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サバーカよ永遠なれ
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北棟の奥、異様な気配に包まれた房から打擲音が響く。
「喘げサバーカ!」
手首を撓らせ腕振り抜くたび玉の汗が飛び散る。
肩でまっすぐ切り揃えたきらめく銀髪、切れ長の薄氷の瞳。憑かれたように鞭を振り抜き、虜に罵声を浴びせるのは病的で狂的な容貌の男だ。
元の目鼻立ちは端麗に整っているが、十度の薬物依存のせいで肌は荒れ、骸骨に皮膚を貼り付けたが如く不健康に落ち窪んだ眼窩がおぞましい。唇は乾いてひび割れ、永久凍土の眸は欲情と狂気にぎらぎら光る。
「あッあぁっ、あがっンあァあっ!!」
天井に取り付けられた滑車から鎖が伸び、それが虜の両腕を締め上げている。今しも折檻を受けているのはなめらかな褐色肌の青年、サーシャに背中といわず臀といわず鞭打たれ苦痛の悲鳴を上げる。
「はあっ……はあっ……はあっ」
「痛いかレイジ」
俯いたレイジの前髪を掴み、力ずくで顔を上げさせる。
前髪がばらけ、痛みと渇きで衰弱しきった顔が暴かれる。髪の先端と顎先からは大粒の汗が滴り、瞳は焦点が合わず朦朧としているが、その姿態こそが嗜虐の色気を垂れ流す。
「サーシャ……お前の責め激しすぎだよ、ィっちまいそうだハハ」
「まだ憎まれ口を叩く余力があるとは、下賤な雑種の分際で見上げた根性だな」
レイジの髪を突き放すや足元においたバケツを持ち、虜囚の顔面に浴びせかける。
「げほっがほごほっげ」
「失神は許さん」
「かける前に一言いえよ、気管に入っちまった」
「前戯にすぎんのに『飛ぶ』とは、主人に粗相をしでかす駄犬も同じだ」
「粗相なんてしたくってもできねーっての」
濡れそぼったレイジが口端をねじり、覇気は翳れど失われない不敵な笑みを刻む。
憎らしげな視線を自らの股間へ落とし、皮肉る。
「貞操帯のおかげでな」
レイジのペニスはハーネスで戒められていた。革ベルトの拘束具が勃起を阻むせいで射精に至れず、生殺しの苦しみが延々持続する。
既にペニスは赤黒く変色し今にも弾けそうに脈打っているが、サーシャは的確に局部を避けて鞭打ち、周囲から熱を波及させて執拗に苛む。
「所かまわず粗相するサバーカには似付かわしい」
「お前の顔に小便ぶっかけてえ」
「口だけは達者だな。だがこれはお前が望んだことだ。忘れるなよレイジ、お前自ら北の皇帝に身体を開き、頭をたれた事実を。本来は刑に処すべきだが、祖国ロシアの大地の如く寛大な私は、その従順さに免じて不敬の罪を許し、慈悲を施してやっているのだ」
鞭の先端でレイジの顎を持ち上げ、睫毛が絡む至近距離でのぞきこむ。
「東棟が恋しいか」
「さあね」
「恋しいのは雑種の飼い猫か」
口元に笑みを刻んだまま、眇めた目にほんの僅か不快感が浮かぶ。それを見逃す北の皇帝ではない。荒廃した容貌に残虐な笑みを広げ、びしょ濡れのレイジを粘着質にいたぶる。
「お前の飼い猫をここに連れて来て、一部始終を見せてやってもよいのだぞ。私の嗜好にはかからんが、北の囚人に輪姦させ、その様を見せ付けるのも余興として」
サーシャの顔面に唾が付着する。
「猿轡噛ましとかなかったのは手落ちだな」
目と目の間に狙い定めレイジが唾を吐いたのだ。重厚な鎖で両腕を縛り上げられ、抵抗を封じられた状態にありながら、レイジの目には笑みを偽装した怒りが燃え盛っている。
「ロンに手ェ出すな」
「これはこれは。東の王は愛玩動物に執心か」
「アイツとはもう関係ねえ、ツラ見んのウンザリだって言ってんの。おわかり?」
切らした息の狭間から言葉を返し、ふてぶてしく開き直る。
「じらすばっかで一向にヤらしてくれねー、あんなガキどうでもいいね、構い倒すの飽きちまった。今はアンタに夢中だよサーシャ、もっともっと遊んでくれ、わけもわからずぶっとんじまうようなハードなのくれよ」
レイジが媚びてサーシャの手をなめまくる。自ら舌をだし、口元に翳された手の甲を、指一本一本をしゃぶりだす。強制にあらず、自発的な指フェラ。レイジは快楽を求めている。
「地べたを這いずる雌犬の舌遣いだな、汚らわしい」
「はむ……お前の指、もっとくれよ……」
嫌悪と劣情が相半ばして顔を顰めるサーシャを、巧みな指フェラと上目遣いで淫らに挑発するレイジ。勃起を塞き止められた股間は痛いほどに疼き、血流が滞ってどす黒く染まる。
ぬちゃぬちゃと唾液を捏ね、丁寧にまぶしていくレイジに対し、紛れもない昂りを禁じ得ず皇帝が宣言する。
「今日は特別な趣向を用意している」
サーシャがコンクリ床を鞭打って声を張れば、ドアの外に待機していたとおぼしき北の囚人たちが、恭しく鉄扉を開ける。
「拝謁を許す。いざ参れ」
「ッ……?」
鉄扉にできた細い隙間から一条さした光が目を射り、レイジが顔を顰める。逆光に黒々と塗り潰された不吉な影が4体、サーシャを中心に描く。
「ギャラリー呼んだのか……スキモノじゃん?」
「拝謁を賜り光栄です陛下」
「これが陛下の寵を受ける雌犬ですか。なるほど、見事な肢体です。股間のブツもなかなか……」
「苦しそうに張り詰めて、先端からぽたぽた涙を流していますね」
「随分とお楽しみだったご様子、廊下にまではしたない声が聞こえて参りました。東の雌犬は育ちが悪い、折檻されてもさかるのですね」
サーシャ曰く純血のロシア人のみで構成された臣下らは、北のトップに調子を合わせ、レイジの痴態を品評する。
レイジにはこれから何が起きるのかわかっていた。いかにもゲスが考えそうなことだ。そしてレイジが知る限りにおいて、サーシャは東京プリズンでも五指に入る高貴なゲスだ。
「日頃の献身への褒美だ。コイツに精を注ぐのを許す」
「は……」
やっぱりか。意外性も驚きも何もない。
「お前……俺のこと独り占めしたいんじゃねーの?せっかく手ェ入ったのに仲間と分けっこなんてもったいねー。まぁ案外公平を重んじるだなって感心したけど」
左右非対称の歪な表情で揶揄すれば、背筋も凍る禍々しい笑みでサーシャが滔々と述べる。
「私は偉大なるロマノフの末、由緒正しいロシア皇帝の血筋。されど我が祖国は共産主義をかかげている、卑しく惨めな民草に等しく施すのは高貴なる末の義務だ」
「都合よく誇大妄想ねじまげてんじゃねーよ」
「さあ、そこへ整列しろ。1人1人順番に精を注ぐのだ」
サーシャが床を鞭打って命令し、既にして股間の猛りをおさえきれない北の囚人が一列に並ぶ。
中には待ちきれずズボンをずらしてしごきだすものもいる。
そして余興としての輪姦がはじまった。サーシャの号令一下、列を作った囚人の先頭が歩み出す。
「ははっ王様を犯れるなんて夢みてェだ……恐れ多くて手が震えちまうぜ」
「そりゃドーモ」
レイジは鼻で笑い飛ばす。
サーシャは直属の臣下を有能さと顔で選んでいる為、そこそこ顔は整っているが、下心を滾らせた表情は卑猥の一言に尽きる。
囚人の手が腰を掴み、レイジのズボンを手荒く脱がして尻を剥く。
「ンァっあ、がっ!!」
ろくに慣らしもせず突っ込まれ、衝撃に背中が仰け反る。両腕に鎖が食い込み、抽送のリズムに合わせて耳障りに軋る。
「あっあああすっげェイイ、締め付けくる……ツァーウーラ、ツァーウーラ!卑しき俺ごときに褒美を下賜くださった偉大なる陛下、万歳!ロシアの繁栄よ永遠なれ!」
万歳、万歳と周囲の囚人が唱和する。陛下万歳と一糸乱れず唱和しながら、仲間に後ろから犯されるレイジの痴態に欲情し、鼻息荒く股間をしごきたてる。レイジを両側から挟んだ囚人が、口々に哀れっぽく訴える。
「陛下、我慢できません。なにとぞお慈悲を」
「サバーカのドブ色の肌で慰めるのをお許しあれ」
「かまわぬ。許す。存分にやれ」
サーシャが腕を組み視姦する中、許しを得た囚人が快哉を上げ、暴れるレイジの太ももやへそを使ってしごきだす。
「あっンっぐ、くそったれ!」
窪みにあてがわれたペニスの先端が痙攣し、濃厚な白濁が飛び出す。太腿に擦り付けられたペニスが生き物のように跳ね、ドロリとした残滓を纏わす。その間も挿入は止まず、前立腺を叩かれ続ける。
「はあっあァっ陛下万歳、陛下万歳!」
「王の尻穴は陛下が慈悲を注いで中から浄めるにふさわしい場所です、ギュウギュウうねって締め付けてきます!」
「ンあっ、んっぐァあっ、ああっあぁっ」
主と同じく薬物を服用してるのだろうか、囚人たちは饒舌にサーシャを褒めそやし、堕ちていくレイジの痴態に狂喜する。股間の拘束は解かれず、ハーネスに塞き止められたペニスが鬱血で黒ずむ。
「サーシャっ、前、とれ、くれ」
「とってほしいのか?とってほしくないのか?どちらだ」
「あッ痛がっ、もっ限界……ラクにしてくれ……」
「啼け!喘げ!跪け!まだまだ後が閊えている、全員終わるまで貞操帯は外さんぞ、いいかレイジよこれは発情を禁じる躾なのだ下のユルいお前を調教するためのな!」
気を失いかけるたびバケツに汲んだ水をかけられ目を覚まされるくり返しで、レイジは切なく喘ぐ。
「陛下ィくっィきます、どうか中で達するお許しを!」
「ならぬ」
「は?」
サーシャの形相が豹変、優越感に溺れた喜悦が侮蔑に取って代わる。
「調子にのるなよイヴァ―ヌシカ、この私に貴様の後始末をせよと?貴様が粗相した汚い穴を使えと?」
「めっ、滅相もございません……身の程知らずな発言陳謝します、度がすぎました何卒お許しを!」
「外に出すなら許そうではないか」
皇帝の許しを得た囚人の顔が安堵に溶け崩れ、次の瞬間レイジから引き抜いて、太腿へと精を注ぐ。
「!んッぐ、あァ」
「どけっ、次は俺だ!」
褐色の肌を白濁が汚す光景はたまらなく淫靡で、次の囚人が押しのけるように前に出る。
サーシャ監視下の輪姦ははてしなく続き、その間ハーネスがもたらす激痛と圧迫感に悶え、前立腺を叩かれる都度よだれを垂れ流し、はしたない声で喘ぎまくる。
「あっ、あっ、サーシャっもっ、あァっあ」
「どうした王よ、随分と余裕がないではないか」
いかに東の王といえど、射精を禁じられた状態で輪姦されるのは拷問だ。レイジを後ろから犯す囚人は無視し、歩み寄ったサーシャが前髪を掴む。
「口寂しいならこちらも使うか」
「んっむ!?」
サーシャが囚人に指示を出して滑車を操作、軋り音と共に鎖が一気に下りてくる。
床に頽れかけたレイジだが、後ろに刺さったペニスと支える手がそれを許さず、みっともなく尻だけ突きあげて平伏す。
「--------------------------------んんああああああああああッ!?」
レイジがドライで絶頂する。
鎖が落ち身体ごと前傾したはずみに股間に圧がかかったのだ。
腹と床の狭間でペニスが押し潰され、脳天まで駆け抜ける痛みが被虐の快楽とすり替わる。
「はッあ、はァあぁっあ、ン―――――ッ」
全体重に拉がれたペニスが鼓動に合わせてズクズク疼く。限界に限界を重ねた前を持て余し、穴という穴から体液が滲みだす弛緩しきった顔で懇願。
「は…………、サーシャ、前くるし……もっィく、ィきて……」
「ならば奉仕をしろ。口だけで私をイかせれば考えてやる」
「……は、はは……ゲスの極みウーラだな……」
サーシャにとっては余興でしかない弱々しい虚勢。床に突っ伏したレイジを囚人が手荒く揺すり立てる。
「っ、でる!」
「有り難くくらえよ王様!」
勢いよく抜き差しされるペニス、レイジの髪や肩、全身へと待ちきれず注がれる大量の白濁。必死に尻を振りたくる傍ら、肘を使ってサーシャの足元ににじり寄り、器用に口だけ使ってズボンを脱がしていく。
「はあ……はあ……はあ」
「そうだ……その調子だ。やればできるではないか。亀頭を舌先でねぶり陰茎に唾を絡めるのだ」
ぺちゃぺちゃと音がする。レイジがフェラチオをはじめる。熱く潤んだ口腔に含まれ、歓喜に震えたサーシャがレイジの頭を片手でおさえこむ。
「鈴口に唇を付け、下のくびれに舌を巻け。喉元までずっぽり咥えこんで、下から上へ、上から下へ抜き差しするのだ」
細かい注文に従ってフェラチオを続ける。レイジの髪はぼさぼさに乱れ、顔は誰が出したかもわからない大量の白濁に塗れている。四人目の囚人がレイジの体外に放ち、別の囚人が膨れた会陰をまさぐり、別の囚人が痛々しく腫れた乳首を引っ張る。
「んっ、ぐ、やめ」
嬲りもの。慰みもの。囚人たちはレイジに群がり、思い思いに彼を凌辱する。サーシャはレイジの舌遣いに恍惚とし、髪の毛をかきまわして囁く。
「至福の口だ……この貪欲な粘膜でどれだけの男を咥えこんできたのだ」
薄氷の目に暗い嫉妬が燻り、次の瞬間レイジの顔をしっかり手挟んで正面に固定。
「!?ッ、ぐ」
「すべて飲み干せ」
レイジの顔を自らの股間に埋めて強制する。レイジはえずいたものの、サーシャが命じる通り一滴残らず嚥下する。こくん、こくんと引き締まった喉が蠢き、十字架の鎖が艶めかしくうねる。
「……は……ミッションコンプリートだな……約束、守れよ……」
レイジが腰を揺すってねだれどサーシャは無視、北を束ねるトップの尊大さを保ち、周囲に侍る囚人に顎をしゃくる。
「どうやら王はまだ物足りぬらしい。貴様らで慰めてやれ」
「待てよ話が違」
「雌犬の孔は1本では足りぬと見える、同時に2本挿してやれ」
サーシャが憎々しげに嗤ってレイジを足蹴にし、またしても突っ伏した彼を囚人が引き立てる。
「サーシャてめえ、ん――――――――――――――――――――!?」
抗議の声は途中で引き裂かれ、凄まじい激痛と腹が破裂するような圧迫感が襲い、レイジが床を掻き毟る。
「陛下のご命令だ、有り難く頂くぞ」
「ッ……すっげえキツい、中ギチギチだ。熱いの擦れてァっあっ、これすごっ、たまんね!」
「王様のケツマン最高、俺たちの根元まで食いしばってら!」
「陛下万歳、陛下万歳、サバーカのメス穴万歳!!」
二本挿しの責め苦に悶絶、息も据えない苦しさに生理的な涙が滲む。
前はハーネスで締め付けられ、射精できない代わりにドライで何度も絶頂する。
「あっ、あっ、動かすなっンあっ、ァがっあ、ァあああ―――――」
這い蹲って縋り付くレイジ、その股間を靴裏で押してサーシャが冷笑。
「キツいかレイジ」
裂けた尻穴にめりこむペニスが二本、直腸を目一杯限拡張し前立腺を叩く。サーシャの指名を受けた囚人2人は狂ったように腰を打ち付け、ドロドロに溶けた奥の奥まで抽送する。
今のレイジは立派な雌犬だ。イきたくてイきたくて、それ以外の事が考えられない。この苦しみから逃れるためならなんだってする、なんだって……
「楽にしてやる」
サーシャがレイジの耳元で呟く。
「お前は私の物だと言え」
「……な、こった……」
「言え」
サーシャが低く脅す。二本のペニスが直腸を押し広げ前立腺を突きまくる「あっふあ」レイジは喘ぐ「んっぐ、ァが、痛ッ」よがる「もっァっイく、イかせて」悶える、ぐちゃぐちゃと伸ばし広げかき混ぜられ尻がびくびく震える。
「おれ、は……っあ、おまえ、の、ものっ……」
腰をくねらせて叫べば、サーシャが勝ち誇ってレイジの股ぐらへ手をのばしハーネスを解除する。
腰が抜けるような衝撃。
あるいは、ペニスを裏側から殴り付けるような。
「----------------------------------ァあああああああっあああ!!」
ベルトを外された途端、濃縮された精を連続絶頂で吐き出す。
極限まで抑えられた射精欲は一度の放出でとどまらず、上と前に飛距離を稼ぎ、サーシャとレイジの顔面はおろか、今もって凌辱中の囚人の顔にまで白濁を飛ばす。
抑圧されていたぶん解き放たれた快感は凄まじく、レイジは無意識に自らのペニスを支え持ち、反対の手で狂ったようにしごきたてる。
「あっサーシャ、イくっイっちまうっすげえ気持ちイいっ、あはっ俺おかしくなっちまっ、ぁぁッァ、ふぁ」
浅ましく腰を揺すり、自らサーシャのペニスを咥えにいく。
口では赤ん坊さながらの白痴じみた無心さでペニスをちゅぱちゅぱ吸い立てて、両手を股ぐらに突っこんで自慰に狂い、尻は二本挿しで犯されて、ペニスの先端からは搾り尽くされ、もはや透明の底澄みでしかない残滓をピュッピュッと間欠的に吹き上げる。
「今のお前はなんだ」
「はっあ、おまえのサバーカっァっ、へーかの奴隷だよァっあっンあっ」
「良い心がけだ。褒美を仕わす」
悦に入ったサーシャがレイジの頭を優しくなで、愛用のナイフを抜く。蕩けきったレイジの顔を映す表面、そこへ口で噛みきった袋を逆さにし、白い粉末を降りかける。
サーシャが目を細めてナイフに舌を這わせ、唾液に溶けた粉末を、刃の先まで伸ばしていく。
「なめろ」
次はレイジの番だ。物欲しげに舌を出し、差し向けられたナイフを美味そうになめる。次はサーシャの番、二人で交互にナイフをなめる。
「ン、はァ」
ぺちゃぺちゃ。
「ふ……」
ぺちゃぺちゃ。
ナイフの表面で唾液が溶け混ざり、体内に取り入れた薬物が恍惚感を増幅する。
「サーシャ……お前のもっとくれ、もっと欲しい……固くて冷たくて美味い、んふァ」
「存分になめろ」
ナイフに塗された覚せい剤が脳髄を蕩かせ、レイジとサーシャは互いの舌がいやらしく絡まるのもおかまいなしに、競ってナイフをなめしゃぶる。
皇帝と王様の交歓ともとれる饗宴の一幕に、蚊帳の外の囚人たちは生唾を飲み、それをレイジへの欲望へすげ替えて凌辱を再開する。
「あっあ、ふぁぁっあああああっ、ああァあああああっ」
「悦べレイジ、最後は私だ。男とみれば誰彼構わず欲しがる貪欲な尻穴を、私以外では満たせぬようにしてやる」
薬で躁状態になったサーシャが、レイジを絶え間なく責め立てる囚人と立ち代わり、既に勃起したペニスをゆるみきった尻穴へ埋めていく。
「ンっあ、サーシャっあっお前のすげぇ太っ、あっァ奥まですげえっ気持ちいいっ、こンなっ、あッ、よすぎておかしくなる」
レイジが汗と涎と涙でぐちゃぐちゃになった顔で笑い、自ら尻を揺すりながら首をねじってサーシャを仰ぐ。
囚人環視の中サーシャは初めから激しく抜き差し、サディスティックにレイジを犯しながら哄笑する。
「汚濁にまみれ喘ぐしか能のない東の王の末路を見たか臣ども、もはやコイツは恐るるに足らぬ従順な犬、鎖に繋いで末永く北棟で飼おうではないか」
「さすが陛下、素晴らしきご英断です!」
「裸に剥いて引き回せば他棟への見せしめにちょうどいい、これまで我々を見下してきた償いとして北の臣民に1人残らず奉仕させましょうぞ!」
周囲の囚人が歓呼の声を上げツァーウーラツァーウーラと熱狂渦巻く合唱が響く。
「はっ…………はは」
意識が途切れる寸前、この馬鹿騒ぎが東棟にまで届かないことをレイジは祈った。
「喘げサバーカ!」
手首を撓らせ腕振り抜くたび玉の汗が飛び散る。
肩でまっすぐ切り揃えたきらめく銀髪、切れ長の薄氷の瞳。憑かれたように鞭を振り抜き、虜に罵声を浴びせるのは病的で狂的な容貌の男だ。
元の目鼻立ちは端麗に整っているが、十度の薬物依存のせいで肌は荒れ、骸骨に皮膚を貼り付けたが如く不健康に落ち窪んだ眼窩がおぞましい。唇は乾いてひび割れ、永久凍土の眸は欲情と狂気にぎらぎら光る。
「あッあぁっ、あがっンあァあっ!!」
天井に取り付けられた滑車から鎖が伸び、それが虜の両腕を締め上げている。今しも折檻を受けているのはなめらかな褐色肌の青年、サーシャに背中といわず臀といわず鞭打たれ苦痛の悲鳴を上げる。
「はあっ……はあっ……はあっ」
「痛いかレイジ」
俯いたレイジの前髪を掴み、力ずくで顔を上げさせる。
前髪がばらけ、痛みと渇きで衰弱しきった顔が暴かれる。髪の先端と顎先からは大粒の汗が滴り、瞳は焦点が合わず朦朧としているが、その姿態こそが嗜虐の色気を垂れ流す。
「サーシャ……お前の責め激しすぎだよ、ィっちまいそうだハハ」
「まだ憎まれ口を叩く余力があるとは、下賤な雑種の分際で見上げた根性だな」
レイジの髪を突き放すや足元においたバケツを持ち、虜囚の顔面に浴びせかける。
「げほっがほごほっげ」
「失神は許さん」
「かける前に一言いえよ、気管に入っちまった」
「前戯にすぎんのに『飛ぶ』とは、主人に粗相をしでかす駄犬も同じだ」
「粗相なんてしたくってもできねーっての」
濡れそぼったレイジが口端をねじり、覇気は翳れど失われない不敵な笑みを刻む。
憎らしげな視線を自らの股間へ落とし、皮肉る。
「貞操帯のおかげでな」
レイジのペニスはハーネスで戒められていた。革ベルトの拘束具が勃起を阻むせいで射精に至れず、生殺しの苦しみが延々持続する。
既にペニスは赤黒く変色し今にも弾けそうに脈打っているが、サーシャは的確に局部を避けて鞭打ち、周囲から熱を波及させて執拗に苛む。
「所かまわず粗相するサバーカには似付かわしい」
「お前の顔に小便ぶっかけてえ」
「口だけは達者だな。だがこれはお前が望んだことだ。忘れるなよレイジ、お前自ら北の皇帝に身体を開き、頭をたれた事実を。本来は刑に処すべきだが、祖国ロシアの大地の如く寛大な私は、その従順さに免じて不敬の罪を許し、慈悲を施してやっているのだ」
鞭の先端でレイジの顎を持ち上げ、睫毛が絡む至近距離でのぞきこむ。
「東棟が恋しいか」
「さあね」
「恋しいのは雑種の飼い猫か」
口元に笑みを刻んだまま、眇めた目にほんの僅か不快感が浮かぶ。それを見逃す北の皇帝ではない。荒廃した容貌に残虐な笑みを広げ、びしょ濡れのレイジを粘着質にいたぶる。
「お前の飼い猫をここに連れて来て、一部始終を見せてやってもよいのだぞ。私の嗜好にはかからんが、北の囚人に輪姦させ、その様を見せ付けるのも余興として」
サーシャの顔面に唾が付着する。
「猿轡噛ましとかなかったのは手落ちだな」
目と目の間に狙い定めレイジが唾を吐いたのだ。重厚な鎖で両腕を縛り上げられ、抵抗を封じられた状態にありながら、レイジの目には笑みを偽装した怒りが燃え盛っている。
「ロンに手ェ出すな」
「これはこれは。東の王は愛玩動物に執心か」
「アイツとはもう関係ねえ、ツラ見んのウンザリだって言ってんの。おわかり?」
切らした息の狭間から言葉を返し、ふてぶてしく開き直る。
「じらすばっかで一向にヤらしてくれねー、あんなガキどうでもいいね、構い倒すの飽きちまった。今はアンタに夢中だよサーシャ、もっともっと遊んでくれ、わけもわからずぶっとんじまうようなハードなのくれよ」
レイジが媚びてサーシャの手をなめまくる。自ら舌をだし、口元に翳された手の甲を、指一本一本をしゃぶりだす。強制にあらず、自発的な指フェラ。レイジは快楽を求めている。
「地べたを這いずる雌犬の舌遣いだな、汚らわしい」
「はむ……お前の指、もっとくれよ……」
嫌悪と劣情が相半ばして顔を顰めるサーシャを、巧みな指フェラと上目遣いで淫らに挑発するレイジ。勃起を塞き止められた股間は痛いほどに疼き、血流が滞ってどす黒く染まる。
ぬちゃぬちゃと唾液を捏ね、丁寧にまぶしていくレイジに対し、紛れもない昂りを禁じ得ず皇帝が宣言する。
「今日は特別な趣向を用意している」
サーシャがコンクリ床を鞭打って声を張れば、ドアの外に待機していたとおぼしき北の囚人たちが、恭しく鉄扉を開ける。
「拝謁を許す。いざ参れ」
「ッ……?」
鉄扉にできた細い隙間から一条さした光が目を射り、レイジが顔を顰める。逆光に黒々と塗り潰された不吉な影が4体、サーシャを中心に描く。
「ギャラリー呼んだのか……スキモノじゃん?」
「拝謁を賜り光栄です陛下」
「これが陛下の寵を受ける雌犬ですか。なるほど、見事な肢体です。股間のブツもなかなか……」
「苦しそうに張り詰めて、先端からぽたぽた涙を流していますね」
「随分とお楽しみだったご様子、廊下にまではしたない声が聞こえて参りました。東の雌犬は育ちが悪い、折檻されてもさかるのですね」
サーシャ曰く純血のロシア人のみで構成された臣下らは、北のトップに調子を合わせ、レイジの痴態を品評する。
レイジにはこれから何が起きるのかわかっていた。いかにもゲスが考えそうなことだ。そしてレイジが知る限りにおいて、サーシャは東京プリズンでも五指に入る高貴なゲスだ。
「日頃の献身への褒美だ。コイツに精を注ぐのを許す」
「は……」
やっぱりか。意外性も驚きも何もない。
「お前……俺のこと独り占めしたいんじゃねーの?せっかく手ェ入ったのに仲間と分けっこなんてもったいねー。まぁ案外公平を重んじるだなって感心したけど」
左右非対称の歪な表情で揶揄すれば、背筋も凍る禍々しい笑みでサーシャが滔々と述べる。
「私は偉大なるロマノフの末、由緒正しいロシア皇帝の血筋。されど我が祖国は共産主義をかかげている、卑しく惨めな民草に等しく施すのは高貴なる末の義務だ」
「都合よく誇大妄想ねじまげてんじゃねーよ」
「さあ、そこへ整列しろ。1人1人順番に精を注ぐのだ」
サーシャが床を鞭打って命令し、既にして股間の猛りをおさえきれない北の囚人が一列に並ぶ。
中には待ちきれずズボンをずらしてしごきだすものもいる。
そして余興としての輪姦がはじまった。サーシャの号令一下、列を作った囚人の先頭が歩み出す。
「ははっ王様を犯れるなんて夢みてェだ……恐れ多くて手が震えちまうぜ」
「そりゃドーモ」
レイジは鼻で笑い飛ばす。
サーシャは直属の臣下を有能さと顔で選んでいる為、そこそこ顔は整っているが、下心を滾らせた表情は卑猥の一言に尽きる。
囚人の手が腰を掴み、レイジのズボンを手荒く脱がして尻を剥く。
「ンァっあ、がっ!!」
ろくに慣らしもせず突っ込まれ、衝撃に背中が仰け反る。両腕に鎖が食い込み、抽送のリズムに合わせて耳障りに軋る。
「あっあああすっげェイイ、締め付けくる……ツァーウーラ、ツァーウーラ!卑しき俺ごときに褒美を下賜くださった偉大なる陛下、万歳!ロシアの繁栄よ永遠なれ!」
万歳、万歳と周囲の囚人が唱和する。陛下万歳と一糸乱れず唱和しながら、仲間に後ろから犯されるレイジの痴態に欲情し、鼻息荒く股間をしごきたてる。レイジを両側から挟んだ囚人が、口々に哀れっぽく訴える。
「陛下、我慢できません。なにとぞお慈悲を」
「サバーカのドブ色の肌で慰めるのをお許しあれ」
「かまわぬ。許す。存分にやれ」
サーシャが腕を組み視姦する中、許しを得た囚人が快哉を上げ、暴れるレイジの太ももやへそを使ってしごきだす。
「あっンっぐ、くそったれ!」
窪みにあてがわれたペニスの先端が痙攣し、濃厚な白濁が飛び出す。太腿に擦り付けられたペニスが生き物のように跳ね、ドロリとした残滓を纏わす。その間も挿入は止まず、前立腺を叩かれ続ける。
「はあっあァっ陛下万歳、陛下万歳!」
「王の尻穴は陛下が慈悲を注いで中から浄めるにふさわしい場所です、ギュウギュウうねって締め付けてきます!」
「ンあっ、んっぐァあっ、ああっあぁっ」
主と同じく薬物を服用してるのだろうか、囚人たちは饒舌にサーシャを褒めそやし、堕ちていくレイジの痴態に狂喜する。股間の拘束は解かれず、ハーネスに塞き止められたペニスが鬱血で黒ずむ。
「サーシャっ、前、とれ、くれ」
「とってほしいのか?とってほしくないのか?どちらだ」
「あッ痛がっ、もっ限界……ラクにしてくれ……」
「啼け!喘げ!跪け!まだまだ後が閊えている、全員終わるまで貞操帯は外さんぞ、いいかレイジよこれは発情を禁じる躾なのだ下のユルいお前を調教するためのな!」
気を失いかけるたびバケツに汲んだ水をかけられ目を覚まされるくり返しで、レイジは切なく喘ぐ。
「陛下ィくっィきます、どうか中で達するお許しを!」
「ならぬ」
「は?」
サーシャの形相が豹変、優越感に溺れた喜悦が侮蔑に取って代わる。
「調子にのるなよイヴァ―ヌシカ、この私に貴様の後始末をせよと?貴様が粗相した汚い穴を使えと?」
「めっ、滅相もございません……身の程知らずな発言陳謝します、度がすぎました何卒お許しを!」
「外に出すなら許そうではないか」
皇帝の許しを得た囚人の顔が安堵に溶け崩れ、次の瞬間レイジから引き抜いて、太腿へと精を注ぐ。
「!んッぐ、あァ」
「どけっ、次は俺だ!」
褐色の肌を白濁が汚す光景はたまらなく淫靡で、次の囚人が押しのけるように前に出る。
サーシャ監視下の輪姦ははてしなく続き、その間ハーネスがもたらす激痛と圧迫感に悶え、前立腺を叩かれる都度よだれを垂れ流し、はしたない声で喘ぎまくる。
「あっ、あっ、サーシャっもっ、あァっあ」
「どうした王よ、随分と余裕がないではないか」
いかに東の王といえど、射精を禁じられた状態で輪姦されるのは拷問だ。レイジを後ろから犯す囚人は無視し、歩み寄ったサーシャが前髪を掴む。
「口寂しいならこちらも使うか」
「んっむ!?」
サーシャが囚人に指示を出して滑車を操作、軋り音と共に鎖が一気に下りてくる。
床に頽れかけたレイジだが、後ろに刺さったペニスと支える手がそれを許さず、みっともなく尻だけ突きあげて平伏す。
「--------------------------------んんああああああああああッ!?」
レイジがドライで絶頂する。
鎖が落ち身体ごと前傾したはずみに股間に圧がかかったのだ。
腹と床の狭間でペニスが押し潰され、脳天まで駆け抜ける痛みが被虐の快楽とすり替わる。
「はッあ、はァあぁっあ、ン―――――ッ」
全体重に拉がれたペニスが鼓動に合わせてズクズク疼く。限界に限界を重ねた前を持て余し、穴という穴から体液が滲みだす弛緩しきった顔で懇願。
「は…………、サーシャ、前くるし……もっィく、ィきて……」
「ならば奉仕をしろ。口だけで私をイかせれば考えてやる」
「……は、はは……ゲスの極みウーラだな……」
サーシャにとっては余興でしかない弱々しい虚勢。床に突っ伏したレイジを囚人が手荒く揺すり立てる。
「っ、でる!」
「有り難くくらえよ王様!」
勢いよく抜き差しされるペニス、レイジの髪や肩、全身へと待ちきれず注がれる大量の白濁。必死に尻を振りたくる傍ら、肘を使ってサーシャの足元ににじり寄り、器用に口だけ使ってズボンを脱がしていく。
「はあ……はあ……はあ」
「そうだ……その調子だ。やればできるではないか。亀頭を舌先でねぶり陰茎に唾を絡めるのだ」
ぺちゃぺちゃと音がする。レイジがフェラチオをはじめる。熱く潤んだ口腔に含まれ、歓喜に震えたサーシャがレイジの頭を片手でおさえこむ。
「鈴口に唇を付け、下のくびれに舌を巻け。喉元までずっぽり咥えこんで、下から上へ、上から下へ抜き差しするのだ」
細かい注文に従ってフェラチオを続ける。レイジの髪はぼさぼさに乱れ、顔は誰が出したかもわからない大量の白濁に塗れている。四人目の囚人がレイジの体外に放ち、別の囚人が膨れた会陰をまさぐり、別の囚人が痛々しく腫れた乳首を引っ張る。
「んっ、ぐ、やめ」
嬲りもの。慰みもの。囚人たちはレイジに群がり、思い思いに彼を凌辱する。サーシャはレイジの舌遣いに恍惚とし、髪の毛をかきまわして囁く。
「至福の口だ……この貪欲な粘膜でどれだけの男を咥えこんできたのだ」
薄氷の目に暗い嫉妬が燻り、次の瞬間レイジの顔をしっかり手挟んで正面に固定。
「!?ッ、ぐ」
「すべて飲み干せ」
レイジの顔を自らの股間に埋めて強制する。レイジはえずいたものの、サーシャが命じる通り一滴残らず嚥下する。こくん、こくんと引き締まった喉が蠢き、十字架の鎖が艶めかしくうねる。
「……は……ミッションコンプリートだな……約束、守れよ……」
レイジが腰を揺すってねだれどサーシャは無視、北を束ねるトップの尊大さを保ち、周囲に侍る囚人に顎をしゃくる。
「どうやら王はまだ物足りぬらしい。貴様らで慰めてやれ」
「待てよ話が違」
「雌犬の孔は1本では足りぬと見える、同時に2本挿してやれ」
サーシャが憎々しげに嗤ってレイジを足蹴にし、またしても突っ伏した彼を囚人が引き立てる。
「サーシャてめえ、ん――――――――――――――――――――!?」
抗議の声は途中で引き裂かれ、凄まじい激痛と腹が破裂するような圧迫感が襲い、レイジが床を掻き毟る。
「陛下のご命令だ、有り難く頂くぞ」
「ッ……すっげえキツい、中ギチギチだ。熱いの擦れてァっあっ、これすごっ、たまんね!」
「王様のケツマン最高、俺たちの根元まで食いしばってら!」
「陛下万歳、陛下万歳、サバーカのメス穴万歳!!」
二本挿しの責め苦に悶絶、息も据えない苦しさに生理的な涙が滲む。
前はハーネスで締め付けられ、射精できない代わりにドライで何度も絶頂する。
「あっ、あっ、動かすなっンあっ、ァがっあ、ァあああ―――――」
這い蹲って縋り付くレイジ、その股間を靴裏で押してサーシャが冷笑。
「キツいかレイジ」
裂けた尻穴にめりこむペニスが二本、直腸を目一杯限拡張し前立腺を叩く。サーシャの指名を受けた囚人2人は狂ったように腰を打ち付け、ドロドロに溶けた奥の奥まで抽送する。
今のレイジは立派な雌犬だ。イきたくてイきたくて、それ以外の事が考えられない。この苦しみから逃れるためならなんだってする、なんだって……
「楽にしてやる」
サーシャがレイジの耳元で呟く。
「お前は私の物だと言え」
「……な、こった……」
「言え」
サーシャが低く脅す。二本のペニスが直腸を押し広げ前立腺を突きまくる「あっふあ」レイジは喘ぐ「んっぐ、ァが、痛ッ」よがる「もっァっイく、イかせて」悶える、ぐちゃぐちゃと伸ばし広げかき混ぜられ尻がびくびく震える。
「おれ、は……っあ、おまえ、の、ものっ……」
腰をくねらせて叫べば、サーシャが勝ち誇ってレイジの股ぐらへ手をのばしハーネスを解除する。
腰が抜けるような衝撃。
あるいは、ペニスを裏側から殴り付けるような。
「----------------------------------ァあああああああっあああ!!」
ベルトを外された途端、濃縮された精を連続絶頂で吐き出す。
極限まで抑えられた射精欲は一度の放出でとどまらず、上と前に飛距離を稼ぎ、サーシャとレイジの顔面はおろか、今もって凌辱中の囚人の顔にまで白濁を飛ばす。
抑圧されていたぶん解き放たれた快感は凄まじく、レイジは無意識に自らのペニスを支え持ち、反対の手で狂ったようにしごきたてる。
「あっサーシャ、イくっイっちまうっすげえ気持ちイいっ、あはっ俺おかしくなっちまっ、ぁぁッァ、ふぁ」
浅ましく腰を揺すり、自らサーシャのペニスを咥えにいく。
口では赤ん坊さながらの白痴じみた無心さでペニスをちゅぱちゅぱ吸い立てて、両手を股ぐらに突っこんで自慰に狂い、尻は二本挿しで犯されて、ペニスの先端からは搾り尽くされ、もはや透明の底澄みでしかない残滓をピュッピュッと間欠的に吹き上げる。
「今のお前はなんだ」
「はっあ、おまえのサバーカっァっ、へーかの奴隷だよァっあっンあっ」
「良い心がけだ。褒美を仕わす」
悦に入ったサーシャがレイジの頭を優しくなで、愛用のナイフを抜く。蕩けきったレイジの顔を映す表面、そこへ口で噛みきった袋を逆さにし、白い粉末を降りかける。
サーシャが目を細めてナイフに舌を這わせ、唾液に溶けた粉末を、刃の先まで伸ばしていく。
「なめろ」
次はレイジの番だ。物欲しげに舌を出し、差し向けられたナイフを美味そうになめる。次はサーシャの番、二人で交互にナイフをなめる。
「ン、はァ」
ぺちゃぺちゃ。
「ふ……」
ぺちゃぺちゃ。
ナイフの表面で唾液が溶け混ざり、体内に取り入れた薬物が恍惚感を増幅する。
「サーシャ……お前のもっとくれ、もっと欲しい……固くて冷たくて美味い、んふァ」
「存分になめろ」
ナイフに塗された覚せい剤が脳髄を蕩かせ、レイジとサーシャは互いの舌がいやらしく絡まるのもおかまいなしに、競ってナイフをなめしゃぶる。
皇帝と王様の交歓ともとれる饗宴の一幕に、蚊帳の外の囚人たちは生唾を飲み、それをレイジへの欲望へすげ替えて凌辱を再開する。
「あっあ、ふぁぁっあああああっ、ああァあああああっ」
「悦べレイジ、最後は私だ。男とみれば誰彼構わず欲しがる貪欲な尻穴を、私以外では満たせぬようにしてやる」
薬で躁状態になったサーシャが、レイジを絶え間なく責め立てる囚人と立ち代わり、既に勃起したペニスをゆるみきった尻穴へ埋めていく。
「ンっあ、サーシャっあっお前のすげぇ太っ、あっァ奥まですげえっ気持ちいいっ、こンなっ、あッ、よすぎておかしくなる」
レイジが汗と涎と涙でぐちゃぐちゃになった顔で笑い、自ら尻を揺すりながら首をねじってサーシャを仰ぐ。
囚人環視の中サーシャは初めから激しく抜き差し、サディスティックにレイジを犯しながら哄笑する。
「汚濁にまみれ喘ぐしか能のない東の王の末路を見たか臣ども、もはやコイツは恐るるに足らぬ従順な犬、鎖に繋いで末永く北棟で飼おうではないか」
「さすが陛下、素晴らしきご英断です!」
「裸に剥いて引き回せば他棟への見せしめにちょうどいい、これまで我々を見下してきた償いとして北の臣民に1人残らず奉仕させましょうぞ!」
周囲の囚人が歓呼の声を上げツァーウーラツァーウーラと熱狂渦巻く合唱が響く。
「はっ…………はは」
意識が途切れる寸前、この馬鹿騒ぎが東棟にまで届かないことをレイジは祈った。
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