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21 監禁

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 目を開けると、そこは暗闇だった。
「ん・・・まだ夜?」

 起き上がると、発光するものを見つけた。それは、おそらくテーブルの上にある、部屋の電気のスイッチ。それを手に取って、スイッチを押した。
ピッと電子音と共に、部屋が徐々に明るくなる。

壁に掛けてある時計を見れば、8時だった。

「・・・あれ?」
 辺りを見回すが彼はいない。もう起きたのだろうか?

 昨日は映画を見ている途中で眠ってしまった。だから、彼がここで寝たのかはわからない。彼のことだ、同じ部屋で寝ることをためらって、上で一晩を過ごしたのかもしれない。

「とりあえず、上に行こうかな。」
 そう思って、ベッドから出ると、テーブルに紙が置いてあることに気づいた。昨日はなかったはずだ。なんとなく手に取ってみると、私への手紙だった。

「・・・僕が帰るまでここにいてください。あなたがどこかへ行ってしまう気がして、心配です。だから、鍵をかけました。内側からは開きません。・・・え?」
 鍵をかけました。内側からは開きません。まさか?

「まさかね。」
 冷や汗がでる。

 私は、この部屋にたった一つある扉の前まで来て、ノブをまわす。だが、まわらない。

「・・・あれ、おかしいな?」
 ガチャガチャと音を鳴らして、ノブをまわそうとするが、回らない。

「嘘だよね・・・」
 扉から離れて、扉を見る。扉の材質はわからないが、重そうだ。体当たりなどしてもびくともしなさそうだ。

 鍵を開けるしかない。でも、鍵穴はこちら側にはない。開けるには、向こう側から鍵を開けるしかない。

「大声を出せば、外の人が気づいてくれるかな?ここら辺は住宅地だし。」

 ここでなら、近所の耳を気にしなくていい。たしか彼は、そう言っていた。私は、それを聞いて防音をしているのだろうと思った。していないとしても、ここは地下だ。

「大声を出しても無駄だよね。そういえば、手紙には続きが書いてあったっけ。」

 手紙を手に取って、続きを読み進めた。

「・・・外へ助けを求めても無駄です。大人しく、ここでお待ちください。このようなことになり、本当に申し訳ございません。ですが、僕はあなたを失いたくないのです。・・・私を失う?」
 手紙はこれで終わりだ。やはり、外に助けは求められないようだ。

 理解できないことばかりだが、わかることもある。私は、閉じ込められてしまったようだ。そして、脱出できる可能性はほぼない。

「どうして、閉じ込めたの?」
 待っていてと言われれば、閉じ込められなくたって待ったのに。

「なんで。」

 僕はあなたを失いたくないのです。

「失いたくないって・・・どういうこと?」


 わからない。私にはわからない。


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