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色即是空・ブータン・トップシークレット
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「ねえ幸せの国って知ってる?」
テスト勉強に飽きているのは分かっていたけれど、唐突すぎる話題の振り方にせっかく頭に詰め込んでいた英単語が頭からこぼれ落ちるのが分かった。覆水盆に返らずじゃないけれど、抜けた英単語を戻すことは出来ないのですぐさま切り替えてその話を聞くことにする。
「ヨーロッパのどこかだっけ」
なんだかそんなランキングが周期的に発表されていたのは小耳に挟んだことがあるけれど、それを詳細に調べたことなんてない。でも確かこういうのはヨーロッパだったはずだ。
「ふふん」
なんだが得意気に鼻の穴を膨らませている。どうやら間違っているらしい。だとしたら何処だろう。まさかこの国だったりしないよな。
「ブータンだよ」
頭の中にはてなマークが浮かび続ける。聞いたことがあるようであるが。どこにあるとか、どんな国なのかとかまったく浮かばない。試験に出ないやつだよね? そう不安にも思う。
「どこそれ」
だから勉強がてら質問したのだけれど前のめりになったと勘違いらしく、問題を出した本人はテンションが上がっている。
「へへん。アジアだよ。中国の南の方。ヒマラヤ山脈とかのそばだってさ」
「その国がどうして幸せの国なのよ」
「えっと……さあ?」
さあって。肝心な情報を教えてくれないなら意味ないじゃないか。
「さあって。っじゃあ、どうして問題だしたのよ」
「いやー。幸せの国なら試験勉強もないのかなぁって思ったらつい」
なにがついなのかちっとも分からないのだけれど、気持ちは分かる。思えて何になるのか想像もつかない勉強ばかりだ。
「この色即是空とかなんに使うのー」
そんなの分からないとしかいいようがない。それこそ先生たちだってまともにそんなことの説明が出来たりはしないだろう。
「それは分かんないけどさ。とりあえず今やれることをやるしかないんじゃないの。それこそ幸せの国に行ったところで幸せになれる保証はないんだし」
「……なんか難しいこと言ってる。えー。そんな夢のない話ばかりして。そんなんじゃ人生つまんないよ」
「そうは言ってもね。最低限のことをやらなきゃ、この先困るかもしれないでしょ」
「困らないかもしれないじゃん」
「でも、そんな人生聞いたこと無いし。きっとなにかしらかの壁があるんだからさ。そんときに後悔しないようにね」
「ふーん。優等生すぎるね。なんでそんな優等生なのさ」
「ふふん。それはトップシークレットだよ」
「なにそれ。教えろー」
とりあえず今この時間も楽しい方がいいよね。そう少しだけ頭の片隅に詰め込んだ。
テスト勉強に飽きているのは分かっていたけれど、唐突すぎる話題の振り方にせっかく頭に詰め込んでいた英単語が頭からこぼれ落ちるのが分かった。覆水盆に返らずじゃないけれど、抜けた英単語を戻すことは出来ないのですぐさま切り替えてその話を聞くことにする。
「ヨーロッパのどこかだっけ」
なんだかそんなランキングが周期的に発表されていたのは小耳に挟んだことがあるけれど、それを詳細に調べたことなんてない。でも確かこういうのはヨーロッパだったはずだ。
「ふふん」
なんだが得意気に鼻の穴を膨らませている。どうやら間違っているらしい。だとしたら何処だろう。まさかこの国だったりしないよな。
「ブータンだよ」
頭の中にはてなマークが浮かび続ける。聞いたことがあるようであるが。どこにあるとか、どんな国なのかとかまったく浮かばない。試験に出ないやつだよね? そう不安にも思う。
「どこそれ」
だから勉強がてら質問したのだけれど前のめりになったと勘違いらしく、問題を出した本人はテンションが上がっている。
「へへん。アジアだよ。中国の南の方。ヒマラヤ山脈とかのそばだってさ」
「その国がどうして幸せの国なのよ」
「えっと……さあ?」
さあって。肝心な情報を教えてくれないなら意味ないじゃないか。
「さあって。っじゃあ、どうして問題だしたのよ」
「いやー。幸せの国なら試験勉強もないのかなぁって思ったらつい」
なにがついなのかちっとも分からないのだけれど、気持ちは分かる。思えて何になるのか想像もつかない勉強ばかりだ。
「この色即是空とかなんに使うのー」
そんなの分からないとしかいいようがない。それこそ先生たちだってまともにそんなことの説明が出来たりはしないだろう。
「それは分かんないけどさ。とりあえず今やれることをやるしかないんじゃないの。それこそ幸せの国に行ったところで幸せになれる保証はないんだし」
「……なんか難しいこと言ってる。えー。そんな夢のない話ばかりして。そんなんじゃ人生つまんないよ」
「そうは言ってもね。最低限のことをやらなきゃ、この先困るかもしれないでしょ」
「困らないかもしれないじゃん」
「でも、そんな人生聞いたこと無いし。きっとなにかしらかの壁があるんだからさ。そんときに後悔しないようにね」
「ふーん。優等生すぎるね。なんでそんな優等生なのさ」
「ふふん。それはトップシークレットだよ」
「なにそれ。教えろー」
とりあえず今この時間も楽しい方がいいよね。そう少しだけ頭の片隅に詰め込んだ。
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