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節約とケチは違う

節約とケチは違う1 節約貯金を開始した主婦が一番に削りたくなる項目は「夫の小遣い」

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 貯金の本を読んでいて、なるほど!と思った話があった。

 それは「貯金や節約に頑張ろう!」と決めた主婦が一番最初にやりたくなることが「夫の小遣いを削る」なんだそうだ。
 
 実は自分もそう思ってた(笑)

 だが、これは夫婦関係が悪くなるばかりでなく、かえってマイナスになることがあるようだ。

 例えば、家族のために毎日美味しい夕食をつくろうと頑張っていた主婦がいたとする。
 
 ある日、突然夫から「貯金額を増やしたいから君の小遣いを半分に減らすよ」と言われたらどうだろう?

 この人のために美味しい夕食をつくろうっていう気が完全に失せるのではないだろうか?

 最悪「離婚したいなぁ」なんて思う人もいるかもしれない。

 妻から「小遣いを減らすよ」と言われ、「子どもの大学進学のための貯金」とか「マイホームの貯金のため」とか説明され、それが夫婦の共通認識であり、妻の自分も「私もあなたと同じようにこれから小遣いは半分でいいから。一緒に頑張りましょう」と励まされたら、納得できる男性は状況に応じていると思う。

 でも、妻の小遣いはそのままで、いきなり自分のお小遣いだけ減らすと言われたら、妻のことがキライになって、最悪の場合、浮気したり(他の女と交際すると余計に出費がかさむ)、小遣いを減らされた分を取り戻そうとしてパチンコのようなギャンブルに妻にナイショで手を出し、余計にお金がなくなる悪循環に陥る人も。

 小遣いを削るなら夫婦同時に。

 そして、なぜそれが必要なのか、男性は女性よりも理性的なので、感情論ではなく、具体的に数字で示して、きちんと説明をすること。

 そうすれば、上手くいくと。

 でも、もともと夫の小遣いがそれほど多くない場合は、そこを削るよりも他の項目で考えたほうが上手くいきやすいのかもしれない。

 あるとき、ボーナスを減らされた友人が「この会社で働く意欲失せる~。転職しよっかな」と言ったことがあった。 

 これと同じことが家の中で起こってはたいへんだ!

「仕事にやる気がでない」

「頑張って働いても働かなくても小遣いが同じどころか、減るのであれば、この女と結婚生活を共に送るメリットはない」

 パートナーにそう思われないようにしなくてはと思った。

 夫には仕事にやる気を持って取り組んでもらい、がっつり昇給してもらえるように、好きなおかずを出して良い夫婦関係を維持したほうが、よっぽど家計は潤うかもしれないと感じた。

 主人の給料は少しずつではあるが、毎年毎年アップしている。

 ありがたいなって思う。

 頑張ってくれている主人に感謝だ!

 大好き!大好き!

 愛してる!

 とりあえず、世界の中心じゃなくて、家の中心で、愛をさけぶ。

 と言いつつ、数年前たった一度だけ夫のボーナスが減ったときは急激に体調不良になった私←我ながら現金すぎる!

 これからも頑張ってもらうために、主人とは仲良くいようと思う。

 あるとき転勤先でセレブな芦屋のお金持ちのママ友が、ご主人様が家に帰ってきたタイミングでトンカツを揚げると言った。

 私は三人目の子どもが生まれてから、主人の帰りを待っている暇がないくらい忙しくて、唐揚げやトンカツのような揚げ物は一気に揚げたら、帰りの遅い主人には電子レンジでチンして出していたので、衝撃だった。

「出来立ての美味しいものを食べてほしいから」と彼女。

「すごい! 私、新婚時代はそうしてたけど、今は主人にそんなふうに全然してあげてない」

   そう言ったら、彼女がにっこり笑ってこう言った。

「だって、男は稼がせて搾り取るのが一番じゃない? 男性って意外と名誉を重んじて、自分は使わなくても平気ってタイプの人もいるのよね。うちの旦那がまさにそう! 『すごい~!』『さすが~!』って誉めてたらホイホイ仕事頑張ってくれて、私にお金をたくさん落としてくれるんだもん。旦那はハッピー、私もハッピー!」

    男は稼がせて絞りとる

    まさか360度エレガントな彼女からそんな言葉が出るとはと、超衝撃だった!

    彼女は恐ろしく現実主義者で、でも毎日美味しい夕食を作ってもらえる彼女のご主人様はやっぱり幸せなのかもしれないと思った。

 こういう主婦がこの世で一番賢くて凄いのかもしれん。

    もっと主人を喜ばせななければ!

    そう思った。

    だって私が稼ぐより主人が稼ぐほうが車輪が大きくて、早く前に進むから。
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