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第6回活動報告:ハゲタカファンドと戦え
持ち込み企画(その3)
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(1)持ち込み企画 <続き>
「じゃあ、次の人は?」
俺が言うと、ロイが手を上げた。
「まず、私の話を聞いて下さい。」そう言って、ロイは話し始めた。
「みんなも知っていると思うけど、私は身長がかなり高い。以前調べてみたけど、私よりも身長が高いジャービス王国の男性は3%しかいない。言ってみれば、私はマイノリティ(少数派)です。非常に弱い立場にあるんです。」
ロイはそう言うと、メンバーを見渡した。〇も×もプレートは挙がらない。
結論を最初に言わなかったから、まだ良し悪しが判断できないのだろう。
最初に結論を言うのはプレゼンの鉄則だが、この会議に関しては、結論は最後まで言わない方がいいのだろう。最初に結論を言うと、ミゲルのような結果になりかねない。
ロイはプレートが挙がっていないのを確認してから、プレゼンを続けた。
「ジャービス王国の一般男性は、傾向として身長が自分と同じか低い女性を選ぶ傾向があります。例えば、私と同じ身長の男性はジャービス王国に3%しかいないので、私が結婚するためには、その3%に狙いを定めないといけません。でも、聞いて下さい。私の競争相手は、高身長の女性だけではないのです。」
※あくまでロイの個人的な感想です。
プレートは挙がらない。結論が見えないので、みんなはまだ様子見だ。
「ジャービス王国の普通の身長の女性が、その3%に競争しにくるからです。ジャービス王国のほぼ全ての女性が参入してくる脅威をお分かりですか?私の3%を荒らさないでほしいのです!」
※あくまでロイの個人的な感想です。
ロイのプレゼンに熱がこもる。
ガブリエルが×のプレートを上げた。
それでも、ロイはプレゼンを続ける。
「同じような悩みを抱えている人はたくさんいます。身長が極端に高い女性、低い女性、肥満体質の女性、瘦せすぎの女性、例を上げればキリがありません。私はこういうマイノリティの女性を救うため、内部調査部で調査を実施して法改正をしたいと思っているのです。」とロイは言った。
「政治家にでもなれば?」誰かが言った。
ルイーズが×のプレートを上げたが、ロイは無視してプレゼンを続ける。
「結婚する男女の身長差を20cm以内とする法律の施行はどうでしょうか?この法律によれば、190cmの男性が結婚できる女性の身長は170cm~210cmです。」
ミゲルとポールが×のプレートを上げた。
「国家権力を私物化するな!」誰かが言った。
これで過半数が反対となったので、俺は「終了!」と言った。
「なぜですか?マイノリティを救うためには、こういう法律が必要です。」とロイは食い下がる。
「金払って結婚相談所に行けば?」誰かが言った。
ロイの心も折れそうだ。
あまりきつく言うとミゲルのように心が折れてしまうから、俺は優しく理由を説明した。
「ダイバーシティ(多様性)を重視する流れに逆行しないかな?身長、体重、人種、性別に関係なく結婚する権利を認めよう、というのが今の流れだ。ロイの言うような法律を施行すると人権問題になりかねないでしょ。」
「じゃあ、マイノリティは保護しないということですか?」ロイは俺の目を見て言った。
「そういう訳じゃないけど・・・。」と俺はロイの目を見て言った。
言ったものの、その先の返答に困った。
俺が考えを整理している間、ロイは俺の目をずっと見ている。
目を逸らすのはどうかと思い、俺もロイの目を見つめる。
気まずい・・・
気まずい空気が流れている中、ホセが「大声を出して、どうしたんですか?」と言って部屋に入ってきた。
実にいいタイミングで来てくれた。
助かったと俺が安心していると、ルイーズが「内部調査部の次の案件を決める会議をしていたのよ。」とホセに言って、今回の案件持ち込み会議の説明をした。
「へー、持ち込み企画ですか。面白そうですね。」とホセは言った。
「面白いかと思ったんだけど、険悪な雰囲気になっちゃって・・・」と俺は説明した。
「難しいんですね。」
「そう言えば、ホセのところには最近どういう相談がくるの?」と俺はホセに聞いた。
「最近多い相談は、会社の乗っ取りです。割安に放置されている上場会社の株式を買い占めて、上場廃止後に会社の資産を売却して荒稼ぎしているらしいのです。こういう相談は、案件になりますか?」
全員が〇のプレートを上げた。
俺は『今回はこの案件しかない』と思った。
これ以上案件持ち込み会議をしても生産的な話し合いにはなりそうにないからだ。
こうして、次の案件は『会社の乗っ取りを阻止しろ!』に決定した。
「じゃあ、次の人は?」
俺が言うと、ロイが手を上げた。
「まず、私の話を聞いて下さい。」そう言って、ロイは話し始めた。
「みんなも知っていると思うけど、私は身長がかなり高い。以前調べてみたけど、私よりも身長が高いジャービス王国の男性は3%しかいない。言ってみれば、私はマイノリティ(少数派)です。非常に弱い立場にあるんです。」
ロイはそう言うと、メンバーを見渡した。〇も×もプレートは挙がらない。
結論を最初に言わなかったから、まだ良し悪しが判断できないのだろう。
最初に結論を言うのはプレゼンの鉄則だが、この会議に関しては、結論は最後まで言わない方がいいのだろう。最初に結論を言うと、ミゲルのような結果になりかねない。
ロイはプレートが挙がっていないのを確認してから、プレゼンを続けた。
「ジャービス王国の一般男性は、傾向として身長が自分と同じか低い女性を選ぶ傾向があります。例えば、私と同じ身長の男性はジャービス王国に3%しかいないので、私が結婚するためには、その3%に狙いを定めないといけません。でも、聞いて下さい。私の競争相手は、高身長の女性だけではないのです。」
※あくまでロイの個人的な感想です。
プレートは挙がらない。結論が見えないので、みんなはまだ様子見だ。
「ジャービス王国の普通の身長の女性が、その3%に競争しにくるからです。ジャービス王国のほぼ全ての女性が参入してくる脅威をお分かりですか?私の3%を荒らさないでほしいのです!」
※あくまでロイの個人的な感想です。
ロイのプレゼンに熱がこもる。
ガブリエルが×のプレートを上げた。
それでも、ロイはプレゼンを続ける。
「同じような悩みを抱えている人はたくさんいます。身長が極端に高い女性、低い女性、肥満体質の女性、瘦せすぎの女性、例を上げればキリがありません。私はこういうマイノリティの女性を救うため、内部調査部で調査を実施して法改正をしたいと思っているのです。」とロイは言った。
「政治家にでもなれば?」誰かが言った。
ルイーズが×のプレートを上げたが、ロイは無視してプレゼンを続ける。
「結婚する男女の身長差を20cm以内とする法律の施行はどうでしょうか?この法律によれば、190cmの男性が結婚できる女性の身長は170cm~210cmです。」
ミゲルとポールが×のプレートを上げた。
「国家権力を私物化するな!」誰かが言った。
これで過半数が反対となったので、俺は「終了!」と言った。
「なぜですか?マイノリティを救うためには、こういう法律が必要です。」とロイは食い下がる。
「金払って結婚相談所に行けば?」誰かが言った。
ロイの心も折れそうだ。
あまりきつく言うとミゲルのように心が折れてしまうから、俺は優しく理由を説明した。
「ダイバーシティ(多様性)を重視する流れに逆行しないかな?身長、体重、人種、性別に関係なく結婚する権利を認めよう、というのが今の流れだ。ロイの言うような法律を施行すると人権問題になりかねないでしょ。」
「じゃあ、マイノリティは保護しないということですか?」ロイは俺の目を見て言った。
「そういう訳じゃないけど・・・。」と俺はロイの目を見て言った。
言ったものの、その先の返答に困った。
俺が考えを整理している間、ロイは俺の目をずっと見ている。
目を逸らすのはどうかと思い、俺もロイの目を見つめる。
気まずい・・・
気まずい空気が流れている中、ホセが「大声を出して、どうしたんですか?」と言って部屋に入ってきた。
実にいいタイミングで来てくれた。
助かったと俺が安心していると、ルイーズが「内部調査部の次の案件を決める会議をしていたのよ。」とホセに言って、今回の案件持ち込み会議の説明をした。
「へー、持ち込み企画ですか。面白そうですね。」とホセは言った。
「面白いかと思ったんだけど、険悪な雰囲気になっちゃって・・・」と俺は説明した。
「難しいんですね。」
「そう言えば、ホセのところには最近どういう相談がくるの?」と俺はホセに聞いた。
「最近多い相談は、会社の乗っ取りです。割安に放置されている上場会社の株式を買い占めて、上場廃止後に会社の資産を売却して荒稼ぎしているらしいのです。こういう相談は、案件になりますか?」
全員が〇のプレートを上げた。
俺は『今回はこの案件しかない』と思った。
これ以上案件持ち込み会議をしても生産的な話し合いにはなりそうにないからだ。
こうして、次の案件は『会社の乗っ取りを阻止しろ!』に決定した。
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