神子のおまけの脇役平凡、異世界でもアップルパイを焼く

トキ

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最終章

お見舞い

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 夕が目を覚ました次の日に鈴が目を覚ました。鈴はサイラスと共にユリウスの部屋を訪れ、彼は夕に簡単な挨拶を済ませた。夕は直ぐに駆け寄りたかったが、ユリウスに抱きつかれて身動きが取れなかった。ずっと眠り続けているユリウスを起こさないよう、サイラスは小さな声で夕に自己紹介をした。

 サイラスが太陽の神子である事、この国の王となる事、ソレイユ国を治めるのは本来太陽の神子の役目である事、ユリウスはサイラスが戻るまでの国王代理だった事、今後はサイラスとユリウスの二人でソレイユ国を統治する事を夕に話した。

「奴らに捕まってずっと洗脳されてたんだ。だが、証が無事だったから俺はこうして正気に戻る事が出来た。全部、リンのお陰だ」
「不本意だが、俺も神子らしい。太陽の神子を癒す、空の神子だってさ」

 鈴の言葉を肯定するように青い燕がバサッと翼を広げた。鈴が身につけていた赤い宝石の指輪は、太陽の神子の証だった。途中から指輪が消えたのは白い鷲に姿を変えたから。そして、青い燕も神子の証だと言う。野生にしては物凄く鈴に懐いているなあと思っていたが、二人から話を聞いて夕は納得した。

 鈴は人を寄せ付けない。何時も作り笑いを浮かべて周囲が望む人格を演じていた。そんな鈴が自分を偽らずサイラスに接しているのが夕は嬉しかった。優しい目を向けるサイラスと、口では刺々しい事を言いつつ頬を赤く染めて大人しく彼に抱かれている鈴。大切な家族に恋人が出来て寂しい気もするが、微笑ましい気持ちの方が強かった。

「鈴、良かったな」
「……夕にだけは言われたくない」
「夜の神子殿は心が広いな。感謝する。リンはこの俺が絶対に幸せにするから安心してくれ」
「頼もしいですね」
「お前も、ユリウスと幸せになれよ」
「え?」
「夕、まさかとは思うが、まだ気付いてねえのか? ユリウスが月の神子で、お前が夜の神子って事は、つまりそう言う事だろ?」
「そう言う事って?」

 マジかよ、と言いたそうな顔をする鈴とサイラス。夕は訳が分からず首を傾げた。鈍感だのユリウスが可哀想だの好き勝手言って二人は「恋人」とはっきり伝えた。恋人と言うワードが出た瞬間、再びユリウスに口付けられた時の事を思い出して夕は「違う!」と否定した。鈴とサイラスは「あー、ハイハイ」と適当に相槌を打って部屋から出て行ってしまう。二人はこれからクラウスの仕事の手伝いに行くそうだ。慌てて夕が二人を追いかけようとするが、やはりユニコーンに阻止されベッドの中に逆戻り。仰向けに寝かされたお腹の上に黒猫が乗っかり、ユリウスの腕に拘束される。

「俺も、俺も手伝いたいのにぃ!」

 夕は目覚めてからずっとベッドの中で過ごしていた。着替えや食事、トイレの時だけはベッドから離れる事を許されたが、その間もユニコーンに監視され、部屋から出ようとすると服の端をパクッと咥えられてベッドへと戻されてしまう。起き上がる前にユリウスが夕を抱きしめて腹の上に猫が乗る。正に四面楚歌。鈴とサイラスが目覚めたらこの生活から解放されると期待したが結果は変わらず。夕はユリウスの腕の中で静かに泣いた。




 更に次の日、シンジュとリベルテが部屋を訪れた。ベッドに拘束状態の夕を見て二人は苦笑する。相変わらず夕はユリウスの抱き枕状態で、黒猫とユニコーンに監視されていた。

「ユウさん、大丈夫、ですか?」
「愛されてるなあ、ユウ」
「笑ってないで助けてくれよ」
「えっと、ごめんなさい」
「報復が怖いから無理だな」
「何でだよ!?」

 涙目で助けろと訴える夕から二人は視線を逸らす。ユリウスは夕の事となると周囲が見えなくなる程暴走する。夕を遠ざけたらどうなるか分からない。その為、夕にはユリウスの傍に居てもらわないと困るのだ。それが分かっているからユニコーンは夕を監視しているのだ。とても賢い。

「神子の力を使い過ぎたらしい。証を取り戻して直ぐ使ったから、その反動が凄まじいんだと」
「僕は何時もシズクと一緒だったから反動が軽かったとクラウスさまが言っていました。サイラスさまも、スズさんが証を守っていたので僕と同じように症状が軽かったみたいです」
「兄上の証はずっと夜空の神子が隠し持っていて常に悪意に晒されていた。証を浄化したのと同時に広範囲に力を使っちまった事が原因で体が休息を求めているらしい。ユウには申し訳ないが、もう少し我慢してくれ。兄上を癒せるのはユウだけなんだ」
「それに、ユリウスさまが目覚めた時、ユウさんが傍に居なかったらきっと心配します。だから、ユウさんはユリウスさまの傍に居た方がいいです」
「……ずっと?」
「ずっとだな」
「ずっと、ですね」

 リベルテとシンジュにまで見放された夕は項垂れた。味方が一人も居ない。ユリウスはまだ眠っており、何時目覚めるか分からない。クラウスによると、明日か明後日には目を覚ますらしいが、それが本当かどうかを確認する術はない。本当は部屋を出て城の中がどうなっているのか確認したかったが、みんなから「ユリウスの傍に居ろ」と言われては仕方ない。夕はユリウスが目覚める迄、部屋から出ない事に決めた。諦めたとも言う。

「シンジュは大丈夫なのか? 痛みとか吐き気とか。人魚族に捕まったって聞いたけど……」
「見ての通り大丈夫です。リベルさまが、助けに来てくれたから」
「ギリギリだったけどな。本当、間に合って良かった」
「わ! リベルさま……」
「うん。夢じゃない。シンジュが傍に居るだけで、俺は幸せだ」
「はう」

 シンジュをギュウッと抱きしめて幸せそうに笑うリベルテを見ると、こっちまで幸せな気分になる。シンジュは恥ずかしいのか頬を赤く染めて口をパクパク動かしている。シンジュを無理矢理手に入れようとしたカイリはそれ相応の罰を受け、人魚族は海の神子を恐れて手を出すのを止めたらしい。海の神子であるシンジュを迫害し、散々苦しめて死に追いやった人魚族は海の生きもの達をも敵に回してしまった。シンジュが生き返って今度こそ幸せになれると思っていた矢先に、また人魚族が邪魔をしてとうとう堪忍袋の緒が切れた。薄情と言われるかもしれないが、人魚族に関しては完全に自業自得だと夕は思う。

「今から楽しみだな。結婚式」

 優しく微笑みながらボソッと呟くと、二人同時に顔を赤くした。必死に否定したり「まだ結婚は早いだろ!」と抗議したり。同じ反応をするシンジュとリベルテが面白くて夕はクスクス笑った。シズクも嬉しそうに「キュ! キュ!」と鳴いている。シズクなりに二人を祝福しているのだろう。

「お前、人の事ばっかり言ってるけど、自分の事もちゃんと考えろよ? お前が思っている以上に、兄上は独占欲が強くて嫉妬深くてユウに執着してて依存してるんだからな! 兄上から離れるとか絶対に言うなよ? 閉じ込められて鎖に繋がれても知らねえからな!」
「そんな大袈裟な」
「大袈裟じゃないと思います。ユリウスさまは、ユウさんの事をとても大切にしていますから」
「へ?」

 冗談だろ? と言いたかったが、二人は真剣な表情をして夕に忠告した。「それは俺が夜の神子だから仕方なく」と告げると、リベルテが「お前どれだけ鈍いんだよ!?」と叫んだ。シンジュも「ユウさん。それ、ユリウスさまには言わない方がいいです! 言っちゃダメな気がします!」と必死に伝えた。二人から「絶対に言うなよ!?」と忠告を受け、夕は「分かった」と返した。

 まだ不安はあるものの、リベルテとシンジュも仕事があるからと言って部屋を後にした。あれだけ大声で話していたと言うのに、ユリウスはずっと眠っていた。寝ているフリをしているのかと一瞬疑ったが、彼は眠り続けている。

「早く、起きてください。ユリウス様」

 短くなってしまった銀糸にそっと触れ、夕は祈るように呟いた。





 パンの香ばしい匂いとジュッと何かを炒める音を聞いてユリウスは目を覚ました。何度か瞬きをした後、気怠い体を起こす。意識はまだぼんやりとして、立ち上がるのもやっと。

「ユリウス様?」

 まだ半分眠った状態のユリウスは大好きな人の声を聞いて完全に目が覚める。ぼやけていた視界が一気にクリアになり、ユリウスは咄嗟に夕の肩に手を置いて顔を近付けた。

「ユウ。無事、なのか? 怪我は!? 痛みや吐き気は!?」
「お、落ち着いてください! ユリウス様! 俺は無事ですから! 俺だけじゃなくて、みんな生きてます!」
「本当に?」
「本当です。みんな目を覚まして、クラウスさんのお仕事を手伝っていますよ? 俺達を心配してくれて様子を見に来てくれました。ユリウス様は、ずっと眠っていましたけど……」
「……そう、か」

 ふっと全身から力が抜け、ユリウスは安堵の息を零す。全て、終わったのだと。誰も犠牲にならなかったのだと。大切な人を護れたのだと。

「ユリウス様の方こそ、大丈夫ですか? 四日も眠り続けていたので、目眩とか、気持ち悪さとか、ないですか?」
「四日?」
「神子の力を使った反動だと、クラウスさんが言ってました。シェルスさ……シェルスに証を奪われてずっと悪意に晒されていたから、その穢れを浄化する時にも神子の力が必要だったんです。ユリウス様の神子の力はほぼ空っぽの状態で、全て回復するのに数日はかかるって」

 夕から話を聞いてユリウスは納得した。とは言え、四日は流石に眠り過ぎだと自分自身を責めた。本当なら眠っている暇など無いと言うのに、仕方なかったとは言え、どうしても不甲斐ないと考えてしまう。気持ちが沈むユリウスの頬が温かくなる。夕がユリウスの頬に手を添えたからだ。

「これは必要な休息だったんです。だから、自分を責めないでください。ユリウス様」
「…………」

 何故、分かったのだろう。どうしてユウは、俺のほしい言葉をくれるのだろう。沈んでいた気持ちが一瞬で軽くなり、じんわりと心が温かくなる。ユリウスの中に巣食う不安や恐怖を、常に纏わり付いて広がる闇を、夕は優しく照らして取り除いてくれる。ユリウスの全てを肯定してくれる。夕が夜の神子であればいいと密かに願っていた。しかし、夜の神子でなくてもユリウスは夕を求めていた筈だ。夜の神子だからではなく、ユリウスは夕だから好きなのだ。

「先にお風呂に入ってください。タオルで拭いていましたが、ベタついて気持ち悪いでしょう? 朝食が出来るまでもう少し時間がかかりますから」

 清潔なタオルと着替えを渡されたユリウスはピシャリと固まった。夕は無意識にやっているのだが、朝食を作ったりユリウスに着替えを渡したりする姿は誰がどう見ても夫を労わる妻だ。俺はユウと結婚していたのか? と勘違いしそうになる程、夕は良妻だった。見兼ねたユニコーンが動かないユリウスの背中を押す。正気に戻ったユリウスは朝食の準備をするユウの姿を眺めながら浴室へと向かった。

 シャワーを浴びて体を綺麗に洗った後、ユリウスは湯船に浸かった。濡れた体を清潔なタオルで拭き、着替えを済ませる。髪を拭きながら部屋へ戻るとテーブルに朝食が並んでいた。香ばしい匂いが漂う焼きたてのパン。じっくり煮込まれた野菜たっぷりのスープ。こんがり焼き目のついたベーコンに半熟の目玉焼き。新鮮な野菜で作られたサラダ。

「飲み物はコーヒーで良かったですか?」
「あぁ」

 カップにコーヒーを注いでテーブルに置く。ユリウスが椅子に座ると、向かい側に夕も座る。両手を合わせて「いただきます」と言って夕はスープを口に含んだ。ユリウスも同じように「いただきます」と告げ、ベーコンを一口サイズに切って口へ運ぶ。夕が作った料理はとても美味しかった。和やかな気持ちで食事をしたのは久し振りで自然と笑みが零れる。

「美味しいですか? ユリウス様」
「貴方の作る料理は全て美味しいです」

 四日も眠っていた事もあり、ユリウスは自分で思っていたよりも多く食べてしまった。顔を赤くしたり、幸せそうに笑ったり、ころころと表情が変わる夕を眺めるのはとても楽しかった。これからも、この和やかな時間が続くと思うだけでユリウスの心は幸福で満たされた。
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