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ミトコンドリア・ハンドルネーム・ハクビシン
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『それでさぁ。この前、急に連携が崩れたと思ったら、前衛がひとりやられててそこからなだれ込まれたみたいでさぁ』
ハクビシンさんがテンション高めに話を始めた。それくらいさきほどの失敗が気に食わなかったのだろう。他人に足を引っ張られる感覚。それを簡単に拭えないのも分かる。
『けど、ちょっと前に出過ぎたのはハクビシンさんでしょ。あれはよくなかったと思いますよ』
ツッコミをしたのはミトコンドリアさんだ。確かにハクビシンさんの動きはかかっていた。そしてもそれも無理もない。その気持は十分わかる。人類初挑戦のボスの間。その挑戦権を得たのがふたりが所属するギルドだったからだ。
プレイヤー人数は世界に億単位いると言われている人気ゲームの大型アップデート直後。ログイン戦争すら起きるその大戦争を勝ち抜き、ダンジョンをいち早く攻略。そうしてボスの間までたどり着いたのだ。それはものすごいプレッシャーだった。
さっきまで一緒に戦っていたのだ。自分だって他人事ではない。ハンドルネームで呼びあう仲だけれど、そこにある仲間意識はリアルの友人たちに比べても強い。
『ミトコンドリアがちゃんと回復しなかったからだろっ』
『それを言うならアナコンダさんこそ動き悪かったですよ。DPS値そこまで叩き出せてなかったし』
おっと、こちらに矛先が向いてしまった。確かにプレッシャーに負けて操作ミスを何度か起こしてしまった。そのせいで全体のバランスが崩れてしまった言われれば否定はできない。
『それは申し訳なかったけど、仕方ないじゃないか。あんなに激しい攻撃が襲ってくるなんて思いもしなかったんだから』
後方から攻撃している側とは言え、常に動き回らなければ攻撃に巻き込まれてしまう。敵のパターンを勉強して全ての動きに対応するなんてことはとてもじゃないが出来なかった。
『まっ。そりゃそうだよな』
『うん。間違いない』
『さっ。気を取り直して次の挑戦いこうぜ』
世界最速を目指しているギルドとしてはこんな風に反省している時間ももったいない。
次の瞬間だった。
『世界で初めてボスが攻略されました』
そのメッセージが全プレイヤーに通知されて、思わず固まった。
『おい。だから、あの時……』
誰が悪い。なんて言う不毛な時間が続く。それは仕方のないことだった。
ハクビシンさんがテンション高めに話を始めた。それくらいさきほどの失敗が気に食わなかったのだろう。他人に足を引っ張られる感覚。それを簡単に拭えないのも分かる。
『けど、ちょっと前に出過ぎたのはハクビシンさんでしょ。あれはよくなかったと思いますよ』
ツッコミをしたのはミトコンドリアさんだ。確かにハクビシンさんの動きはかかっていた。そしてもそれも無理もない。その気持は十分わかる。人類初挑戦のボスの間。その挑戦権を得たのがふたりが所属するギルドだったからだ。
プレイヤー人数は世界に億単位いると言われている人気ゲームの大型アップデート直後。ログイン戦争すら起きるその大戦争を勝ち抜き、ダンジョンをいち早く攻略。そうしてボスの間までたどり着いたのだ。それはものすごいプレッシャーだった。
さっきまで一緒に戦っていたのだ。自分だって他人事ではない。ハンドルネームで呼びあう仲だけれど、そこにある仲間意識はリアルの友人たちに比べても強い。
『ミトコンドリアがちゃんと回復しなかったからだろっ』
『それを言うならアナコンダさんこそ動き悪かったですよ。DPS値そこまで叩き出せてなかったし』
おっと、こちらに矛先が向いてしまった。確かにプレッシャーに負けて操作ミスを何度か起こしてしまった。そのせいで全体のバランスが崩れてしまった言われれば否定はできない。
『それは申し訳なかったけど、仕方ないじゃないか。あんなに激しい攻撃が襲ってくるなんて思いもしなかったんだから』
後方から攻撃している側とは言え、常に動き回らなければ攻撃に巻き込まれてしまう。敵のパターンを勉強して全ての動きに対応するなんてことはとてもじゃないが出来なかった。
『まっ。そりゃそうだよな』
『うん。間違いない』
『さっ。気を取り直して次の挑戦いこうぜ』
世界最速を目指しているギルドとしてはこんな風に反省している時間ももったいない。
次の瞬間だった。
『世界で初めてボスが攻略されました』
そのメッセージが全プレイヤーに通知されて、思わず固まった。
『おい。だから、あの時……』
誰が悪い。なんて言う不毛な時間が続く。それは仕方のないことだった。
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