71 / 197
第4回活動報告:不正融資を取り締まれ
来期予算を巡る攻防(その2)
しおりを挟む
(1)来期予算を巡る攻防 <続き>
俺はガツンと反対意見を言う必要があると考えた。
だから、俺は内部調査部の予算化に反対するために発言した。
「チャールズ兄さん、ちょっと待って下さい。」と俺は言った。
「どうしたの?」とチャールズは呑気に言った。
「そもそも、内部調査部は内部告発ホットラインで寄せられた国民からの相談事を解決する部署です。」
「そうだね。」
「内部調査部は調査部署なので、基本的にコストセンターです。なので、本来であれば調査業務から収益は発生しません。」
「でも、34億JDも儲かってるよね?」
「たまたまです。今年度は、たまたま銅と劣後社債の取引で収益が上がっただけです。たまたまの収益だから、毎年見込めるわけではありません。」
俺は『たまたま』を強調しながら言った。
来期予算に内部調査部を組み込みたいチャールズ。
来期予算に内部調査部を組み込まれたくない俺。
「またまた、謙遜してー。内部告発ホットラインに寄せられる相談案件から、収益採算が合う案件に取り込んでいけば達成できるんじゃないかな。必要資金は内務省で面倒をみるからさー。」
チャールズは来期予算をさっさと通してしまいたいから、俺を煽てる作戦に出た。
当然、俺は反論する。
「収益性を優先すると、内部告発ホットラインを開設した趣旨とズレてきませんか?」
「どういうこと?」
「国王は国民の役に立つために内部調査部を立ち上げました。内部告発ホットラインは国民の声を聞くために開設しました。だから、内部調査部の業務は、収益を目的とするものではなく、国民の利益を優先する必要があるのです。」俺はよく分からない理論を展開した。
その後、俺とチャールズの論戦がしばらく続いた。
しばらくすると、2人の論争を見かねた国王が代替案を出した。
「会議が進まないから、私が代替案を提案しよう。両立すれば良いではないか。国民の役に立ちつつ、儲かる案件を扱えばいい。」
国王が身も蓋もないことを言った。
代替案というよりも、完全にチャールズ寄りだ・・・。
「そうだ、ダニエルなら両立できる!」とチャールズが続けて言った。
国王を味方につけられたので、小心者のチャールズは調子付いている。
ここで一気に畳み掛けようという意気込みを感じる。
「私も、ダニエルなら両立できると思います!」と第3王子のアンドリューも発言した。
こいつは、自分に関係ないことは流れに任せるタイプだ。
自分に害が及ばない限り、俺に味方することはない。
「俺も、ダニエルには期待している!」と第1王子のジェームスも乗ってきた。
ジェームスも他のみんなの意見に同調することにしたようだ。
こいつはバカだが、空気は読める。
空気が読めるバカだ。
完全に流れが『ダニエルは両立できる』に傾いた。
俺が反論しようとしたところ、チャールズは間髪空けずにこう宣言した。
「みなさん、内務省が作成した来期予算に賛成のようです。それでは、来期の財政歳入予算は本日提案したもので進めることにします。」
完全にチャールズの作戦に嵌ってしまった俺・・・。
国家予算として織り込まれてしまった内部調査部・・・。
こうして、俺たち内部調査部は年間40億JDという収益目標を背負わされることになった。
不本意ながら・・・。
俺はガツンと反対意見を言う必要があると考えた。
だから、俺は内部調査部の予算化に反対するために発言した。
「チャールズ兄さん、ちょっと待って下さい。」と俺は言った。
「どうしたの?」とチャールズは呑気に言った。
「そもそも、内部調査部は内部告発ホットラインで寄せられた国民からの相談事を解決する部署です。」
「そうだね。」
「内部調査部は調査部署なので、基本的にコストセンターです。なので、本来であれば調査業務から収益は発生しません。」
「でも、34億JDも儲かってるよね?」
「たまたまです。今年度は、たまたま銅と劣後社債の取引で収益が上がっただけです。たまたまの収益だから、毎年見込めるわけではありません。」
俺は『たまたま』を強調しながら言った。
来期予算に内部調査部を組み込みたいチャールズ。
来期予算に内部調査部を組み込まれたくない俺。
「またまた、謙遜してー。内部告発ホットラインに寄せられる相談案件から、収益採算が合う案件に取り込んでいけば達成できるんじゃないかな。必要資金は内務省で面倒をみるからさー。」
チャールズは来期予算をさっさと通してしまいたいから、俺を煽てる作戦に出た。
当然、俺は反論する。
「収益性を優先すると、内部告発ホットラインを開設した趣旨とズレてきませんか?」
「どういうこと?」
「国王は国民の役に立つために内部調査部を立ち上げました。内部告発ホットラインは国民の声を聞くために開設しました。だから、内部調査部の業務は、収益を目的とするものではなく、国民の利益を優先する必要があるのです。」俺はよく分からない理論を展開した。
その後、俺とチャールズの論戦がしばらく続いた。
しばらくすると、2人の論争を見かねた国王が代替案を出した。
「会議が進まないから、私が代替案を提案しよう。両立すれば良いではないか。国民の役に立ちつつ、儲かる案件を扱えばいい。」
国王が身も蓋もないことを言った。
代替案というよりも、完全にチャールズ寄りだ・・・。
「そうだ、ダニエルなら両立できる!」とチャールズが続けて言った。
国王を味方につけられたので、小心者のチャールズは調子付いている。
ここで一気に畳み掛けようという意気込みを感じる。
「私も、ダニエルなら両立できると思います!」と第3王子のアンドリューも発言した。
こいつは、自分に関係ないことは流れに任せるタイプだ。
自分に害が及ばない限り、俺に味方することはない。
「俺も、ダニエルには期待している!」と第1王子のジェームスも乗ってきた。
ジェームスも他のみんなの意見に同調することにしたようだ。
こいつはバカだが、空気は読める。
空気が読めるバカだ。
完全に流れが『ダニエルは両立できる』に傾いた。
俺が反論しようとしたところ、チャールズは間髪空けずにこう宣言した。
「みなさん、内務省が作成した来期予算に賛成のようです。それでは、来期の財政歳入予算は本日提案したもので進めることにします。」
完全にチャールズの作戦に嵌ってしまった俺・・・。
国家予算として織り込まれてしまった内部調査部・・・。
こうして、俺たち内部調査部は年間40億JDという収益目標を背負わされることになった。
不本意ながら・・・。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
王宮メイドは今日も夫を「観察」する
kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」
王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。
ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。
だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……?
※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる