小金井は八王子に恋してる

まさみ

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九話

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 「兄さん………」
 見慣れたアパートの廊下で兄さんと対峙する。
 呆然と立ち尽くすぼくを険のある目で眺め、兄さんが鼻を鳴らす。
 「どこほっつき歩いてたんだ、ひとを待たせて」
 「だって……来るなんて一言も……携帯にかけてくれればよかったのに……」
 後半は口の中だけで呟く。聞き取りにくい声で呟くぼくに兄さんは案の定苛立つ。
 「言いたいことがあるなら人の目を見てはっきり言え、情けない」 
 人の目を見てはっきり言え。
 それが兄さんの口癖だ。兄さんはひとの目を見てしゃべれない人間を対等と認めない。
 ひとの目を見て話せないヤツはろくな人間じゃないというのが兄さんの信条だ。その基準に照らし合わせるとぼくは失格だ。実の兄の目もまともに見れず足元に視線を逃せば、薄汚れたスニーカーが目に入り、ぎゅっと胃が縮む。
 「何の用ですか」
 「家にお前宛の荷物が届いた」
 「え」
 思わず顔を上げる。
 兄さんが小脇に抱えたダンボール箱を突き出す。両手で受け取りラベルを見る。
 「あ」
 送り主の氏名に見覚えがあった。
 一年前、まだぼくが実家にいた頃ネットオークションで競り落としたフィギュアの出品主だ。
 しばらく待っても届かないから郵便事故か相手先で問題がおきたのだろうと諦めていた。
 引越し先の住所を先方に教えていなかったため手違いで実家に配達されたらしい。
 「わざわざ届けにきてくれたんですか?病院の方は……」
 「ついでに人様に迷惑をかけてないか見てこいと言われた」
 兄さんが渋面を作る。ぼくを見る目に紛れもない侮蔑と嘲りとが浮かぶ。
 兄さんはぼくを嫌っている。兄さんだけじゃない、父にも母にも家族全員に疎まれている。
 ぼくは家族中のお荷物、厄介者だ。
 「そのぶんだと就職は決まってないみたいだな」
 「……………」
 「就職もせず親の金に頼ってぶらぶらしてられる年じゃないだろう。自分の立場がわかってるのか」
 叱責を浴び、ダンボール箱を抱え立ち竦む。
 立ち話中の大家と隣人がちらちら気遣わしげにこっちをうかがう。
 普段部屋にこもりきりのぼくが珍しく外出したとおもったら背広の似合う見知らぬ男が来訪し一方的に責め立てているのだ、気にならないはずがない。
 「とりあえず中入って……人が見てるし……」
 ダンボール箱を抱きしめ、不自由な手でズボンのポケットに突っ込んだ鍵をたぐれば、兄さんが「ここでいい」と煩わしげに言い切る。
 「どうせ漫画やゲームで散らかってるんだろう。靴下を替えなきゃいけなくなるのはごめんだ」
 掃除してないのを見抜かれた。
 ドアを開け放たんとノブを掴んだ手を放し、困惑顔で兄さんを仰ぐ。 
 「東」
 一歩間合いを詰める。
 ぼくより頭ひとつ分は高い長身が放つ威圧感が膨らみ、反射的に後退する。
 ダンボール箱を庇いつつあとじさるぼくを馬鹿にしきった目で眺め、憤懣やるかたない顔つきで言う。
 「お前は全く、どうしようもなくダメなヤツだな」
 失望と苛立ちが綯い交ぜとなった表情に苦い記憶がよみがえる。
 『お兄ちゃん見習ってしっかりなさい』 
 思い出す母親の小言。自分が産んだ子供の出来の悪さに困惑する顔。
 『同じ八王子でも北と東でえらい違いだな』
 思い出す担任の冗談。同情と諦めの入り混じった苦笑。
 親も教師も親戚も周囲の大人はだれもかれもぼくと兄さんを比較する。
 物心付いた時からずっと兄さんは見本だった。
 勉強も運動もよくできる兄さんは常に褒められ評価される側で、弟のぼくはといえば対照的に真面目だけがとりえの内気な子供だった。
 貶されるのは慣れている。本当の事だからしかたない。
 兄さんがぼくを疎ましく恥ずかしくおもうのは当たり前だ、ぼくときたら何をやらせても鈍くさくて勉強も運動も人並みに届かないできそこないだ。
 こんな弟はいらないだろう。
 いないほうがましだろう。
 兄さんの顔がまともに見れない。目を合わせるのが怖い。
 兄さんの目の色を読み取ってしまえばきっと立ち直れなくなる。
 嫌悪、侮蔑、怒り。冷ややかな感情で固めた色。目は口ほどにものを言う。
 いつからだろう、兄さんに敬語を使うようになったのは。
 いつしか兄さんはぼくを弟ではなく実家に寄生する厄介者として扱いだし、両親もまた兄さんにならってぼくを遇した。
 漫画ラノベゲームを詰めたダンボールを山と抱え単身アパートに移る決心をしたのは、二十年暮らした家にとうとう居場所がなくなったからだ。
 「顔をあげろ東。足元を見て楽しいか」
 「……………」
 「言いたいことがあるなら口で言え。だまってちゃわからん。二十二にもなって情けない……」
 「……………」
 「服装がだらしない。髪に寝癖が付いてる。靴もぼろぼろじゃないか。少しは鏡を見ろ、身嗜みは社会人の規範だ……すねかじりには関係ないか」
 兄さんが口元を歪める。いたたまれず俯き、自分の足元に視線を固定する。
 どうにか話題をそらそうと混乱する頭を捻り、どもりがちに聞く。
 「綾さん……義姉さんは元気ですか」
 「相変わらずだ」
 「そうですか」
 話が弾まない。兄は一年前結婚した。今は実家で奥さんと暮らしている。
 「父さんがぼやいていたぞ。東の携帯にかけても繋がらないって。着信拒否か?」
 「そんなこと……ただ、めったにチェックしないから」
 ぼくはいつも携帯を手放さないが、それはメールをチェックするためじゃなく、用途はサイトの閲覧とゲームに限定される。
 第一、ぼくの携帯にはめったにひとからかかってこない。
 登録してあるのは家族の番号だけで、アドレス帳の空き容量をもてあましてる状態だ。
 「役に立たないな」
 兄さんが舌打ち、だしぬけにぼくの体をまさぐりだす。
 「!?な、返してください、ひとの携帯を勝手に……!」  
 抗議の声を発し掴みかかるも兄さんは無視、携帯のフラップを開け液晶を見る。
 「家族の番号しか登録してないのか、相変わらず。一年中部屋にこもりきりじゃ友達もできないか。一日中パソコンに張り付いて不健康な生活おくってるんじゃ現実に友達ができなくてもしかたない、自業自得だ」
 勝手に中身を見られた怒りと羞恥で舌が空転、必死に手をのばす。
 「これからどうするんだ東。学校も途中でやめて就活もせず、はたち過ぎて漫画アニメゲームに埋もれて二次元に逃げこんで、そんなんでこれからの人生やってけるのか?金はどうする、仕送りが絶えたら飢え死にだ。就職しろとはいわん、せめてバイトを……」
 関心をなくしたように携帯を放りなげる。
 「……無理な話か。ひとりじゃなにもできないダメなヤツだからな、お前は。昔からそうだった。問題がおきるたび親や俺に泣き付いて、いいかげん尻拭いはうんざりだ。お前も二十二だ、衣食住に必要な金ぐらい自力で稼いでみろ。これまで買いためた漫画やゲームを綺麗さっぱり売り払えば多少は足しになるんじゃないか。部屋も広くなって一石二鳥だ」
 引け腰で前のめり、危なっかしい手つきで携帯を受け止めたぼくの頭上で皮肉に嗤う。
 「二次元と心中するならとめないがな」
 言い返そうと喘ぐも兄さんと面と向かうや萎縮し、もどかしく唇を噛む。
 携帯を抱き、今にも泣きそうな顔で見上げるぼくの視線を受け流し、背広から一通の封筒を抜く。
 「今月分の生活費だ」
 「……口座に振り込んでくれればいいのに……」
 「父さんから直接渡すように言われた。口座に振り込めば趣味に使うだろ」
 その発言で合点がいった。
 兄はぼくに渡す生活費の監視役として父に派遣された。
 今月に限って手渡しなのは、いい年して就職もせず、安アパートの一室で現実逃避を続ける次男に活を入れるためだ。
 だからこそぼくがもっとも苦手とする人間をさしむけた。
 「父さんの代わりに俺が来た。俺だって暇じゃないんだがな……また病院に戻るんだ」
 「行ってください、患者さん待たせちゃ悪いし……」
 茶封筒から紙幣が零れて乱雑に舞う。
 ぼくの目の前でわざと封筒をさかさにし、生活費を廊下にぶちまけた兄さんが無表情に口を開く。
 「拾え」
 足元に舞い散る紙幣、高圧的に命じる兄さん。
 頭が真っ白になる。
 下唇を噛み、緩慢な動作で片膝突く。
 大家と隣人が息を呑む気配が伝わるも振り向かず、廊下にのろのろと手足を付き、盛大に散らばった紙幣をかき集める。
 デジャビュ。
 「……這い蹲るのか。プライドがないな。だからいじめられるんだ、学校でもどこでも」
 『土下座しろよ』
 『うわ、コイツほんとに土下座したよ!』 
 『マジ引くわー』
 『こんな安物のために本気で土下座なんて頭おっかしいんじゃねえの』
 スーパーの醜態をアパートの廊下で再現し、あちこちに散らばった紙幣を一生懸命かき集め、屈辱に震える手を握りこむ。
 「俺が拾えといったら拾う、這えと言ったら這う、土下座しろといったら土下座する。お前の意志はどこにあるんだ、したくないなら断ればいい、俺の目を見てそう言えばいいんだ。恥ずかしくないのかそんなかっこで、人が見てるんだぞ、アパートの人間に白い目で見られてるんだぞ。そんなに趣味に使う金が大事か?生活をぎりぎりまで切り詰めて貯めた金を趣味に注ぎこんで、いい年した大人の男が漫画やらゲームやらフィギュアやらくだらんものばかり大量に買い込んで、現実逃避も大概にしろ」
 『いい年してアニメ好きなんて気持ち悪ィ』 
 『学校にこんなもん持ってくんなよ』
 教室に広まりゆく嘲笑の渦、放物線を描き窓からとびだすキーホルダー。
 張り合いのない叱責に疲れたか、兄さんが苦渋の面持ちで目を伏せ、持参した妥協案を述べる。
 「……医者になるのはむりだと父さんも諦めてる。だが今から頑張れば普通の会社員にはなれるだろう、父さんのコネで……」
 「現実なんて辛いだけだ」
 「なんだと?」
 身の内で鬱屈の内圧が高まる。
 社会に適応できない挫折感と世間に迎合できぬ疎外感、兄への猛烈な反発に駆り立てられ、くしゃくしゃの紙幣を握り締め立ち上がるや重たい前髪に目を隠し言う。
 「二次元の方がずっといいです」
 ぼくは兄さんみたいに優秀じゃないんだから
 なんでもできるわけじゃないんだから
 「だって、裏切らないし。嫌なこと言わないし。何も悪いことしてるわけじゃない、目立たないようにじっとして部屋にこもりきりで外出はそこのコンビニまで、月一回秋葉原に行くけど夜九時までにはちゃんと帰る、現実と関わるのはいやだ、現実と接点なんか持ちたくない生身との接触は極力避けてきた、それのどこが悪いんですか?ぼくがよかれとおもってしたことはみんな裏目に出る、ぼくが手を出すとがっかりさせる、だったらなにもしないほうがずっとずっとましだ、期待されない代わりに失望もさせない、ずっとこのままでいいんです!!」
 そう、これが一番いいんだ
 ぼくは今の生活に満足してる、人並みになりたいなんて高望みはしない。
 ひきこもりオタクニートは八王子の片隅の電車の音と震動がうるさい安アパートで死ぬまで地味に暮らす、就寝中に漫画の山がくずれ圧死か窒息死しても本望だ、だれにも迷惑かけずに逝けるんならぼくとしちゃ上等な死に方だ、ずっとずっと親に兄に先生に周囲の人たちに迷惑かけどおしで、今だって親の仕送りに依存しきってなんとか生活してる。
 「おつりひとつ満足に受け取れない、買い物ひとつ満足にできない、一緒に行こうって誘ってくれた人に恥かかせてせっかく外にでても失敗ばっかで笑われて馬鹿にされるくらいならずっとひきこもってたほうが」
 「―ッ、この腰抜け、そんなんだから携帯に登録する友達のひとりもできないんだ!!」
 大喝が爆ぜ、兄がぼくの胸ぐらを掴み、風切る平手をふりあげる。
 勢い良く撓った平手が頬に炸裂するのを予期し、やがて訪れる痛みに怯み、ぎゅっと目を瞑る。
 
 「友達ならここにいる」

 突然割って入った声に弾かれ目を開ける。
 ぼくの頬めがけ振り下ろそうとした手が虚空で静止。
 段飛ばしで階段を駆け上がった小金井が強引に間に割り込み、兄さんの手首をひっぺがす。
 「小金井さ……」
 「東ちゃん、携帯貸して」
 携帯をひったくり素早くボタンを押す。
 「俺の番号登録しといたからいつでもエンリョなくかけてきてよ」
 自分のアドレスを登録した携帯を投げ返すやくるりと兄さんに向き直り、愛想よく挨拶する。
 「はじめまして、東ちゃんのダチの小金井リュウです。ちょいワケありで、今東ちゃんの部屋においてもらってるんです。ま、ヒモみたいなもんかな」
 「ヒモ?おい東、この男は一体」
 「すいません、話聞いちゃいました。お兄さんの声でかくって階段の下まで響くんだもん。あんな声で怒鳴りまくったら患者さんの心臓とまっちゃいますよ」  
 からかいつつ険悪な形相の兄さんとぼくとを見比べ、外人ぽく肩をすくめてみせる。
 「暴力反対。住民のみなさんのご迷惑になるから廊下で兄弟喧嘩禁止。いい年していい年してって東ちゃんに連呼するけど今のお兄さんだって相当大人げないっすよ。痛み分けってことで今日は引き取ってもらえませんか」
 小金井がぼくを庇うように敢然と立つ。
 対峙の緊迫の中、我の強い者同士の妥協を許さぬ眼光が互いに削りあう。
 小金井は口元こそ笑っていたがその双眸は抑えた殺気を吹かせ、自発的に引かないならば無理矢理にでもと重心を低く踏み構え牽制する。
 「………友達か。物好きだな。こんなひきこもりのどこがいいんだ」
 「ガンプラ作り教えてくれました」 
 「きみも同類か」
 失笑をもらす兄に対し、小金井が不意に真剣な顔になる。
 「……東ちゃん、すっごくゲーム上手いんです。何年も一生懸命やりこんできたんだ。俺の知らないことほかにもいっぱい知ってて色々教えてくれる。モデラーナイフなんて俺見たことも聞いたこともなくて、使い方さっぱりわからなくて、そしたら東ちゃんは丁寧に教えてくれたんです。紙やすりは何番使ったらいいか、塗装は何時間乾かせばいいか、ぜんぶ東ちゃんから教わりました」
 「つまり?」
 「東ちゃんはすごいんです。俺、マジで尊敬してる。東ちゃんが作ったガンプラ見てザクのかっこよさが初めてわかったもん、これってすごいことですよね?」
 てらいなく宣言し、息を喘がせつつぼくを振り返って屈託なく笑う。
 「ザクを作らせたら世界一だ」
 コイツ、本当に馬鹿だ。
 「量産型ザクなんて……誰が作っても一緒なのに……」
 「全然ちがう。東ちゃんが作ったザクなら一発で見分ける自信ある。やすりがけすっごい丁寧だもん、細部もこってるし」
 「……くだらない」
 断固として身を翻し、性急な靴音を響かせ階段をおりていく。
 所在なく立ち尽くすぼくは一度も振り返らず。
 手摺から身を乗り出し遠ざかりつつある兄さんを未練がましく見送るぼくに、小金井がさりげなく提案する。
 「………ちょっと歩こっか」
 二階の廊下に気まずく沈鬱な空気が漂う。
 手摺から手をどかし、力なく体の脇にたらし、無言で頷く。
 ぼくと兄さんの口論を目撃した大家と隣人の囁き声がいたたまれず、この場から一時的に離れたい衝動に駆られ、小金井の誘いに乗った。
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