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雷・鬼ころし・阿鼻叫喚
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鬼ころし片手に社内を歩き回っているとなんだか悪いことをしている気分になるけれど、今日は休日に加えて出勤している社員もひとりもいない。それに加えて俺はこの会社の社長だ。だれかに文句を言われる筋合いも元からない。
気が変わって誰かが出勤してこないともあると思っていたので全員で社員旅行に行ってもらっている。社長が行かない社員旅行なんて聞いたことないですよと何人も言われた。思っているだけならきっと全員だ。
勝手に決めたことだから勝手に旅行積立金をべて使うのも気が引けて安い旅行計画に加えて自腹で少し補填までもした。そうまでしたのには大きな理由がある。なんとしても今日明日で必要なものをかき集めなくてはならない。
そうまでして集める必要なものとは証拠。それも会社が脱税していると言う証拠だ。
ことの発端は社長室の机に置かれた一通の手紙。内容は会社が脱税していると言う内部告発と、それを世に公表されたくなかったら金をよこせと言う脅迫だった。いわゆる脅迫状ってやつだ。
脱税なんて身に覚えがなかったし、脅しに屈しる気もなかったのだけれど、万が一そんなものが存在するのだとしたらトンデモナイことだ。社長として自ら行動しなくてはならない。
かと行って、社長が突然、そんな証拠を集め始めたらなにかあったのではないかと社内全体が戸惑うだろう。それが発展して脱税がバレでもしたら阿鼻叫喚は間違いない。
だからこそこうやってひとりで探し回っているのだ。証拠と。それと犯人をだ。
社長室においてあったのと内部しか知り得ない情報だ。犯人は内部にいる。それはまず間違いない。
しかしそれは誰だ。単純に考えればそれは経理の人間な気がする。彼らが承認して初めて数字が完成するのだ。逆に言えば彼らならば不正な書類を作り出すことだって出来る。
しかし、いくら探してもそんな証拠は見つけることが出来なかった。すっかり日もくれて暗くなってしまった。残り時間が少なくなってきてだんだんと焦りが増していく。
見つからなかったら破滅だ。それを象徴するように雷が光って、大きな音が会社の響き渡る。
あまりの近さに電球がチカチカしている。
もう諦めてしまおうか。これだけ探しても見つからない。身に覚えもない。なんなら探しながらも社員たちをどこかで信じている自分にも気がついた。
だったら自分から告白してしまえばい。それなら脅迫してきたものに屈することにもならない。
社員のみんなには最後の社員旅行になってしまうかもしれない。
だったらせめてもっと良いところに連れて行ってあげればよかったと少しだけ後悔した。
気が変わって誰かが出勤してこないともあると思っていたので全員で社員旅行に行ってもらっている。社長が行かない社員旅行なんて聞いたことないですよと何人も言われた。思っているだけならきっと全員だ。
勝手に決めたことだから勝手に旅行積立金をべて使うのも気が引けて安い旅行計画に加えて自腹で少し補填までもした。そうまでしたのには大きな理由がある。なんとしても今日明日で必要なものをかき集めなくてはならない。
そうまでして集める必要なものとは証拠。それも会社が脱税していると言う証拠だ。
ことの発端は社長室の机に置かれた一通の手紙。内容は会社が脱税していると言う内部告発と、それを世に公表されたくなかったら金をよこせと言う脅迫だった。いわゆる脅迫状ってやつだ。
脱税なんて身に覚えがなかったし、脅しに屈しる気もなかったのだけれど、万が一そんなものが存在するのだとしたらトンデモナイことだ。社長として自ら行動しなくてはならない。
かと行って、社長が突然、そんな証拠を集め始めたらなにかあったのではないかと社内全体が戸惑うだろう。それが発展して脱税がバレでもしたら阿鼻叫喚は間違いない。
だからこそこうやってひとりで探し回っているのだ。証拠と。それと犯人をだ。
社長室においてあったのと内部しか知り得ない情報だ。犯人は内部にいる。それはまず間違いない。
しかしそれは誰だ。単純に考えればそれは経理の人間な気がする。彼らが承認して初めて数字が完成するのだ。逆に言えば彼らならば不正な書類を作り出すことだって出来る。
しかし、いくら探してもそんな証拠は見つけることが出来なかった。すっかり日もくれて暗くなってしまった。残り時間が少なくなってきてだんだんと焦りが増していく。
見つからなかったら破滅だ。それを象徴するように雷が光って、大きな音が会社の響き渡る。
あまりの近さに電球がチカチカしている。
もう諦めてしまおうか。これだけ探しても見つからない。身に覚えもない。なんなら探しながらも社員たちをどこかで信じている自分にも気がついた。
だったら自分から告白してしまえばい。それなら脅迫してきたものに屈することにもならない。
社員のみんなには最後の社員旅行になってしまうかもしれない。
だったらせめてもっと良いところに連れて行ってあげればよかったと少しだけ後悔した。
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