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女神達の話1
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世界を創造し、亡くなった者の魂を輪廻の輪に戻すことが女神の主な仕事だ。自分の創った世界だからといって、特定の人物のみに過干渉になるのも、女神自ら誰かに指示を出すことも固く禁じられている。しかし、それを許されている女神が居た。彼女は自分が優秀だから他の女神達が禁じられていることも許されると思い込んでいた。一度だけ神様から注意を受けたことはあるが、その後は何もない。他の女神達も何も言わない。
神様への報告へ行く日も何時も彼女一人だけ。他の女神達と違って私は特別な女神だから。何時からか彼女はそう思うようになった。神様のお気に入りだから、何をしても許される。自分の創った世界だから、その世界の者達を好きに扱っていい。自分の好きな物語を見たいから、異世界の人間を自分の世界に連れて来ても大丈夫。この世界に連れて来たのなら、その人間達の命も未来も全て女神のもの。
忠告してくれる者も、止めてくれる者も居ない彼女はどんどん調子に乗り、とうとう怒らせてはならない者を怒らせてしまった。自分の創造した世界で唯一女神の思い通りにできない国。天竜国。何度も何度も女神が干渉しようと試したが、全て遮断され国内の様子を覗き見ることが出来ない。天竜国を建国した初代竜王は、女神のお気に入りだった神子ではなく、神子が周囲から愛される為の引き立て役でしかないオマケの方を選んで、自国に囲い込んでしまった。
女神が返せと叫んでも、天罰を与えると脅しても初代竜王は聞く耳持たず。あまりにもしつこく干渉してくる女神に対して、初代竜王は神様と直接話して女神の悪事を全て暴露した。当然神様は怒り狂い、女神を呼び出して説教をした。とはいえ、彼女はまだ女神になったばかりで失敗も多くある。神様に怒られはしたが、女神は忠告を受けただけで罰はなかった。怒られた直後は彼女も神様の言う通りきちんと仕事をしていたが、何時しかまた元に戻ってしまった。
無断で異世界の人間を拉致し、自分のお気に入りにはとことん甘く、神子のオマケとして召喚した人間には冷酷で残虐。彼女の気まぐれに巻き込まれ、無理矢理大好きな家族から引き離されて、未来も命も奪われた者は数知れず。更には亡くなって戻ってきた魂を輪廻の輪に戻さず、他の女神が創造した世界に無断で放り投げていた。
神様にもバレていない。知っていたとしてもまた許してくれる。そんな甘い考えを持つ彼女は幼稚で傲慢で自分勝手な自覚が全くない。彼女は特別な女神だと、神様のお気に入りだと思い込んでいるが、実際はそうではない。
「え? エルフの王と結ばれたの!? あんな最悪のバッドエンドを迎えたのに!?」
「結ばれたわ。一度目は地獄すぎて言いたくないけど。その自覚がある分、魂を逆行させた後は『アンタ誰?』っていうくらいあの子を溺愛しているわ。あの子も漸く心を開いてくれたから、相思相愛のイチャラブ甘々ハッピーエンドよ」
「二度目もバッドエンドだと思ったけど、ハッピーエンドになって良かったわね。私の方は最初だけ殺伐としてたけど、あの子の過去を見ちゃったら獣人全員が過保護になっちゃって。今度、三人目の赤ちゃんが産まれるんですって」
「貴女の世界の獣人って確か人間を殺したい程憎んでいなかったかしら? 昔は奴隷扱いされてたとか、戦争の道具でしかなかったとかの理由で」
「あの子以外の人間に対しては今でも殺意しかないわよ。あの子が特別なだけ。過保護でちょっと引いちゃったけど、あの子にとってはそっちの方が良かったのかもしれないわね。今はもう獣人の王に溺愛されて、可愛い子どもも三人できて、獣人達も優しいから、やっぱり愛の力って偉大よね」
「エルフの王とか、獣人の王なんてまだ可愛い方じゃない。私の世界なんて相手が魔王よ? 魔王。というより魔王の魂を受け継いだ元奴隷の王子って言った方が正しいけど。あの子と出会ってからは落ち着いていたのに、あの子を傷付けられて魔王覚醒よ? 覚醒後は勝手に魔族だけの国を作っちゃって、そのお城の一室にあの子を囲い込んで溺愛してるのよ? アレはもう愛の域超えて執着心の強いヤンデレだわ。あんな激重感情向けられても受け入れて魔王を愛しているあの子の心の広さに感心するわ」
彼女達が話しているのは、とある女神によって身も心も深く傷付けられた者達の話だ。勝手に異世界に召喚され、その世界で沢山傷付けられ人間不信に陥った彼らの魂を彼女達は受け入れ、自分の世界へ再び転生させた。彼らはそれぞれ最愛の人と出会い、愛し愛され、幸せに暮らしている。エルフの王に関してのみいえば、一度はバッドエンドを迎えているが、女神の力によって出会った時にエルフの王の魂を逆行させたことにより、甘々溺愛ハッピーエンドを迎えた。勿論、彼女は神様に許可を得た上で行っているので当然咎めなし。
情報交換と言う名のお茶会をしていた女神達は、それぞれがハッピーエンドを迎えてほっと胸を撫で下ろしたのと同時に頭を抱えた。
「どうして相手が人外ばかりなのかしらね」
「アレのせいで人間不信に陥ったからじゃない?」
「そういえば、アレがまた異世界から人を拉致したって聞いたわよ? 本当に懲りないわね」
「また被害者が出るのね。これで何人目? 誰が担当するの?」
「今回はその必要はないわよ。アレの影響を受けない国があったじゃない?」
「あぁ、ドラゴンだけが住む国よね?」
「その国の竜王が、神子のオマケとして拉致された人の子を気に入ったんですって。物凄く溺愛してるって神様から聞いたわ」
「あの世界で唯一まともな国よね?」
「近々、私達が創造した世界の何処かに国ごと転移すると聞いたわ」
「国ごと!? それはまた急な話ね」
「アレが竜王を怒らせたんですって。触れてはならない逆鱗に触れて、とうとう堪忍袋の緒が切れたのね」
「誰の世界かは決まってないのよね?」
「それも直ぐに知らせが来ると思うわ。あの国なら大歓迎でしょ?」
「……転移に関しては勿論歓迎よ? 文句はないわ。けれど、やっぱり人外なのね」
アレの被害者だった人間達が幸せに暮らせるのなら文句は言わないが、どうしてこうも人外ばかりなのか。それ程、転生先の世界であっても人間は恋愛対象にすらならないのか。予想通りの結果に驚けばいいのか、呆れればいいのか、彼女達は分からなくなった。
彼女達の会話で分かる通り、女神達の間でも彼女は女神として認められていなかった。神様と会うのが一人なのは、他の女神達が神様にお願いして態と報告する日をずらしているから。他の女神達と会わないのも、あまりにも身勝手で問題行動が目立つ彼女に女神達も嫌気がさして、お茶会に呼ばなくなったから。こうして見ると仲間外れだのいじめだの言われるかもしれないが、それ以上に残虐なことを彼女はずっとして来たのだ。今でもそれは続いている。女神達も彼女の暴虐を阻止できないかと色々と考えてはいたものの、他の女神が別の女神の世界に干渉する事も禁じられている為、助けたくても助けられなかったのだ。
神様は一度の失敗で彼女を許してしまった己自身を今でも後悔している。だから次に問題を起こしたら女神としての資格を剥奪すると宣言した。あまりにも遅すぎる対応だが、神様にも色々と事情があり、制約や規定などが事細かに定められており、こちらも動きたくても動けなかったのだ。
異世界の人間を召喚すること自体は許されている。勿論、きちんとした理由があり、事前に異世界へ来てもらってもいいかと許可を得なければ、異世界召喚してはならない決まりがある。しかし、それがまた厄介で、誰が見ても必要のない異世界召喚だろうと、明らかに禁忌だろうと分かっていても、女神自身が「必要だったから」と言えば手を出すことはできない。故に、神様も女神達も、常に悔しい思いを抱いていた。
女神が手を出すことはできないが、女神が創造した世界の住人からの報告があれば神様も女神も動くことが可能になる。今回動いたのは、天竜国を統べる竜王。傲慢で身勝手な女神を断罪する相手としては最適だろう。彼女は初代竜王だけでなく、現竜王をも怒らせてしまった。竜王は絶対に女神を許しはしないだろう。当然、神様も他の女神達も許すつもりはない。罰せられて当然だ。さっさと女神の資格を剥奪されればいい。それはこの場に集まった女神達全員の願いでもあった。
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女神が返せと叫んでも、天罰を与えると脅しても初代竜王は聞く耳持たず。あまりにもしつこく干渉してくる女神に対して、初代竜王は神様と直接話して女神の悪事を全て暴露した。当然神様は怒り狂い、女神を呼び出して説教をした。とはいえ、彼女はまだ女神になったばかりで失敗も多くある。神様に怒られはしたが、女神は忠告を受けただけで罰はなかった。怒られた直後は彼女も神様の言う通りきちんと仕事をしていたが、何時しかまた元に戻ってしまった。
無断で異世界の人間を拉致し、自分のお気に入りにはとことん甘く、神子のオマケとして召喚した人間には冷酷で残虐。彼女の気まぐれに巻き込まれ、無理矢理大好きな家族から引き離されて、未来も命も奪われた者は数知れず。更には亡くなって戻ってきた魂を輪廻の輪に戻さず、他の女神が創造した世界に無断で放り投げていた。
神様にもバレていない。知っていたとしてもまた許してくれる。そんな甘い考えを持つ彼女は幼稚で傲慢で自分勝手な自覚が全くない。彼女は特別な女神だと、神様のお気に入りだと思い込んでいるが、実際はそうではない。
「え? エルフの王と結ばれたの!? あんな最悪のバッドエンドを迎えたのに!?」
「結ばれたわ。一度目は地獄すぎて言いたくないけど。その自覚がある分、魂を逆行させた後は『アンタ誰?』っていうくらいあの子を溺愛しているわ。あの子も漸く心を開いてくれたから、相思相愛のイチャラブ甘々ハッピーエンドよ」
「二度目もバッドエンドだと思ったけど、ハッピーエンドになって良かったわね。私の方は最初だけ殺伐としてたけど、あの子の過去を見ちゃったら獣人全員が過保護になっちゃって。今度、三人目の赤ちゃんが産まれるんですって」
「貴女の世界の獣人って確か人間を殺したい程憎んでいなかったかしら? 昔は奴隷扱いされてたとか、戦争の道具でしかなかったとかの理由で」
「あの子以外の人間に対しては今でも殺意しかないわよ。あの子が特別なだけ。過保護でちょっと引いちゃったけど、あの子にとってはそっちの方が良かったのかもしれないわね。今はもう獣人の王に溺愛されて、可愛い子どもも三人できて、獣人達も優しいから、やっぱり愛の力って偉大よね」
「エルフの王とか、獣人の王なんてまだ可愛い方じゃない。私の世界なんて相手が魔王よ? 魔王。というより魔王の魂を受け継いだ元奴隷の王子って言った方が正しいけど。あの子と出会ってからは落ち着いていたのに、あの子を傷付けられて魔王覚醒よ? 覚醒後は勝手に魔族だけの国を作っちゃって、そのお城の一室にあの子を囲い込んで溺愛してるのよ? アレはもう愛の域超えて執着心の強いヤンデレだわ。あんな激重感情向けられても受け入れて魔王を愛しているあの子の心の広さに感心するわ」
彼女達が話しているのは、とある女神によって身も心も深く傷付けられた者達の話だ。勝手に異世界に召喚され、その世界で沢山傷付けられ人間不信に陥った彼らの魂を彼女達は受け入れ、自分の世界へ再び転生させた。彼らはそれぞれ最愛の人と出会い、愛し愛され、幸せに暮らしている。エルフの王に関してのみいえば、一度はバッドエンドを迎えているが、女神の力によって出会った時にエルフの王の魂を逆行させたことにより、甘々溺愛ハッピーエンドを迎えた。勿論、彼女は神様に許可を得た上で行っているので当然咎めなし。
情報交換と言う名のお茶会をしていた女神達は、それぞれがハッピーエンドを迎えてほっと胸を撫で下ろしたのと同時に頭を抱えた。
「どうして相手が人外ばかりなのかしらね」
「アレのせいで人間不信に陥ったからじゃない?」
「そういえば、アレがまた異世界から人を拉致したって聞いたわよ? 本当に懲りないわね」
「また被害者が出るのね。これで何人目? 誰が担当するの?」
「今回はその必要はないわよ。アレの影響を受けない国があったじゃない?」
「あぁ、ドラゴンだけが住む国よね?」
「その国の竜王が、神子のオマケとして拉致された人の子を気に入ったんですって。物凄く溺愛してるって神様から聞いたわ」
「あの世界で唯一まともな国よね?」
「近々、私達が創造した世界の何処かに国ごと転移すると聞いたわ」
「国ごと!? それはまた急な話ね」
「アレが竜王を怒らせたんですって。触れてはならない逆鱗に触れて、とうとう堪忍袋の緒が切れたのね」
「誰の世界かは決まってないのよね?」
「それも直ぐに知らせが来ると思うわ。あの国なら大歓迎でしょ?」
「……転移に関しては勿論歓迎よ? 文句はないわ。けれど、やっぱり人外なのね」
アレの被害者だった人間達が幸せに暮らせるのなら文句は言わないが、どうしてこうも人外ばかりなのか。それ程、転生先の世界であっても人間は恋愛対象にすらならないのか。予想通りの結果に驚けばいいのか、呆れればいいのか、彼女達は分からなくなった。
彼女達の会話で分かる通り、女神達の間でも彼女は女神として認められていなかった。神様と会うのが一人なのは、他の女神達が神様にお願いして態と報告する日をずらしているから。他の女神達と会わないのも、あまりにも身勝手で問題行動が目立つ彼女に女神達も嫌気がさして、お茶会に呼ばなくなったから。こうして見ると仲間外れだのいじめだの言われるかもしれないが、それ以上に残虐なことを彼女はずっとして来たのだ。今でもそれは続いている。女神達も彼女の暴虐を阻止できないかと色々と考えてはいたものの、他の女神が別の女神の世界に干渉する事も禁じられている為、助けたくても助けられなかったのだ。
神様は一度の失敗で彼女を許してしまった己自身を今でも後悔している。だから次に問題を起こしたら女神としての資格を剥奪すると宣言した。あまりにも遅すぎる対応だが、神様にも色々と事情があり、制約や規定などが事細かに定められており、こちらも動きたくても動けなかったのだ。
異世界の人間を召喚すること自体は許されている。勿論、きちんとした理由があり、事前に異世界へ来てもらってもいいかと許可を得なければ、異世界召喚してはならない決まりがある。しかし、それがまた厄介で、誰が見ても必要のない異世界召喚だろうと、明らかに禁忌だろうと分かっていても、女神自身が「必要だったから」と言えば手を出すことはできない。故に、神様も女神達も、常に悔しい思いを抱いていた。
女神が手を出すことはできないが、女神が創造した世界の住人からの報告があれば神様も女神も動くことが可能になる。今回動いたのは、天竜国を統べる竜王。傲慢で身勝手な女神を断罪する相手としては最適だろう。彼女は初代竜王だけでなく、現竜王をも怒らせてしまった。竜王は絶対に女神を許しはしないだろう。当然、神様も他の女神達も許すつもりはない。罰せられて当然だ。さっさと女神の資格を剥奪されればいい。それはこの場に集まった女神達全員の願いでもあった。
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