少年プリズン

まさみ

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パピーミルク

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ペア戦終了から一週間が経った。
東と西の世紀の対決は東の王の敗北で幕を閉じた。東棟の王……嘗てその名で呼ばれた男は性奴隷に身を落とし、彼の房で飼われている。

「はあっ、はあっ、たまんねえ」
「超エロいな、声だけでおっ勃っちまうよ」
「まったく陛下が羨ましいぜ、極上のサバーカを飼い殺しにできて」
殺風景な北棟の廊下、劣情に息を荒げた囚人たちが列をなす。
競うようにして分厚い鉄扉に群がり、上部の四角い窓に嵌められた鉄格子に顔をねじ込み、一点に血走った凝視を注ぐ。

「んッァ」

全裸に剥かれた青年が房の床で悶え狂うたび、鉄扉に殺到する集団が短く呻き、はだけた股間から白濁を撒く。
房の中の倒錯した痴態をネタに、自慰をしているのだった。
美しい褐色の肌を枝分かれして汗が伝い、床で弾ける。
たまりかねた一人がしごく手は止めぬまま、もう片方の手で鉄格子を揺すり立て、背筋を仰け反らせて喘ぐ青年をひやかす。
「こっち向けよ王様」
「アヘ顔ダブルピースしてくれ」
「ちげーだろ、元王様だ。今じゃ陛下の性奴隷、極太ディルドに跨ってアナル拡張工事中だ」
「るせ……おこぼれ待ちの外野は、ッは、お漏らし始末して引っ込んでな」
アヘ顔ダブルピースの代わりに首をねじり、勢いよく中指を立てる。
「性奴隷が出し惜しみか?」
「飼われてる立場がわかんねーのかね」
「王様気取りもいい加減にしろよケツ振りサバーカ、食いしんぼのアナルおっぴろげて皺見せな」
罵倒を浴びた青年が不敵にあざ笑い中指を下ろす。
「リクエストにおこたえしてやる」
気分を出してストリップをはじめる。
「はァ……んっ、は、ぁあ」
生まれたままの姿に纏うのはロザリオとピアスのみ。
褐色肌の青年がじれったげに腰を回し、次いで尻を突き上げ挑発的なポーズをとり、片手をそろそろと後ろに添えてアナルを押し開く。
ぬちゃ、いやらしい音とともに禁断の門が暴かれる。
「おお……マジだぜ」
「処女のヴァギナみてーに赤くてキレイなアナルがよっく見えらァ!」
「さんざん咥え込んでるって噂だが、それにしちゃ上品な色してんじゃねえか」
「はは……出血大サービスだ、破瓜的な意味じゃねーけど」
憎まれ口にも覇気がない。伏せた目に憔悴の色が濃く澱む。
押し合いへし合い鉄格子に群がる囚人が生唾を呑み、あるいは口笛を吹き、あるいは魂を抜かれた様子でストリップショーに見とれる。
色っぽい流し目に被弾した一人が「うっ」と呻いて射精に至り、仲間たちがドッと笑いだす。
鉄扉一枚隔てて群がるギャラリーの前で緩慢にストリップを演じる王様。
容赦なく尊厳を剥ぎ取られ堕ちた姿に、嘗ての威光は微塵もない。心なしか十字架の輝きもくすんでいる。
何かに跨り前後上下に体を揺するたび、官能の吐息に絡んで切ない呻きが漏れる。

一体何分何時間そうしているのか、あられもなく股を開き、疲れて沈んだ途端に目を見開いてまた上擦るくり返し。
猫科の肉食獣に似てしなやかな四肢が突っ張り、鎖骨の窪みでロザリオの鎖がうねくる。
青年が跨っているのは真っ黒い巨大なディルドだ。亀頭が固く太く誇張されたグロテスクな形状がおぞましい。
青年……レイジは床に置かれたディルドを跨いで、そこへ腰を沈めようとしていた。傍目にはお座りの特訓に見えなくもない。
「ぁッぐ、キツ」
咄嗟に噛み締めた奥歯が軋る。ディルドはまだ先端しか埋まっていない。大きすぎて根元まで入らないのだ。
無機物にアナルを貫かれる激痛にいやでも顔が歪み、圧迫感で眉間に皺が寄る。
「は……」
脂汗と生理的な涙で視界がぼやける。
レイジは既に汗みずくだ。喉の渇きは激しさを増す一方で、何度唾を送り込んでも満たされない。
少し気を抜けば体位が下がりディルドがめりこむ為、失神することすら許されない生き地獄。
快感と苦痛がめまぐるしく錯綜する拷問の時間。
干し藁色の髪は濃く湿って、引き締まった首筋にしどけなく纏わり付く。口に入った髪の毛を吐きだす気力もない。
ベッドに腰かけたサーシャは退屈そうに王を眺めていた。
調教がはじまり一週間、レイジは毎日のように辱めを受けている。
ディルドに跨らされるのは序の口で、もっと酷い事は他にいくらでもされた。
「ふぁあっ、ぁンっく!」
また一段腰が沈んで切ない声が弾む。ディルドが三分の一ほどアナルに潜り、膨らんだ亀頭が粘膜を刺激する。
「~~~~~~~~~~~~~~ッあぁあっ!?」
小刻みに絶頂するが射精は伴わず、ビクビクと不規則な痙攣だけが襲い、飲み干しきれない唾液が口の端を伝って滴りゆく。
レイジのペニスは黒いハーネスで戒められていた。赤黒く充血したペニスはしとどにカウパーにまみれ、鼓動に合わせて脈打っている。
ギチギチにハーネスが食い込むせいで勃起も許されず、射精の快感を取り上げられた若い肉体は代わりを求めて疼き、底なしの沼のような肛虐の快楽にどっぷり溺れていく。
無慈悲な拘束具で射精を禁じられた東の王は、ディルドに深く抉られるたび膝裏をひく付かせてドライオーガズムの波をやりすごす。
「はっ…………あふ、ぁあ」
「どうしたレイジ、腰が止まっているぞ」
「るせ……ッぐ、ぁあッんは」
「もっと深く穿たねば物足らんだろうお前の貪欲な孔は」
「前ッ……せめて前はずしやがれサド皇帝」
「我が高貴なる足裏が接吻する床で粗相は許さん。お前が舐めて浄めるなら別だが」
「クソ野郎」
優雅に長い脚を組み、サーシャが口の端を歪める。
「舌打ちする気力が残っていたとはな。さすがだぞ東の王よ」
「そりゃどうも」
「領土が恋しいか」
「さてね」
「東棟の囚人を連れてきて今のお前を見せたらなんと言うか。幻滅か嘲笑か、それとも」
「唾でも吐きかけんじゃねーの。知んねーけど」
「かけられるのは別の体液かもしれんぞ」

胸糞悪ィ。

心の中で舌打ちするやいなや、サーシャが足を下ろして急接近。
干し藁の髪を力ずくで掴んで起こし、至近距離から舐め上げるように視姦する。
「物欲しげな顔だな。うまそうにディルドを食い締めているではないか」
「はッ……偉大な皇帝サマの短小チンポよか味わい深ェからな」
恐れ知らずの発言に囚人がどよめき、サーシャの眉間がごくかすかに不快を示す。
後孔に極太ディルドを咥え込み、大勢の前で自慰を強制されながらなお、王の目はけっして死んでいない。眼光は炯炯として、反撃の機会をうかがっている。
気に入らない。
「―ッあぁあァッ!?」

サーシャはレイジの心を折りに行く。
その不屈の魂を、プライドをへし折りに行く。

「頭をたれてひれふせ」
「ンぁっ、あッが、やっ、ッあ待」
レイジの両肩にそっと手を添え、圧をかけて押していく。ディルドがずぶずぶとめりこみ、窮屈な窄まりを押し広げていく。
「ふあッ、サッ、しゃ、ちょい待ち」
「何だ?不満か?お前が愚鈍だから手を貸してやっているのではないか、ディルドに奥まで貫かれて感に堪えないといった表情だな」
串刺しの衝撃に極限まで目を剥き仰け反るレイジ、ディルドに穿たれる快感も前には伝わらずもどかしさが募り行く。
「あァっ、前っ、悪趣味なの外せよいい加減ッ」
わけもわからず喚いてよがり狂い、尻を振りたくるレイジ。ハーネスに締め付けられたペニスは痛そうに腫れ上がり、毛細血管を浮き立たせている。
「はあァんっ、ぁっふぁっ止ッ、奥すげっ、固ェのゴリゴリくるッ!」
ディルドに前立腺を殴り付けられ連続で中イキ、踏ん張って腰を振る姿は淫奔の一言に尽きる。
汗とカウパーが溶け混ざる水たまりを靴裏で踏みにじり、どこまで演技で本心か、熟れた肢体をわななかせてイったそばからまた絶頂、イき急ぐ奴隷を見下ろす。
漸く手に入れた。私の物だ。二度と逃がさん。
「もっと高く激しく腰を振れ、お前の痴態を北の全囚人が見ているぞ」
「はあっ、あッあ、ンあっは」
白く骨ばった手が胸板を這いずり、見事に実った乳首を摘まむ。
「いずれピアスを開けて棒を通してやる。上下に弾むごと棒が揺れ、乳首をいじめぬく仕組みだ」
「皇帝サマのSM趣味にゃ付き合いきれねーな」
サーシャの手がレイジの突起を捏ね回す。
根元から搾り立て、先端をひっかき、ともすれば強く抓って刺激を与え続ければひと回り膨らんでいく。
「ぁっあ……」
「良い声で啼け」
乳首とアナルを同時に苛まれ、尖った喉仏が震える。
「よく聞けレイジ、貴様は惨めな敗残者だ。あれだけ大言壮語した分際でペア戦に負け醜態をさらした今、東棟の誰もお前の帰還を喜ばんとわかっているな?貴様は全てを失ったのだ、地位も名誉も権勢も」
根元までぐぷりとディルドを咥えこみ、レイジが低く低く笑いだす。
一種開き直りに似た、それでいて勝ち誇る響きさえ帯びた哄笑が広がりゆくのに囚人が困惑しサーシャが疑念を呈す。
「何がおかしい?」
「その程度で全部奪った気かよ、だとしたら皇帝サマの底も知れてるね」
サーシャの顔が強張る。
「アイツが死なねーかぎり、俺はまだなんも失っちゃねェよ」
薄茶の瞳が一際強く輝き、ただの虚勢で片付けるには大胆すぎる笑みを刻む。

この男は。
この期に及んでまだそんな世迷言を。

長時間にわたり自慰を見世物にされ、言葉と暴力で執拗に辱められ、それでもなおレイジの目は死なず絶望に濁りもしない。
私とは違うのか。
馬鹿な。そんなはずがない。コイツは汚らしいサバーカ、黄色と白が雑ざった劣等種だ。
「……ならば確かめに行くか」
「は?」
レイジがぽかんとする。いい顔だ。嗜虐の疼きを感じたサーシャは残忍にほくそ笑み、レイジの肩を掴んで引き立てる。
「!んぅっ、ぁあ」
「抜けたはずみにまたイッたか、淫乱め」
パイプベッドにかかっていた黒革のベルトをとり、それでレイジの両手を手早く縛る。
輪にした腕に自分の首をくぐらせ対峙、双丘に手を食いこませて一気に―

「~~~~~~~~~~~~~ッ!?」

ディルドでほぐされたアナルに、猛りたったペニスがずるりとすべりこむ。
対面で向かい合いレイジに挿入するサーシャ、その姿勢で彼を抱き上げ歩み出す。
「どこ、へ」
「決まっている。お前の領土だ」
レイジの顔が絶望に染まるのを初めて見た。
「ッ、ふざけ、あァッが!?」
「しゃべると舌を噛むぞ」
褐色の尻を両手で支え持ち、房を突っ切ってドアへ近付く。歩みに合わせた振動が伝い、レイジが「ンあっ、ぁあっ、はあっ」と切なく」喘ぐ。
「ま、やめ、おろせ」
「素直に喜べ、あんなに凱旋したがっていたではないか」
サーシャがドアを開けるや詰めかけていた囚人が一斉に退き、モーゼの十戒さながら道が開く。
「嫌なら自力で逃れてみせたらどうだ、王よ」
足腰が立たないのを承知で揶揄すれば、サーシャの首の後ろに手を回したまま、離れたくても離れられないレイジが憎悪に滾った本性を見せる。
「~~~~っそたれ……」
負け惜しみを鼻で一蹴、レイジと繋がった状態で悠然と歩みだす。
「いざ征かん、蛮族の地へ」
「ツァー・ウーラ!」
「ツァー・ウーラ!」
「ツァー・ウーラ!」
皇帝の一声を皮切りに北の囚人が地鳴りに似た歓呼を上げ、狂った行進が始まる。サーシャが大股に脚を繰りだすたび、レイジは手荒く突き上げられる。
「ふあっ、ぁっンあっ、はァっや、本気、かよっ、看守にバレたらどうす、あァっあ」
「忘れてるみたいだから教えてやるが私はペア戦の勝者にして覇者だぞ、今となっては看守も逆らえん。目障りな東の王を廃し、遂にこのサーシャが真の皇帝となったのだ」
サーシャの野望は叶った。
彼こそが東京プリズンの頂点に君臨する至高の皇帝、絶対的権力者。
「あァンっ、ぁあっ、すげ揺、やっァあっ、サーシャァあっ」
硬質な靴音を響かせて廊下を突き進み角を曲がる、時折乱暴に突き上げればレイジが仰け反ってまた絶頂。これぞサーシャが夢に描いた世界。
サーシャは一路極東の地をめざす、彼の上で可愛いサバーカが踊る、すれ違い際に誰もが平伏し額ずく、ペニスがさらに固く太く大きくなりレイジの奥の奥まで抉りぬく。
「見られて興奮しているのか」
「露出、っあンっ、シュミは、ふぁっあ、ねえんだよっ!とっとと房もどれマジにしゃれになんね、ぁあっ」
恥辱に火照る肌と中、抜き差し耕された媚肉がペニスを食い縛り心地いい。
「痴れた王が寵愛する子猫はどの房だ?」
「言わッ、ねェよんあっ」
「図書室には親殺しがいるか。運がよければ不快な道化にも会えるかもな」
「やめっ、や」
嫌がり暴れるレイジに勝ち誇り、そばの囚人に顎をしゃくる。
「アレを」
「はっ」
心得たとばかり首肯し、彼が献上したのは黒い布。体力を消耗しきった状態でサーシャに串刺しにされ、もはや喘ぎ疲れてぐったりしたレイジに目隠しが施される。
「着いたら外してやる。楽しみに待て」
「サーシャ頼む房でヤろうぜあっちのが気分出るんだ、しゃぶってやるからさ、なっ?」
泣き笑い歪んだ顔で必死に媚びるレイジ、嘗て好敵手と見なした男の醜態にサーシャは嘲笑をくれますますもって歩みを速める。
「ああッ、ンあっあふぁ、サーシャまっ、ンあァっ、ンな強くしたらイくっ、もィっちま、ンあぁっあ」
ゴツゴツと突き上げて引き落とす、ペニスが奥を抉るたび中が痙攣し引き締まる。
「東棟っ、なんて、帰りたくねッ、ァあっ」
「なぜだ、あんなに会いたがっていたではないか」
「なあ引き返せよ頼む蛮族の地なんて興味ねーだろ、穴って穴に突っこんでぐちゃぐちゃにしていいから、お前がやれっていうなら大勢の前でクソもションベンもしてやる、ぶっといディルドでオナニー狂ってイきまくったって別にどうでもいいんだ!!」
「大股開きでいい格好だったな」
サーシャが薄く笑って足を止め、レイジの耳元でねっとり囁く。
「ああ……感動の再会だな」
王の心をへし折るにはこれしかない。
「サーシャお前……」
北棟に監禁されてからというものろくに寝る間も与えられずセックス浸けの毎日、ドラッグで前後不覚に陥る事も多々あった。
いくらレイジが過酷な訓練を受けた暗殺者とはいえ、心身ともに憔悴しきった状態でサーシャの嘘を見抜けるものか。
「友が見ているぞ。食い入るように」
「やめろ」
「私に貫かれてよがる姿を、赤く色付く乳首を勃たせた痴態を、ハーネスに拘束されたペニスを、下品に大股開いてねだる王を」
サーシャは狂ったように腰を打ち付ける「あァんっあっあ」体の上でレイジが跳ねて落ち跳ねて落ち喘ぐ。
「お前の猫が。お前の友が。東棟の有象無象が」
「サーシャっ、あァっくっィきすぎて頭おかしっ、ぁああっふあ」
「劣等の王が!偉大なるロシア皇帝に犯され!穢され、堕とされ、性奴となり!尻穴にたらふく子種を注がれる一部始終を見ているぞレイジよはははははっ、愉快だなァお前が体を張って守り抜いた友の軽蔑の目はどうだ本当は共に売春班に落とされるはずがお前だけで慈悲で拾い上げてやったのだ悦べよ、連中にとってお前は裏切り者だ東棟のどこを探してももはや居場所などないぞ!!」
褐色の尻をめちゃくちゃに揺さぶり勝鬨を上げるサーシャ、一番奥を突いて子種を注いでもまだ足らずドラッグの作用で犯しまくる、目隠しの布が湿るのはレイジが流した涙のせい、ハーネスで押さえ付けられイきたくてもイけず意識は混濁、サーシャの言葉を嘘か真か見抜く直感力すら失われていく。
「惨めだな、哀れだな」
「はァあっあ、サーシャもっと、奥くれ、とばしてくれ」
「絶頂するのか?嘗ての友の前で?これ以上幻滅させるのか?」
「おれっ、はァ、淫乱だからッ、はァっあ、グチャグチャでッ、も、無理、お前のいいっすげェいい、腹ん中グチャグチャで」
小一時間前に打ったドラッグがきいてきたのだろうか、布がずれて覗いたざんばら髪の隙間の目は虚ろで焦点が合わない。
「汚らしいサバーカの分際で皇帝の子種を恵んでほしいというのか」
「お前のッ、欲しいっ、俺ん中ぶちこんで穴の奥めちゃくちゃにして」
「尻で孕むか淫乱め」
「サバーカっ、だから、んァあっあっ」
「子犬を産むか?」
「産むっ、尻で産むっ、育てるっ!」
「出産で感じるのか、度し難いな」
レイジの顔から理性が蒸発、ふやけきった笑みがチラ付く。
サーシャの言葉をオウム返しに叫び、涎をたらして弾みまくり、自ら口吸いを求めてくる。
「お前の子犬ッ、産ませてくれッ、ふぁっあ、可愛いのっ、雑種!」
東棟になど一歩も足を踏み入れてない。一周して戻ってきただけだ。
万全なレイジなら視覚を奪われていても残りの感覚で気付いたはず、だがドラッグとセックスで洗脳された今となっては無理な相談だ。
「子種が欲しいか。子犬を産むか」
その言葉が聞きたかった。
甘美なる勝利の愉悦に酔いしれ、レイジの腕を抜いたのち縄をほどき、改めて洗面台に手を付かせる。
「ならば存分に種付けしてやる」
「ぁああっ早く、ガマンできねぇ」
後ろ向きに尻を突き出しレイジが急かす、快楽に濁りきった目はもはやどこも見ていない、ペニスはもとよりアナルも乳首も穴という穴が突起という突起がすべて性感帯に造り替えられてしまった。
「啼くがいい」
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ァああっあっあ!!!!」
サーシャが前を解き放った瞬間、レイジは放尿した。
大量の黄色い液体が洪水さながら床を叩き、アンモニアの刺激臭が充満する。
洗面台を掴んだまま、膀胱がすっかり空っぽになるまで出しきってもまだ足らず、突き上げられるごと頭をもたげた前がピュッピュッと白濁をしぶく。
「サーシャあっ、ンな強くしたらッ、ぁっ子犬ッ、できちまうっ、お前と俺の子ッ」
「貴様譲りの淫乱だと困るな。ともに躾けるか」
サーシャが腰を叩き付けるたび尿だまりに足を突っ込み、洗面台に縋ったレイジがいきむ。その顎を掴んで正面に固定、鏡を見せて犯す。
虚言の行進で心が壊れきったか、鏡が克明に暴きだす痴態にさらに高ぶり、はしたなく勃たせたペニスを自らしごいて精を搾る。
「サーシャあっイくッ、孕んじゃうよお前の子っ、すっげぇのくる、ィとこ見てっ、これ産むッ、ケツんなかっ、もいっぱい、ぁっあっふあっ、ああっ、あァっあ―――――――――――――ッ!!」
「許すぞ、産め!さっきまでディルドを食い締めていた尻から子犬をひりだすがいい、私に似るならさぞかし強く賢く美しいはずだ、お前に似るならそれもよい孔を並べて調教してやる!!」
亀裂の走る鏡面にぱたぱたと白濁が降り注ぐ、身も心もサバーカに成り下がったレイジが崩れ落ちていく。
「子犬のために乳を搾るとは愛い奴め」

調教は完了した。
いずれレイジが子犬を産んだら認知してやってもいいと、サーシャは思った。
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