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第5回活動報告:仮想通貨の詐欺集団を捕まえろ
デューデリジェンス(その3)
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(9) デューデリジェンス <続き>
翌日、私たちは、ジャービット・エクスチェンジが入っているビルの前でデトロイト監査法人のメンバーと待ち合わせて、会社を訪問した。
会議室に案内されて中に入ると、昨日面談した弁護士のビルと初老の男性3人が座っていた。この人たちが、ダニエルが言っていた話好きな役員だろう。
簡単な挨拶をしてから、役員にインタビューをすることにした。どうせ後でインタビューすることになるから、この流れで民事再生手続に至った経緯を聞いておいた方が効率的だろう。
「はじめまして、i5の社長のルイーズです。同席しているのは、ロイとポールです。当社がスポンサーとして御社を支援できるかについて、デューデリの結果をもとに判断します。財務書類は、後ほどデータルームで確認する予定ですが、もしお時間があれば、先に今回の資金繰り悪化の原因と、この窮地を脱するための対策をどのように考えているかを教えてもらえますか?」と私は初老男性3人に聞いた。
すると、3人の真ん中に座っている男性が発言した。
「社長のホセです。ご質問には私がお答えします。まず、資金繰り悪化の原因は、顧客からジャービット・コインを買取る際に、高い価格でオファーしてしまったことです。顧客に損失を出してほしくなかったので、出来るだけ高い価格で買取ろうと頑張りましたが、今思えばもう少し安くても良かったと思っています。
それと、ジャービット・コインの発行で受け取った資金の一部を、非上場株式で運用していたため、直ぐに換金できなかったことです。具体的には、ジャービット・コインの発行によってジャービットに80億JDが入ってきて、そのうち10億JDを非上場株式に投資しました。10億JDがシステムの維持管理コスト、残り60億JDを現預金として保管していました。」
ジャービット・コインを高く買いすぎたのは、失敗だっただろう。
それにしても、非上場株式への投資10億JDは大きい。今、現預金はいくら残っているんだろうか?
現在の預金残高を先に聞いておこうと私は考えた。
「前月末の月次試算表では、ジャービットの預金座高は50億JDです。今月のジャービット・コインの買取りで預金残高は減少したようですが、今現在の現預金残高はいくらですか?」
「昨日時点で、10億JDです。今月のジャービット・コインの買取りで、40億JD支出したことになります。」とホセは答えた。
かなり現預金が減っている。調子に乗って高値で買ってしまったのだろう・・・。
とりあえず、今後不足する金額を先に聞いておこうと私は考えた。
「それで、投資家が保有しているジャービット・コインはいくらですか?」とルイーズはホセに質問した。
「昨日時点で、10万ジャービット・コインです。」
「10万ジャービット・コインとすると、1ジャービット・コインを1万JDで買えば、10億JDです。手許資金だけで足りますね。」
ここで疑問が生まれた。
手許の10億JDで買取ればいいだけじゃないか?
民事再生の適用申請は必要だったのか?
まあ、既に民事再生の適用申請してしまっているのだが。
「ごもっとも。理屈はそうなのですが、さすがに1ジャービット・コインを1万JDだと投資家が納得してくれないと思います。」
「具体的な価格目線はありますか?」
「難しいですね。個人的には、少なくとも1ジャービット・コインを2万JDで、と思っています。」
「2万JDは何か根拠があるのですか?」と私はホセに聞いた。
「顧客の平均取得単価が約2万JDです。1ジャービット・コインを2万JDで買取りできれば、大きな問題にはならないと思います。」
民事再生の適用を申請しておいて、いまさら何を言っているんだろう?
いい人だとは思うけど、事業をするのは向いていないようだ。
<続く>
翌日、私たちは、ジャービット・エクスチェンジが入っているビルの前でデトロイト監査法人のメンバーと待ち合わせて、会社を訪問した。
会議室に案内されて中に入ると、昨日面談した弁護士のビルと初老の男性3人が座っていた。この人たちが、ダニエルが言っていた話好きな役員だろう。
簡単な挨拶をしてから、役員にインタビューをすることにした。どうせ後でインタビューすることになるから、この流れで民事再生手続に至った経緯を聞いておいた方が効率的だろう。
「はじめまして、i5の社長のルイーズです。同席しているのは、ロイとポールです。当社がスポンサーとして御社を支援できるかについて、デューデリの結果をもとに判断します。財務書類は、後ほどデータルームで確認する予定ですが、もしお時間があれば、先に今回の資金繰り悪化の原因と、この窮地を脱するための対策をどのように考えているかを教えてもらえますか?」と私は初老男性3人に聞いた。
すると、3人の真ん中に座っている男性が発言した。
「社長のホセです。ご質問には私がお答えします。まず、資金繰り悪化の原因は、顧客からジャービット・コインを買取る際に、高い価格でオファーしてしまったことです。顧客に損失を出してほしくなかったので、出来るだけ高い価格で買取ろうと頑張りましたが、今思えばもう少し安くても良かったと思っています。
それと、ジャービット・コインの発行で受け取った資金の一部を、非上場株式で運用していたため、直ぐに換金できなかったことです。具体的には、ジャービット・コインの発行によってジャービットに80億JDが入ってきて、そのうち10億JDを非上場株式に投資しました。10億JDがシステムの維持管理コスト、残り60億JDを現預金として保管していました。」
ジャービット・コインを高く買いすぎたのは、失敗だっただろう。
それにしても、非上場株式への投資10億JDは大きい。今、現預金はいくら残っているんだろうか?
現在の預金残高を先に聞いておこうと私は考えた。
「前月末の月次試算表では、ジャービットの預金座高は50億JDです。今月のジャービット・コインの買取りで預金残高は減少したようですが、今現在の現預金残高はいくらですか?」
「昨日時点で、10億JDです。今月のジャービット・コインの買取りで、40億JD支出したことになります。」とホセは答えた。
かなり現預金が減っている。調子に乗って高値で買ってしまったのだろう・・・。
とりあえず、今後不足する金額を先に聞いておこうと私は考えた。
「それで、投資家が保有しているジャービット・コインはいくらですか?」とルイーズはホセに質問した。
「昨日時点で、10万ジャービット・コインです。」
「10万ジャービット・コインとすると、1ジャービット・コインを1万JDで買えば、10億JDです。手許資金だけで足りますね。」
ここで疑問が生まれた。
手許の10億JDで買取ればいいだけじゃないか?
民事再生の適用申請は必要だったのか?
まあ、既に民事再生の適用申請してしまっているのだが。
「ごもっとも。理屈はそうなのですが、さすがに1ジャービット・コインを1万JDだと投資家が納得してくれないと思います。」
「具体的な価格目線はありますか?」
「難しいですね。個人的には、少なくとも1ジャービット・コインを2万JDで、と思っています。」
「2万JDは何か根拠があるのですか?」と私はホセに聞いた。
「顧客の平均取得単価が約2万JDです。1ジャービット・コインを2万JDで買取りできれば、大きな問題にはならないと思います。」
民事再生の適用を申請しておいて、いまさら何を言っているんだろう?
いい人だとは思うけど、事業をするのは向いていないようだ。
<続く>
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