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十七歳・残された日々(4)彼女の影
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さっきまで暑かった室内が段々と快適な温度へと変わってゆく中で、私は部屋の隅のシンプルなパイプベッドに背もたれながら、ゆっくりと部屋中を見渡している。
軽く十二畳ほどある広いフローリングの部屋は、その部屋の主の性格を象徴しているかのように、音楽雑誌が散乱している他は至って簡素だ。
その中で、大きなオーディオ機器が目を引いた。
そして、千枚は越えていそうなおびただしい数のCDが壁際の黒い木製ラックに収納されている。一目で音楽にウルサイとわかる部屋をしているのに、一枚のポスターも見当たらないところなどもいかにも彼らしい気がする。
エアコンが効いてきて部屋は薄ら寒いくらいだけど、外は炎暑であるはずだ。
既に受験生の天王山である夏期休暇に入っている。
けれどつい昨日まで私は、夏服だというのにウールが30%も混じっているとんでもないグレーのセーラー服を着て、午前中は学校へと足を運んでいた。
前期課外の為だった。苦手な数学・世界史を受講していたのだ。
しかし午前中だけとはいえ真夏の最中、制服を着てクーラーがない教室での講義は辛かったと、しみじみ思う。
だいたい、あの夏服からして私は嫌い。白いスカーフが可愛いという声もあるけれど、思うにそれはきっととびきりスタイルの良い女の子に違いない。手足がとても華奢な子でないとあのセーラー服は着こなせないとうことを、私は身をもって実感している。
「ごめん、遅くなって」
突然ドアが開く音がして、この部屋の主が再び姿を現した。
「豆が切れてて、挽くのに時間かかっちゃってさ」
そう言いながら彼は、水滴のついた透明なグラスを私の目の前に置いた。
「美味し……」
白く細長いストローで一口飲んでみると、苦みの効いたアイスコーヒーが乾いた喉に吸収される。
「ねえ、守屋君」
「何」
「あれは?」
私は、部屋のもう片隅を指した。
それは、楽器店のように壁にディスプレイしてある十数体ものギター。ステレオと同じく、とても目を引いている。
「ああ……。あれか」
彼は、一瞬、微妙に目を細めた。
しかし、すぐに元の表情に戻ると、
「見ての通りギターだよ。バンド組んでたんだ、中坊ん時。気のあった奴らとさ。曲なんかも書いて、いっぱしのロッカー気取りでガンガンやってたぜ」
ナマイキだろ、と彼は笑った。
今はもう引退しているが、先日の高校総体予選まで彼は地味な漕艇部なんかに籍を置いていた。
178㎝ほどの長身とは言えバスケなんていうイメージではない彼にボートの選択はわかるような気がしたけれど、その彼がバンドでギターを弾いていたなどとはちょっと信じられない。
再び『過去』の彼の姿というものに想いを馳せながら、私は『現在』の彼とのその落差を想像してみて複雑な感情を覚えずにはいられない。
「聴いてみたいな。……守屋君の音」
「もう無理だね。バンド辞めてから、一度も触ってない」
そう言った彼に、私はさりげなく「いつ、辞めたの」と尋ねてみた。
果たしてかな彼の答えは、「中三の時」だった。
そのバンドのキィボード、或いはヴォーカリストは、他ならぬ『玲美』さんだったのではないかという邪推にも似た考えが私の脳裏に浮かんでいた。
しかし、それを言葉にすることなど私に出来るはずもなかった。彼の固い手触りに、私はそれ以上、彼の世界へと踏み込んでゆくことは許されないことを悟っている。
私は。
私は彼女の影に怯えている……?!
その時、私はゾッとする感情を覚えた。
彼女はもうこの世にはいない人間。
彼女は守屋君を残して、ひとりでに逝ってしまった。
しかし、存在しないからこそ、その想い出は時と共に益々美しくなってゆくばかりではないのか。
守屋君は、今でも……。
「守屋君のお家って、大きいのね」
私はそれ以上考えていたくなくて、全く関係のないことを故意に口にしていた。
それは、初めて彼の家に案内された私の第一印象でもあった。
地元一のお屋敷外の一角に堂々とその居を構えている彼の家は、手入れの行き届いた庭まで含めるとかなりの広さがある。
「ギターとかステレオとかも、すっごい高そう」
「言えば何だって買ってくれるよ。放り投げるようにさ」
その彼の言葉には、自慢などではなくむしろ自嘲が含まれているように私は一瞬、感じた。
「子守り道具と似たようなもんだよ。金さえ与えてれば、ガキは満足してると思ってる」
彼は呟いた。
「成金だよ、俺ん家なんて。製紙会社やってて、手広いのはらしいけどさ」
「だから……。ご両親が、お忙しいのね」
「親父どころかお袋までほとんど家にはいやしないよ。親父は仕事仕事とか何とか言いながら、外にも女つくってよろしくやっててさ。それでお袋がまた、好き勝手やってるわけ。そんなんだから、俺が何しようが口出しもしない。いつ帰ってこようが、外泊しようが好きにしろってな家だよ、俺んとこは」
『玲美』さんに続く、彼の二度目の打ち明け話を聞きながら、私は何となく言葉を作れずにいる。
彼は私に話して聞かせているというよりは、むしろ唯、独り言を呟いているような気がした。
彼の持つ影は、玲美さんの『死』だけに依るものではなかったのかもしれないと、初めてそう思った。
中学時代、奔放に振る舞いながらも彼は淋しかったのかもしれない。
そして、それは多分、今もまだ続いているのだろう。
だから彼は、夜の盛り場を彷徨い、その空虚さを紛らわせようとしているのか。
ましてや、最愛の彼女もまた自分を置き去りにして逝ってしまった彼の心中は、計り知れないものがあって当然だったんだろうか……。
「神崎んとこはアットホームしてんだろ」
「うん? うちは普通、なんじゃないかな」
「躾の行き届いたいいとこのお嬢さんって感じするよ。神崎さんは」
「私が? 冗談! お杏のような資産家令嬢じゃあるまいし」
「そういう俗っぽいんじゃなくてさ。カタイってゆーかさ、なんとなく。犯しがたい品がある。なんたって、済陵の誇る才色兼備。才媛『神崎女史』だもんな」
「そ、そんなことないわ! わ、私は……」
私は、その私が一番嫌いな単語を聞いて、動揺し、懸命に彼の言葉を否定しようとした。
しかし、言葉が上手く紡げない。ただ狼狽し、内心の動揺を抑えようとするけれど、それは徒労だった。
「そんなムキになるなよ。そんなんがすげえ神崎らしいって、思ったりして」
そう言って彼が笑う。
そんな彼から、つと視線を外した私は一言呟いた。
「やっぱり。私って、マジメすぎるのかな……」
それは、中学以来ずっと私のコンプレックスの素となり、絶えず無意識に私を苛んでいる想いだった。
タイを緩め、スカート丈を短く制服を着崩して、可愛く外見を装ってみたりなんかして。
私もフツーの女の子なんだからって自己主張してみても結局、それは虚しい抵抗に過ぎないようだ。
成績をどん底まで落としてしまった今でさえも、人は私のことを『優等生』と呼ぶのだろうか……。
「マジで悪いことなんかないじゃん。俺なんて、不真面目の極致だったからさ。後悔してるよ。生活習慣なんかそんな急には変わんないし、受験ベンキョーだってどこから手ぇつけていいかわかんねえ始末だしさ。そういうのって情けないぜ」
彼は言う。
「神崎はそれでいいと、思うよ」
何気なく呟いた彼のその言葉を、何故彼がそんなことを言ってくれるのか不思議に思いながらも、私は無言のままその温かみを噛みしめている。
常に他人の目を無意識のうちに意識し、他人から見た自分というものに怯えている私にとって、その言葉は、どんな愛の言葉よりも私の心に響くものであるかのようだった。
他人を通して自己を評価し、認識する。
もしかして、私はまだ真の自我を確立できていない、不完全極まりない人間であるのかもしれない。
氷が溶けて水っぽくなってしまったアイスコーヒーをストローでかき混ぜてみたりしながら、クッションを背に、隣でやはりベッドに寄りかかったままいつの間にか音楽雑誌に目を通している彼の姿に、ちらりと視線を投じてみる。
彼はもう自分の世界へと入り込んでいた。
私はなんとなく手持無沙汰になって、この空間に自分がいることを、今更ながら不思議に思っていた。
八月葉月に入った今日から私は、あの暑苦しい制服を脱いで、白いV首の前開きブラウスに淡いピンクのシフォンロングプリーツスカートという軽装でやはり朝早くに家を出ていた。
前期課外は終わったものの、休む間もなく予備校通いというわけだ。
受講するのは朝九時からの難関英語90分と11時からのセンター試験対策数学60分。
午後はクーラーの効いた自習室で、閉館まで詰めて勉強する計画だった。
多数の受験生の中にいれば嫌でも勉強せざるを得ないだろうと考えて実際、講義終了後正午までは、溜めている添削課題などを解き、しっかり受験生していた。
ところが。
英語の授業が終わり、教室を出た私をその正に予想外の出来事に遭遇したのだ。
そこには、真夏の太陽を遮るように、濁った暗いカーキ色の迷彩柄Tシャツを着た守屋君がそこに立っていたのだ。
確かに、特待生試験のBコースに通ったことを彼に報告した時、この授業を受講することを彼に話してはいたし、彼がここの夏期講習を受けることは知ってはいたけれど。
まさか、彼が私を待っていてくれるなんて……。
私はその事態を把握するのに、たっぷり数秒は要したのだった。
軽く十二畳ほどある広いフローリングの部屋は、その部屋の主の性格を象徴しているかのように、音楽雑誌が散乱している他は至って簡素だ。
その中で、大きなオーディオ機器が目を引いた。
そして、千枚は越えていそうなおびただしい数のCDが壁際の黒い木製ラックに収納されている。一目で音楽にウルサイとわかる部屋をしているのに、一枚のポスターも見当たらないところなどもいかにも彼らしい気がする。
エアコンが効いてきて部屋は薄ら寒いくらいだけど、外は炎暑であるはずだ。
既に受験生の天王山である夏期休暇に入っている。
けれどつい昨日まで私は、夏服だというのにウールが30%も混じっているとんでもないグレーのセーラー服を着て、午前中は学校へと足を運んでいた。
前期課外の為だった。苦手な数学・世界史を受講していたのだ。
しかし午前中だけとはいえ真夏の最中、制服を着てクーラーがない教室での講義は辛かったと、しみじみ思う。
だいたい、あの夏服からして私は嫌い。白いスカーフが可愛いという声もあるけれど、思うにそれはきっととびきりスタイルの良い女の子に違いない。手足がとても華奢な子でないとあのセーラー服は着こなせないとうことを、私は身をもって実感している。
「ごめん、遅くなって」
突然ドアが開く音がして、この部屋の主が再び姿を現した。
「豆が切れてて、挽くのに時間かかっちゃってさ」
そう言いながら彼は、水滴のついた透明なグラスを私の目の前に置いた。
「美味し……」
白く細長いストローで一口飲んでみると、苦みの効いたアイスコーヒーが乾いた喉に吸収される。
「ねえ、守屋君」
「何」
「あれは?」
私は、部屋のもう片隅を指した。
それは、楽器店のように壁にディスプレイしてある十数体ものギター。ステレオと同じく、とても目を引いている。
「ああ……。あれか」
彼は、一瞬、微妙に目を細めた。
しかし、すぐに元の表情に戻ると、
「見ての通りギターだよ。バンド組んでたんだ、中坊ん時。気のあった奴らとさ。曲なんかも書いて、いっぱしのロッカー気取りでガンガンやってたぜ」
ナマイキだろ、と彼は笑った。
今はもう引退しているが、先日の高校総体予選まで彼は地味な漕艇部なんかに籍を置いていた。
178㎝ほどの長身とは言えバスケなんていうイメージではない彼にボートの選択はわかるような気がしたけれど、その彼がバンドでギターを弾いていたなどとはちょっと信じられない。
再び『過去』の彼の姿というものに想いを馳せながら、私は『現在』の彼とのその落差を想像してみて複雑な感情を覚えずにはいられない。
「聴いてみたいな。……守屋君の音」
「もう無理だね。バンド辞めてから、一度も触ってない」
そう言った彼に、私はさりげなく「いつ、辞めたの」と尋ねてみた。
果たしてかな彼の答えは、「中三の時」だった。
そのバンドのキィボード、或いはヴォーカリストは、他ならぬ『玲美』さんだったのではないかという邪推にも似た考えが私の脳裏に浮かんでいた。
しかし、それを言葉にすることなど私に出来るはずもなかった。彼の固い手触りに、私はそれ以上、彼の世界へと踏み込んでゆくことは許されないことを悟っている。
私は。
私は彼女の影に怯えている……?!
その時、私はゾッとする感情を覚えた。
彼女はもうこの世にはいない人間。
彼女は守屋君を残して、ひとりでに逝ってしまった。
しかし、存在しないからこそ、その想い出は時と共に益々美しくなってゆくばかりではないのか。
守屋君は、今でも……。
「守屋君のお家って、大きいのね」
私はそれ以上考えていたくなくて、全く関係のないことを故意に口にしていた。
それは、初めて彼の家に案内された私の第一印象でもあった。
地元一のお屋敷外の一角に堂々とその居を構えている彼の家は、手入れの行き届いた庭まで含めるとかなりの広さがある。
「ギターとかステレオとかも、すっごい高そう」
「言えば何だって買ってくれるよ。放り投げるようにさ」
その彼の言葉には、自慢などではなくむしろ自嘲が含まれているように私は一瞬、感じた。
「子守り道具と似たようなもんだよ。金さえ与えてれば、ガキは満足してると思ってる」
彼は呟いた。
「成金だよ、俺ん家なんて。製紙会社やってて、手広いのはらしいけどさ」
「だから……。ご両親が、お忙しいのね」
「親父どころかお袋までほとんど家にはいやしないよ。親父は仕事仕事とか何とか言いながら、外にも女つくってよろしくやっててさ。それでお袋がまた、好き勝手やってるわけ。そんなんだから、俺が何しようが口出しもしない。いつ帰ってこようが、外泊しようが好きにしろってな家だよ、俺んとこは」
『玲美』さんに続く、彼の二度目の打ち明け話を聞きながら、私は何となく言葉を作れずにいる。
彼は私に話して聞かせているというよりは、むしろ唯、独り言を呟いているような気がした。
彼の持つ影は、玲美さんの『死』だけに依るものではなかったのかもしれないと、初めてそう思った。
中学時代、奔放に振る舞いながらも彼は淋しかったのかもしれない。
そして、それは多分、今もまだ続いているのだろう。
だから彼は、夜の盛り場を彷徨い、その空虚さを紛らわせようとしているのか。
ましてや、最愛の彼女もまた自分を置き去りにして逝ってしまった彼の心中は、計り知れないものがあって当然だったんだろうか……。
「神崎んとこはアットホームしてんだろ」
「うん? うちは普通、なんじゃないかな」
「躾の行き届いたいいとこのお嬢さんって感じするよ。神崎さんは」
「私が? 冗談! お杏のような資産家令嬢じゃあるまいし」
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「そ、そんなことないわ! わ、私は……」
私は、その私が一番嫌いな単語を聞いて、動揺し、懸命に彼の言葉を否定しようとした。
しかし、言葉が上手く紡げない。ただ狼狽し、内心の動揺を抑えようとするけれど、それは徒労だった。
「そんなムキになるなよ。そんなんがすげえ神崎らしいって、思ったりして」
そう言って彼が笑う。
そんな彼から、つと視線を外した私は一言呟いた。
「やっぱり。私って、マジメすぎるのかな……」
それは、中学以来ずっと私のコンプレックスの素となり、絶えず無意識に私を苛んでいる想いだった。
タイを緩め、スカート丈を短く制服を着崩して、可愛く外見を装ってみたりなんかして。
私もフツーの女の子なんだからって自己主張してみても結局、それは虚しい抵抗に過ぎないようだ。
成績をどん底まで落としてしまった今でさえも、人は私のことを『優等生』と呼ぶのだろうか……。
「マジで悪いことなんかないじゃん。俺なんて、不真面目の極致だったからさ。後悔してるよ。生活習慣なんかそんな急には変わんないし、受験ベンキョーだってどこから手ぇつけていいかわかんねえ始末だしさ。そういうのって情けないぜ」
彼は言う。
「神崎はそれでいいと、思うよ」
何気なく呟いた彼のその言葉を、何故彼がそんなことを言ってくれるのか不思議に思いながらも、私は無言のままその温かみを噛みしめている。
常に他人の目を無意識のうちに意識し、他人から見た自分というものに怯えている私にとって、その言葉は、どんな愛の言葉よりも私の心に響くものであるかのようだった。
他人を通して自己を評価し、認識する。
もしかして、私はまだ真の自我を確立できていない、不完全極まりない人間であるのかもしれない。
氷が溶けて水っぽくなってしまったアイスコーヒーをストローでかき混ぜてみたりしながら、クッションを背に、隣でやはりベッドに寄りかかったままいつの間にか音楽雑誌に目を通している彼の姿に、ちらりと視線を投じてみる。
彼はもう自分の世界へと入り込んでいた。
私はなんとなく手持無沙汰になって、この空間に自分がいることを、今更ながら不思議に思っていた。
八月葉月に入った今日から私は、あの暑苦しい制服を脱いで、白いV首の前開きブラウスに淡いピンクのシフォンロングプリーツスカートという軽装でやはり朝早くに家を出ていた。
前期課外は終わったものの、休む間もなく予備校通いというわけだ。
受講するのは朝九時からの難関英語90分と11時からのセンター試験対策数学60分。
午後はクーラーの効いた自習室で、閉館まで詰めて勉強する計画だった。
多数の受験生の中にいれば嫌でも勉強せざるを得ないだろうと考えて実際、講義終了後正午までは、溜めている添削課題などを解き、しっかり受験生していた。
ところが。
英語の授業が終わり、教室を出た私をその正に予想外の出来事に遭遇したのだ。
そこには、真夏の太陽を遮るように、濁った暗いカーキ色の迷彩柄Tシャツを着た守屋君がそこに立っていたのだ。
確かに、特待生試験のBコースに通ったことを彼に報告した時、この授業を受講することを彼に話してはいたし、彼がここの夏期講習を受けることは知ってはいたけれど。
まさか、彼が私を待っていてくれるなんて……。
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