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04「もう一人の同級生」
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『俺はこの異世界を統率するためにやって来た。山川中学校二年A組の諸君よ。聞こえているか?』
はっ……。
なっ、なんだあ? まだ暗い。夜だ。僕は唐突に頭に響いた声にたたき起こされた。
誰だ、こいつは? 同じクラスのヤツ、この世界に転生したヤツが他にいた。
でも――。
『俺は無敵のスキルを手に入れた。お前たちはこの俺に従え。そして世界を平和に導き征服する。俺の下僕となるのだ』
はあ? スキル? なんだ、このアニメみたいなセリフは?
そりゃ、僕らは中学二年生だったから、厨二設定は分かるけどさ。でもあの時教室にいた生徒で、アニメファンは僕くらいだったけどなあ。他に誰がいたのかな?
『皆こんな世界にやって来てさぞや不安であろう。しかし安心してくれ。俺たちの力を結集すれば、ここで俺たちの世界を作り出せる。二年A組で道を切り開くんだっ!』
いやいや、僕らまだ赤ん坊だしなあ。厨二みたいなのは分かるけど、そのうち異世界現実に気がつくよ。だった一人で何ができる? 何もできないさ。だから仲間を集めるってさあ。なんだよ。ごめんだよ。
人間は異世界の人の方がずっと多いよ。ちょと強そうなスキル、力を手に入れたからってせいぜい半径百メートル以内の無双ぐらいさ。
生徒会長になって中学校をなんとかする、なんて話じゃないんだ。
『君たちももう気がついてると思う。異世界だと言えば聞こえは良いが、はっきり言おう。ここは後進国ばかりがより集まった劣等世界だ。我らが知っている文明、芸術、先進社会から大幅に遅れた下民の世界。そんな中で生きている皆んな。なんとかしたいとは、思わないかな?』
はいはい、はいっ!
僕たち赤ちゃんなのに、どうやって結集なんてできるんだ。何すっかりその気になっている。いったい誰だ? こいつ。
『この世界は問題が山積みだ。貧困、差別、我々の世界では忌み嫌われた中世の世界観が常識として残っている。それら全てを排除し、彼らに文明とは、文化とは何かを叩き込んでやらねばならぬ』
はえー。ご苦労なことですな。慈善事業でもすれば? それ、僕らの世界にも普通にあったって。誰かがなんとかできる世界観じゃないでしょ。
『突然のメッセージで驚いているかと思う。俺のように強大な力を手に入れた者ばかりではないだろう。しかしこの世界での我らは選ばれた存在。神が降臨させた、神の使徒なのである』
僕はなんとなく、ずっと一人でこちらに来ていたと思っていた。でも、もう一人同級生がいた。それならば他にてもおかしくない。いや、あの時クラス全体が白い光に包まれてはずだ。それならば全員……。他に誰がいたっけ?
確か十人以上は、まだクラスに残っていたはずだ。
僕の脳みそはまだ赤ん坊のままだ。前世の記憶は少しずつ思い出してきている。何せ最初は、僕が誰だかもわからなかった。
一体誰なんだ。あんなイカレタ中二病はクラスにはいなかったはずだけど……。僕以外で。
『弱き者として産まれた運命は、この俺が変えてやる。俺のスキルを使えば、異世界底辺から這い上がれるぞ!』
くそっ、そうきたか……。僕は恵まれているから、普通にこんなものかと思ってた。でも、とんでもない場所で生まれ変わったヤツだっているか。こいつはそんな同級生を誘っているんだ。
スキル、スキル――。スキルっていったい何なんだ? 無双や俺ツエエ以外に何かができる力なのか?
他の同級生たちは、どこで何をやっているんだ?
はっ……。
なっ、なんだあ? まだ暗い。夜だ。僕は唐突に頭に響いた声にたたき起こされた。
誰だ、こいつは? 同じクラスのヤツ、この世界に転生したヤツが他にいた。
でも――。
『俺は無敵のスキルを手に入れた。お前たちはこの俺に従え。そして世界を平和に導き征服する。俺の下僕となるのだ』
はあ? スキル? なんだ、このアニメみたいなセリフは?
そりゃ、僕らは中学二年生だったから、厨二設定は分かるけどさ。でもあの時教室にいた生徒で、アニメファンは僕くらいだったけどなあ。他に誰がいたのかな?
『皆こんな世界にやって来てさぞや不安であろう。しかし安心してくれ。俺たちの力を結集すれば、ここで俺たちの世界を作り出せる。二年A組で道を切り開くんだっ!』
いやいや、僕らまだ赤ん坊だしなあ。厨二みたいなのは分かるけど、そのうち異世界現実に気がつくよ。だった一人で何ができる? 何もできないさ。だから仲間を集めるってさあ。なんだよ。ごめんだよ。
人間は異世界の人の方がずっと多いよ。ちょと強そうなスキル、力を手に入れたからってせいぜい半径百メートル以内の無双ぐらいさ。
生徒会長になって中学校をなんとかする、なんて話じゃないんだ。
『君たちももう気がついてると思う。異世界だと言えば聞こえは良いが、はっきり言おう。ここは後進国ばかりがより集まった劣等世界だ。我らが知っている文明、芸術、先進社会から大幅に遅れた下民の世界。そんな中で生きている皆んな。なんとかしたいとは、思わないかな?』
はいはい、はいっ!
僕たち赤ちゃんなのに、どうやって結集なんてできるんだ。何すっかりその気になっている。いったい誰だ? こいつ。
『この世界は問題が山積みだ。貧困、差別、我々の世界では忌み嫌われた中世の世界観が常識として残っている。それら全てを排除し、彼らに文明とは、文化とは何かを叩き込んでやらねばならぬ』
はえー。ご苦労なことですな。慈善事業でもすれば? それ、僕らの世界にも普通にあったって。誰かがなんとかできる世界観じゃないでしょ。
『突然のメッセージで驚いているかと思う。俺のように強大な力を手に入れた者ばかりではないだろう。しかしこの世界での我らは選ばれた存在。神が降臨させた、神の使徒なのである』
僕はなんとなく、ずっと一人でこちらに来ていたと思っていた。でも、もう一人同級生がいた。それならば他にてもおかしくない。いや、あの時クラス全体が白い光に包まれてはずだ。それならば全員……。他に誰がいたっけ?
確か十人以上は、まだクラスに残っていたはずだ。
僕の脳みそはまだ赤ん坊のままだ。前世の記憶は少しずつ思い出してきている。何せ最初は、僕が誰だかもわからなかった。
一体誰なんだ。あんなイカレタ中二病はクラスにはいなかったはずだけど……。僕以外で。
『弱き者として産まれた運命は、この俺が変えてやる。俺のスキルを使えば、異世界底辺から這い上がれるぞ!』
くそっ、そうきたか……。僕は恵まれているから、普通にこんなものかと思ってた。でも、とんでもない場所で生まれ変わったヤツだっているか。こいつはそんな同級生を誘っているんだ。
スキル、スキル――。スキルっていったい何なんだ? 無双や俺ツエエ以外に何かができる力なのか?
他の同級生たちは、どこで何をやっているんだ?
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