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19 身分
しおりを挟むハピラキの町にはお昼過ぎから行くことになった。
そして食堂向かうと俺の分の昼食も用意されてて………
本当に一緒に御飯食べるのが俺の仕事になんですかーー?………トホホ。視線が痛いです。
ストレスで味のしないご飯を食べ終え、食堂を出る時マリーさんに呼び止められる。
町に行く時に髪の毛を隠すようにと、フードのついたモスグリーンのケープを渡された。
格好良いーー💗これで背中にあのマークがあったら完璧だー💗
こういうの一度着てみたかったから嬉しいなぁ♪
早速羽織ってくるりとターンしてポーズをとるとケープが広がり、まるであの巨人を倒す漫画のワンシーンのようだ。
「きまった…………格好良いなー!!」
はっ!! マリーさんの冷たい視線が背中にささる。
この子は何をやってんの?って顔してる。
いいじゃんいいじゃん。本物は大阪のテーマパークに行かないと買えないんだぞ。
恥ずかしさを隠すために自分に言い訳して逃げるように玄関に向かった。
馬車がすでに待機しており、ハーマンさんが馬車のドアのところに立っている。
さっきまでのルンルン気分が一気に消えた。
………なるほど、ハーマンさんはセプター様のお見送りで待機しているんですね。
どこで待とうか戸惑っていると不機嫌そうな顔で人差し指で手招きされた。
会釈してハーマンさんの隣に立ってセプター様を待っているといきなり突っかかってきた。
「旦那様が気にかけて下さるからといって、平民のくせに調子に乗るな。」
「………調子にのってません。」
「そうやって執事長の私に口答えすること自体が、調子に乗っていると言うんだ。平民のくせに来客用の部屋に寝泊まりして、その上食事もご一緒した挙げ句、旦那様と同じ物を食べるなど図々しいにも程がある。」
ハーマンさんによく思われてないと思っていたけど、こんなに嫌われていたんだ。
部屋も食事の事も全部セプター様が決めたことなのに、なんで俺が怒られているんだろう。
もしかして俺って虐められ体質なのかな…ときまほ💗でもイジメられるなんて…最悪―。
町に行っている間はハーマンさんと顔を合わさないから、ストレスから開放される。
早くハピラキの町に行きたいな。
「それから旦那様のことをお名前で呼ぶな平民。常識がないのにも程があ………」
「?」
ハーマンさんの虐めが急に止まった。どうしたのかな?
「待たせたな。行こうか。」
なるほど セプター様が来たから黙ったんだ。
セプター様が馬車に乗り込み、その後に続いて乗ろうとしたら、ハーマンさんに思い切り突き飛ばされ、地面にひっくり返った。
「痛っ!」
「私が先だ。お前は外に乗れ。身分の優劣もわからないのか。」
あー、見送りじゃなくて貴方も一緒にいくんですね。わー楽しそうだなー(棒読み)
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