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7 この世界は?! (改)

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「おひさまの香りがする。ふかふかして気持ちいい。」




まるで雲の上で寝ているみたいだ。

ウチのベッドってこんなにふかふかだったっけ? 

まあいいや、夏休みに入ったんだし 二度寝しよう

しかし変な夢見たよなー。

よりにもよってあの浜中と異世界に行くなんてさー…


 
ん?



なんか忘れているような気がする? 




!!!!!



「ときまほ💗っっ!!夏イベ 早くやらないとっ!!」


飛び起きてぼやけた視界で眼鏡を探す。

メガネはケースに入れずにテーブルの上にスマホと一緒に置いてあった。


こんなところにテーブルあったっけ?

お母さんが新しく買ったのかな?


眼鏡をかけて、急いでスマホをタップすると画面が電池切れで真っ黒。


マジかよー。充電コードどこに置いたかな?


俺の部屋にはおよそ似つかわしくない豪華なサイドテーブルの引き出しの中を見るけれど中は空っぽ。


「なにも入ってない。机の方かな」


ベッドを降りて勉強机の上へと視線を向けると あるはずの勉強机はなかった。


「えっ?! 俺の部屋じゃない!!」


薄紫を基調とした広い部屋に、豪華なデザインで統一された家具が備え付けられている。


ここどこだろ?おかしいな?あれ?

浜中達にいじめられてから 思い出せないぞ。

浜中を椅子でなぐったステキな夢なら鮮明に思い出せるけど…



「あ、良かった。目が覚めたか。」


いつの間にか部屋のドアが開いて、一人の男性が立っている。

その人は俺の推しキャラ セプター・バンテール

推し様がトレーに水の入ったグラスを持ってお立ちになられていた。


はうううっ!!今日もイケメーンっ!!
しかも3Dで喋って動いているぅぅ。眼福―――っ!!
セプター様のホッとした表情!! ここも描き下ろし動画ですか?!本当に最高です!!
神絵師Re:アルフ様、セプター様を生んでくれて有難うございます。


神々しいセプター様に両手を合わせて拝む。


「どうして手を合わせて泣いているんだ?どこか痛いのか?」


セプター様は急いでテーブルにトレーを置いて、俺を気遣いベッドに連れて行ってくれた。


なんて優しいんだろうっっ。
それにいい香りもするーーー!! 
これは3Dじゃなくて4DXじゃないかー💗


「違うんです。貴方が尊すぎて感動の涙が止まらないんですー。優しくしていただいて有難うございます。なんていい夢なんだろう。」

「夢?寝ぼけているのか、それにしても優しくしただけで泣くなんて君は一体どんな酷い目にあって あそこにいたんだ?」

「??あそこって?」

「神子召喚の魔法陣があった近くの森だ。気を失って倒れていたから俺の屋敷に連れてきたんだ。」

「魔法陣?!!」


一気に記憶が蘇る。


4DXのセプター様に会えたことに喜んでいてすっかり忘れてた。


あれは夢じゃなくて 俺は本当に異世界に来てたのかよ。


しかもセプター様がいるってことはここは



【ときめき魔法学園へようこそ💗】………



ビッチゲームの世界じゃないかよぉぉぉぉーーーー!!





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