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教祖・凶弾・強烈
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かつて教祖と呼ばれたひとりの人間がいた。その正体を知るものは少なくて性別すらどちらか分からない。普段からフードを深めに被っていて、信者たちもその表情をちゃんと見たことがあるものは少ない。
声はボイスチェンジャーで変えていたし、肌の露出もほとんど無かった。教祖の正体をみんなが知らないのはそのせいだ。
そんな存在なのに信者からの信頼は厚かった。むしろ教祖がいたから教団は大きくなった。
あなたでなければ成し遂げられなかったことなんですよ。
そう、誰もいない場所で動かなくなった教祖へと話しかける。
当然返事はない。期待してもない。けれど今すぐにでも起き上がっていつものように説法を聞かせてほしいと思っている。自分のためにも。この教団のためにも。
教祖がいなくなって信者はどうするのだろうか。教祖がいなくなってしまった今。教団にいつづける意味を見いだせるのだろうか。教祖に救われたものがたくさんいる。そこにすがりついている者たちも大勢いる。そんな彼らが今回のことでどいう言う決断をするのかは見当もつかない。
いずれこうなることは分かっていたのにな。教祖のことを神のように崇めていたのはなにも信者たちだけではなかったと言う訳だ。自分たち幹部も、教祖本人も、神と錯覚し、死すらも乗り越えたのだとそう信じて疑わなかった訳だ。
その怠慢とも言える思想が招いた結果が今だ。凶弾に倒れるわけでもなく自然死だなんて笑うに笑えないあっけない結末。悲劇のほうがよっぽど信者たちも盛り上がりを迎えより陶酔するはずなのに。
まったく。あなたにはいつも振り回されてばかりだ。それが楽しかったのは間違いない。おかげでふところもずいぶんと温めてもらったりもした。感謝しか出てこない。
でも、眼の前にあるのは厄介な出来事なのは間違いない。
だから。あなたの理想を引き継いで教祖という神を作り出そうと思います。
そう教祖に向かって深々と一礼をし、フード付きのその象徴でもある衣服を剥きとる。そしてそれを纏う。深々と顔を隠すようにフードを被り、ボイスチェンジャーのスイッチを入れる。
見慣れないただの人間の死体は信者のひとりとして埋葬してしまえばいい。
強烈な体験だ。これほどまでに気持ちが高ぶっていることはない。だって教祖がただの人間から神へと変わる瞬間だ。
これからも教祖が死ぬことはない。それは間違いない。だって今から教祖は神へと昇華したのだから。
声はボイスチェンジャーで変えていたし、肌の露出もほとんど無かった。教祖の正体をみんなが知らないのはそのせいだ。
そんな存在なのに信者からの信頼は厚かった。むしろ教祖がいたから教団は大きくなった。
あなたでなければ成し遂げられなかったことなんですよ。
そう、誰もいない場所で動かなくなった教祖へと話しかける。
当然返事はない。期待してもない。けれど今すぐにでも起き上がっていつものように説法を聞かせてほしいと思っている。自分のためにも。この教団のためにも。
教祖がいなくなって信者はどうするのだろうか。教祖がいなくなってしまった今。教団にいつづける意味を見いだせるのだろうか。教祖に救われたものがたくさんいる。そこにすがりついている者たちも大勢いる。そんな彼らが今回のことでどいう言う決断をするのかは見当もつかない。
いずれこうなることは分かっていたのにな。教祖のことを神のように崇めていたのはなにも信者たちだけではなかったと言う訳だ。自分たち幹部も、教祖本人も、神と錯覚し、死すらも乗り越えたのだとそう信じて疑わなかった訳だ。
その怠慢とも言える思想が招いた結果が今だ。凶弾に倒れるわけでもなく自然死だなんて笑うに笑えないあっけない結末。悲劇のほうがよっぽど信者たちも盛り上がりを迎えより陶酔するはずなのに。
まったく。あなたにはいつも振り回されてばかりだ。それが楽しかったのは間違いない。おかげでふところもずいぶんと温めてもらったりもした。感謝しか出てこない。
でも、眼の前にあるのは厄介な出来事なのは間違いない。
だから。あなたの理想を引き継いで教祖という神を作り出そうと思います。
そう教祖に向かって深々と一礼をし、フード付きのその象徴でもある衣服を剥きとる。そしてそれを纏う。深々と顔を隠すようにフードを被り、ボイスチェンジャーのスイッチを入れる。
見慣れないただの人間の死体は信者のひとりとして埋葬してしまえばいい。
強烈な体験だ。これほどまでに気持ちが高ぶっていることはない。だって教祖がただの人間から神へと変わる瞬間だ。
これからも教祖が死ぬことはない。それは間違いない。だって今から教祖は神へと昇華したのだから。
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