巻き添えで異世界召喚させられた?!世界を救うのは主人公にまかせてモブの俺は全力で逃げたいと思います！

３３ 俺の存在意義って…

 
 
 
 
「おはようございます。リーフ、起きてますか。」

「おはようございます。マリーさん。」


早朝から美しい巨乳の女神が俺の部屋に訪れた。


「心配して来たけど起きれたみたいで良かった。やっぱり紅茶だったんですね。」

「はは、そうみたいです。」

「早く顔を洗って支度して下さい。旦那様が先に起きちゃいますよ。」


と言って毎回、俺が着替えている間も出ていかない。うーん、俺の裸ってそんなに魅力的？


「うん？あれ？タイが結べない。」


普通のネクタイだったら結べるのに、蝶ネクタイって変な形してるから結びにくいんだよ。


「貸して下さい。」


モタモタしている俺の手からタイを取り上げてマリーさんが手際よく結んでくれる。

恋人と同棲するってこんな感じかなぁ💗　美人で胸がおっきい彼女って良いよな💗

甲斐甲斐しく俺の世話焼くなんて、マリーさん俺の事好きなのかな？


「早く、行きますよ。」


朝は忙しく廊下に人はいない。今がチャンスだ。

歩きながら、さり気なくマリーさんに聞いてみた。


「マリーさん。」

「はい、何でしょう？」

「マリーさんには、その…好きな人っているのかな？」

「………います。」

「え、いるんだ。その人って例えば美味しいものをプレゼントしてくれる人とか？」


俺の事じっと見てる。やっぱり俺のこと…ドキドキしてきた。


「………なんで聞くんですか？」

「なんとなくマリーさんの好きな人ってどんな人かなって思って」

「とっても素敵な方ですよ。この屋敷の人じゃないけど」


ガーーーーン　秒で失恋かよっ!!



このときまほ💗楽しくなーい。やっぱモブだから恋愛とかないのかぁー。

ゲームの世界でも俺は恋愛出来ないのかよ。

勇者の浜中は今頃、神子様とかメイドとかにモテモテなんだろうなー……くうううっ！！羨ましーっ!!

神子様、どんな可愛い娘が召喚されたのかな？一度くらい見てみたい気もするなー。めっちゃ危険だけど。


セプター様の部屋の前に着くと控えめにノックしてから入室する。


「失礼します。」


暗い部屋の中にはすでにハーマンさんが控えていてビビる。

会釈してカーテンを開けてセプター様を起こしに行く。


「おはようございます。セプター様。」

「う…ん。」

「朝です。お目覚めの時間ですよ。」


寝返りを打たれてしまった。昨夜寝るのが遅かったのかな。

もう一度、声をかけようと思ったら急に飛び起きたからびっくりした。


「お、おはようございます。セプター様。」

「おはよう、リーフ。」


俺の仕事これだけ、あとはハーマンさんが全てやる。


「おはよう、ハーマン今日の予定はなんだ。」

「今日のご予定は、午前中までに領地と農家の経営状況を視察、昨日延期になった祝福の義を本日夕方に行う事になりました。」


本日の予定を聞きながら身支度を始めるセプター様を見ているだけ………


ねえ、これ、昨日も思ったんだけどさ。

俺、いらなくない？

朝起こすのハーマンさんが全部やれば良くない？


自分で自分の存在意義を否定してしまう。

だって、ここ人足りてるじゃん。

俺はここ以外のところで仕事したほうが絶対効率良いと思う。

朝食の時にセプター様に言ってみよう。