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LaundryBoogie
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その日、ピジョンは山盛りの洗濯物をカゴに詰めてコインランドリーへ向かっていた。
「コインランドリーがあるなんてラッキー。これでちょっとは洗濯がらくになるぞ」
ちなみに普段は手洗いだ。
母とスワローとピジョンの三人家族なので洗濯物の量はさほど多くないが、トレーラーハウスでの旅暮らしでためこむとあとが大変だ。故にコインランドリーの存在はとても有り難い。
大戦前はどの町にも必ずコインランドリーがあったというが、人口の減少と共に廃れていき、今ではめったに見かけない。映画館と同じ位のレア度だ。
スワローは今日も今日とて手伝いもせず遊びに出ている。なのでピジョンが二人分働かなくちゃいけない。帰ってきたらたっぷり小言をたれてやりたいが、まずは目の前の用事を片付けるのが先決だ。
「お邪魔します」
礼儀正しく断りを入れるが返事はない。
一抱えもある洗濯物が視界を遮るせいで店内はよく見えず、段差に躓かないよう用心して足を踏み入れる。
「ふう……重かったあ」
プラスチックのカゴをおろして肩を回す。
コインランドリーはほどほどに寂れていた。
どうやら無人経営の店舗らしく、煙草の吸い殻や乾いたガムがこびり付く不衛生なコンクリ床にはベンチがおかれ、隅には瓶コーラの自販機とジュークボックスまである。
ドラム式洗濯機が上下二段壁際に据え置かれた光景は、宇宙船の窓が並んでいるようで冒険心をくすぐる。
無機質なハッチを開ければ宇宙空間に繋がっていそうな空想がふくらむも別段そんなことはなく、ホッとしたようなちょっと残念なような気持ちで洗濯物を放り込んでいく。
さっそく硬貨を投入してスタートボタンを押せば、電動の低い唸りを伴って洗濯機が回りだす。
「すごい……回ってる。遠心力で汚れが落ちるんだよね?天才の発想だ」
母の馴染みの一人がそう教えてくれた。昔の人はすごいことを考えるものだ。
ずっと見ていると目が回りそうで、慌てて顔をはなす。洗濯が済むまでの待ち時間、ベンチに腰かけて足をぶらぶらさせる。
そろそろ小腹がすく頃合いだ。店内を見回したのち、ポケットの底を裏返してため息。
「足りないや……」
キャンディーバーの自販機を物欲しげに見詰め、心底哀しそうに首を振る。
スワローがいたら借りれたのに、とちょっと思うが、ドケチな弟が金を貸してくれるはずないとすぐさま考えを改める。半分こにしようと提案しても絶対ダメだ。
それでも諦めきれず、ひょっとしたら前の客が釣りを忘れてないか、取り出し口に手を突っ込んで探ってみる。
「捕獲捕獲――――!」
そこへなだれこんできたのは地元の子たち。
いずれ劣らぬふてぶてしい面構えの悪ガキどもは日頃からコインランドリーを溜まり場にしてるらしく奇声を上げて走り回り、通りすぎざまベンチの縁にコーラの飲み口をひっかけ王冠を外す。
コンクリ床を転々と跳ねる王冠を見送って顔を上げれば、先頭の子供が右手にぶらさげた生き物が視界に入る。
あちこち禿げたみすぼらしい黒猫だ。
悪ガキどもを率いる一際体格のよい少年は、黒猫の首ねっこを引っ掴み、円盤状の窓が嵌め込まれた扉を開ける。
「きったねー、ノミだらけじゃん!」
「俺達の行く手を遮ったのが運の尽きってな」
「黒猫は死神の使いって言われてんだぜ」
「コイツでキレイにしてやるよ、濯ぎ終わったらまっちろになってるぜ」
他に客はおらず、悪ふざけを止めてくれそうな大人もいない。
ピジョンが呆然と見ている前で、ギャングエイジの一団は今まさにドラム式洗濯機に猫を投げこむ暴挙にでようとしている。
高速の渦に巻かれて苦しみもがく猫を思い描き、たまらず声を上げる。
「やめなよ」
悪ガキどもが振り向く。
敵愾心と警戒心が半々の凝視に怖気付くが、乱暴にぶらさげられ縮こまった猫を見るに見かね、勇気をふりしぼって制止する。
「……猫をいじめるのはやめなよ。前を過ぎったのだって、きっと悪気はなかったんだ」
「なんだお前」
「俺知ってる、流しの娼婦の子だよ。トレーラーハウスで客とってんだ、うちの父ちゃんが通ってる」
「売女の息子が偉そうにお説教か」
悪ガキどもが一様に軽蔑の色を浮かべる。
ピジョンはぐっと唇を噛み、目に強い意志を込めて頼み込む。
「かわいそうじゃないか、はなしてやれよ」
「やだね」
にゃあ、と少年の手の中の猫が一声弱々しく啼く。まるで助けを求めているかのようで、哀れみと庇護欲が胸を塞ぐ。
「前を通っただけだろ?わざとじゃない。猫は人間の都合通りに生きてないんだ、俺たちのことは生温かい棒くらいに思ってるんだから……」
「よそもんのくせに黒猫の味方をするのか?」
「よそものかどうかはいま関係ない、母さんのことも関係ない、猫の話をしてるんだ。洗濯機なんかに放りこんだら死んじゃうよ、おねがいだから……」
「じゃあキャンディーバー」
「は?」
「俺たち全員にキャンディーバーおごりゃ言うこと聞いてやる」
ドヤ顔で宣言する少年に取り巻きどもがニヤニヤする。ピジョンはほとほと困り果て、ポケットを裏返してからっぽだと示す。
「……ごめん、手持ちがない」
「じゃあダメだ、コイツは水責めの刑で決まり」
「そんな……」
「どうしてもってんなら代わりに洗濯機で回るか?」
「っ……」
ピジョンはアウェイで孤立無援、味方はひとりもいない。このままじゃ猫が溺れ死ぬ、とても見殺しにはできない。
泣きたくなるのを辛うじて堪え、交渉に挑む。
「どうすれば許してくれるの?」
その発言に少年たちはいやらしく笑みかわし、輪になって相談を始める。ピジョンは所在なげに立ち尽くし会議の行く末を見守る。
相談を終えて向き直ったリーダーが、ピジョンの傍らのカゴを指さして命じる。
「ファッションショーだ」
「え……」
「俺達の前でそれ着て踊りゃコイツの命は助けてやる」
ピジョンは困惑する。
「でもコレ母さんの……女物だよ」
「だから?」
猫をいじめるより面白い悪だくみにニヤ付くガキども。
彼らの意図が飲み込めて、ピジョンは絶望的な顔色で押し黙る。
どうする?
首の皮を掴まれ宙吊りにされた黒猫が、目脂で半ば腫れ塞がった目で、哀しそうにこちらを見詰めている。
「とっととやれよ、お嬢ちゃん」
「客待たせんな」
ベンチを占領した悪ガキどもから思い思いの野次が飛ぶ。
ピジョンは固く目を閉じて迷いを断ち、カゴのいちばん上にのっかったサマードレスを引っ掴む。
服の上からサマードレスに袖を通し、ためらいがちに裾をおろす。
悪ガキどもが一斉に口笛を吹いてひやかし、ピジョンは耳まで真っ赤になる。
「ズボンは脱げよ」
「-っ!」
「猫がどうなってもいいのかよ」
猫を洗濯機に近付けて脅され、ピジョンはやけっぱちでズボンを脱ぐ。下半身が涼しくて落ち着かない。
「よく似合ってんじゃん」
「ただ突っ立ってんだけじゃツマンねーな、気分出して踊れよ」
踊り方なんて知らない。
かわりに震える手で裾を摘まみ、じらすようにたくしあげていく。
踝から膝、太腿を露出し、恥辱に燃える顔を伏せれば、調子にのった悪ガキどもがスカートの中に首を突っ込み、ボクサーパンツを無理矢理ずらす。
「やだ、なにす」
恐怖と動揺で喉が締め付けられる。
少年たちの一人が飲みかけのコーラ瓶をピジョンの下着に突っこむ。
逆さになった飲み口からシュワシュワと炭酸があふれ、ボクサーパンツの中を泡立てる。
「~~~~~~~~~~~~~ッあぁ!?」
「かーわいそー。おもらししちゃった?」
悪ガキどもが失笑を漏らすなか、下着の隙間から膝裏へ伝ったコーラが水たまりを作る。
ピジョンは奥歯を噛み、股間をシュワシュワ包む炭酸に耐える。
「ッ……ふ………、」
母のお気に入りのドレスを汚してしまった罪悪感と、恥をかかされた屈辱感に苛まれて、しょっぱい涙がこみ上げる。
「あーッ……あ……」
炭酸が弾けて股間を刺激し、ぐしょぬれの下着が素肌にぴっちり密着。べと付く内腿に鳥肌が広がる。
「約束したろ……ねこをはなせ……」
「ずっと立ち続けてたらな」
床にたまったコーラを蹴散らし嘲る悪ガキどもに相対し、裾を握る手は断じてはなさず、生まれたての子鹿のようにかくかくする足を奮い立て、膝上ギリギリをさらし続ける。
「手と足が震えてんぜ」
悪ガキどもが調子にのり、ピジョンの股間を膝で圧迫。
「あッ、いッうぐ、ぁあッ」
ぐりぐりと抉りこんでは離し、また圧をかけるくりかえしで執拗にさいなめば、サマードレスに隠れた下着からじゅわりとコーラが滲みだす。
「感じてんだ?ビッチの子は敏感だな」
「へんなとこおすな……ぁはあ」
「もらしちまったんなら穿き替えなきゃな」
「よせ……」
悪ガキどもがカゴをあさり、母のパンティーを引っ張り出す。
とうとう気力がくじけたピジョンは、サマードレスの裾を手放し逃げようとするも、囚われの猫を放っておけず体当たりをかます。
「ばか、ちゃんと押さえとけよ!」
「ビッチの子はビッチの子らしくフリフリパンティーでめかしこめよ、コーラ一本サービスしてやるからさ!」
「ぅぐっあ」
猫を奪おうともがく手をおさえこまれ、序でに鳩尾を蹴られて仰け反る。コンクリ床に転がされ、力ずくで下着を剥ぎ取られていくピジョンの耳に、小憎らしい声が響く。
「いいザマだな兄貴、新しいお友達に遊んでもらってんの?」
スワローがいた。
「帰りが遅ェから見てこいとさ」
「スワロー……」
「で?どーゆー経緯」
「ねこ、が……コイツらが猫を洗濯機に放りこもうとして、見てらんなくて……し、仕方なかったんだ……ホントはこんなかっこしたくなかった、母さんのドレス着せられて、挙句に汚しちゃって……」
「ふーん。だっせえの」
しどろもどろ弁解する兄を冷たく一蹴、思いやりのない言葉がぐさりと刺さる。
「ンだよテメエ、コイツの弟か」
「グズ兄貴のかわりに芸してくれんの」
「スワロー逃げろ!」
悪ガキどもがスワローを取り囲んで罵倒し、弟だけでも助けようとピジョンが必死に叫ぶ。
スワローは悠然と耳をほじって聞き流し、猫のような足取りでジュークボックスに歩み寄るや、ポケットから取り出したコインを投げ上げて手の甲でキャッチする。
「表」
片手をずらす。
予想は的中、コインは表側を向いていた。
「幸先いいや」
「てめえシカトかよ!?」
「落ち着けよ、せっかくリクエストにこたえてやろうってんだ」
ジュークボックスに硬貨を投入、ランプが点滅してる間にレバーを操作して曲を決める。
「ミュージックスタート」
店内に流れ始めたのはメロウな音楽。タイトルはたしか「You Should Be Dancing」……この場にこれ以上なくふさわしい選曲だ。
スワローは艶然と微笑み、掲げた片手で指打ち鳴らしリズムをとりながら、母のストールを颯爽と背に羽織る。
「ホンモノのストリップを見せてやるよ」
刹那、場末のコインランドリーがショークラブのステージに変貌する。
「イッツアショータイム!」
ピジョンがべそをかいて突っ伏す前で、悪ガキどもが口笛と手拍子で盛り上げる中で。
軽快に指を鳴らして拍子を刻み、妖しく透けるラベンダー色のストールを纏い、コケティッシュに踊りだすスワロー。
洗練された振り付けに従ってたおやかにストールが靡き、かと思えば勢いよく手を払ったはずみに逆立ち、スワローがスピンすればそれを追いかけて二重に巻き付く。
「寝転がって何やってんだよ、踊らねえと」
自分好みにアレンジした昔の流行歌を高らかに唄い上げ、扇情的に伸び縮みくねる腰からえもいわれぬ艶が漂いだす。
スワローが自らの腰に手を這わせ、極端な緩慢さでタンクトップを巻き上げていき、引き締まった腹筋から薄い胸板を大胆にさらし、首元まで捲れた途端に惜しげもなく脱ぎ捨てる。
「スワローなっなんっそんなっ、へそが見えてるぞはしたない!?」
「外野はシャラップってな」
手の隙間からガン見する兄は無視、宙に投げられたタンクトップを反射的に受け取った悪ガキのもとへ激しく回りながら急接近、首ったまにかじり付いてキスをねだるように唇を掠め、再びターン。
今度は反対側の悪ガキの懐へとびこんで、コーラ瓶をひったくり一気飲み。回る洗濯機から響く重低音が音楽と一体化し、異質な熱狂が渦を巻く。
「俺の恋人は夜通し動き回って、それが夜明けまで続くんだ」
手首にスナップを利かせ振り抜けば、空っぽになったコーラ瓶が、自販機横のクズ籠へ綺麗な弧を描いて吸い込まれていく。
挑発的に光る赤茶の瞳と、しなやかに反る上半身に蠱惑され、悪ガキどもが生唾を呑む。
「俺をもっとハイにして、暖め続けてくれよ」
お次はベンチに足をかけ、腰を巧みに揺らしながらジーンズをずらし、尖った恥骨を覗かせる。
たまたま目が合ったガキに完璧なウィンクをくれ、投げキッスを飛ばすファンサービスも忘れない。
「俺はジューシー、俺はやっかい、俺は最高。お前にパワーをくれてやる、お前の血液に直接な」
計算し尽くされた目配せの角度が、魔性の笑みを刻む唇をなめる仕草が、もとより見目麗しい少年にスターの輝きを付与する。
赤っ恥をかかせる目的でけしかけたものの、ノリノリで演じられる即興ダンスの見事さにすっかり腑抜けたガキどもに媚びた流し目を送り、指を逆に波打たせる手招きで誘いこむ。
スワローの目線が床の一点に落ち、含みを持たせてピジョンを見据える。
「…………!」
ピジョンは弟の合図を正しく読み取る。
床の一点、ピジョンの目と鼻の先にコーラの王冠が落ちている。こっそり手を伸ばしてそれを掴み、もう片方の手を懐に潜らせて、胸ポケットに携えてきたスリングショットを掴む。
ギャラリーの注意がストリップに奪われている、今がチャンスだ。
バレないように注意深く、ギリギリまで引き絞ったゴムに王冠を番え、猫を掴んだガキ大将の右手に狙い定める。
洗濯終了のブザー音が鳴り響くと同時に、ピンクゴールドの前髪を散らした赤茶の目が剣呑に据わる。
「ショータイム終了、お代もらうぜ」
スワローがストールを無造作に放り投げ、最前列のガキの顎を容赦なく蹴り抜くのと、ピジョンの解き放った王冠がガキ大将の右手に命中するのは同時。
「いっでえ!?」
「この野郎いきなり何、」
「まさかただ見で帰れるたァ思ってねェよなお客さん、おひねりねェならかっぱくぜ!」
鼻血を噴いてよろめく悪ガキに中指立てるスワローと立ち代わりスライディング、ガキ大将がぶん投げた猫を身を挺してキャッチしたピジョンが安堵に頬を緩める。
「よかった無事だ!」
「ボケっとすんな逃げろピジョン!!」
「ま、待ってよスワロー猫がこら暴れるなって!」
「んなもんほっとけよ!」
「ほっとけないよ!」
スワローが悪ガキどもを殴る蹴るしてる間にサマードレスを脱ぎ、頭を低めて店から転げ出るピジョン。
スワローは殆ど一人で全員を叩きのめしてから、ちゃっかり洗濯物を回収して表に出、そばの路地へ逃げ込んだ兄へと歩み寄る。
「飼うのかそれ」
「……それっていうな。うちの子だよ」
母さんはきっと許してくれる。
間一髪救出した黒猫を心底大事そうに抱く兄にいらだち、スワローが腕を組んで嘯く。
「きったねーな、洗濯機にかけたほうがいいんじゃね?」
「盥で洗うよ」
「さいですか」
「スワロー」
「何」
「ありがとな」
ピジョンの小声の礼に、スワローはなんともいえない顔で呟く。
「……どーいたしまして」
ピジョンに保護された黒猫が突然とびはねてスワローの顔面をひっかく。
「痛ッで、何すんだこのクソ猫!?」
「ノミに噛まれたのかな。そういえばカラダかゆい……」
「マジかよシャワー浴びろよ」
「ひらめいた、コイツの名前ジャンピング・ジョージはどうかな?なんにもないところで跳びはねるからジャンピングジョージ」
「オスなの?」
「女の子ならジョージーナに変更だ」
「テキトーだな」
「仲良くしろよ、くれぐれもいじめるんじゃないぞ」
言われたそばから縮れたヒゲを弾けば、猫が「ニ゛ャ゛ッ゛」と汚い濁音で啼き、ピジョンが本気で怒る。
「弱いものいじめはやめろよ、コイツは弟みたいなもんだろ!」
「俺ひとりで間に合ってんだろ」
「家族は何人増えてもいい。お前は嬉しくないのかよ弟ができて」
「畜生を血縁関係に加えると相続がこじれる」
「最高に酔えるマタタビとかもらえるかもしれないぞ」
「ネズミの死骸枕元におかれたらどうするよ?」
「もっといいものやるさ、シーチキンとか」
「さすがの母さんも獣姦は守備範囲外、妹だろうが弟だろうが俺様の鼻っ柱に爪立てるアホはごめんだね」
「素直になれよホントは嬉しいくせに。ほらジョージ、スワロー兄さんに前脚曲げて挨拶だ。よろしくニャー」
「だから猫なで声の声マネやめろよキメェよ」
「いじめられたら肉球パンチでお返ししてやれ、ただし爪は出しちゃだめだぞ」
「ノミのたかった弟なんざ欲しかねえ、伝染したら承知しねーぞ」
「ベッドに上げなきゃ大丈夫だって」
「兄貴と寝んなら意味ねーよ」
黒猫にちゅぱちゅぱ人さし指を吸わせて気持ち悪くにやけながら、ピジョンがそっけなく断言する。
「じゃあ俺にさわらなきゃいい」
「……チッ」
ジャンピング・ジョージはめでたくピジョンの猫になった。
「コインランドリーがあるなんてラッキー。これでちょっとは洗濯がらくになるぞ」
ちなみに普段は手洗いだ。
母とスワローとピジョンの三人家族なので洗濯物の量はさほど多くないが、トレーラーハウスでの旅暮らしでためこむとあとが大変だ。故にコインランドリーの存在はとても有り難い。
大戦前はどの町にも必ずコインランドリーがあったというが、人口の減少と共に廃れていき、今ではめったに見かけない。映画館と同じ位のレア度だ。
スワローは今日も今日とて手伝いもせず遊びに出ている。なのでピジョンが二人分働かなくちゃいけない。帰ってきたらたっぷり小言をたれてやりたいが、まずは目の前の用事を片付けるのが先決だ。
「お邪魔します」
礼儀正しく断りを入れるが返事はない。
一抱えもある洗濯物が視界を遮るせいで店内はよく見えず、段差に躓かないよう用心して足を踏み入れる。
「ふう……重かったあ」
プラスチックのカゴをおろして肩を回す。
コインランドリーはほどほどに寂れていた。
どうやら無人経営の店舗らしく、煙草の吸い殻や乾いたガムがこびり付く不衛生なコンクリ床にはベンチがおかれ、隅には瓶コーラの自販機とジュークボックスまである。
ドラム式洗濯機が上下二段壁際に据え置かれた光景は、宇宙船の窓が並んでいるようで冒険心をくすぐる。
無機質なハッチを開ければ宇宙空間に繋がっていそうな空想がふくらむも別段そんなことはなく、ホッとしたようなちょっと残念なような気持ちで洗濯物を放り込んでいく。
さっそく硬貨を投入してスタートボタンを押せば、電動の低い唸りを伴って洗濯機が回りだす。
「すごい……回ってる。遠心力で汚れが落ちるんだよね?天才の発想だ」
母の馴染みの一人がそう教えてくれた。昔の人はすごいことを考えるものだ。
ずっと見ていると目が回りそうで、慌てて顔をはなす。洗濯が済むまでの待ち時間、ベンチに腰かけて足をぶらぶらさせる。
そろそろ小腹がすく頃合いだ。店内を見回したのち、ポケットの底を裏返してため息。
「足りないや……」
キャンディーバーの自販機を物欲しげに見詰め、心底哀しそうに首を振る。
スワローがいたら借りれたのに、とちょっと思うが、ドケチな弟が金を貸してくれるはずないとすぐさま考えを改める。半分こにしようと提案しても絶対ダメだ。
それでも諦めきれず、ひょっとしたら前の客が釣りを忘れてないか、取り出し口に手を突っ込んで探ってみる。
「捕獲捕獲――――!」
そこへなだれこんできたのは地元の子たち。
いずれ劣らぬふてぶてしい面構えの悪ガキどもは日頃からコインランドリーを溜まり場にしてるらしく奇声を上げて走り回り、通りすぎざまベンチの縁にコーラの飲み口をひっかけ王冠を外す。
コンクリ床を転々と跳ねる王冠を見送って顔を上げれば、先頭の子供が右手にぶらさげた生き物が視界に入る。
あちこち禿げたみすぼらしい黒猫だ。
悪ガキどもを率いる一際体格のよい少年は、黒猫の首ねっこを引っ掴み、円盤状の窓が嵌め込まれた扉を開ける。
「きったねー、ノミだらけじゃん!」
「俺達の行く手を遮ったのが運の尽きってな」
「黒猫は死神の使いって言われてんだぜ」
「コイツでキレイにしてやるよ、濯ぎ終わったらまっちろになってるぜ」
他に客はおらず、悪ふざけを止めてくれそうな大人もいない。
ピジョンが呆然と見ている前で、ギャングエイジの一団は今まさにドラム式洗濯機に猫を投げこむ暴挙にでようとしている。
高速の渦に巻かれて苦しみもがく猫を思い描き、たまらず声を上げる。
「やめなよ」
悪ガキどもが振り向く。
敵愾心と警戒心が半々の凝視に怖気付くが、乱暴にぶらさげられ縮こまった猫を見るに見かね、勇気をふりしぼって制止する。
「……猫をいじめるのはやめなよ。前を過ぎったのだって、きっと悪気はなかったんだ」
「なんだお前」
「俺知ってる、流しの娼婦の子だよ。トレーラーハウスで客とってんだ、うちの父ちゃんが通ってる」
「売女の息子が偉そうにお説教か」
悪ガキどもが一様に軽蔑の色を浮かべる。
ピジョンはぐっと唇を噛み、目に強い意志を込めて頼み込む。
「かわいそうじゃないか、はなしてやれよ」
「やだね」
にゃあ、と少年の手の中の猫が一声弱々しく啼く。まるで助けを求めているかのようで、哀れみと庇護欲が胸を塞ぐ。
「前を通っただけだろ?わざとじゃない。猫は人間の都合通りに生きてないんだ、俺たちのことは生温かい棒くらいに思ってるんだから……」
「よそもんのくせに黒猫の味方をするのか?」
「よそものかどうかはいま関係ない、母さんのことも関係ない、猫の話をしてるんだ。洗濯機なんかに放りこんだら死んじゃうよ、おねがいだから……」
「じゃあキャンディーバー」
「は?」
「俺たち全員にキャンディーバーおごりゃ言うこと聞いてやる」
ドヤ顔で宣言する少年に取り巻きどもがニヤニヤする。ピジョンはほとほと困り果て、ポケットを裏返してからっぽだと示す。
「……ごめん、手持ちがない」
「じゃあダメだ、コイツは水責めの刑で決まり」
「そんな……」
「どうしてもってんなら代わりに洗濯機で回るか?」
「っ……」
ピジョンはアウェイで孤立無援、味方はひとりもいない。このままじゃ猫が溺れ死ぬ、とても見殺しにはできない。
泣きたくなるのを辛うじて堪え、交渉に挑む。
「どうすれば許してくれるの?」
その発言に少年たちはいやらしく笑みかわし、輪になって相談を始める。ピジョンは所在なげに立ち尽くし会議の行く末を見守る。
相談を終えて向き直ったリーダーが、ピジョンの傍らのカゴを指さして命じる。
「ファッションショーだ」
「え……」
「俺達の前でそれ着て踊りゃコイツの命は助けてやる」
ピジョンは困惑する。
「でもコレ母さんの……女物だよ」
「だから?」
猫をいじめるより面白い悪だくみにニヤ付くガキども。
彼らの意図が飲み込めて、ピジョンは絶望的な顔色で押し黙る。
どうする?
首の皮を掴まれ宙吊りにされた黒猫が、目脂で半ば腫れ塞がった目で、哀しそうにこちらを見詰めている。
「とっととやれよ、お嬢ちゃん」
「客待たせんな」
ベンチを占領した悪ガキどもから思い思いの野次が飛ぶ。
ピジョンは固く目を閉じて迷いを断ち、カゴのいちばん上にのっかったサマードレスを引っ掴む。
服の上からサマードレスに袖を通し、ためらいがちに裾をおろす。
悪ガキどもが一斉に口笛を吹いてひやかし、ピジョンは耳まで真っ赤になる。
「ズボンは脱げよ」
「-っ!」
「猫がどうなってもいいのかよ」
猫を洗濯機に近付けて脅され、ピジョンはやけっぱちでズボンを脱ぐ。下半身が涼しくて落ち着かない。
「よく似合ってんじゃん」
「ただ突っ立ってんだけじゃツマンねーな、気分出して踊れよ」
踊り方なんて知らない。
かわりに震える手で裾を摘まみ、じらすようにたくしあげていく。
踝から膝、太腿を露出し、恥辱に燃える顔を伏せれば、調子にのった悪ガキどもがスカートの中に首を突っ込み、ボクサーパンツを無理矢理ずらす。
「やだ、なにす」
恐怖と動揺で喉が締め付けられる。
少年たちの一人が飲みかけのコーラ瓶をピジョンの下着に突っこむ。
逆さになった飲み口からシュワシュワと炭酸があふれ、ボクサーパンツの中を泡立てる。
「~~~~~~~~~~~~~ッあぁ!?」
「かーわいそー。おもらししちゃった?」
悪ガキどもが失笑を漏らすなか、下着の隙間から膝裏へ伝ったコーラが水たまりを作る。
ピジョンは奥歯を噛み、股間をシュワシュワ包む炭酸に耐える。
「ッ……ふ………、」
母のお気に入りのドレスを汚してしまった罪悪感と、恥をかかされた屈辱感に苛まれて、しょっぱい涙がこみ上げる。
「あーッ……あ……」
炭酸が弾けて股間を刺激し、ぐしょぬれの下着が素肌にぴっちり密着。べと付く内腿に鳥肌が広がる。
「約束したろ……ねこをはなせ……」
「ずっと立ち続けてたらな」
床にたまったコーラを蹴散らし嘲る悪ガキどもに相対し、裾を握る手は断じてはなさず、生まれたての子鹿のようにかくかくする足を奮い立て、膝上ギリギリをさらし続ける。
「手と足が震えてんぜ」
悪ガキどもが調子にのり、ピジョンの股間を膝で圧迫。
「あッ、いッうぐ、ぁあッ」
ぐりぐりと抉りこんでは離し、また圧をかけるくりかえしで執拗にさいなめば、サマードレスに隠れた下着からじゅわりとコーラが滲みだす。
「感じてんだ?ビッチの子は敏感だな」
「へんなとこおすな……ぁはあ」
「もらしちまったんなら穿き替えなきゃな」
「よせ……」
悪ガキどもがカゴをあさり、母のパンティーを引っ張り出す。
とうとう気力がくじけたピジョンは、サマードレスの裾を手放し逃げようとするも、囚われの猫を放っておけず体当たりをかます。
「ばか、ちゃんと押さえとけよ!」
「ビッチの子はビッチの子らしくフリフリパンティーでめかしこめよ、コーラ一本サービスしてやるからさ!」
「ぅぐっあ」
猫を奪おうともがく手をおさえこまれ、序でに鳩尾を蹴られて仰け反る。コンクリ床に転がされ、力ずくで下着を剥ぎ取られていくピジョンの耳に、小憎らしい声が響く。
「いいザマだな兄貴、新しいお友達に遊んでもらってんの?」
スワローがいた。
「帰りが遅ェから見てこいとさ」
「スワロー……」
「で?どーゆー経緯」
「ねこ、が……コイツらが猫を洗濯機に放りこもうとして、見てらんなくて……し、仕方なかったんだ……ホントはこんなかっこしたくなかった、母さんのドレス着せられて、挙句に汚しちゃって……」
「ふーん。だっせえの」
しどろもどろ弁解する兄を冷たく一蹴、思いやりのない言葉がぐさりと刺さる。
「ンだよテメエ、コイツの弟か」
「グズ兄貴のかわりに芸してくれんの」
「スワロー逃げろ!」
悪ガキどもがスワローを取り囲んで罵倒し、弟だけでも助けようとピジョンが必死に叫ぶ。
スワローは悠然と耳をほじって聞き流し、猫のような足取りでジュークボックスに歩み寄るや、ポケットから取り出したコインを投げ上げて手の甲でキャッチする。
「表」
片手をずらす。
予想は的中、コインは表側を向いていた。
「幸先いいや」
「てめえシカトかよ!?」
「落ち着けよ、せっかくリクエストにこたえてやろうってんだ」
ジュークボックスに硬貨を投入、ランプが点滅してる間にレバーを操作して曲を決める。
「ミュージックスタート」
店内に流れ始めたのはメロウな音楽。タイトルはたしか「You Should Be Dancing」……この場にこれ以上なくふさわしい選曲だ。
スワローは艶然と微笑み、掲げた片手で指打ち鳴らしリズムをとりながら、母のストールを颯爽と背に羽織る。
「ホンモノのストリップを見せてやるよ」
刹那、場末のコインランドリーがショークラブのステージに変貌する。
「イッツアショータイム!」
ピジョンがべそをかいて突っ伏す前で、悪ガキどもが口笛と手拍子で盛り上げる中で。
軽快に指を鳴らして拍子を刻み、妖しく透けるラベンダー色のストールを纏い、コケティッシュに踊りだすスワロー。
洗練された振り付けに従ってたおやかにストールが靡き、かと思えば勢いよく手を払ったはずみに逆立ち、スワローがスピンすればそれを追いかけて二重に巻き付く。
「寝転がって何やってんだよ、踊らねえと」
自分好みにアレンジした昔の流行歌を高らかに唄い上げ、扇情的に伸び縮みくねる腰からえもいわれぬ艶が漂いだす。
スワローが自らの腰に手を這わせ、極端な緩慢さでタンクトップを巻き上げていき、引き締まった腹筋から薄い胸板を大胆にさらし、首元まで捲れた途端に惜しげもなく脱ぎ捨てる。
「スワローなっなんっそんなっ、へそが見えてるぞはしたない!?」
「外野はシャラップってな」
手の隙間からガン見する兄は無視、宙に投げられたタンクトップを反射的に受け取った悪ガキのもとへ激しく回りながら急接近、首ったまにかじり付いてキスをねだるように唇を掠め、再びターン。
今度は反対側の悪ガキの懐へとびこんで、コーラ瓶をひったくり一気飲み。回る洗濯機から響く重低音が音楽と一体化し、異質な熱狂が渦を巻く。
「俺の恋人は夜通し動き回って、それが夜明けまで続くんだ」
手首にスナップを利かせ振り抜けば、空っぽになったコーラ瓶が、自販機横のクズ籠へ綺麗な弧を描いて吸い込まれていく。
挑発的に光る赤茶の瞳と、しなやかに反る上半身に蠱惑され、悪ガキどもが生唾を呑む。
「俺をもっとハイにして、暖め続けてくれよ」
お次はベンチに足をかけ、腰を巧みに揺らしながらジーンズをずらし、尖った恥骨を覗かせる。
たまたま目が合ったガキに完璧なウィンクをくれ、投げキッスを飛ばすファンサービスも忘れない。
「俺はジューシー、俺はやっかい、俺は最高。お前にパワーをくれてやる、お前の血液に直接な」
計算し尽くされた目配せの角度が、魔性の笑みを刻む唇をなめる仕草が、もとより見目麗しい少年にスターの輝きを付与する。
赤っ恥をかかせる目的でけしかけたものの、ノリノリで演じられる即興ダンスの見事さにすっかり腑抜けたガキどもに媚びた流し目を送り、指を逆に波打たせる手招きで誘いこむ。
スワローの目線が床の一点に落ち、含みを持たせてピジョンを見据える。
「…………!」
ピジョンは弟の合図を正しく読み取る。
床の一点、ピジョンの目と鼻の先にコーラの王冠が落ちている。こっそり手を伸ばしてそれを掴み、もう片方の手を懐に潜らせて、胸ポケットに携えてきたスリングショットを掴む。
ギャラリーの注意がストリップに奪われている、今がチャンスだ。
バレないように注意深く、ギリギリまで引き絞ったゴムに王冠を番え、猫を掴んだガキ大将の右手に狙い定める。
洗濯終了のブザー音が鳴り響くと同時に、ピンクゴールドの前髪を散らした赤茶の目が剣呑に据わる。
「ショータイム終了、お代もらうぜ」
スワローがストールを無造作に放り投げ、最前列のガキの顎を容赦なく蹴り抜くのと、ピジョンの解き放った王冠がガキ大将の右手に命中するのは同時。
「いっでえ!?」
「この野郎いきなり何、」
「まさかただ見で帰れるたァ思ってねェよなお客さん、おひねりねェならかっぱくぜ!」
鼻血を噴いてよろめく悪ガキに中指立てるスワローと立ち代わりスライディング、ガキ大将がぶん投げた猫を身を挺してキャッチしたピジョンが安堵に頬を緩める。
「よかった無事だ!」
「ボケっとすんな逃げろピジョン!!」
「ま、待ってよスワロー猫がこら暴れるなって!」
「んなもんほっとけよ!」
「ほっとけないよ!」
スワローが悪ガキどもを殴る蹴るしてる間にサマードレスを脱ぎ、頭を低めて店から転げ出るピジョン。
スワローは殆ど一人で全員を叩きのめしてから、ちゃっかり洗濯物を回収して表に出、そばの路地へ逃げ込んだ兄へと歩み寄る。
「飼うのかそれ」
「……それっていうな。うちの子だよ」
母さんはきっと許してくれる。
間一髪救出した黒猫を心底大事そうに抱く兄にいらだち、スワローが腕を組んで嘯く。
「きったねーな、洗濯機にかけたほうがいいんじゃね?」
「盥で洗うよ」
「さいですか」
「スワロー」
「何」
「ありがとな」
ピジョンの小声の礼に、スワローはなんともいえない顔で呟く。
「……どーいたしまして」
ピジョンに保護された黒猫が突然とびはねてスワローの顔面をひっかく。
「痛ッで、何すんだこのクソ猫!?」
「ノミに噛まれたのかな。そういえばカラダかゆい……」
「マジかよシャワー浴びろよ」
「ひらめいた、コイツの名前ジャンピング・ジョージはどうかな?なんにもないところで跳びはねるからジャンピングジョージ」
「オスなの?」
「女の子ならジョージーナに変更だ」
「テキトーだな」
「仲良くしろよ、くれぐれもいじめるんじゃないぞ」
言われたそばから縮れたヒゲを弾けば、猫が「ニ゛ャ゛ッ゛」と汚い濁音で啼き、ピジョンが本気で怒る。
「弱いものいじめはやめろよ、コイツは弟みたいなもんだろ!」
「俺ひとりで間に合ってんだろ」
「家族は何人増えてもいい。お前は嬉しくないのかよ弟ができて」
「畜生を血縁関係に加えると相続がこじれる」
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「もっといいものやるさ、シーチキンとか」
「さすがの母さんも獣姦は守備範囲外、妹だろうが弟だろうが俺様の鼻っ柱に爪立てるアホはごめんだね」
「素直になれよホントは嬉しいくせに。ほらジョージ、スワロー兄さんに前脚曲げて挨拶だ。よろしくニャー」
「だから猫なで声の声マネやめろよキメェよ」
「いじめられたら肉球パンチでお返ししてやれ、ただし爪は出しちゃだめだぞ」
「ノミのたかった弟なんざ欲しかねえ、伝染したら承知しねーぞ」
「ベッドに上げなきゃ大丈夫だって」
「兄貴と寝んなら意味ねーよ」
黒猫にちゅぱちゅぱ人さし指を吸わせて気持ち悪くにやけながら、ピジョンがそっけなく断言する。
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「……チッ」
ジャンピング・ジョージはめでたくピジョンの猫になった。
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