【BL】王様の命令は絶対っ!!

yao

文字の大きさ
上 下
21 / 80
王様の命令は絶対っ!!

第21話 喧嘩

しおりを挟む



部屋の中には、二人の愛を確かめ合った残り香と熱い吐息が零れている。

 
身体が凄く痛い……

……でも……

それ以上に修斗を好きだという気持ちの方が大きくて痛さも嬉しい。

 
呼吸が少しずつ落ち着いてきて冷静になってくると、今自分の置かれている状況が客観的に見えてきて………

 

うわぁっ❤恥ずかしいっ!!
こんな所でこんな事するなんて思わなかったっっ!!
 
……話の内容を確認しないで返事した俺も悪い……

けど 普通は何回かデートしたりして、
 
もっとお互いを良く知って、
好きって気持ちがめちゃくちゃ盛り上がってから、
こういうことをするんじゃないのか?
……でもでも、これで俺は……修斗の恋人……なんだよな❤
うわぁ~~~~~~っ❤ (;≧_≦)

「……ナギ」

俺を抱き寄せると、またキスから始まり手は身体を滑って双丘へ………

「あ……っん、んんっ」

キスでとろけてしまった脳はさっきまで考えていた恋人の段取りのことなど どうでもよくなってしまい……

修斗に求められるがまま許してしまう。
 
そこへ再び内線電話が鳴りだした。



プルルルルルルルッ!! プルルルルルルルッ!!



「だめ、出ないで」

「やだ、誰かここに来たら困るから……」

 
修斗のお願いを断り、ふらつく足取りで受話器を取った。


「もしもし?」

「用務員室ですが下校時間を過ぎてます。早く帰宅して下さい。」

「えっ! 」


内線をかけてきたのは用務員さんだった。
 
カーテンが閉まっていて外の様子が分からなかったが時計を見ると針の指し示す時間は夜を告げている。


「す、すみませんっ!! すぐに帰りますっ!! 」


急いで身支度を整えて、玄関に行くと校内にはもう俺達しかいなかったそうだ。
 
用務員さんと守衛さんに沢山謝ってすぐに学校を後にした。



 
こんな夜の時間に修斗と二人きりで駅まで向かうなんて初めてだ。
 
学校の周辺に人影はなく、通い慣れた道なのに夜のせいなのか、それとも修斗の恋人になったせいなのか、いつもと違って景色がキラキラと輝いて見える。


「………ナギ……ごめん。大丈夫か?」

「……ん。」


 
こくんと頷くが本当は全然大丈夫じゃない。
 
身体の奥の方が痛くて痛くて歩くのが辛い。
 
いつもより、かなり慎重にゆっくりと歩かなくちゃいけない。


「……ナギ…」


「なに?」

「その……俺達、恋人でいいんだよな?」

「!」


 
修斗は自信なさげに聞いてくる。
 
生徒会室であんな大胆なことしておいて今更それを確認するのか?!
 
そう言いたかったけど さっきのことを思い出してしまい、
 
俺は急に恥ずかしくなって声が出なくて……また、こくりと頷いた。
 
すると修斗は立ち止まってもう一度


「本当に俺でいいんだな?」

 
修斗……俺の口からちゃんと聞きたいんだ。


「………修斗でいい」

「…………っ!! 」

 
次の瞬間 修斗に抱きしめられていた。


「っ、修斗……」

「……もう戻れないからな。」

「うん。」

「お前のこと離してやらないからな。」

「うん。」


 
そんなの俺だって同じだよ。
 
修斗のこと大好きだもん。
 
でなきゃ、あんな事 許すわけないじゃん。


「俺、ナギにもっと好きになってもらえるようにいい男になるから。」


 
ん?



「ちょっと待ってよ!! それ以上いい男になってどうすんだよ。修斗は十分モテてるだろう?!」

「女の子にモテるのとナギに好かれるのは全然違うだろう?俺はナギに釣り合ってないから、もっと努力しないと……」

 
ぐわ~~!! どこを見て言っているんだ!!


「釣り合ってないのは、どう見ても俺の方だろ!!」

 
身長とか、成績とか、バスケとか、修斗に一つも勝ててない。



「なに言ってんだ。ナギはウチの学校で一番可愛いじゃないか!! ………はっ!! 」



 
か………可愛いだとぉ~~!!



 
人生で一番聞きたくない憎むべき言葉を!!!
 
嫌な過去がフラッシュバックして瞬く間に脳を埋め尽くした!!!

 
ぶっちぃーーーーーんっ!!

 
怒りで頭の中が赤く沸騰して大声で叫んだ!!


ぼくを可愛いなんて言うなっっ!!!ぼくをバカにするやつは絶交だっ!!顔も見たくないっ!!」

「ナ、ナギっ!ごめ…………」

「さわるなぁっ!!」

 
駆け寄る修斗の手を払った。






 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

続きは第一図書室で

蒼キるり
BL
高校生になったばかりの佐武直斗は図書室で出会った同級生の東原浩也とひょんなことからキスの練習をする仲になる。 友人と恋の狭間で揺れる青春ラブストーリー。

催眠アプリ(???)

あずき
BL
俺の性癖を詰め込んだバカみたいな小説です() 暖かい目で見てね☆(((殴殴殴

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

愉快な生活

白鳩 唯斗
BL
王道学園で風紀副委員長を務める主人公のお話。

処理中です...