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パリピ・ビャンビャン麺・映写機
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パリピたちが騒いでやがる。
夜。偶然立ち寄った公園での話だ。若い人が数人集まってはしゃいでいる。ずいぶんとはしゃいでるのか集まりに随分とちらかっている。コンビニのビニール袋にお菓子の袋、転がっている空き缶が多量。お酒かどうかはパッと見の見た目では明らかには出来ない。
じろじろ見ていたら、いちゃもんをつけられそうだったので、遠巻きにそれとなく視線を送り続ける。
騒いでいると言っても、叫んでいるとかではない。それなりに節度を守っているようにも見える。近隣から注意も受けない程度。それなりに大きい公園だが、目が届かないってわけでもない。
注意しようか悩む。したところで反撃を受ける可能性もある。交番に駆け込んでも相手にしてもらえるかは微妙なところ。けれど、近隣住民のひとりとして彼らの動向は気になってしまう。
しばらくすると、とんでもないものを持ち出して来て。見張っていてよかったと思った。
出てきたのは映写機だ。それも昔の八ミリフィルムを再生できる大きいやつ。
それを公園にある木と木の間に白い布をつるすとそこへ映像を映し出し始めた。
電機は大きなバッテリーを持ってきているらしく。問題なく作動している。なにが映し出されるのかと気になって少し近づいてみる。
会話の内容も聞こえないし、映像に音声はついていないのでうるさくはない。それをジッと黙ってみているらしくはしゃぎ声も止まっている。
なにをそんなに夢中で見ているんだ。
近づくにつれだんだんと映像の中身が鮮明に見えるようになってくる。
コンロ。フライパン。麺。見える情報はそんなところ。
料理をしている?
それもビャンビャン麺だ。あまりに特殊な状況に頭が混乱する。
「あん? おっさんなに? なんか用?」
しまった。あまりに近づきすぎて気が付かれてしまった。なにか。なにか言い訳をしないと。
「ビャンビャン麵を作りたいのか? 動画で勉強するくらいなら。教えるが……」
とっさに出たのは経験していたこと。ビャンビャン麺を作り続けた過去があるから。
「マジでっ!? 作り方分からなくて困ってたんだよ。今から俺んちいこ」
パリピのノリに戸惑いながらも、とりあえずはやることがあると気が付く。
「こんなに散らかして。掃除が先だ。それが終わったら教えてやらないこともない」
うっす。元気よくそう返事をしてくれたパリピたちはその場をものすごいスピードで掃除し始めた。
そんなに食べたかったのかビャンビャン麺。
パリピの考えることはよく分からない。一生理解できないかもなとそう思った。
夜。偶然立ち寄った公園での話だ。若い人が数人集まってはしゃいでいる。ずいぶんとはしゃいでるのか集まりに随分とちらかっている。コンビニのビニール袋にお菓子の袋、転がっている空き缶が多量。お酒かどうかはパッと見の見た目では明らかには出来ない。
じろじろ見ていたら、いちゃもんをつけられそうだったので、遠巻きにそれとなく視線を送り続ける。
騒いでいると言っても、叫んでいるとかではない。それなりに節度を守っているようにも見える。近隣から注意も受けない程度。それなりに大きい公園だが、目が届かないってわけでもない。
注意しようか悩む。したところで反撃を受ける可能性もある。交番に駆け込んでも相手にしてもらえるかは微妙なところ。けれど、近隣住民のひとりとして彼らの動向は気になってしまう。
しばらくすると、とんでもないものを持ち出して来て。見張っていてよかったと思った。
出てきたのは映写機だ。それも昔の八ミリフィルムを再生できる大きいやつ。
それを公園にある木と木の間に白い布をつるすとそこへ映像を映し出し始めた。
電機は大きなバッテリーを持ってきているらしく。問題なく作動している。なにが映し出されるのかと気になって少し近づいてみる。
会話の内容も聞こえないし、映像に音声はついていないのでうるさくはない。それをジッと黙ってみているらしくはしゃぎ声も止まっている。
なにをそんなに夢中で見ているんだ。
近づくにつれだんだんと映像の中身が鮮明に見えるようになってくる。
コンロ。フライパン。麺。見える情報はそんなところ。
料理をしている?
それもビャンビャン麺だ。あまりに特殊な状況に頭が混乱する。
「あん? おっさんなに? なんか用?」
しまった。あまりに近づきすぎて気が付かれてしまった。なにか。なにか言い訳をしないと。
「ビャンビャン麵を作りたいのか? 動画で勉強するくらいなら。教えるが……」
とっさに出たのは経験していたこと。ビャンビャン麺を作り続けた過去があるから。
「マジでっ!? 作り方分からなくて困ってたんだよ。今から俺んちいこ」
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「こんなに散らかして。掃除が先だ。それが終わったら教えてやらないこともない」
うっす。元気よくそう返事をしてくれたパリピたちはその場をものすごいスピードで掃除し始めた。
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