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番外編 入社式までに桜を咲かせろ!
内閣を総辞職させろ!(その2)
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※この物語はフィクションです。登場する人物・団体は架空であり、実在のものとは関係ありません。
首相官邸に入ったチェリー・ボーイズ。
レッド(国交省の田中)が「階段で写真を撮ろう」と言い出した。内閣発足時に記念撮影する有名な階段だ。
レッド(国交省の田中)が言うには、SNSに掲載する写真を撮っておいた方がいい、とのことだ。
階段で記念撮影することになったチェリー・ボーイズ。
セルフィだと全員入らないから警備する警察官にお願いして撮ってもらった。
「息子がふざけて撮って炎上してたよなー」とグリーン(防衛省の鈴木)がボソッと言った。
炎上しなければいいな……と僕は考えながらポーズをとった。
ちょうど僕たちの記念撮影が終わった時、首相が前を通った。
首相は僕たちをチラッと見たものの、忙しいのか歩いていく。
裏金問題でイライラしているのか、不機嫌そうだ。
レッド(国交省の田中)をグイグイ押すブルー(財務省の山田)。
「無理だって」と必死に抵抗するレッド(国交省の田中)。
しかたないから、僕は「すいませーん」と首相に向かって大声で言った。
首相は足を止めた。
「何か?」とぶっきらぼうに返す首相。
明からに僕たちに不快感を示す首相。
一番近くにいたレッド(国交省の田中)を睨みつける。
マスクを付けているし、ボイスチェンジャーで声を変えている。
それでも、バレるんじゃないかと僕は不安になる。
身体のいろんな箇所から汗が出てくる。
ふと前を見ると、ブルー(財務省の山田)のタイツは汗でベトベトだった。
さすがに緊張しているようだ。
ブルー(財務省の山田)に後ろから押されたレッド(国交省の田中)。何かを言った。
「……してくれませんか……」
声が小さすぎて聞こえない。
「何て?」とイライラする首相。
「……してくれませんか?」
「何をしてほしいって?」
さらにイライラする首相。「ちっ」と舌打ちするのが聞こえる。
首相はレッド(国交省の田中)に向かっていく。
首相が目の前にやってきた。舌打ちしている。
ビビって動けないレッド(国交省の田中)。
ブツブツと何かを言っているが、声が小さすぎて聞こえない。
そんな時、機転を利かせたイエロー(総務省の佐藤)が言った。
「一緒に写真撮ってもらえませんか?」
――ナイスフォロー、さすがイエローだ!
イエローはコミュニケーション能力に秀でている。
チェリー・ボーイズの危機を救ったのはイエローだった。
「一緒に?」と確認する首相。
「はい!」と元気よく返事するイエロー(総務省の佐藤)。
こうして僕たちは首相と階段で記念撮影することになった。
首相を中心にして、それっぽいポーズをきめるチェリー・ボーイズ。
SNS用の写真撮影が完了した。
僕たちは「頑張ってください!」と首相と握手し、そそくさと首相官邸を後にした。
裏口から出た僕たち。
キャリア官僚として困難なミッションに耐えてきたはずの僕たち。
首相を前にしてたった6文字の「辞めて下さい」が言えなかった僕たち。
みんな落ち込んでいる。
4人のメンバーに僕は提案した。
「だんだんめん、食べて帰ろうか?」
「いいっすねー」
「シュウマイ奢ってくださいよ!」
とりあえず、帰ってから作戦を練ろう。
こうして、僕たちの初回ミッションは失敗に終わった。
首相官邸に入ったチェリー・ボーイズ。
レッド(国交省の田中)が「階段で写真を撮ろう」と言い出した。内閣発足時に記念撮影する有名な階段だ。
レッド(国交省の田中)が言うには、SNSに掲載する写真を撮っておいた方がいい、とのことだ。
階段で記念撮影することになったチェリー・ボーイズ。
セルフィだと全員入らないから警備する警察官にお願いして撮ってもらった。
「息子がふざけて撮って炎上してたよなー」とグリーン(防衛省の鈴木)がボソッと言った。
炎上しなければいいな……と僕は考えながらポーズをとった。
ちょうど僕たちの記念撮影が終わった時、首相が前を通った。
首相は僕たちをチラッと見たものの、忙しいのか歩いていく。
裏金問題でイライラしているのか、不機嫌そうだ。
レッド(国交省の田中)をグイグイ押すブルー(財務省の山田)。
「無理だって」と必死に抵抗するレッド(国交省の田中)。
しかたないから、僕は「すいませーん」と首相に向かって大声で言った。
首相は足を止めた。
「何か?」とぶっきらぼうに返す首相。
明からに僕たちに不快感を示す首相。
一番近くにいたレッド(国交省の田中)を睨みつける。
マスクを付けているし、ボイスチェンジャーで声を変えている。
それでも、バレるんじゃないかと僕は不安になる。
身体のいろんな箇所から汗が出てくる。
ふと前を見ると、ブルー(財務省の山田)のタイツは汗でベトベトだった。
さすがに緊張しているようだ。
ブルー(財務省の山田)に後ろから押されたレッド(国交省の田中)。何かを言った。
「……してくれませんか……」
声が小さすぎて聞こえない。
「何て?」とイライラする首相。
「……してくれませんか?」
「何をしてほしいって?」
さらにイライラする首相。「ちっ」と舌打ちするのが聞こえる。
首相はレッド(国交省の田中)に向かっていく。
首相が目の前にやってきた。舌打ちしている。
ビビって動けないレッド(国交省の田中)。
ブツブツと何かを言っているが、声が小さすぎて聞こえない。
そんな時、機転を利かせたイエロー(総務省の佐藤)が言った。
「一緒に写真撮ってもらえませんか?」
――ナイスフォロー、さすがイエローだ!
イエローはコミュニケーション能力に秀でている。
チェリー・ボーイズの危機を救ったのはイエローだった。
「一緒に?」と確認する首相。
「はい!」と元気よく返事するイエロー(総務省の佐藤)。
こうして僕たちは首相と階段で記念撮影することになった。
首相を中心にして、それっぽいポーズをきめるチェリー・ボーイズ。
SNS用の写真撮影が完了した。
僕たちは「頑張ってください!」と首相と握手し、そそくさと首相官邸を後にした。
裏口から出た僕たち。
キャリア官僚として困難なミッションに耐えてきたはずの僕たち。
首相を前にしてたった6文字の「辞めて下さい」が言えなかった僕たち。
みんな落ち込んでいる。
4人のメンバーに僕は提案した。
「だんだんめん、食べて帰ろうか?」
「いいっすねー」
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