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41 神子様
しおりを挟むはー、疲れた。
さてと、もうひと仕事残っているんだ。
「リーフ、サオマ様を応接室にお連れして私はセプター様のお部屋をお掃除するから」
言われたとおり応接室にサオマ様をお連れしたけど、これからどうやっておもてなしするんだろう。
サオマ様はレモネードを沢山飲んで喉も渇いてないし、きっとお腹もチャポチャポで減ってないはずだよね。
いらないと思うけど、とりあえずマリーさんにどうしたら良いか相談しようっと。
「おい、ちんちくりんどこに行く。お前を見ておくと約束したんだ。そこにいろ。」
「サオマ様のお食事のご用意の打ち合わせを…」
「いらん。」
そーでしょうけど!!こっちの間が持たないんですよー。
セプター様が戻ってくるまで俺立ちっぱなしで待つの?!
普通の執事とかはなれているかもしれないけど、ひ弱な現代っ子の俺にはめちゃくちゃしんどいんだっつーの。
だいたいさー、レモネードおかわりしている時になんでご挨拶の話をしなかったんだよー。
「そうだ、ちんちくりん。セプターが言っていたお前を盗むというのはどういうことか話せ。」
あー、だよねー。セプター様の言葉へんだったもんねー。
ん?ちょっと待て俺の呼び名はちんちくりんで確定なのか?やだなー。
「俺は故郷から遠く離れたこの町に人拐いに連れてこられました。人拐い達のすきをついて逃げ出して闇雲に走って力尽きて倒れていた俺を旦那様が助けてくれたんです。そのご恩返しのためにここで働いています。」
「ふん、得体のしれない奴をそばに置くなんて、アイツは何を考えているんだ。」
まあ、貴族は普通 素性のわからない人間なんか傍に置かないよね。
泥棒とか暗殺者とかだったら困るもんね。
でもこれはゲームだからその点の矛盾とかはご都合主義でなんとかなってるみたい。
「………」
「………」
はあああ、どうしよう、間が持たないよ。
それに色々詮索されてボロが出るのも怖い。
あ、逆にサオマ様に質問しても良いのかな?
「あのー、サオマ様は神子様にお会いしたことがあるんですよね?」
「まあな、なぜそんなことを聞く。」
「高貴な神子様ってどんな方かと思って…美女ですか?」
「ははは、お前も男だな。聞いて驚け凄く変わった名前の………おっと、喋ったらいけないんだった。危ない危ない。神子様のことは聞くな。」
「すみません。」
チェッ、セプター様と違ってさすがにガードが硬いや。
質問作戦も駄目ならもう黙って立っているしかないか。
でも1つだけ収穫があった。
『日本人名』ということは主人公が魔法学園にいるんだ。
神子様、同じ日本人だからって浜中に気を許しちゃ駄目だよ。
アイツは女たらしで性格悪いから気をつけてね。
と忠告してあげたいけど、セプター様やサオマ様のほうが魅力的だからそんな事は大きなお世話だろう。
それにどのみち、平民で使用人の俺は神子様に会うことすら許されないはず。
ここから応援しているよ。
名前も知らない神子様、頑張ってクリアして現実世界に一緒に帰ろうね。
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