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三百三十五話
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白熱の太陽を背に、ハルが跳ぶ。
「!?」
そして、だれもが予想しない出来事が起きた。きたるべき衝撃を予期し、固く目を瞑り僕の懐に顔を埋めたロンが、空気の変質を察しておそるおそる瞼を開ける。
こみあげる勝利の笑みを抑え、呟く。
「犬の嗅覚はヒトの数千から数万倍に達する。これは匂いを感受する嗅細胞がある部位―嗅上皮というが―が、ヒトの場合3-4平方センチなのに対し18-150平方センチあるからだ」
僕らの手前で方向転換した犬は、脇目もふらずに別方向へと走り去っていった。怒りも目的も忘れ、ただ本能が赴くままに犬が走り去った場所にはズボンが落ちていた。
激しくしっぽを振りながらズボンにとびかかり、鼻腔でポケットを探り当て、匂いを嗅ぎ出す。
ズボンの尻ポケットに鼻を突っ込み、執拗に匂いを嗅ぎ出した犬を遠目に眺めて付け足す。
「チョコレート中毒を知ってるか?人間が好む食べ物でも犬にとっては猛毒になる場合がある。犬にとってはチョコレートがそれで体重1kgあたりの致死量は250~500mgで、仮に食した場合は嘔吐・下痢・多尿・興奮・発熱・運動失調・けいれん・腹痛・血尿・脱水などの症状を呈する。人体に作用する麻薬にたとえればわかりやすいか?犬にとってのチョコレートとはつまり、猛毒であると同時に興奮剤でもあるのだ」
三日前の演説時から但馬の犬を観察していてわかった、チョコレート中毒になっていると。どこか様子がおかしいのもそのせいだ。飼い主の顔のチョコレートにむしゃぶりついたのが証拠だ。
「思い出せ、ロン。リードから解き放たれた犬が真っ先に君に襲いかかったのは君に一目ぼれしたからじゃない、『匂い』を辿ってきたからだ。君のズボンには茶色い染みがあってかすかに甘い匂いした」
「あ」
漸くロンが理解する。眼鏡のブリッジを押さえながら説明を続ける。
「チョコレートの匂いだ。あの犬はチョコレートの匂いを辿って君に襲いかかったんだ。ならばズボンを脱いでできるだけ遠くに投げればいい、実に単純明解で合理的な帰結だ。最後に付け加えるならば、犬には血の匂いに興奮する習性もある。今朝見た時からそうやってずっと腰をおさえてるところから推測するが、君はまたレイジに抱かれたんだろう?あの犬は肛門からの出血を嗅ぎつけ」
「ズボン脱がした理由はよーくわかった、だからその先は言うな!」
ロンに口を塞がれる。説明を中断された僕の視線の先では但馬が怒りに震えてうなだれていた。そのさらに向こうではちぎれんばかりにしっぽを振って犬がズボンと戯れていた。
唐突に但馬が歩き出す。
軍人めいて律動的な歩調で砂漠を踏み越えて犬に接近、柔和な口調で話しかける。
「ハルよ、ズボンなど食べても美味くなかろう。動かない獲物など退屈だろう」
熱に浮かされたように呟きながら背広の内側に手をやり何かを取り出す。その「何か」に目を凝らす。鞭。但馬の手に握られていたのは、細い鞭だ。
奇妙に不均衡な笑みを浮かべて犬に歩み寄った但馬が、風切る唸りをあげて鞭を振り下ろす。
「!」
鋭い音が響き、ギャラリーが反射的に目を瞑る。
「ハルよ、まだ囚人狩りの途中だ。私が科した義務を放棄すれば折檻するぞ。可愛いお前を鞭打つのは胸が痛むが仕方ない、家畜どもの手前示しがつかんからな。大丈夫だ、傷は舐めて癒してやる。とにかく今は囚人狩りに全力投球して私を楽しませてくれ。くれぐれも私の威厳と威信を損ねるような軽率な行動はとらないでくれ。ハルよ、お前の使命は囚人狩りだ。群れを腐らす元凶たる無能な家畜を狩り出すのがお前の使命だ。さあ、ショウを続けろ。私の前で囚人を犯して殺して食い荒らして楽しませてくれ。役立たずの家畜を何匹殺したところで罪にはならいからな」
続けざまに鞭が振り下ろされ、犬が鳴く。地面すれすれに頭を垂れた絶対服従の姿勢。但馬はギャラリーの存在を意識しつつ狂ったように鞭を振るった。
冷淡な無表情のままに眼光だけを爛々と輝かせ、降参の姿勢をとったドーベルマンに容赦なく鞭打つ所長の姿に、看守も囚人も戦慄する。現場に居合せた誰もが弟をも上回る但馬の狂気に圧倒されていた。
僕は我知らずロンを抱く手に力を込めた。一度去った危機が再び訪れる予感。僕の腕の中でロンが愕然と目を見開く。
犬が、ゆらりと立ちあがる。
さんざん鞭打たれ傷付いた悲惨な姿で脚を踏ん張り、喉の奥で威嚇の唸り声を泡立てている。漸く溜飲をさげて鞭を下げた但馬が、促すようにハルの頭に手を置く。
「お前が仕留めるべき獲物は、あそこだ」
但馬の片腕がゆるやかに弧を描き、鞭の切っ先が僕とロンをさす。口腔に生唾が湧く。ロンに肩を貸して立ち上がろうとしたが、砂に足を取られて動けない。仮に自由に動けたとしても僕らが逃走を図った瞬間にハルが襲いかかるだろうと理解した。
「仕切り直しだ。今度は上手くやれ。お前なら必ずや愚鈍な家畜を仕留めることができる。私が見込んだ優秀なお前なら必ずや交尾を成功させ後世に子孫を残すことができる。血統書付きの子を孕めるんだ、彼らも光栄だろう」
「獣姦で孕むわけがない以前に僕らは男だ!」
冗談じゃない。ロンの腰に手を回し、立ちあがりしなに但馬が合図をだす。刹那、周囲の看守が一斉にとびかかり僕とロンを引き離す。
「はなせっ、さわんじゃねえ、鍵屋崎!」
「所長やめてください、こんなバカなこと……これは躾ではなく虐待だ、これ以上は放置できない!」
「可愛い囚人が犯されるところを地に這いつくばって見ていたまえ副所長」
ロン、安田、但馬、三人の声が上空で交錯する。看守に腕を掴まれたロンが僕へと手を伸ばし何かを叫び、地に這わされた安田が普段の冷静さをかなぐり捨て僕を呼ぶ。僕はその場にへたりこみ、こちらに寄ってくる。ドーベルマンが加速、黒い残影と化して急接近。凶暴な咆哮が耳に―
「!?っ、」
逃げようとした。踵を返し足を縺れさせ、すぐまたバランスを持ち直し走りだそうとして、背中に衝撃。遅かった。何とか身を捩り仰向けになれば、上にドーベルマンが乗っていた。
裂けた口腔から滝のように涎を垂れ流した犬が、僕の首筋に顔を埋める。
「イヌ科のくせに下克上とは生意気だ、イヌ科はイヌ科らしく鎖に繋がれていろ!」
何とか犬を押しのけようと奮闘するも、発情した犬相手ではむずかしい。びりびりと布の裂ける音が響き、引き裂かれたシャツの下から素肌が覗く。
犬が僕のシャツに噛み付いたのだ。鋭く尖った犬歯が肉に埋まる光景を想像し、ぞっと鳥肌が立つ。犬の頭を押さえるのに必死でシャツの裂け目から露出した肌を隠す余裕もない。かぶりを振って暴れるたびに残りの布が裂けて貧弱で肉の薄い肢体があらわになる。
犬にのしかかられ、半裸同然で暴れる僕を囲んで囚人が口笛を吹く。
「おもしれえ見世物だ。ヤッちまえ犬っころ、生意気な親殺しにケダモノの精を注いでやれ!」
「犬のモンはでけえってゆーから売春班上がりでも満足できるだろうさ」
「獣姦なんて新鮮だねえ」
「俺もガキの頃ニワトリとヤッてたぜ。卵がぽろぽろでてくる穴に入れられねえ道理はねえだろ」
「羽がむしれて後片付け大変そうだな」
「ヤッたあとは絞め殺して食うんだよ」
「リサイクルだな」
かまびすしい野次が乱れ飛ぶ中、僕は必死の抵抗を続けていた。犬に犯されるなど冗談じゃない。僕はもうこれ以上汚れてサムライに嫌われたくない、彼の誤解をとくためにも何としても無事に生き延びねばならないんだ!
「ひっあ……」
喉が仰け反る。熱い涎が首筋をしたたり、胸板に筋をひく。獣臭い息から顔を背ければ、破けたシャツを羽織った薄い体と、僕に跨って腰を振る犬の姿がとびこんでくる。犬は勃起していた。挿入の準備は万端だ。あんな、あんな醜悪な性器を中に入れられるのか?どんな病気をもってるかも知れないのに。
「せめて狂犬予防の注射をうってこい、ジステンパーやパルボウイルス感染症や犬パラインフルエンザにかかっているかもしれないじゃないか!犬に病気を伝染されるのはお断りだ、そんな死に方はっ……ふ、あ」
腕の力が徐々に弱まってくる。上にのしかかる犬の重みが増す。だめだ、限界だ。腕が次第にさがってくる。異様に長い舌が僕の体をしつこく舐め回す。涎を塗られた肌が透明に濡れ光る。熱い吐息がかかるたびに腰が疼いて理性が蒸発していく。大勢が見てる前で犬に犯されるなど冗談じゃないと頭は拒んでいるが、抵抗に疲れた体は屈辱を受け入れようとしている。
ここまでか。
腕が、砂の上に落ちた。
「!?」
そして、だれもが予想しない出来事が起きた。きたるべき衝撃を予期し、固く目を瞑り僕の懐に顔を埋めたロンが、空気の変質を察しておそるおそる瞼を開ける。
こみあげる勝利の笑みを抑え、呟く。
「犬の嗅覚はヒトの数千から数万倍に達する。これは匂いを感受する嗅細胞がある部位―嗅上皮というが―が、ヒトの場合3-4平方センチなのに対し18-150平方センチあるからだ」
僕らの手前で方向転換した犬は、脇目もふらずに別方向へと走り去っていった。怒りも目的も忘れ、ただ本能が赴くままに犬が走り去った場所にはズボンが落ちていた。
激しくしっぽを振りながらズボンにとびかかり、鼻腔でポケットを探り当て、匂いを嗅ぎ出す。
ズボンの尻ポケットに鼻を突っ込み、執拗に匂いを嗅ぎ出した犬を遠目に眺めて付け足す。
「チョコレート中毒を知ってるか?人間が好む食べ物でも犬にとっては猛毒になる場合がある。犬にとってはチョコレートがそれで体重1kgあたりの致死量は250~500mgで、仮に食した場合は嘔吐・下痢・多尿・興奮・発熱・運動失調・けいれん・腹痛・血尿・脱水などの症状を呈する。人体に作用する麻薬にたとえればわかりやすいか?犬にとってのチョコレートとはつまり、猛毒であると同時に興奮剤でもあるのだ」
三日前の演説時から但馬の犬を観察していてわかった、チョコレート中毒になっていると。どこか様子がおかしいのもそのせいだ。飼い主の顔のチョコレートにむしゃぶりついたのが証拠だ。
「思い出せ、ロン。リードから解き放たれた犬が真っ先に君に襲いかかったのは君に一目ぼれしたからじゃない、『匂い』を辿ってきたからだ。君のズボンには茶色い染みがあってかすかに甘い匂いした」
「あ」
漸くロンが理解する。眼鏡のブリッジを押さえながら説明を続ける。
「チョコレートの匂いだ。あの犬はチョコレートの匂いを辿って君に襲いかかったんだ。ならばズボンを脱いでできるだけ遠くに投げればいい、実に単純明解で合理的な帰結だ。最後に付け加えるならば、犬には血の匂いに興奮する習性もある。今朝見た時からそうやってずっと腰をおさえてるところから推測するが、君はまたレイジに抱かれたんだろう?あの犬は肛門からの出血を嗅ぎつけ」
「ズボン脱がした理由はよーくわかった、だからその先は言うな!」
ロンに口を塞がれる。説明を中断された僕の視線の先では但馬が怒りに震えてうなだれていた。そのさらに向こうではちぎれんばかりにしっぽを振って犬がズボンと戯れていた。
唐突に但馬が歩き出す。
軍人めいて律動的な歩調で砂漠を踏み越えて犬に接近、柔和な口調で話しかける。
「ハルよ、ズボンなど食べても美味くなかろう。動かない獲物など退屈だろう」
熱に浮かされたように呟きながら背広の内側に手をやり何かを取り出す。その「何か」に目を凝らす。鞭。但馬の手に握られていたのは、細い鞭だ。
奇妙に不均衡な笑みを浮かべて犬に歩み寄った但馬が、風切る唸りをあげて鞭を振り下ろす。
「!」
鋭い音が響き、ギャラリーが反射的に目を瞑る。
「ハルよ、まだ囚人狩りの途中だ。私が科した義務を放棄すれば折檻するぞ。可愛いお前を鞭打つのは胸が痛むが仕方ない、家畜どもの手前示しがつかんからな。大丈夫だ、傷は舐めて癒してやる。とにかく今は囚人狩りに全力投球して私を楽しませてくれ。くれぐれも私の威厳と威信を損ねるような軽率な行動はとらないでくれ。ハルよ、お前の使命は囚人狩りだ。群れを腐らす元凶たる無能な家畜を狩り出すのがお前の使命だ。さあ、ショウを続けろ。私の前で囚人を犯して殺して食い荒らして楽しませてくれ。役立たずの家畜を何匹殺したところで罪にはならいからな」
続けざまに鞭が振り下ろされ、犬が鳴く。地面すれすれに頭を垂れた絶対服従の姿勢。但馬はギャラリーの存在を意識しつつ狂ったように鞭を振るった。
冷淡な無表情のままに眼光だけを爛々と輝かせ、降参の姿勢をとったドーベルマンに容赦なく鞭打つ所長の姿に、看守も囚人も戦慄する。現場に居合せた誰もが弟をも上回る但馬の狂気に圧倒されていた。
僕は我知らずロンを抱く手に力を込めた。一度去った危機が再び訪れる予感。僕の腕の中でロンが愕然と目を見開く。
犬が、ゆらりと立ちあがる。
さんざん鞭打たれ傷付いた悲惨な姿で脚を踏ん張り、喉の奥で威嚇の唸り声を泡立てている。漸く溜飲をさげて鞭を下げた但馬が、促すようにハルの頭に手を置く。
「お前が仕留めるべき獲物は、あそこだ」
但馬の片腕がゆるやかに弧を描き、鞭の切っ先が僕とロンをさす。口腔に生唾が湧く。ロンに肩を貸して立ち上がろうとしたが、砂に足を取られて動けない。仮に自由に動けたとしても僕らが逃走を図った瞬間にハルが襲いかかるだろうと理解した。
「仕切り直しだ。今度は上手くやれ。お前なら必ずや愚鈍な家畜を仕留めることができる。私が見込んだ優秀なお前なら必ずや交尾を成功させ後世に子孫を残すことができる。血統書付きの子を孕めるんだ、彼らも光栄だろう」
「獣姦で孕むわけがない以前に僕らは男だ!」
冗談じゃない。ロンの腰に手を回し、立ちあがりしなに但馬が合図をだす。刹那、周囲の看守が一斉にとびかかり僕とロンを引き離す。
「はなせっ、さわんじゃねえ、鍵屋崎!」
「所長やめてください、こんなバカなこと……これは躾ではなく虐待だ、これ以上は放置できない!」
「可愛い囚人が犯されるところを地に這いつくばって見ていたまえ副所長」
ロン、安田、但馬、三人の声が上空で交錯する。看守に腕を掴まれたロンが僕へと手を伸ばし何かを叫び、地に這わされた安田が普段の冷静さをかなぐり捨て僕を呼ぶ。僕はその場にへたりこみ、こちらに寄ってくる。ドーベルマンが加速、黒い残影と化して急接近。凶暴な咆哮が耳に―
「!?っ、」
逃げようとした。踵を返し足を縺れさせ、すぐまたバランスを持ち直し走りだそうとして、背中に衝撃。遅かった。何とか身を捩り仰向けになれば、上にドーベルマンが乗っていた。
裂けた口腔から滝のように涎を垂れ流した犬が、僕の首筋に顔を埋める。
「イヌ科のくせに下克上とは生意気だ、イヌ科はイヌ科らしく鎖に繋がれていろ!」
何とか犬を押しのけようと奮闘するも、発情した犬相手ではむずかしい。びりびりと布の裂ける音が響き、引き裂かれたシャツの下から素肌が覗く。
犬が僕のシャツに噛み付いたのだ。鋭く尖った犬歯が肉に埋まる光景を想像し、ぞっと鳥肌が立つ。犬の頭を押さえるのに必死でシャツの裂け目から露出した肌を隠す余裕もない。かぶりを振って暴れるたびに残りの布が裂けて貧弱で肉の薄い肢体があらわになる。
犬にのしかかられ、半裸同然で暴れる僕を囲んで囚人が口笛を吹く。
「おもしれえ見世物だ。ヤッちまえ犬っころ、生意気な親殺しにケダモノの精を注いでやれ!」
「犬のモンはでけえってゆーから売春班上がりでも満足できるだろうさ」
「獣姦なんて新鮮だねえ」
「俺もガキの頃ニワトリとヤッてたぜ。卵がぽろぽろでてくる穴に入れられねえ道理はねえだろ」
「羽がむしれて後片付け大変そうだな」
「ヤッたあとは絞め殺して食うんだよ」
「リサイクルだな」
かまびすしい野次が乱れ飛ぶ中、僕は必死の抵抗を続けていた。犬に犯されるなど冗談じゃない。僕はもうこれ以上汚れてサムライに嫌われたくない、彼の誤解をとくためにも何としても無事に生き延びねばならないんだ!
「ひっあ……」
喉が仰け反る。熱い涎が首筋をしたたり、胸板に筋をひく。獣臭い息から顔を背ければ、破けたシャツを羽織った薄い体と、僕に跨って腰を振る犬の姿がとびこんでくる。犬は勃起していた。挿入の準備は万端だ。あんな、あんな醜悪な性器を中に入れられるのか?どんな病気をもってるかも知れないのに。
「せめて狂犬予防の注射をうってこい、ジステンパーやパルボウイルス感染症や犬パラインフルエンザにかかっているかもしれないじゃないか!犬に病気を伝染されるのはお断りだ、そんな死に方はっ……ふ、あ」
腕の力が徐々に弱まってくる。上にのしかかる犬の重みが増す。だめだ、限界だ。腕が次第にさがってくる。異様に長い舌が僕の体をしつこく舐め回す。涎を塗られた肌が透明に濡れ光る。熱い吐息がかかるたびに腰が疼いて理性が蒸発していく。大勢が見てる前で犬に犯されるなど冗談じゃないと頭は拒んでいるが、抵抗に疲れた体は屈辱を受け入れようとしている。
ここまでか。
腕が、砂の上に落ちた。
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