小金井は八王子に恋してる

まさみ

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六話

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 「んまっ、冬の肉まん最高」
 感嘆詞の多い男だ。
 「どうしたの東ちゃん浮かねー顔して。店員さんにヘンな目で見られたの気にしてんの」
 「別に……」
 どんより瘴気を発し鈍重に歩くぼくの様子を、幸せ一杯肉まん頬張り小金井が案じる。
 「むりしてついてこなくてもよかったのに。外出苦手なんでしょ」
 「ぼくだって来たくありませんでしたよ……」
 飄々笑う小金井をジト目で睨み恨みつらみを吐く。 
 ぼくだって好き好んで付き合ってるんじゃない。ゴミ置き場はアパートのど真ん前、ただゴミを出すだけならものの一分で済んでいた。しかし小金井ひとりをコンビニに行かせたら帰ってくる保証がない。
 なんといってもヤツは免許証を持っている。小金井には一日も早く出てってもらって平和な日常を取り戻したいのが本音だが、免許証を持ったままふらっと消えられても困る。
 「返すもの返さずちょっとそこまでの軽いノリでふらっと消えられちゃ困ります。カード偽造捏造されて後日闇金の請求がきてもぼくの経済状況じゃ応じられませんのであしからず」
 「信用ねえなあ」
 「信用に足る要素ありませんので」
 免許証を返してもらわないうちは蒸発されちゃ困ると発奮、監視をかねコンビニまでついていったが、一面ガラス張りの窓から漏れてくる清潔な光に圧倒され、自動ドアの前で足がすくんだ。
 さいわい深夜の店内は空いていたが、棚と棚のあいだを鼻歌まじりに回遊する小金井と引き離されぬようおどおど歩くぼくの様子は監視カメラにさぞ怪しく映ったろう。あれじゃどう見たってスリの現行犯だ。
 挙動不審なぼくをよそに小金井はのどかに口笛吹きつつ店内を冷やかし、いつもどおり飄々とした笑みでガムやら百円ライターやらを物色していた。
 レジの店員には珍奇な目で見られた。
 店員とけっして目をあわせぬよう俯くぼくの気持ちなど考慮せず、小金井は小腹が空いたとぬかし、ちゃっかり中華まんを買っていた。
 店員がレジを打ち品物を袋に詰めるあいだ、息をひそめ背に隠れていたぼくの様子を回想し、小金井が苦笑する。
 「ひとの目を見て話す努力しようよ」
 「早くひとの家からでてく努力してくださいよ」
 「東ちゃんも肉まん食う?」
 話をそらされた。
 人の意見も聞かぬうちから袋をあさり、まだ温かい肉まんをとりだす。
 「はい」
 「ピザまんがいいです」
 「肉まんしかないよ」
 夜闇に白い湯気が映える。
 つられて手を出しかけためらう。
 躊躇した理由は明白、小金井は素手で肉まんを掴んでいた。そりゃもー豪快に鷲掴みだ。
 対人恐怖症にくわえ少なからず潔癖症のきらいがあるぼくは、他人の手から食べ物を直接受け取る行為に抵抗を感じ、疑い深く聞く。
 「小金井さん、トイレいったあと手あらいました?」
 「あ」
 やっぱり。
 即座に手をひっこめる。
 何の菌が付いてるかわかったもんじゃない、迂闊に受け取らなくてよかった。
 ばっちい手に肉まんを掴んだ小金井がしょげる。
 捨て犬のように哀れを誘う顔にちょっとだけ良心が痛む。
 「……ま、いっか」
 って、自分で食うのかよ。
 心の中で突っ込みをいれる。さっきの哀しげな顔が嘘のように明るく笑ってぼくに渡そうとした肉まんに大口あけかぶりつく。現金なヤツめ。
 コンビニ袋を片手にぶらさげ食べ歩きする意地汚さにあきれる。小金井は旺盛な食欲を発揮しあっというまに肉まんみっつをたいらげるや、そこでようやく人心地がつき、物珍しげにあたりを見回す。
 「へえ。アパートの外ってこんななってたんだ」 
 一週間むさ苦しい部屋にこもりきりだった小金井には何の変哲もない沿線の光景が新鮮に映るらしい。
 大あくびを連発しつつコントローラーを操作していた時の不健康な顔とは一転、外の空気を吸った表情は生き生き活性化し足取りも溌剌としている。
 ご機嫌な小金井と対照的にぼくの足取りは鬱々としている。
 下を見て歩くせいで周囲の景色なんか視界に入ってこない、入ってくるのは数年来履き古しの薄汚れたスニーカーと色褪せたズボンだけだ。
 ぼくの住むアパートは八王子駅から徒歩十五分の沿線にある。
 築二十年の鉄筋コンクリート二階建て、家賃は月二万と破格に安い。
 何故こんなに安いのかというと別段大家が良心的なわけではなく、線路に近接し建つため電車が通るごと騒音と震動がダイレクトに響くのだ。
 安普請のアパートは電車が通るたび揺れを伝えて、しばしば本の山が崩れ畳が埋まる。
 ぼくも一度ならず生き埋めになった経験がある。
 アパートまでの帰り道、静まり返った線路に沿って歩きながら小金井が口を開く。
 「東ちゃんさ、ずーっとアパートにこもりっぱなしだけどインスタントラーメンとかはどこで買ってくんの」
 「週に一度買いだめするんです、コンビニで」
 「ひとりで買えるの?」
 「子供じゃないんだから買えますよ、失礼な」
 店員の目は見れないが。
 「夜中こっそりアパート出てコンビ二行って、インスタントラーメンやパンや冷凍食品をごっそり仕入れるんです。なるべく人に会わない時間、お店が空いてる時間帯選んで……コンビニなら店員と話さなくてもいいし……頷くだけで事足りるし」
 「部屋にちらかってる漫画やゲームはどこで買ったの?」
 「ネットで。宅配してくれるんです」
 小金井が眉間に皺を寄せる。
 「お金はどっから沸いてでんの?仕事してねーのに」
 ずばり聞かれ言葉に詰まる。
 「…………仕送りで」
 もごもご呟けば小金井が目を丸くする。
 「東ちゃんの親って実は金持ち?」
 「………………………はあ。まあ」
 痛いところを突かれた。
 小金井は持ち前の屈託なさでずかずかと人の心にあがりこんでくる。
 この話題は避けたい。小金井はすごく聞きたそうな顔をしているが、たかが居候に説明する義理もないだろう。
 ビニール袋をぶらさげのんべんだらりと歩く小金井の隣、自分の不甲斐なさを痛感し唇を噛む。
 「あ」
 顔を上げぎょっとする。前から人が歩いてきた。飼い犬の散歩中の老人らしい。
 常夜灯に照らされ着々と接近しつつある犬を伴う老人にすっかりうろたえきり、咄嗟に小金井の背に隠れようとするも、当の本人がぼくを振り切って走り出す。
 「!?ちょ、まっ、」
 小金井の背中を追い、むなしく伸ばした手で空を掻く。
 小金井は小走りに駆け出すや一気に老人との距離を詰め、リードに繋がれた犬の前にしゃがみこむ。
 「可愛いっすね。雑種ですか」
 常夜灯が作るほの明るくアットホームな空間が二人と一匹をぽっかり包む。
 小金井は雑種とおぼしき長毛の犬をわしゃわしゃなでまわす。
 頭をかいぐりかいぐりなでまわされた犬が元気よく吠える。 
 「ひっ」
 おもわず腰が引ける。
 夜闇に響く咆哮にしかし小金井は動じない。
 噛まれるのを恐れぬ大胆さで犬を抱き、腕白な男の子を思わせる快活な笑みを浮かべる。
 「雑種ですよ。十四年前河原で拾ったんです」
 「十四年前?じゃあもうおじいちゃんだ。いや、おばあちゃんかな」
 「メスです」
 「どうりで美人さんだ」
 世辞がわかるのか、大人しくなでまわされていた犬が甲高く吠え、長い舌で小金井の顔をなめまわす。 
 「よぼよぼのばあさん犬です」
 「こんな時間に散歩ですか?」
 「最近夜の散歩にこっていまして。定年を迎えて、ようやくコイツとゆっくり過ごせるようになったんです。夜は夜で昼とはまたちがった風情があっていいもんですよ。見慣れた道や土手がまったく違った顔を見せてくれるのが新鮮でね」
 「へえ、そうなんですか。定年ご苦労さまです」
 小金井の辞書に人見知りという言葉はない。
 初対面の老人と和気藹々談笑しつつ律儀に頭を下げれば、老人も微笑み会釈して去っていく。
 名残惜しげに吠える犬に軽く手を振るや、道のど真ん中に呆然と立ち尽くすぼくに聞く。
 「どうしたの東ちゃん」
 「………敬語使えるんですね」
 びっくりした。
 「外ヅラはいいのよ」
 小金井が肩をすくめまんざらでもなさげに笑い、ぶらつきつつ引き返してくる。
 「犬嫌い?」
 「嫌いじゃないけど怖くて……」
 「ふぅん」
 頷く。
 犬とすれ違い際道の脇の電柱に身を隠し、小金井が戻ってくるのを待って額の汗を拭う。
 小金井は動物に好かれるたちらしい。さっきの犬もあっさり手懐けてしまった。動物に好かれた試しのないぼくとしては、ちょっと羨ましい。
 再び小金井とならんで歩き出す。
 小金井リュウ。謎の男。秋葉原で偶然出会い、アパートに押しかけてきた自称ヒモ。
 小金井と一緒にいるとぼくのペースが保てなくなる。
 人好きのする笑顔にほだされて、ざっくばらんな言動に巻かれて、いつしか素性を追及しようという気をなくしてしまう。
 免許証をとり上げ強引に同居を迫った男なのだからもう少し猜疑心警戒心をもつべきなのに、気付けば饒舌なペースにのせられ違和感と若干の居心地悪さを拭えぬながら普通に話している。
 噛まずに人としゃべるなんて何年ぶりだろう。
 おかしな成り行きに戸惑う。
 なんでこんなことにという疑問が、こんなはずじゃなかったのにという当惑に変わり始めている。
 ぼくは今の生活に満足している。
 普段はアパートにこもりきりで、親の仕送りに頼ってぎりぎりまで切り詰めた生活をして、月一回の秋葉原遠征の足しにする。
 リアル友達はいないけど、チャットに行けば楽しくしゃべりあう仲間がいる。
 漫画ゲームアニメに囲まれた怠惰で自堕落な日常にどっぷり浸かりきって充足してたのに、ずかずか土足で上がりこんできた小金井のせいで、なんだかすっかり調子がくるってしまった。
 『きめえんだよ、ネクラオタク』
 対人恐怖症のはずなのに。
 人としゃべるのは苦手なのに。
 不意に隣から殺気が伝わる。
 「小金井さん?」
 突如道のど真ん中に立ち尽くし、鋭い眼光を沈めた油断ならぬ目つきではるか向こうの電柱をにらむ小金井。
 弛緩した笑みを払拭し強張る横顔に気圧され言葉を失う。
 いつもへらへら笑ってる小金井らしくない剣呑な顔つきに心臓が早鐘を打つ。
 ほんの五秒かそこらか、真剣な顔つきで十五メートルほど離れた電柱を注視していた小金井が薄く息を吐き、ふっと力を抜く。
 「………なんでもない」
 足元で鳴き声がした。
 「あ、猫」
 小金井が不良座りで地べたにしゃがみこむ。
 すぐそばの電柱の後ろからしなやかな身ごなしで歩み出た猫が、甘えるような鳴き声をあげ、手をさしだす小金井の方へよっていく。
 「ノラかな。待って、いいもんやるから」
 がさがさ袋をさぐり、魚肉ソーセージをまるまる一本取り出しビニールを剥く。
 猫は一瞬探るような目で小金井とソーセージとを見比べたが、能天気な笑みに警戒心も晴れたか、小鼻をひくつかせ匂いを確かめてから先端にかじりつく。
 しっぽを垂直にそそり立て、小金井の手から直接ソーセージを食べる猫をじっと見る。
 「さわりたい?」
 「は?」
 「そんな顔してる」
 小金井が小さく笑う。
 「猫はだいじょうぶなんだ?」
 「……………ひっかかれますよ。動物に嫌われてるんで」
 自慢じゃないが二十二年の人生で動物に好かれた試しがない。
 猫は好きだが、うっかり手をだそうものならひっかかれるに決まってる。
 最初から諦め、首をうなだれ立ち尽くすぼくの手をだれかが掴む。
 小金井。
 振り払ういとまもなかった。
 小金井はぼくの手を掴み、猫の方へと誘導する。
 手を引っ張られたはずみによろけるようにしゃがみこむ。
 猫はソーセージに夢中で気付かない。
 生唾のみ首を振り、思い詰めた目で傍らの男に訴える。
 「絶対むりですって」
 「いいから。俺を信じて」
 小金井が励ましをかねぼくの手を包む。
 闇の中、重ねた手から人肌のぬくもりが伝わる。
 「力ぬいて。こっちがびびってたらむこうも怖がっちゃうよ」
 リラックスしろと言い含める声が吐息と交わり耳朶をくすぐる。
 助言は半信半疑ながら、頭を上下させソーセージを咀嚼する猫の背に胸高鳴らせ慎重に手をのっける。
 「………………っ………」
 ひっかかれるか噛まれるか。
 そのどちらかを予期し、恐怖に瞑ってしまった目をおそるおそる開く。
 どちらでもなかった。
 「ほら」
 小金井がしてやったりと囁く。
 ぎこちなく頷き、手でさわって確かめて、どうでもいいことに感動する。
 「……ホントに猫背なんですね」
 「猫だもん」
 弓なりの背にのせた手をどうしたらいいかわからず硬直すれば、小金井が優しく苦笑する気配が闇を縫って伝わり、ためらうぼくの手をとり猫の頭をなでさせる。
 二人羽織りの要領で小金井に導かれ猫の頭をなでるうちに、胸の内をくすぐられるような幸福感が満ちていく。
 どうしよう、これは。
 かなり嬉しいかもしれない。
 「すごい、なんで?小金井さん、この猫逃げません!」
 興奮の熱に浮かされ口走り、顔を紅潮させ小金井を振り仰ぐ。
 「うわーうわー大人しい……なんで?え、だってどうして、ぼく動物に嫌われてるのに、物心ついたころから懐かれた試しないのに、なでようとおもって迂闊に手を出したらおもいっきりひっかかれて流血の惨事のくりかえしでいい加減こりたのになんでこんな大人しいんですか?魚肉ソーセージにマタタビ入ってたのかな」
 「追っかけるから逃げるんだよ。猫から見たら人間て超でっかいじゃん?そんなのが全力で追っかけてきたらそりゃ逃げるって。しゃがんで視線の高さを合わせて、そーっとそーっとなでてやれば、猫だっていきなしひっかいたりしないよ」
 初めて猫をなでるのに成功した驚きと興奮と嬉しさでぼくは浮かれまくっていた。
 「可愛い……」
 おっかなびっくり猫にふれながら呟き、この喜びをだれかと分かち合いたい衝動に駆られ、笑顔で小金井を見上げる。
 「小金井さん、この子ノラですかね。にしてはやけに人に慣れ」

 顔が
 極端に近い。

 心臓が止まる。
 常夜灯のオレンジ色の光に照らされた小金井は、微笑ましげに目を細め、はしゃぐぼくを見守っている。
 包容力あふれた大人びた表情は、この一週間見慣れた小金井とは別人のような印象を抱かせて。
 常夜灯の光が茶髪を透かし金に染める。
 猫にさわれた喜びから忘れかけていた羞恥心が急激にぶり返す。
 「………手、放してください………」
 小金井と手を握り合ったままの現実に立ち返り、火照りを帯びた指を慌てて抜く。
 ぼくが手をのけるや、ソーセージを食べ終えた猫が地を蹴って走り出し、路地の奥へと消えてしまう。
 「あ、」
 路地の奥の暗がりに消えた猫を追い、虚空に手をさまよわせる。
 「行こっか」
 小金井が立ち上がり、ぼくを促しアパートの方角へ歩き出す。
 先に立って歩き出した小金井を追いながら、手のひらに残る猫の感触とぬくもりを反芻する。 
 最初はたしかに、今しがた消えた猫の感触とぬくもりを反芻していた。
 それなのに。
 手のひらを見つめるうちに猫の感触とぬくもりは急速に遠のき、たった今まで繋ぎあっていた手のぬくもりと感触こそが、奇妙なむず痒さを伴って広がり始める。 
 他人のぬくもりが残る手を持て余し、感触を消そうと服の裾に擦り付けるも途中で何故か思い直し、そっと体の脇にたらす。
 
 おかしい。
 なんで。
 他人にさわられたのに、どうして。
 気持ち悪くなるならわかるけど。
 
 「顔が熱くなるって………」
 
 どういうことなんだ、一体。
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