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自宅・警備員・王国
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王国。そんな言葉とはかけ離れた国で暮らしてきた。平和な国だったんだと実感している。小さい頃に離れてから一回も帰ったことがない故郷だ。たまに懐かしく思うこともあるけれど、基本的には振り切ったものとして扱っている。いや、違うな本当は捨てたのだ。あの平和で退屈な国を。
王国に侵入して内部から破壊していくと決めたのはどこかの、大きな組織のリーダーのひとりだ。その理由は聞いいたことがない。聞く必要もない。なんなら聞いてしまったら最期。未来は待っていないだろう。
それも含めて関係は心地よさを感じるしヒリヒリする感覚は捨てたくないと思う。要するに人生をギリギリの状態で過ごしていたいのだ。
警備員が油断している隙に王国の一番大事な場所へ侵入する。けれどそこからすぐに行動するわけじゃない。内部にいる人間に化けてしばらくの間、過ごすことになる。ある程度、内部の情報を得ていたので出来る芸当であり、熟練の傭兵だからできること。
その辺りに自信はある。その評判もあって依頼が入っているのだ。自分の腕もまだまだ捨てたものじゃないと思う。
王の自宅兼国の重要拠点である場所にはたくさんの人達が働いている。今回化けるのはそんな中のひとりだ。
掃除担当をしているひとりになりすます。制服はあらかじめ用意していたものだ。下調べは十分。計画も完璧。であれば成功する可能性は限りなく100%に近いものだ。
「おっ。兄ちゃん新入り階が?」
早速、声を掛けられる。それなりに顔なじみが多いのも調査済みだ。その設定もちゃんと考えてある。
「ええ。急に前任が実家に帰らなくちゃいけなくなったものでしてね。今日だけの代理です」
そう言っているものの、ただ休んでいるだけだ。別に代わりを手配しているわけでもない。けれどそんなことをわざわざ調べることもしないだおろう。今日だけ乗り切れればいいのだ。
「ああ。そうなのか。羨ましい。君は逆にツイてないね。こんな日に働くことになったなんてよ」
「えっ。なにかあったのですか?」
特段、なにあるとは聞いていない。
「ああ。王国が解体されるって話さ。なんでも王が急に占いごとを信じたらしくてね。今日でこの国も終わりさ。急に変わるわけじゃないがどこかの国にくっつくって話だよ」
そんな重大な話の予兆はなかった。なにを言っているか理解できない。呆然としながら、結局その日は敷地内の掃除をして回った。
後日あまりの綺麗さに掃除をしたものを探すように勅命が下ったがその掃除人が見つかることもなかった。
王国に侵入して内部から破壊していくと決めたのはどこかの、大きな組織のリーダーのひとりだ。その理由は聞いいたことがない。聞く必要もない。なんなら聞いてしまったら最期。未来は待っていないだろう。
それも含めて関係は心地よさを感じるしヒリヒリする感覚は捨てたくないと思う。要するに人生をギリギリの状態で過ごしていたいのだ。
警備員が油断している隙に王国の一番大事な場所へ侵入する。けれどそこからすぐに行動するわけじゃない。内部にいる人間に化けてしばらくの間、過ごすことになる。ある程度、内部の情報を得ていたので出来る芸当であり、熟練の傭兵だからできること。
その辺りに自信はある。その評判もあって依頼が入っているのだ。自分の腕もまだまだ捨てたものじゃないと思う。
王の自宅兼国の重要拠点である場所にはたくさんの人達が働いている。今回化けるのはそんな中のひとりだ。
掃除担当をしているひとりになりすます。制服はあらかじめ用意していたものだ。下調べは十分。計画も完璧。であれば成功する可能性は限りなく100%に近いものだ。
「おっ。兄ちゃん新入り階が?」
早速、声を掛けられる。それなりに顔なじみが多いのも調査済みだ。その設定もちゃんと考えてある。
「ええ。急に前任が実家に帰らなくちゃいけなくなったものでしてね。今日だけの代理です」
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