【BL】王様の命令は絶対っ!!

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二人の王様

第14話 拉致 ー緒方遥 目線ー

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 恋人で王様であるこのボクを置いて、辻先輩は岩崎先輩を担いで帰っていった。


 野次馬達も散り散りに帰り始めていく中、ボクの取り巻きたちが寄って来る。


「遥ちゃん、あんな薄情な男やめちゃえよ。」

「そうそう、キミを大切にしないようなヤツは振ってさ。俺と付き合おうよ。」

「はは、何いってんだ。お前には彼女いるだろ。その点俺は彼女いないよ。遥ちゃん一筋だからね。だから俺とつき…」

「いーや!こいつらより俺の方が遥ちゃんのこと大好きなんだよ。ほら見て見て遥ちゃんのアクリルキーチェーン。遥ちゃんがこんなにいるんだよ。可愛いでしょ。」


 鞄についているアクリルキーチェーンを見せられた。

 ガチャガチャと沢山付いているアクリルキーチェーンはバレーボールみたいな大きさになっている。

 ほとんど重なっていて横からは透明なアクリルしか見えない。
 
 絵柄がわかるのは上にある数枚だけだ。


「凄ぉぉい、ボクがいっぱいだね。」


 この人アクリルキーチェーンで幸せそうだから、貴方にはボクは必要ないね。


「でしょーーー❤」

「遥ちゃんのアクキーなら俺だって持っているぞっ!!ほら!!」

「俺だって持ってるよっ!!」

「みんな持っているの? わあ、服が違うんだねー。」


 はー、みんなで一生懸命張り合っているのは良いんだけど、辻先輩も帰っちゃったからボク帰りたいな。



「何をしているんだ。」


  !


 騒ぎを割って入ってきた声の方に一斉に視線が集まめる。

 背が低くくつり上がった目に、興奮すると裏替えってしゃべる癖、そして威圧的でキツイ物言いをする………3年で元生徒会書紀の高橋たかはし ちから先輩


「緒方、こんなところで何してんだ?教室に来るように言ってただろう?!俺にお前を探させるな!!」




 そしてコイツは全校生徒の嫌われ者。




「遥ちゃん?」

「遥ちゃん、大丈夫?」

「大丈夫?」


 取り巻き達は弱く、大丈夫?と聞くだけで助けてくれない。


「大丈夫❤」


 ………な訳ないじゃない。


 バーカ!!




 
 アイツがここにいたら、絶対ボクを助けてくれるのに………





「早く来い!!」


 高橋先輩はボクの腕を掴んで強引に拉致した。
 
 
 
 
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