11 / 19
おじさんは異世界恋愛の続き(結)を書く
しおりを挟む
(11)おじさんは異世界恋愛の続き(結)を書く
おじさんは感無量である。
ついに女性主人公の結まで到達した。
これが終わったら男性主人公の起を書かないといけないのだが、今だけは感傷に浸らせてほしい。
おじさんは異世界恋愛ファンタジー的なミステリーを書きながら考えていた。
― ロケットは揺れるのだろうか?
悪天候で飛行機に乗ると、ものすごい揺れる。
ああいうのがロケットにもあるのだろうか?
おじさんは飛行機に乗るのが好きではない。
理由は昔乗った飛行機のエンジンが燃えたことだ。
たしか20年くらい前だったと思う。
出張のため羽田から富山に飛行機で移動していた。
その時乗った飛行機は、悪天候のため何度も何度も雷に打たれた。
しばらくすると、エンジンの1つから黒い煙が出た。
機内は騒然としている。
なぜならエンジンが燃えているから・・・
おじさんは会社の後輩と一緒に飛行機に乗っていたのだが、その後輩はおじさんにこう言った。
「〇〇さん、知ってます?」
「何を?」
「この飛行機ってエンジンが4個あるじゃないですか?」
「4個あるね。」
「エンジンが1個残ってたら、飛行機は飛べるらしいですよ。」
「え? エンジンは3個まで燃えてもオッケーなの?」
「らしいです。」
おじさんは飛行機に乗るのは嫌だが、『エンジンは3個まで燃えてもオッケー説』は信じることにしている。
その後、おじさんも後輩も会社を退職して、別の道を歩んでいる。
ところで、あの時『エンジンは3個まで燃えてもオッケー説』をおじさんに教えてくれた後輩は、いま裁判官をしている。
おじさんは、後輩が法廷でいい加減なことを言わないことを祈っている。
***
さて、おじさんは本話(結)に伏線を入れる予定だ。
エピローグ(第5話)と転(第10話)が繋げたが、これは伏線の回収ではない。
つまり、女性主人公の話(第1章)は伏線を回収しない。
謎を掛けっぱなしのまま、女性主人公の話(第1章)は終わっていく。
ミステリーとはそういうものだ。
多分・・・
===========================
【7】肉食系女子は好青年との結婚を迷う
それから、私はマークと一緒に出掛けるようになった。
ピクニックに行ったり、温泉に行ったり。
すっかりいい友達だ。
マークと出かけるときはオシャレをしないし、メイクもほとんどしない。
気を使わなくていいから楽だ。
私は次第にマークに惹かれていった。
このままマークと結婚してしまおうか・・・と考えたほどだ。
でも、私は王子と結婚するために旅をしてきたはずだ。
だから私は迷っていた。
王子と結婚するか?
マークと結婚するか?
***
ある日、マークとランチをしていたら、私は飲んでいた赤ワインを服にこぼしてしまった。
ー やっちゃった。シミになる・・・
私は白いワンピースを着ていたから、赤ワインの染はとても目立った。
「すぐに落とさないとダメだね。僕の家に染抜きがあるよ。すぐ近くだから来る?」とマークは私に提案した。
「そうね。染抜きを借りてもいいかな?」
私はマークの家に行くことにした。
レストランを出ると、マークは王宮に入って行った。
入り口の門番がマークを止めないから、私は『王宮に住込みで働いているかな?』と思った。
王宮に入ると、マークは女性に私のワンピースの染抜きと着替えを頼んだ。
すると女性は「王子、かしこまりました!」と言った。
え?
もしかして・・・
いやそんなことは・・・
マークが王子?
「ついでだから、僕の父と母を紹介するよ。」
そう言うとマークは私を王宮の奥に連れて行った。
歩きながら私は気付いた。
ノーメイクだ・・・・
部屋に着くとマークは私を父王に紹介した。
「お父様、こちらが話していたマリアです。」
ノーメイクのまま国王に対面する私。
しかたないから、私は国王に挨拶した。
「お初にお目に掛かります。マリアと申します。」
その後、私は国王と少し雑談をした。
国王はすごく話しやすい人だった。
私たちがしばらく話をしていると、マークが改まって言った。
「この場で言うのは恥ずかしいけど・・・」
「どうしたの?」私はマークに聞いた。
「マリア・コリンズ、僕と結婚してくれないか?」
私は急だったからビックリした。
でも、私の答えは決まっている。
「はい。よろこんで。」
私は答えた。
===========================
<第1章終わり>
【おじさんの感想】
これで肉食系女子の旅は終わりそうです。
貧乏な家族がお金をせびりにくるかもしれないので、頑張って追い返して下さい。
お幸せに!
おじさんは感無量である。
ついに女性主人公の結まで到達した。
これが終わったら男性主人公の起を書かないといけないのだが、今だけは感傷に浸らせてほしい。
おじさんは異世界恋愛ファンタジー的なミステリーを書きながら考えていた。
― ロケットは揺れるのだろうか?
悪天候で飛行機に乗ると、ものすごい揺れる。
ああいうのがロケットにもあるのだろうか?
おじさんは飛行機に乗るのが好きではない。
理由は昔乗った飛行機のエンジンが燃えたことだ。
たしか20年くらい前だったと思う。
出張のため羽田から富山に飛行機で移動していた。
その時乗った飛行機は、悪天候のため何度も何度も雷に打たれた。
しばらくすると、エンジンの1つから黒い煙が出た。
機内は騒然としている。
なぜならエンジンが燃えているから・・・
おじさんは会社の後輩と一緒に飛行機に乗っていたのだが、その後輩はおじさんにこう言った。
「〇〇さん、知ってます?」
「何を?」
「この飛行機ってエンジンが4個あるじゃないですか?」
「4個あるね。」
「エンジンが1個残ってたら、飛行機は飛べるらしいですよ。」
「え? エンジンは3個まで燃えてもオッケーなの?」
「らしいです。」
おじさんは飛行機に乗るのは嫌だが、『エンジンは3個まで燃えてもオッケー説』は信じることにしている。
その後、おじさんも後輩も会社を退職して、別の道を歩んでいる。
ところで、あの時『エンジンは3個まで燃えてもオッケー説』をおじさんに教えてくれた後輩は、いま裁判官をしている。
おじさんは、後輩が法廷でいい加減なことを言わないことを祈っている。
***
さて、おじさんは本話(結)に伏線を入れる予定だ。
エピローグ(第5話)と転(第10話)が繋げたが、これは伏線の回収ではない。
つまり、女性主人公の話(第1章)は伏線を回収しない。
謎を掛けっぱなしのまま、女性主人公の話(第1章)は終わっていく。
ミステリーとはそういうものだ。
多分・・・
===========================
【7】肉食系女子は好青年との結婚を迷う
それから、私はマークと一緒に出掛けるようになった。
ピクニックに行ったり、温泉に行ったり。
すっかりいい友達だ。
マークと出かけるときはオシャレをしないし、メイクもほとんどしない。
気を使わなくていいから楽だ。
私は次第にマークに惹かれていった。
このままマークと結婚してしまおうか・・・と考えたほどだ。
でも、私は王子と結婚するために旅をしてきたはずだ。
だから私は迷っていた。
王子と結婚するか?
マークと結婚するか?
***
ある日、マークとランチをしていたら、私は飲んでいた赤ワインを服にこぼしてしまった。
ー やっちゃった。シミになる・・・
私は白いワンピースを着ていたから、赤ワインの染はとても目立った。
「すぐに落とさないとダメだね。僕の家に染抜きがあるよ。すぐ近くだから来る?」とマークは私に提案した。
「そうね。染抜きを借りてもいいかな?」
私はマークの家に行くことにした。
レストランを出ると、マークは王宮に入って行った。
入り口の門番がマークを止めないから、私は『王宮に住込みで働いているかな?』と思った。
王宮に入ると、マークは女性に私のワンピースの染抜きと着替えを頼んだ。
すると女性は「王子、かしこまりました!」と言った。
え?
もしかして・・・
いやそんなことは・・・
マークが王子?
「ついでだから、僕の父と母を紹介するよ。」
そう言うとマークは私を王宮の奥に連れて行った。
歩きながら私は気付いた。
ノーメイクだ・・・・
部屋に着くとマークは私を父王に紹介した。
「お父様、こちらが話していたマリアです。」
ノーメイクのまま国王に対面する私。
しかたないから、私は国王に挨拶した。
「お初にお目に掛かります。マリアと申します。」
その後、私は国王と少し雑談をした。
国王はすごく話しやすい人だった。
私たちがしばらく話をしていると、マークが改まって言った。
「この場で言うのは恥ずかしいけど・・・」
「どうしたの?」私はマークに聞いた。
「マリア・コリンズ、僕と結婚してくれないか?」
私は急だったからビックリした。
でも、私の答えは決まっている。
「はい。よろこんで。」
私は答えた。
===========================
<第1章終わり>
【おじさんの感想】
これで肉食系女子の旅は終わりそうです。
貧乏な家族がお金をせびりにくるかもしれないので、頑張って追い返して下さい。
お幸せに!
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
【完結】どうして殺されたのですか?貴方達の愛はもう要りません
たろ
恋愛
処刑されたエリーゼ。
何もしていないのに冤罪で……
死んだと思ったら6歳に戻った。
さっき処刑されたばかりなので、悔しさも怖さも痛さも残ったまま巻き戻った。
絶対に許さない!
今更わたしに優しくしても遅い!
恨みしかない、父親と殿下!
絶対に復讐してやる!
★設定はかなりゆるめです
★あまりシリアスではありません
★よくある話を書いてみたかったんです!!
【完結】王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは要らないですか?
曽根原ツタ
恋愛
「クラウス様、あなたのことがお嫌いなんですって」
エルヴィアナと婚約者クラウスの仲はうまくいっていない。
最近、王女が一緒にいるのをよく見かけるようになったと思えば、とあるパーティーで王女から婚約者の本音を告げ口され、別れを決意する。更に、彼女とクラウスは想い合っているとか。
(王女様がお好きなら、邪魔者のわたしは身を引くとしましょう。クラウス様)
しかし。破局寸前で想定外の事件が起き、エルヴィアナのことが嫌いなはずの彼の態度が豹変して……?
小説家になろう様でも更新中
御機嫌ようそしてさようなら ~王太子妃の選んだ最悪の結末
Hinaki
恋愛
令嬢の名はエリザベス。
生まれた瞬間より両親達が創る公爵邸と言う名の箱庭の中で生きていた。
全てがその箱庭の中でなされ、そして彼女は箱庭より外へは出される事はなかった。
ただ一つ月に一度彼女を訪ねる5歳年上の少年を除いては……。
時は流れエリザベスが15歳の乙女へと成長し未来の王太子妃として半年後の結婚を控えたある日に彼女を包み込んでいた世界は崩壊していく。
ゆるふわ設定の短編です。
完結済みなので予約投稿しています。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった
白雲八鈴
恋愛
私はウォルス侯爵家に15歳の時に嫁ぎ婚姻後、直ぐに夫は魔王討伐隊に出兵しました。6年後、戦地から夫が帰って来ました、妻という女を連れて。
もういいですか。私はただ好きな物を作って生きていいですか。この国になんて出ていってやる。
ただ、皆に喜ばれる物を作って生きたいと願う女性がその才能に目を付けられ周りに翻弄されていく。彼女は自由に物を作れる道を歩むことが出来るのでしょうか。
番外編
謎の少女強襲編
彼女が作り出した物は意外な形で人々を苦しめていた事を知り、彼女は再び帝国の地を踏むこととなる。
私が成した事への清算に行きましょう。
炎国への旅路編
望んでいた炎国への旅行に行く事が出来ない日々を送っていたが、色々な人々の手を借りながら炎国のにたどり着くも、そこにも帝国の影が・・・。
え?なんで私に誰も教えてくれなかったの?そこ大事ー!
*本編は完結済みです。
*誤字脱字は程々にあります。
*なろう様にも投稿させていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる