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砂漠・雑草・ねじれた才能
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ねじれた才能は世界を破滅へと導いた。残っている歴史書にはそう記載されている。果たしてそうだろうかと思う。世界に人類は増え続けてたくさんいるし、文明も発達し続けている。破滅とは程遠い結末だ。
そもそもねじれた才能とはなんだろうと考えることもある。ひとりの才能くらいで世界が破滅してしまうのであればそれは小さな世界だとも思う。これだけ多くの人がいる中でたったひとりの力でどうにかできるものか。それこそ、責任をたったひとりに押し付けて周りは知らんぷりしているだけ。今の世界を見ていたってそう思えてくる。それくらいに世界は理不尽で下っ端には見境がなく不幸が襲ってくる。
「また変なことを考えてるだろ。仕事中にボーっとするんじゃない。お前は本の読みすぎなんだよ」
同僚という名の管理体制。相互監視をすることで比較的、労働効率は上昇しているように思うが、行っている作業自体が効率が悪いものだ。対して意味をなしていない。
普段からそんなことを思っているので、周りからの評判は悪い。真面目に働いていれば食い扶持に困ることもないし、特別なことも起きない。辛いこともなければ楽しいこともない。平坦な人生。
世界の九割が砂漠で満たされたことにより、そんな平坦な人生を歩むものは増えたのだろうか? それとも減ったのだろうか。
本に書いてある人物たちは常に何かに悩んでいる。なにかを必死に考え、伝えようとし、もがいている。
でもそれはきっと一部の人達だけだ。大半はこうやって平坦な人生を歩む。
「ああ。本は余計なことしか与えてくれないからな。本当に必要なものはひとつも書いてありゃしない」
「だったらなんで読むんだよ。読めば読むほど怒られるって言うのにさ」
「さあな。そこにしかないものがあるからだとは思うけれど、だからってどうして惹かれるのかはまったく自分でも理解していないよ。あえて言うなら渇きだな。こんな何もかもなくなってしまった世界で破滅とは程遠い繁栄を続けている人間っていうのが、どこから来て、どうやって今に到達しているかを知りたいんだよ」
「そんなの知ってどうなるんだ?」
「ちょっとは渇きが薄れるかもしれないだろ?」
「それだけか?」
「ああ。それだけだ」
そんなものだ。この砂漠に覆われた世界で雑草のように生え続ける生命力のある人間のすることだ。全てを理解できるようには出来ていないだろう。だから、望んだままに行動するしか無い。平坦な人生を歩みたくなければの話だが。
そもそもねじれた才能とはなんだろうと考えることもある。ひとりの才能くらいで世界が破滅してしまうのであればそれは小さな世界だとも思う。これだけ多くの人がいる中でたったひとりの力でどうにかできるものか。それこそ、責任をたったひとりに押し付けて周りは知らんぷりしているだけ。今の世界を見ていたってそう思えてくる。それくらいに世界は理不尽で下っ端には見境がなく不幸が襲ってくる。
「また変なことを考えてるだろ。仕事中にボーっとするんじゃない。お前は本の読みすぎなんだよ」
同僚という名の管理体制。相互監視をすることで比較的、労働効率は上昇しているように思うが、行っている作業自体が効率が悪いものだ。対して意味をなしていない。
普段からそんなことを思っているので、周りからの評判は悪い。真面目に働いていれば食い扶持に困ることもないし、特別なことも起きない。辛いこともなければ楽しいこともない。平坦な人生。
世界の九割が砂漠で満たされたことにより、そんな平坦な人生を歩むものは増えたのだろうか? それとも減ったのだろうか。
本に書いてある人物たちは常に何かに悩んでいる。なにかを必死に考え、伝えようとし、もがいている。
でもそれはきっと一部の人達だけだ。大半はこうやって平坦な人生を歩む。
「ああ。本は余計なことしか与えてくれないからな。本当に必要なものはひとつも書いてありゃしない」
「だったらなんで読むんだよ。読めば読むほど怒られるって言うのにさ」
「さあな。そこにしかないものがあるからだとは思うけれど、だからってどうして惹かれるのかはまったく自分でも理解していないよ。あえて言うなら渇きだな。こんな何もかもなくなってしまった世界で破滅とは程遠い繁栄を続けている人間っていうのが、どこから来て、どうやって今に到達しているかを知りたいんだよ」
「そんなの知ってどうなるんだ?」
「ちょっとは渇きが薄れるかもしれないだろ?」
「それだけか?」
「ああ。それだけだ」
そんなものだ。この砂漠に覆われた世界で雑草のように生え続ける生命力のある人間のすることだ。全てを理解できるようには出来ていないだろう。だから、望んだままに行動するしか無い。平坦な人生を歩みたくなければの話だが。
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