こちら国家戦略特別室

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番外編 入社式までに桜を咲かせろ!

ラストバトル(その1)

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※この物語はフィクションです。登場する人物・団体は架空であり、実在のものとは関係ありません。
また、本話には少し過激な表現が含まれます。決してマネしないで下さい。

 警察官を振り切って首相官邸を疾走するチェリー・ボーイズ。
 首相を探し出し、今度こそ「辞めて下さい」と直談判するために。

「止まりなさい!」

 後ろから警察官が僕たちを追ってきた。しかし、止まるわけにはいかない。
 僕たちの進む方向には、別の警官隊が防護盾を持って待ち構えている。

 ――首相はどこにいる?

 全力で走りながらも僕は冷静であることを心掛ける。
 チャンスは一度きりだ。失敗は許されない。

 事前情報が正しければ首相は執務室にいるはずだ。

 僕たちが突入したことは、入り口を警備している警察官から内部に伝わっている。
 首相はSPが警備している。首相はSPの誘導で避難しているかもしれない。
 でも、僕たちが目指すべきは執務室だ。

 ぽっちゃり体系のブルー(財務省の山田)がバタバタ音を立てながらフロアを走っている。
 走るのが遅いから他のメンバーから遅れている。
 追ってくる警察官にブルーが捕まるのは時間の問題だ。

 僕はブルーを助けるべきだろうか……
 いや、申し訳ないがブルーを助けていては首相には辿り着けない。
 全員揃って首相に会うのは諦めた方がいい。

 別れて首相を探すべきか……僕は走りながら他のメンバーに提案する。

「このままでは全員捕まる。バラバラに探そう!」

「そうですね」
「了解!」

 イエロー(総務省の佐藤)は「あばよー」と言いながら一人右に曲がった。
 レッド(国交省の田中)も「検討を祈ります」と左に曲がった。

 僕は二人の無事を祈った。

「僕はここまでです。後は頼みます!」

 そういうとブルー(財務省の山田)は走るのを止めた。
 ブルーは走るのに疲れたのではない。その証拠にブルーの言葉には自信が感じられた。

 ブルーは通路を歩いていた女性職員に近づくと、腰に差していた包丁を取り出した。
 どうやら人質を取って時間を稼ぐ計画らしい。

「止まれーー! 来るなーーー!」

 ブルーは女性職員の腕を掴みながら、包丁を振り回して警察官を威嚇した。

 人質となった女性職員を気にしたのか、警察官は止まった。
 そして、拳銃をブルーに向けて構えた。

「うあぁぁぁぁーーー!」とブルーは包丁を振り回しながら叫ぶ。

「凶器を確認、発砲許可を!」
 無線で確認をとる警察官。

 女性職員を人質にとったブルーと警察官の睨み合いが続く。
 じりじりとブルーに近づく警察官。

 “パンッ”

 乾いた音がした。

 警察官が威嚇射撃したのか?
 ブルーが撃たれたのか?

 後ろを振り返ることができない僕は何が起きたのか分からない。
 僕はブルーの無事を祈りながら全力で走った。

 長い通路を真っすぐ走るのは僕(ピンク)とグリーン(防衛省の鈴木)。
 グリーンはコスチュームに附属されたプラスチック銃を手にしている。
 おもちゃの銃ではあるが、警察官に銃で武装していると錯覚させようとしている。

 右側からパンッという音が聞こえた。
 そっちはイエロー(総務省の佐藤)か……。

 今度は左側からパンッという音が聞こえた。
 そっちはレッド(国交省の田中)だ。

 ――二人は無事だろうか?

 グリーンはスピードを落とすことなく防護盾を持った警官隊に向かって走っていく。
 僕はグリーンに遅れないように後を追う。
 ここを越えれば首相の執務室だ。

 “パンッ”

 また乾いた音がした。
 正面の警官隊がグリーンを射撃した。

 僕のマスクに血しぶきが飛んだ。グリーンの血だ。
 弾丸がグリーンに当たった。どこを撃たれたかは分からない。

 ――人を狙って発砲とか……冗談だろ?

 流血した足を抑えながらも前進するグリーン。

 “ガンッ……ガンッ……ガンッ”

 警察官の防護盾をプラスチック銃で叩き始めた。
 警察官は防護盾が邪魔でグリーンを捕獲できない。

「ピンク、今のうちに!」

 グリーンは僕を先に行かせるために、警察官を足止めしている。
 僕が警官隊の側を走り抜けたら「シュウマイ奢って下さいね」と声が聞こえた。

「おおよ!」僕は親指を立てて言った。

<その2に続く>
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