7 / 21
お菊神社のアオヤマ
しおりを挟む
(7)お菊神社のアオヤマ
武はアオヤマに会うために猫について行った。武と猫は、武の母の実家から30分くらい歩いてお菊神社に到着した。
「ここか?」と武は猫に聞いた。
「そう。お菊神社。」
※お菊神社は「播州皿屋敷」の主人公の「菊姫命」が祀られています。十二所線沿いの「十二所神社」に併設されています。
「お菊さん、祀られてるんだ。すごいな。」
「まあな。それくらいお菊さんは重要なんだ。」
武と猫がお菊神社の境内に入ると、三毛猫が社殿の横に座っていた。
多分、この三毛猫がアオヤマだろう。
「よお、アオヤマ。助っ人を連れてきたぞ!」と白猫のムハンマドは言った。
アオヤマらしき三毛猫は手を上げて、ムハンマドに応えた。
武は初対面だからアオヤマに簡単な挨拶をした。
「はじめまして。僕は山田武。お菊さんのことで聞きたいことがあって、ここに来たんだ。」と武は三毛猫に挨拶した。
「あー、お前が武かー。本当に猫語が分かるんだな。」アオヤマは驚いて言った。
この辺りには猫語が分かる人がいないのだろうか?
「そうだよ。この辺りには猫語が分かる人はいないのか?」とムハンマドはアオヤマに聞いた。
「いや。いるけど、あまりここには来ないな。それにしても、久しぶりに猫語が分かる人間と話した。」とアオヤマは言った。
「こいつは天才型クローンだから頭いいぞ。武がお菊さんのことで幾つか解決策を考えたんだ。確認したいことがあるみたいだけど、いいかな?」
「もちろん。」とアオヤマは言った。
アオヤマは好意的なようなので、武は自分が考えた解決策を説明し始めた。
まず、武が考えたお菊さんに関する仮説は以下の5つだ。
・仮説1:お菊さんがこの世には9枚しか皿がないことを知っている
・仮説2:お菊さんは行動可能範囲がごく限られた地縛霊である
・仮説3:弾四郎が隠した皿がどこかに存在する
・仮説4:お菊さんは皿の色、図柄のみを把握している
・仮説5:お菊さんは皿の構成成分の情報を把握している
仮説1~2はアオヤマが知っているかもしれない。
武はアオヤマにお菊さんの状況を質問した。
すると、アオヤマはしばらく考えてから言った。
「仮説1はないと思う。お菊さんが9まで数えた後に青山家の人間が「10」と言うと、お菊さんは数えなくなるからな。」
「そうすると、お菊さんは皿の数を知らないから、毎回数えているということかな?」と武は聞いた。
「そうだと思う。もし、お菊さんが『この世には9枚しか皿がないこと』を知っていたら、わざわざ数えない。『いちま~い、にま~い』じゃなくて、お菊さんは『最後の1枚どこだー?』って言うはずだ。」
「確かに、それはそうだな。じゃあ、仮説1は除外しよう。次の仮説2はどう?」と武は次の質問に移った。
「お菊さんの移動距離はそれなりにある。このお菊神社から姫路城のお菊井戸まで移動するから、直線距離で1kmはあるかな?そんな巨大な防音施設を作るのは無理だぞ。」
「この神社から移動して姫路城に行くの?」
「そうだ。皿の数を数えるのは姫路城のお菊井戸なんだけど、皿を数えていない時はお菊神社にいる。」
「え?今ここにお菊さんいるの?」
「いるよ。見る?」とアオヤマは言った。
まさかここにお菊さんがいると思っていなかった。
いきなりお菊さんを見るかと言われても、心の準備ができていない。
お菊さんを見ていいものかどうか・・・・。
「呪われたりしない?」武は三毛猫に聞いた。
「大丈夫だ。お菊さんは皿を数えるだけだから、基本的に害はない。少なくとも、俺はお菊さんに呪われた人を見たことない。」
武は一人だと怖いから、猫のムハンマドを誘って社殿の中を見た。
中には白い着物の若い女性がいた。綺麗な女性だった。
「へー、綺麗な人だなー。」
武が言ったら、中にいたお菊さんと目が合った。
武はアオヤマに会うために猫について行った。武と猫は、武の母の実家から30分くらい歩いてお菊神社に到着した。
「ここか?」と武は猫に聞いた。
「そう。お菊神社。」
※お菊神社は「播州皿屋敷」の主人公の「菊姫命」が祀られています。十二所線沿いの「十二所神社」に併設されています。
「お菊さん、祀られてるんだ。すごいな。」
「まあな。それくらいお菊さんは重要なんだ。」
武と猫がお菊神社の境内に入ると、三毛猫が社殿の横に座っていた。
多分、この三毛猫がアオヤマだろう。
「よお、アオヤマ。助っ人を連れてきたぞ!」と白猫のムハンマドは言った。
アオヤマらしき三毛猫は手を上げて、ムハンマドに応えた。
武は初対面だからアオヤマに簡単な挨拶をした。
「はじめまして。僕は山田武。お菊さんのことで聞きたいことがあって、ここに来たんだ。」と武は三毛猫に挨拶した。
「あー、お前が武かー。本当に猫語が分かるんだな。」アオヤマは驚いて言った。
この辺りには猫語が分かる人がいないのだろうか?
「そうだよ。この辺りには猫語が分かる人はいないのか?」とムハンマドはアオヤマに聞いた。
「いや。いるけど、あまりここには来ないな。それにしても、久しぶりに猫語が分かる人間と話した。」とアオヤマは言った。
「こいつは天才型クローンだから頭いいぞ。武がお菊さんのことで幾つか解決策を考えたんだ。確認したいことがあるみたいだけど、いいかな?」
「もちろん。」とアオヤマは言った。
アオヤマは好意的なようなので、武は自分が考えた解決策を説明し始めた。
まず、武が考えたお菊さんに関する仮説は以下の5つだ。
・仮説1:お菊さんがこの世には9枚しか皿がないことを知っている
・仮説2:お菊さんは行動可能範囲がごく限られた地縛霊である
・仮説3:弾四郎が隠した皿がどこかに存在する
・仮説4:お菊さんは皿の色、図柄のみを把握している
・仮説5:お菊さんは皿の構成成分の情報を把握している
仮説1~2はアオヤマが知っているかもしれない。
武はアオヤマにお菊さんの状況を質問した。
すると、アオヤマはしばらく考えてから言った。
「仮説1はないと思う。お菊さんが9まで数えた後に青山家の人間が「10」と言うと、お菊さんは数えなくなるからな。」
「そうすると、お菊さんは皿の数を知らないから、毎回数えているということかな?」と武は聞いた。
「そうだと思う。もし、お菊さんが『この世には9枚しか皿がないこと』を知っていたら、わざわざ数えない。『いちま~い、にま~い』じゃなくて、お菊さんは『最後の1枚どこだー?』って言うはずだ。」
「確かに、それはそうだな。じゃあ、仮説1は除外しよう。次の仮説2はどう?」と武は次の質問に移った。
「お菊さんの移動距離はそれなりにある。このお菊神社から姫路城のお菊井戸まで移動するから、直線距離で1kmはあるかな?そんな巨大な防音施設を作るのは無理だぞ。」
「この神社から移動して姫路城に行くの?」
「そうだ。皿の数を数えるのは姫路城のお菊井戸なんだけど、皿を数えていない時はお菊神社にいる。」
「え?今ここにお菊さんいるの?」
「いるよ。見る?」とアオヤマは言った。
まさかここにお菊さんがいると思っていなかった。
いきなりお菊さんを見るかと言われても、心の準備ができていない。
お菊さんを見ていいものかどうか・・・・。
「呪われたりしない?」武は三毛猫に聞いた。
「大丈夫だ。お菊さんは皿を数えるだけだから、基本的に害はない。少なくとも、俺はお菊さんに呪われた人を見たことない。」
武は一人だと怖いから、猫のムハンマドを誘って社殿の中を見た。
中には白い着物の若い女性がいた。綺麗な女性だった。
「へー、綺麗な人だなー。」
武が言ったら、中にいたお菊さんと目が合った。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
ねこの戸籍
沼津平成
現代文学
路地裏にある野良猫の群れ。そのなかでカニカンは数少ないのご主人様がいる猫。カニカンとその仲間たちの愉快な冒険は、語らないと損をしてしまうようで、くすぐったいのです。新時代の現代ネコ文学、待望の作品化。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
何度も死んで別の人間に転生していますが、なぜ転生するのか理由が分かりません
kkkkk
現代文学
僕は二十歳の誕生日に死んで、別の人間に転生する。何度も何度も。
なぜ転生するのかはよく分からない。
何か理由があるのだろうか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる