝たぐらいで彼女ヅラすんな、鏡見ろドブス! 〉ってメモをみんなに見せたのはヤバイだろ。」

「俺は悪くないぜ。渡したメモが、途中で開いちゃって 見えちゃったのは俺のせいじゃないからな。」

「開いちゃったって………」

「先に彼女ヅラしてみんなにわかるようにメモを送ってきたのはあの女じゃないか。俺は被害者なんだぞ。」

「はー、お前ってやつは…気をつけろよ。いつか酷い目にあうぞ。」

「大丈夫、大丈夫♪」


隣のクラスのHRが終わるのを廊下で待とうとすると加藤に呼び止められた。


「おい、まだチャイム鳴ってないぞ。隣のクラス…アイツの所に行くのか?」

「まあな。おーい美緒、さやか、ついてくるか?」

「いくいく♪」

「さっきのメモ面白かったよ♥」

「俺も行く、来いよ加藤。」


呼んでもいないのに下條が加藤を引っ張ってついてくる。

いつものメンバーで、坂井公彦を遊んでやることにした。
 
 
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