46 / 75
邂逅逸話 暁のシジル 解④-6
しおりを挟む
…あれは…砂…!?
血の代わりにその身体から飛び出たのはさらさらの砂。その光景に、オルメカだけでなくその場にいた全員が驚いた。この空間や、兵や、建物だけでなく術者本人も泥人形…砂で出来ていると言うことだろうか。
ナアマは斬りつけられた傷口から流れ出る砂に気づき、手で隠しながら後ろに一歩下がる。
「…っ」
キッとオルメカを睨む。指の間からさらさらと砂がこぼれ落ちる。
「貴女…」
メイジーが何か言おうとした。しかし、その言葉の続きを遮るようにナアマが杖を高く上げ、勢い良く床に突き刺した。
ザクッ!!
突然のその行動に驚いた一同が呆気に取られていた次の瞬間、勢い良く床に突き刺さった杖の先端から、一気に地割れのように床にヒビが走る。
「「!?」」
ビシビシ…!!!
けたたましい音が建物全体に響き渡る。それと同時に建物全体が振動する。
ゴゴゴゴゴ…。
鈍い音を立てて振動し、天井からパラパラと砂が落ちてくる。
今にも建物が崩れそうだ。
そう直感したシャアムが声を上げた。
「…っ!あかん!!撤退すんで!!」
その表情は真剣そのものだ。普段のへらーとした笑顔はない。
「その女、全員もろとも心中するつもりや!!!」
そう叫んでシャアムは王の間の扉に向かう。アリスとメイジーも後に続く。
「お姉さん!お兄さん!」
王の間の扉の前で、アリスが振り向いて声を上げた。だが、二人はまだ部屋の奥にいる。
ソロモンは玉座の所に。オルメカは部屋の奥、ナアマが立つ付近に。
「何をしているの!!急ぎなさい!!!」
メイジーが今までに聞いたことがない切羽詰まった勢いで叫んだ。その声で、魔法が解けたばかりで方針状態だったソロモンがハッと我に返る。バッ!と周囲を見渡し、瞬時に状況を確認する。
最もオルメカの立ち位置に近かったソロモンは、彼女の方を向いて、初めて気が付いた。未だに彼女がナアマの近くに立ったままな理由。
「…っ!オル!!」
状況を確認したソロモンは咄嗟に身体が動いていた。
オルメカの足下に床から伸びた土色の腕。それが、彼女の足を掴んでいたのだ。だから彼女はその場を動けずにいたのだ。
「…ふふっ…お前だけは許さないわ…傲慢の女…」
ハァハァと息を切らしながらナアマは言う。
「…ナアマ…あんた…」
オルメカが答えるように呟いた。だが、その言葉にナアマは激昂した。
「っ!お前ごときに名を呼ばれるなんて不愉快だわ!!お前のような傲慢の女に…私から夫を奪っておいて良くぬけぬけとしていられるわね!!!この泥棒猫!!!」
叫ぶ度に、ナアマの身体が傷口から綻んでいく。
「返して……返し、なさいよ……」
ポロポロとナアマの瞳から滴が零れ落ちる。その滴は、彼女が話す度に大粒になって床を濡らしていく。
「私には…もう、なにも、ないの…。国も、家族も、息子も失った…」
建物の床や壁から土色…泥で出来たような腕が、ボコッボコッと音を立てて突這い出てくる。それはまるで死人がゾンビとなり墓地から這い出てくるような不気味な様だ。これが真夜中の暗い場所であったなら、間違いなく悲鳴を上げていたことだろう。幸いか、今ここは暁に染まっているとはいえ、まだ視界にはっきりと景色を見ることが出来る。
ナアマの涙に濡れた悲痛な顔も、良く見えた。徐々に崩れていくその身体も。
「返して……返し、て……」
嗚咽を漏らしながら、ナアマが啜り泣く。
その様子に、オルメカも、彼女を助けようとしたソロモンも、扉の近くで事の流れを見ていたアリス達も、何も出来なかった。
建物が揺れ、杖を中心にヒビが走る。事は一刻を争うが、それでも、その姿に誰もが目を離せなかった。
きっとそれは同情と呼べる感情からだったろう。
だが、同情という感情は、時に牙を向く。
啜り泣くかつての妻にソロモンが声をかけようとしたその瞬間、それは牙を向いた。
ナアマはガッ!と杖を両手で掴むと、
「全部返しなさいよおおおおおお!!!」
そう狂気じみた表情をしながら、もう一度思いっきり振りかざして床に再び突き立てた。
杖を中心に魔方陣が展開し、床や壁から突き出ていた土色の腕…泥の腕が、今度はオルメカのみならずメイジー達三人も、それにソロモンまでもを明確な意図を持って襲ってくる。
「…!?」
「あかん!!タイムアウトや!!」
咄嗟にシャアムはアリスを担いだ。このまま城内に留まるのは良くない。先程の魔法で一気に限界が近づいたようだ。
「先行くで!!」
そう言ってからシャアムはアリスを担いだまま王の間を後にする。
それを見届けたメイジーも、
「死にたくなかったら、早くなさい!!」
と、言い残して先に出た二人を追った。
「え!?うそ!!まじで行っちゃった!!?」
いきなりポンと置いてきぼりにされたオルメカは必死に足を掴む泥の腕を短剣で斬るが、すぐさま再生してしまい、離れては捕まれ、離れては捕まれを繰り返し、思いように走れない。
「…っ!!もう!!」
焦りと苛立ちで余計に上手くいかない。その様子を見ていたナアマがニヤリと笑う。泣き腫らした顔で。歪にヒビが入り、砂が欠けていく身体で。
愉悦に浸ったように笑っていたが、その視界にソロモンが横切ったことで驚いたような表情が貼り付く。
ソロモンが召喚したままだったマルコシアスにオルメカの足を掴む泥の腕を潰させた。オルメカをひょいとお姫様抱っこで持ち上げる。これにはオルメカも目が点になる。
…今さらっと持ち上げたね?この人。お姫様抱っこされたの初めてだよ???
思わずソロモンの顔をガン見する。
だが、その視線はナアマに注がれていて、オルメカからは表情は読み取れなかった。
「…どう、して」
ポツリとナアマが呟く。
その呟きにソロモンが答えた。
「…すまない」
そう一言だけ答えた。それはナアマにとってどれほどの絶望を意味したことだろう。
「何故…その女を選ぶの……っ。貴方の妻は…私でしょう!!?」
その叫びと共に、王の間の天井が一部崩れ落ち、ドシャ!と大きな音を立てて砂に還る。このまま居続けては城もろとも泥に埋もれる。
ソロモンは踵を返して扉の方へ向かう。そこまでの道は、マルコシアスとフルカスが泥の腕を潰して固め、用意していた。泥の腕は再生する力があるが、悪魔ともあろう高次元の存在に叩きのめされると、二度とその腕が再生することはなかった。
この理由は、後で知ったのだが、フルカス曰く「人間の魔法など悪魔や神などの高次元の存在からすれば虫けらのようだ」と。彼らの内包する魔力で人間の魔法程度なら魔法を構成する式から潰してしまえたらしい。
扉に向かって走り出したソロモンの背中をナアマが追いかけようとしたが、崩壊し始めていた身体がそれを阻害する。足首より下が崩壊し砂に戻ってしまったのだ。バランスを崩し、その場に手と膝をつき倒れ込む。彼女の悲痛な叫びが王の間を後にしたソロモンとオルメカの耳に届いた。
「置いていかないでええええええ」
その叫びの後で、王の間の方角から、ドオオオオン!と大きな何かが落ちるような、崩れるような音がした。それが意味することはー…。
オルメカはソロモンの腕の中で彼の表情を読もうとしたが、前を真っ直ぐ見ていたからかはっきりとした表情は読み取れなかった。今、彼はどんな思いでいるのだろう。
「あれでよかったの?」そう聞きたかった。けれど、それは聞いてはいけない気がした。オルメカを支える手に力が籠っていたからだ。察することしか出来ないが、ソロモンにとっては苦渋の決断だったのかもしれない。いや、きっとそうなんだろう。
言葉を飲み込み、オルメカはソロモンに身を任せることにした。
ソロモンは黙ったまま、先に出たシャアム達の後を追ったー…。
血の代わりにその身体から飛び出たのはさらさらの砂。その光景に、オルメカだけでなくその場にいた全員が驚いた。この空間や、兵や、建物だけでなく術者本人も泥人形…砂で出来ていると言うことだろうか。
ナアマは斬りつけられた傷口から流れ出る砂に気づき、手で隠しながら後ろに一歩下がる。
「…っ」
キッとオルメカを睨む。指の間からさらさらと砂がこぼれ落ちる。
「貴女…」
メイジーが何か言おうとした。しかし、その言葉の続きを遮るようにナアマが杖を高く上げ、勢い良く床に突き刺した。
ザクッ!!
突然のその行動に驚いた一同が呆気に取られていた次の瞬間、勢い良く床に突き刺さった杖の先端から、一気に地割れのように床にヒビが走る。
「「!?」」
ビシビシ…!!!
けたたましい音が建物全体に響き渡る。それと同時に建物全体が振動する。
ゴゴゴゴゴ…。
鈍い音を立てて振動し、天井からパラパラと砂が落ちてくる。
今にも建物が崩れそうだ。
そう直感したシャアムが声を上げた。
「…っ!あかん!!撤退すんで!!」
その表情は真剣そのものだ。普段のへらーとした笑顔はない。
「その女、全員もろとも心中するつもりや!!!」
そう叫んでシャアムは王の間の扉に向かう。アリスとメイジーも後に続く。
「お姉さん!お兄さん!」
王の間の扉の前で、アリスが振り向いて声を上げた。だが、二人はまだ部屋の奥にいる。
ソロモンは玉座の所に。オルメカは部屋の奥、ナアマが立つ付近に。
「何をしているの!!急ぎなさい!!!」
メイジーが今までに聞いたことがない切羽詰まった勢いで叫んだ。その声で、魔法が解けたばかりで方針状態だったソロモンがハッと我に返る。バッ!と周囲を見渡し、瞬時に状況を確認する。
最もオルメカの立ち位置に近かったソロモンは、彼女の方を向いて、初めて気が付いた。未だに彼女がナアマの近くに立ったままな理由。
「…っ!オル!!」
状況を確認したソロモンは咄嗟に身体が動いていた。
オルメカの足下に床から伸びた土色の腕。それが、彼女の足を掴んでいたのだ。だから彼女はその場を動けずにいたのだ。
「…ふふっ…お前だけは許さないわ…傲慢の女…」
ハァハァと息を切らしながらナアマは言う。
「…ナアマ…あんた…」
オルメカが答えるように呟いた。だが、その言葉にナアマは激昂した。
「っ!お前ごときに名を呼ばれるなんて不愉快だわ!!お前のような傲慢の女に…私から夫を奪っておいて良くぬけぬけとしていられるわね!!!この泥棒猫!!!」
叫ぶ度に、ナアマの身体が傷口から綻んでいく。
「返して……返し、なさいよ……」
ポロポロとナアマの瞳から滴が零れ落ちる。その滴は、彼女が話す度に大粒になって床を濡らしていく。
「私には…もう、なにも、ないの…。国も、家族も、息子も失った…」
建物の床や壁から土色…泥で出来たような腕が、ボコッボコッと音を立てて突這い出てくる。それはまるで死人がゾンビとなり墓地から這い出てくるような不気味な様だ。これが真夜中の暗い場所であったなら、間違いなく悲鳴を上げていたことだろう。幸いか、今ここは暁に染まっているとはいえ、まだ視界にはっきりと景色を見ることが出来る。
ナアマの涙に濡れた悲痛な顔も、良く見えた。徐々に崩れていくその身体も。
「返して……返し、て……」
嗚咽を漏らしながら、ナアマが啜り泣く。
その様子に、オルメカも、彼女を助けようとしたソロモンも、扉の近くで事の流れを見ていたアリス達も、何も出来なかった。
建物が揺れ、杖を中心にヒビが走る。事は一刻を争うが、それでも、その姿に誰もが目を離せなかった。
きっとそれは同情と呼べる感情からだったろう。
だが、同情という感情は、時に牙を向く。
啜り泣くかつての妻にソロモンが声をかけようとしたその瞬間、それは牙を向いた。
ナアマはガッ!と杖を両手で掴むと、
「全部返しなさいよおおおおおお!!!」
そう狂気じみた表情をしながら、もう一度思いっきり振りかざして床に再び突き立てた。
杖を中心に魔方陣が展開し、床や壁から突き出ていた土色の腕…泥の腕が、今度はオルメカのみならずメイジー達三人も、それにソロモンまでもを明確な意図を持って襲ってくる。
「…!?」
「あかん!!タイムアウトや!!」
咄嗟にシャアムはアリスを担いだ。このまま城内に留まるのは良くない。先程の魔法で一気に限界が近づいたようだ。
「先行くで!!」
そう言ってからシャアムはアリスを担いだまま王の間を後にする。
それを見届けたメイジーも、
「死にたくなかったら、早くなさい!!」
と、言い残して先に出た二人を追った。
「え!?うそ!!まじで行っちゃった!!?」
いきなりポンと置いてきぼりにされたオルメカは必死に足を掴む泥の腕を短剣で斬るが、すぐさま再生してしまい、離れては捕まれ、離れては捕まれを繰り返し、思いように走れない。
「…っ!!もう!!」
焦りと苛立ちで余計に上手くいかない。その様子を見ていたナアマがニヤリと笑う。泣き腫らした顔で。歪にヒビが入り、砂が欠けていく身体で。
愉悦に浸ったように笑っていたが、その視界にソロモンが横切ったことで驚いたような表情が貼り付く。
ソロモンが召喚したままだったマルコシアスにオルメカの足を掴む泥の腕を潰させた。オルメカをひょいとお姫様抱っこで持ち上げる。これにはオルメカも目が点になる。
…今さらっと持ち上げたね?この人。お姫様抱っこされたの初めてだよ???
思わずソロモンの顔をガン見する。
だが、その視線はナアマに注がれていて、オルメカからは表情は読み取れなかった。
「…どう、して」
ポツリとナアマが呟く。
その呟きにソロモンが答えた。
「…すまない」
そう一言だけ答えた。それはナアマにとってどれほどの絶望を意味したことだろう。
「何故…その女を選ぶの……っ。貴方の妻は…私でしょう!!?」
その叫びと共に、王の間の天井が一部崩れ落ち、ドシャ!と大きな音を立てて砂に還る。このまま居続けては城もろとも泥に埋もれる。
ソロモンは踵を返して扉の方へ向かう。そこまでの道は、マルコシアスとフルカスが泥の腕を潰して固め、用意していた。泥の腕は再生する力があるが、悪魔ともあろう高次元の存在に叩きのめされると、二度とその腕が再生することはなかった。
この理由は、後で知ったのだが、フルカス曰く「人間の魔法など悪魔や神などの高次元の存在からすれば虫けらのようだ」と。彼らの内包する魔力で人間の魔法程度なら魔法を構成する式から潰してしまえたらしい。
扉に向かって走り出したソロモンの背中をナアマが追いかけようとしたが、崩壊し始めていた身体がそれを阻害する。足首より下が崩壊し砂に戻ってしまったのだ。バランスを崩し、その場に手と膝をつき倒れ込む。彼女の悲痛な叫びが王の間を後にしたソロモンとオルメカの耳に届いた。
「置いていかないでええええええ」
その叫びの後で、王の間の方角から、ドオオオオン!と大きな何かが落ちるような、崩れるような音がした。それが意味することはー…。
オルメカはソロモンの腕の中で彼の表情を読もうとしたが、前を真っ直ぐ見ていたからかはっきりとした表情は読み取れなかった。今、彼はどんな思いでいるのだろう。
「あれでよかったの?」そう聞きたかった。けれど、それは聞いてはいけない気がした。オルメカを支える手に力が籠っていたからだ。察することしか出来ないが、ソロモンにとっては苦渋の決断だったのかもしれない。いや、きっとそうなんだろう。
言葉を飲み込み、オルメカはソロモンに身を任せることにした。
ソロモンは黙ったまま、先に出たシャアム達の後を追ったー…。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
男娼館ハルピュイアの若き主人は、大陸最強の女魔道士
クナリ
ファンタジー
地球で高校生だった江藤瑠璃は、異世界であるベルリ大陸へ転移する。
その後の修業を経て大陸最強クラスの魔道士となった瑠璃は、ルリエル・エルトロンドと名乗り、すっかりベルリでの生活になじんでいた。
そんなルリエルが営んでいるのが、男娼館「ハルピュイア」である。
女性の地位がおしなべて低いベルリ大陸において、女性を癒し、励ますために作ったこの男娼館は、勤めている男子が六人と少ないものの、その良質なサービスで大人気となった。
ルリエルにはもう一つの顔があり、それは夜な夜な出没する近隣のならず者を魔法で排除する、治安安定化と個人的な趣味を兼ねた義賊のようなものだった。
特に、なにかしらの悩みを抱えていることが多いハルピュイアのお客の女性には、肩入れしてしまうのが常である。
ルリエルを信頼する六人の男子は、それを知った上で毎日の女性奉仕に精を出している。
元北国の騎士団長、キーランド。
元素手格闘(パンクラティオン)の王者だった、筋骨たくましいダンテ。
草花に詳しく、内気ながら人好きのするトリスタン。
美少女と見まがうばかりの金髪の美形、カルス、などなど。
彼らと共に目の前の女性たちのために尽くそうとするルリエルだったが、彼女の持つ力ゆえに、時には大陸の人類全体の敵である「六つの悪魔」を相手取ることもある。
大陸人類最強クラスの者に与えられる称号である「七つの封印」の一人であるルリエルは、今日も彼女なりに、精一杯生きている。
迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~
飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる