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王女の帰還(アリスの話)
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しばらくグレコと話していたら、遠くから「マリー、マリー」と呼ぶ女性の声が聞こえた。どこかで聞いたことがある声だが思い出せない。誰の声だったかな?
私が声の主を思い出そうとしていたら、一匹の猫がやってきた。手配書の猫と特徴が似ているからクリスティ王女の猫だと思う。
猫は私の前に立ったまま微動だにしない。私に対する猫の態度が昼間とは明らかに違う。怖いのかな?
「おいで!」と手を出すと、猫は私の手の中に飛び込んだ。
猫を撫でていたら遠くから「きゃー、きゃー」と声が聞こえてきた。私は声の主を思い出した。クリスティ王女だ。
東の森で魔物に遭遇して驚いているようだが、何をしにきたのだろうか?
私が猫を抱いたまま声の方へ向かうと、そこにはクリスティ王女を取り囲むように魔物たちが見えた。魔物たちはクリスティ王女を攻撃しようとしているわけではない。夜中に騒ぎ立てる迷惑な少女を見物しているだけだ。
人だかり、ならぬ魔物だかり、とでも言うべきだろうか?
私がその集団に近づいたら、魔物たちは私の進路を邪魔しないように後ずさった。私は集団の中心にいるクリスティ王女に近づいて尋ねた。
「クリスティ王女、こんな夜中にどうされたのですか?」
「アリス。まっ、マリーがこっちに走っていったから。あっ、後をついてきたの・・・」
クリスティ王女は魔物に遭遇して混乱している。そのせいか、何を言っているのか分からない。
マリーは王女の猫の名前だ。私に捜索を依頼しながらも、マリーのことが心配だから自分でも捜しにきたのだろうか?
クリスティ王女は猫を探してこの森に迷い込んだ。そいうことだろう、と私は推測した。
「この猫のことですか?」
「ええ、そうよ。マリー、おいで!」
クリスティ王女はマリーを呼んだが、当のマリーは私の腕を離れようとしない。私はクリスティ王女に近づいてマリーを手渡そうとするのだが、それでもマリーは私の腕にしがみついている。
私がマリーをクリスティ王女に渡す方法を考えていたら、グレコが言った。
「この猫は周りにいる彼ら(魔物)が怖いのです」
「ああ、そういうこと。じゃあ、森を出ればマリーは私から離れるわね」
私とグレコの会話を聞いたクリスティ王女は「オークが喋った・・・」と驚いている。
「クリスティ王女、こちらはオーク族の長のグレコです。グレコは上位種のオークジェネラルなので人間の言葉を話せます」
「そうなの・・・」
クリスティ王女は恐怖と緊張で混乱しているように見える。一人でこの森から出るのは難しいだろうから、私はグレコに「クリスティ王女を送っていくわ」と伝えて森を出ることにした。
「リードが森に来ていましたから、城まで送ってもらったらどうですか?」とグレコは私に提案する。
ワイバーンなら早くハース城に着けそうだ。でも、ワイバーンで城まで行ってもいいのだろうか?
私の一存では何とも言えないから、クリスティ王女に確認することにした。
「クリスティ王女、リードにハース城まで送ってもらってもいいですか?」
「よくってよ」
クリスティ王女は疲れた様子で答えた。どうでもよさそうだ。
クリスティ王女の許可が下りたので、さっきの要領でリードをイメージして私のところにくるように念じた。すると、すぐにリードがやってきた。
“バッサー バッサー”
リードの翼から生じる風で森の木々が揺れている。周囲の魔物もワイバーンの出現に驚いている。クリスティ王女も何事かと私の後ろに隠れながら見ている。
「リード、久しぶり。元気だった?」
私がそういうと、リードは頷いた。
「ハース城まで乗せていってほしいの。いいかしら?」
「もちろんです。さあ、ここから登ってください」
私がリードの身体に登ろうとすると、後ろに隠れていたクリスティ王女が焦って私に確認する。
「これがリード? ワイバーンじゃないの?」
「そうですよ」
「これでハース城に行くの?」
「ええ、クリスティ王女がいいとおっしゃいましたから」
私が笑顔で答えると、クリスティ王女は黙ってしまった。
―― 嫌だったかな?
しばらく黙っていたクリスティ王女は諦めてリードの背中に上った。
私たちがリードの背中に乗ると「飛び立っても大丈夫ですか?」とリードが確認した。
私が「大丈夫よ」というとリードは一気に上昇した。眼下には東の森が見える。少し先に光っている地域が見えた。ハース王国の城下の灯りだ。その光の中で一際大きい建造物が目的地のハース城。
リードは暗闇の中を飛行している。上空からの視界は極めて良好だ。眼下に広がる家の明かりで街並みがはっきり見える。一方、地上から上空はほとんど見えないはずだから、リード(ワイバーン)が上空を飛んでいても騒ぎにならないだろう。
私は初めての空の旅を楽しんだ。上空からの景色は、当然ながら地上からの景色とは違う。上空からはいろんな人が見えた。
通りで口論になっている男性グループ、酒場で酔っぱらって喧嘩したのだろうか?
仲良く手をつないで歩く老夫婦、レストランで外食して家に帰る途中だろうか?
走っていく子供たち、前を見ないとあぶないよ!
あの人たちには、私とは違う人生があるのだ。普段と変わらないはずだけど、上空からだと違った街に思えた。
私は眼下に広がる町の景色を楽しんでいたのだが、後ろを振り返ったらクリスティ王女は目を瞑ったままだった。下を見るのが怖いのかもしれない。目を瞑ったまま私の服を引っ張っている。同じく猫のマリーも微動だにしない。
クリスティ王女の胸元には鳥の羽の細工のある首飾りが見えた。
私が知っている首飾りによく似たデザインだ。どこで見たのだろう。
思い出せない・・・
***
しばらく飛行したリードはハース城の上空に到着し「そこの広場に着陸します」と言って下降した。
“バッサー バッサー”
リードが上空から降りていくと轟音とともに強風が城内に吹き荒れた。何事かと城の中から衛兵が数人か出てきた。衛兵たちは急に現れたワイバーンを見て騒いでいる。
「ワイバーンの襲撃だ!」
「応援を呼べ!」
「盾を持て!」
「弓矢はどこだ?」
―― 完全にパニックだ・・・
衛兵に攻撃されると困る。だから、私は「私はアリス・フィッシャー女男爵です。クリスティ王女を城までお連れしました」と衛兵に伝えた。
「クリスティ王女? おお、クリスティ王女だ!」
私とクリスティ王女はリードの背中から広場に降り立った。
私がリードに「ありがとう」とお礼を言うと、リードは「お気をつけて」と言って上空へ飛び去っていった。
そこへカール王子がやってきた。城内の騒ぎを聞き付けたのだろう。
「アリス、空を飛んできたの?」
「飛んできました。空の散歩は楽しかったですよ」
「いいなー。次は僕も乗せてよ」
「ええ、もちろんです」
次に、カール王子はクリスティ王女に「空からの景色はどうだった?」と話しかけた。クリスティ王女は楽しそうにカール王子に空から見た町の様子を話している。
クリスティ王女は目を閉じていたから見えていなかったはず。だけど、クリスティ王女が嬉しそうだから内緒にしておこう。
―― クリスティ王女はカール王子が大好きなんだな・・・
私はカール王子とクリスティ王女に挨拶をして、ハース城から自宅に戻った。
私が声の主を思い出そうとしていたら、一匹の猫がやってきた。手配書の猫と特徴が似ているからクリスティ王女の猫だと思う。
猫は私の前に立ったまま微動だにしない。私に対する猫の態度が昼間とは明らかに違う。怖いのかな?
「おいで!」と手を出すと、猫は私の手の中に飛び込んだ。
猫を撫でていたら遠くから「きゃー、きゃー」と声が聞こえてきた。私は声の主を思い出した。クリスティ王女だ。
東の森で魔物に遭遇して驚いているようだが、何をしにきたのだろうか?
私が猫を抱いたまま声の方へ向かうと、そこにはクリスティ王女を取り囲むように魔物たちが見えた。魔物たちはクリスティ王女を攻撃しようとしているわけではない。夜中に騒ぎ立てる迷惑な少女を見物しているだけだ。
人だかり、ならぬ魔物だかり、とでも言うべきだろうか?
私がその集団に近づいたら、魔物たちは私の進路を邪魔しないように後ずさった。私は集団の中心にいるクリスティ王女に近づいて尋ねた。
「クリスティ王女、こんな夜中にどうされたのですか?」
「アリス。まっ、マリーがこっちに走っていったから。あっ、後をついてきたの・・・」
クリスティ王女は魔物に遭遇して混乱している。そのせいか、何を言っているのか分からない。
マリーは王女の猫の名前だ。私に捜索を依頼しながらも、マリーのことが心配だから自分でも捜しにきたのだろうか?
クリスティ王女は猫を探してこの森に迷い込んだ。そいうことだろう、と私は推測した。
「この猫のことですか?」
「ええ、そうよ。マリー、おいで!」
クリスティ王女はマリーを呼んだが、当のマリーは私の腕を離れようとしない。私はクリスティ王女に近づいてマリーを手渡そうとするのだが、それでもマリーは私の腕にしがみついている。
私がマリーをクリスティ王女に渡す方法を考えていたら、グレコが言った。
「この猫は周りにいる彼ら(魔物)が怖いのです」
「ああ、そういうこと。じゃあ、森を出ればマリーは私から離れるわね」
私とグレコの会話を聞いたクリスティ王女は「オークが喋った・・・」と驚いている。
「クリスティ王女、こちらはオーク族の長のグレコです。グレコは上位種のオークジェネラルなので人間の言葉を話せます」
「そうなの・・・」
クリスティ王女は恐怖と緊張で混乱しているように見える。一人でこの森から出るのは難しいだろうから、私はグレコに「クリスティ王女を送っていくわ」と伝えて森を出ることにした。
「リードが森に来ていましたから、城まで送ってもらったらどうですか?」とグレコは私に提案する。
ワイバーンなら早くハース城に着けそうだ。でも、ワイバーンで城まで行ってもいいのだろうか?
私の一存では何とも言えないから、クリスティ王女に確認することにした。
「クリスティ王女、リードにハース城まで送ってもらってもいいですか?」
「よくってよ」
クリスティ王女は疲れた様子で答えた。どうでもよさそうだ。
クリスティ王女の許可が下りたので、さっきの要領でリードをイメージして私のところにくるように念じた。すると、すぐにリードがやってきた。
“バッサー バッサー”
リードの翼から生じる風で森の木々が揺れている。周囲の魔物もワイバーンの出現に驚いている。クリスティ王女も何事かと私の後ろに隠れながら見ている。
「リード、久しぶり。元気だった?」
私がそういうと、リードは頷いた。
「ハース城まで乗せていってほしいの。いいかしら?」
「もちろんです。さあ、ここから登ってください」
私がリードの身体に登ろうとすると、後ろに隠れていたクリスティ王女が焦って私に確認する。
「これがリード? ワイバーンじゃないの?」
「そうですよ」
「これでハース城に行くの?」
「ええ、クリスティ王女がいいとおっしゃいましたから」
私が笑顔で答えると、クリスティ王女は黙ってしまった。
―― 嫌だったかな?
しばらく黙っていたクリスティ王女は諦めてリードの背中に上った。
私たちがリードの背中に乗ると「飛び立っても大丈夫ですか?」とリードが確認した。
私が「大丈夫よ」というとリードは一気に上昇した。眼下には東の森が見える。少し先に光っている地域が見えた。ハース王国の城下の灯りだ。その光の中で一際大きい建造物が目的地のハース城。
リードは暗闇の中を飛行している。上空からの視界は極めて良好だ。眼下に広がる家の明かりで街並みがはっきり見える。一方、地上から上空はほとんど見えないはずだから、リード(ワイバーン)が上空を飛んでいても騒ぎにならないだろう。
私は初めての空の旅を楽しんだ。上空からの景色は、当然ながら地上からの景色とは違う。上空からはいろんな人が見えた。
通りで口論になっている男性グループ、酒場で酔っぱらって喧嘩したのだろうか?
仲良く手をつないで歩く老夫婦、レストランで外食して家に帰る途中だろうか?
走っていく子供たち、前を見ないとあぶないよ!
あの人たちには、私とは違う人生があるのだ。普段と変わらないはずだけど、上空からだと違った街に思えた。
私は眼下に広がる町の景色を楽しんでいたのだが、後ろを振り返ったらクリスティ王女は目を瞑ったままだった。下を見るのが怖いのかもしれない。目を瞑ったまま私の服を引っ張っている。同じく猫のマリーも微動だにしない。
クリスティ王女の胸元には鳥の羽の細工のある首飾りが見えた。
私が知っている首飾りによく似たデザインだ。どこで見たのだろう。
思い出せない・・・
***
しばらく飛行したリードはハース城の上空に到着し「そこの広場に着陸します」と言って下降した。
“バッサー バッサー”
リードが上空から降りていくと轟音とともに強風が城内に吹き荒れた。何事かと城の中から衛兵が数人か出てきた。衛兵たちは急に現れたワイバーンを見て騒いでいる。
「ワイバーンの襲撃だ!」
「応援を呼べ!」
「盾を持て!」
「弓矢はどこだ?」
―― 完全にパニックだ・・・
衛兵に攻撃されると困る。だから、私は「私はアリス・フィッシャー女男爵です。クリスティ王女を城までお連れしました」と衛兵に伝えた。
「クリスティ王女? おお、クリスティ王女だ!」
私とクリスティ王女はリードの背中から広場に降り立った。
私がリードに「ありがとう」とお礼を言うと、リードは「お気をつけて」と言って上空へ飛び去っていった。
そこへカール王子がやってきた。城内の騒ぎを聞き付けたのだろう。
「アリス、空を飛んできたの?」
「飛んできました。空の散歩は楽しかったですよ」
「いいなー。次は僕も乗せてよ」
「ええ、もちろんです」
次に、カール王子はクリスティ王女に「空からの景色はどうだった?」と話しかけた。クリスティ王女は楽しそうにカール王子に空から見た町の様子を話している。
クリスティ王女は目を閉じていたから見えていなかったはず。だけど、クリスティ王女が嬉しそうだから内緒にしておこう。
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