こちら国家戦略特別室

kkkkk

文字の大きさ
上 下
81 / 131
第8章 介護ビジネスを再編しろ!

介護ロボットを使ったらどうかな?(その3)

しおりを挟む
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体は架空であり、実在のものとは関係ありません。

 介護職員は介護ロボットを入居者のベッドの前に移動させた。

「〇〇さん、お風呂に入りましょうねー」と介護職員は高齢者に言ったら、高齢者は元気に「はーい」と返事した。

 介護職員が持っていたタブレット端末を操作したら、介護ロボットはアームをベッドに寝ている高齢者の下に差し込んだ。アームには高齢者を持ち上げるためのネットのようなものが付いている。
 介護ロボットはネットを高齢者の下に轢くと、今度はウィンチを使って高齢者を釣り上げた。
 高齢者は介護ロボットの本体であるマトリックス風のユニットに運ばれていく。
 介護ロボットが高齢者をユニットに収納したら「ガシャ」とロックする音が聞こえた。

 高齢者は顔だけ出した状態でユニットに収納されている。高齢者はここで入浴するようだ。
 介護ロボットから「ピッ」と音が聞こえたら、ユニットの中は温水で満たされていった。

 “ゴーッ ゴーッ ゴーッ”

「すげー! 近未来的だなー!」と茜は喜んでいる。
 これは見ていて楽しい。声には出さないが、僕もさっきからずっとワクワクしている。

「ピッ」と音がする度に高齢者が少し動いているから、介護ロボットは水流を操作しながら高齢者を洗っているようだ。
 ただ、高齢者は着衣のままユニットに収納されたはずだ。服のまま入浴しているのかな?

「服脱いでなかったよね?」と僕は疑問を口にしたら、「服のまま洗うんじゃね? 服の洗濯も同時にできるし……」と茜は呑気そうだ。
 確かに……高齢者と服を同時に洗えれば効率的である。

 “ゴボッ ゴボッ”

 しばらくしたら、ユニットからお湯を排水する音が聞こえてきた。どうやら、入浴は完了したようだ。ユニットの排水が完了したら、介護ロボットから「ピッ」と音が聞こえた。

 “ブォォーーー”

 温風で高齢者を着衣のまま乾かしているらしい。高齢者の体と服を同時に洗濯・乾燥させている。高齢者は顔をしかめたりしていないから、風は暑すぎず寒すぎない適温なのだろう。
 それにしても、高齢者の服を洗濯・乾燥する必要がないのだから、効率的な入浴ロボットだ。

 服と体の乾燥が完了した高齢者は、介護ロボットによってベッドに戻された。
 入浴作業が完了すると、入浴中は退室していた介護職員が部屋に戻ってきた。
 介護職員は別の介護ロボットを連れている。

「〇〇さん、お食事にしましょうか?」と介護職員は高齢者に言ったら、高齢者は元気に「はーい」と返事した。

 どうやら、夕食の時間のようだ。

 介護職員がタブレット端末を操作したら、介護ロボットは漏斗のようなものを高齢者の口の中に入れた。

「〇〇さん、苦しくないですかーー?」と介護職員は高齢者に質問する。

 高齢者は親指を上げた。大丈夫らしい。

 介護職員がもうタブレット端末を操作したら、「ピッ」という音とともに流体の何かが漏斗を通って高齢者の口に入っていくのが見えた。介護ロボットは流動食を提供しているようだ。

 しばらくしたら、介護ロボットは漏斗のようなものを高齢者の口から取り出した。高齢者の夕食はこれで終了だ。
 介護職員は介護ロボットを操作しながら、高齢者の部屋から出ていった。

 その後もダイジェスト映像は介護施設でのロボットの活躍を紹介していた。

 **

「ちょっと、これは酷くない?」と新居室長は呟いている。

 確かに、僕もちょっとやり過ぎな気もした。

 介護ロボットの食事提供は、倫理的に大丈夫なのだろうか?


<その4に続く>
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

兄になった姉

廣瀬純一
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

奇妙な日常

廣瀬純一
大衆娯楽
新婚夫婦の体が入れ替わる話

処理中です...