少年プリズン

まさみ

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三百八話

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 「光あれと神は叫んだ」
 「は?」
 レイジが意味不明なことを言う。いや、意味不明なことではない。聖書を齧った者なら誰でも知ってる世界的に有名な創世記の一説だ。
  だが何故今この場でそれを言う、この一大事に関係ないことを言う?僕がレイジの正気を疑ったのは無理からぬことだ。リング中央ではホセとサムライが腕と腕を交差させ、五指と五指を組み合わせ、両者一歩も譲らぬ気迫をぶつけ合っているのに。
 サムライとホセから放たれる熱気がリングに陽炎を生み出して、眼鏡越しの視界が歪んでいるような錯覚に襲われる。
 太股の負傷がやはり体調に影響しているのか、足腰の踏みこみが利かずに全力がだせず、一時は劣勢に追いこまれたサムライだが、僕の声援をきっかけに徐徐に持ちなおしつつある。
 サムライはホセと互角に闘っている。
 南の隠者にも引けを取らず、立派に闘っている。
 苦しいだろう、辛いだろう、だが何とか保ってくれと上着の胸を掴んで狂おしく願う。試合直前に僕に拒絶されたことも体調に影響してるのだろうか、僕にきつい言葉を投げかけられたことで動揺したのだろうか?リングへと赴く寸前、孤高の背中を見せたサムライへと浴びせた罵倒を思い出す。  
 『君は過去に生きている。苗のいる過去に』
 あれは確かに本心だった、僕の嘘偽らざる本音だった。
 サムライは苗が健在だった頃を忘れられない、優しい恋人の面影を忘れられない。
 帯刀貢はこれからも永遠に、芽吹くことなく死んだ苗の面影を胸に抱いて生きてゆくのだ。
 正直、心の中ではまだ完全には割りきれてない。
 サムライが僕と苗を重ねてるのは事実で、僕は本来対等な立場の友人に庇護対象として認識されている現状に耐えきれなかった。サムライが僕の為に必死になればなるほど自己嫌悪に苦しんだ、無力感に吐き気がした。
 だってそうじゃないか。僕は外では恵を守る立場だったのに、冷淡な両親の代わりに恵を庇護すべき兄としての責任があったのに、東京プリズンではその責任を放棄してのうのうと他人に甘えている。
 他人の庇護下にある現状に甘んじている。
 両親を殺害しておきながら、恵を不幸にしておきながら、当たり前の顔をして他人に甘えるなど僕のプライドが許さない。本当はヨンイルにだって正々堂々と、だれもが納得するやり方で勝利したかった。だが出来なかった、出来なかったんだ。そんな僕がサムライに「頑張れ」などと無責任なことが言えるわけがない、ヨンイルに勝つこともできなかった僕がさも偉そうに「次は君の番だ」などと責任転嫁できるはずがない。
 でもそれでも、僕はサムライの勝利を信じたい。
 サムライが無傷で僕のもとに帰ってくれるよう願ってやまない。
 僕はサムライに伝えたい言葉がある、伝えたい気持ちがある。だから絶対、彼には無事に帰ってきてもらわなければ困る。
 大丈夫、必ず勝つ。帯刀貢は僕の自慢の友人だ。
 片手で上着の胸を掴み、もう一方の手で金網を握りしめる。何か縋るものが欲しい、僕を支えるものが欲しい。まったく、僕はいつからこんな惰弱な人間に成り果てたんだ?隣にサムライがいなければ不安で不安でしょうがないなんて、とんでもない依存体質に成り下がったものだ。針金に指を食いこませ、金網に顔を近付け、狂おしい一念でサムライの背中を見守る。
 屹立した巌のように荒削りな武士の背中。
 周囲の雑音にも惑わされず、ただ己の信念のみに忠実に、どこまでも一途に「僕を守る」という初志を貫徹しようという背中。
 「光あれと神は叫び、地上にあまねく光をもたらした」
 いつのまにか僕の隣にレイジがきていた。僕に寄り添うように並んだレイジが、金網の上方に手をかけ、サムライの背中を一瞥する。試合は白熱していた。試合開始からだいぶ時間が経ち、両者とも疲労の色が濃いが、どちらか一方の手の甲が台に接するかと思いきや寸前で踏み止まり、一気に盛り返すくりかえし。 
 ホセと互角に渡り合うサムライも凄いが、ホセも凄い。
 仮に僕とサムライが腕相撲すれば、手首がたちどころに挫かれてしまうだろう。一日も欠かさず木刀を振るい、腕と勘が鈍らぬよう鍛錬に励み、日頃から腕の筋肉を鍛えてきたサムライと普通の人間がやりあえば、極端な話手首を骨折しておもかしくない。遠距離から箸を投げて命中させる手腕の持ち主と、生半可な鍛え方で互角にやりあえるはずがない。 
 つまりホセは、サムライと同等以上の怪力の持ち主ということだ。
 サムライにとって、ホセは最大の強敵だった。
 力と力が衝突し、相殺し、サムライの手首がホセの手首を押えこんだ次の瞬間にはホセが奮起してサムライの手首を組み伏せる。
 純粋な力と力のぶつかり合い。
 「お前は頑張れと叫び、サムライに光をもたらした」
 「まだ続いてたのか?聖書を引用するのは結構だが不自然な個所で文脈を区切るな、紛らわしい」
 こんな大事なときにくだらないことを言うな、と気楽な王様にあきれる。
 レイジが言うほど話は単純じゃない、僕の一声がサムライに勝機をもたらすなど都合のいい展開は期待できない。
 金網越しでは手も足もでず、ただサムライの勝利を念じるしかない僕の隣で、十字架をいじくりながらレイジが微笑む。
 「俺の救世主はロンだけど、サムライの救世主はお前だな」
 掌にのせた十字架にロンの面影でも重ねているのか、レイジの微笑はこの上なく優しかった。離れていても心はロンと一緒か、と皮肉を言おうとしたが途中で馬鹿らしくなって口を噤む。
 どうせ僕が言い返せば倍の惚気を聞かされることになるのだ。結論、時間の無駄だ。
 しまりのないにやけ顔で惚気話をするレイジを想像して気分を害した僕をよそに、十字架を揉みしだき、レイジが飄々とうそぶく。
 「シケた面すんなよ、サムライはじきぴんぴんして帰って来るよ。王様が断言する。相棒が闘ってるのに肝心のお前が信じてやらなくてどうするんだよ。他のだれが頑張れって声かけてもサムライは勝負に夢中でそれどころじゃないしぶっちゃけ試合の邪魔だろうけど、お前の応援なら話は別だ。お前の『頑張れ』は俺の『愛してる』と同じくらいの重さだぜ?」
 「窒素並の軽さだな」
 「馬鹿、ロン限定の『愛してる』だよ」
 少し考え、結論を下す。
 「フッ素並に軽いじゃないか。君が日常ロンにむかって連発する誠意なき『愛してる』に一体どれほどの価値があるというんだ、ないだろう価値なんて。君も少しはサムライを見習え、サムライは必要最低限の単語しか口にしない寡黙な男だが本当に大事なことは出来うる限り率直に伝え……なんだそのにやけ顔は」
 「惚気?」
 「邪推するな、ありのままの事実を述べただけだ。君の饒舌ぶりとサムライの寡黙さとを比較したら後者のほうが断然好感がもてる、一緒にいて読書の邪魔にならないからな。君と同房のロンが気の毒だ、凱との一戦で怪我をしたのは気の毒だがたとえ一時的にでも医務室に隔離されて、環境を変えることができてよかったんじゃないか?医務室に入院してるあいだは君に寝込みを襲われることもなく、ぐっすりと熟睡……」
 唐突にレイジが顔を上げる。
 虚空に固定された横顔が俄かに真剣味を帯び、双眸が鋭さを増す。
 「キーストア、今なにか聞こえなかったか?」
 「は?」
 どうしたんだ、とうとう頭までおかしくなったのか。レイジの顔はひどく真面目だが、十字架を握りしめ、せわしなくあたりを見まわす様子は挙動不審と言うしかない。突如豹変した態度に疑問を挟む余地もなくレイジが僕へと向き直る。
 「ロンの声がしなかったか?」
 「……幻聴だろう、ロンは医務室で寝ているはずだ。肋骨を骨折して全身十三箇所の打撲傷を負って、覚せい剤の後遺症も残っている。とても動ける状態じゃない、だれかの助力がなければ地下停留場までやってこれないはずだ。隣のベッドのサムライが今ここにいるということは、現在、ロンに手を貸す人物はだれもいないという消去法の推理が成り立つ。無論、ロンの性格上君を心配するあまり無理をしてでも地下停留場に這ってこようとするだろうが……実際不可能だろう、人体の限界を超越してる」
 「サムライはほふく前進で人体の限界とやらを超越したぜ」
 「彼は武士だからな」
 「ちょっと待て、一瞬納得しそうになったけどおかしいだろそれ」
 「知っているか?江戸時代の武士には割腹自殺の風習があったそうだ。主君に仇なした場合や家名に泥を塗った場合、自らの手で恥をすすぐべく切腹するんだ。自らの手で短刀を腹に突き立て、横一文字に切り開いて。そんな忍耐力の限界に挑戦するような奇行が五百年余りをかけて習慣化及び伝統化した武士なら、患部の痛みを克服して長距離を這いずってきてもおかしくない」
 僕の淘淘とした説明を聞いているのかいないのか、レイジは心ここにあらずといった様子で虚空を仰いでいる。十字架を手のひらに抱き、呆けたように立ち尽くすレイジの横顔に、漠然と不安をかきたてられる。
 どうしてそんな怖い顔をする?ロンは医務室で寝ているはずじゃないか、安全な場所にいるはずじゃないか。この上ロンの身にまで何かよからぬことが起きているなど想像もしたくない。
 「幻聴に決まっている。一度聴力検査を受けたらどうだ、現実にいない人物の声が聞こえるのは病気の一種、それもかなり進行した精神病の症状だ。この地下停留場のどこにロンがいるというんだ、よく見まわしてみろ。と言っても彼は身長が低いから、仮にいたとしても人ごみに埋もれて見えないだろうが」
 「わり、俺ちょっとぬけるわ」
 突然何を言い出すんだこの低脳は。
 片手を挙げて離席を告げたレイジに愕然とする。
 「ふざけるな、どこへ行く気だ!?リングではサムライが独り戦ってるんだぞ、君が観てやらなくてどうするんだ!元を正せばサムライは君の相棒だ、二人一組でペア戦100人抜きを宣言した相棒を見捨ててロンの見舞いに行って、それで肝心のロンが喜ぶとでも思うのか!?」
 怒りが爆発した。断言するが、レイジが聞いたのは幻聴だ。それが証拠に、地下停留場のどこにもロンの姿は見当たらなかった。しかしレイジは納得せず、不吉な胸騒ぎだか第六感だかあてにならないものに駆られて、リング上で苦戦を強いられるサムライを見捨て、この場を離れようとしている。
 それで、東棟の王様を名乗るつもりか?
 僕らの王様を名乗るつもりか?
 「だってなんか、うまく言えねえけどやーな感じすんだよ!さっき確かに声が聞こえたんだ、この前の試合の夜みたいに必死に俺を呼ぶ声が!レイジって俺の名前呼んでたんだよ、助けを求めるみたいに!じゃあ聞くけどキーストア、なんでロンが医務室にいるって言いきれる?今ここにいるお前が何を根拠にロンの居場所を断言するんだよ、ロンが今どこにいるかなんて超能力者でもねえお前にわかるはずねえだろ!!」
 興奮したレイジが僕の胸ぐらに掴みかかるのを、割れたレンズ越しにひややかに眺める。
 「確かに僕は超能力者ではない、君たち凡人と比べて頭脳は遥かに発達してるが、未だに超能力に目覚める兆候もなければ不可解な幻聴に悩まされることもない。いいかレイジ、さっきのは空耳だ。今ここにいない人間の声が聞こえるはずがないんだ、ロンは現在医務室にいる、僕たちが試合に勝利して全員無事に帰ってくるのを待っているんだ!!」
 絶対にレイジを行かせてなるものか、絶対に食いとめなければ、全身全霊を賭けて引きとめなければ。僕にはレイジをこの場に留まらせる責任がある。
 もしレイジが医務室に行けば当然次の試合には間に合わず、自動的に僕たちの敗北が確定する。レイジが試合に間に合わなければ残るサーシャの不戦勝となり、僕ら全員が破滅する。
 「けど、ロンが呼んでるなら俺が行ってやんなきゃ!俺の腕引っ張って暗闇から連れ出してくれた借り返さなきゃ、」
 「そんなにロンと僕を売春班に戻したいのか!?」 
 はっとした。
 言い過ぎた、と思った時には遅かった。俯いたレイジの指の間から金鎖が零れ落ち、涼やかな音を奏でる。重苦しい沈黙。先に顔を上げたのはレイジだった。ロンへの未練を断ちきり、今自分が成すべきことに優先順位をつけたらしく、さっぱりした顔だった。
 「……そうだな。俺、王様だもんな。サムライが戦ってるの放ったらかしたら、お人よしのロンに怒られちまう」
 ばつ悪げにはにかみ、正方形のリングを隔てた対岸へと視線を転じる。ちょうど金網を隔てたホセの背後に、配下を従えて佇んでいたのはサーシャ。配下の多くは先の抗争で怪我を負い、頭や腕に包帯を巻いていたが、サーシャはもう全快したようで顔に傷痕すら見当たらなかった。
 高所に設置された照明から、網膜も焦がさんばかりに白熱の奔流が降り注ぐ。
 照明の反射で王冠を被せたように白銀の髪を輝かせ、満身創痍の配下十数名を身辺に侍らせたサーシャは、鉤のように曲げた指で金網を掴み、ただじっとレイジだけを見つめていた。いつかとおなじように金網を隔て、こちら側にいるレイジだけを執念深く見つめ続けていた。
 妄執に狂ったアイスブルーの瞳が物語るのは、レイジへの尽きせぬ憎悪。
 サーシャの唇が無音で動く。
 「なんて言ってんだ?」
 いかに地獄耳なレイジといえど、地下停留場を埋める大観衆が喉を嗄らして歓声をあげる状況では、サーシャの意を汲み取れなかったらしい。
 サーシャの唇の動きを正確に読み取った僕は、特別に翻訳してやる。
 『Rage again』 
 レイジが不審げに眉をひそめる。物分りの悪いレイジに、眼鏡のブリッジを押し上げつつ補足する。
 「私をまた怒らせたな、と北の皇帝は言ってるんだ」
 『Crazy again』
 レイジが獰猛な笑顔を覗かせる。狂ってやがる、と吐き捨てて。
 氷点下の冷気を纏ったサーシャと四肢に殺気を通わせたレイジとが一触即発で睨み合う中、両手で金網を掴んで身を乗り出した僕は、一瞬たりとも気を抜けずに試合の行方に剋目していた。
 「しぶといですよ、未婚者のくせに」
 「伴侶の有無は関係なかろう」
 リング中央、満場の注目を浴び、台を挟んで対峙するサムライとホセ。ホセの額には玉の汗が浮かび、心なしか笑みを浮かべた口元がひきつっている。僕に背中を向けたサムライの表情はこの位置からはよく見えないが、おそらく、相対した人間の心胆寒からしめる猛禽の双眸をしてることだろう。
 よく研磨した真剣の如く眼光鋭くホセを威圧し、下顎に力をこめて奥歯を食い縛り、上腕の筋肉を盛り上げる。
 「おおありですよ。吾輩には守らなければならない伴侶がいる、守らなければならない家庭がある。外に吾輩の帰りを待つワイフがいる限り吾輩は百人力、こんなところでは死ねません。吾輩の死に場所はワイフの膝の上と心に決めているのです」
 渾身の力でサムライの腕を押し返しつつ、虚勢を張るホセのこめかみを幾筋も汗が伝う。  
 「吾輩は必ず生きて外にでて、ワイフに今日のことを自慢しなければならない。地下ボクシングでは無敵で鳴らした吾輩が腕相撲ごときで負けたと知れば、ワイフはたいそう嘆き哀しむことでしょう。いいですか?よくお聞きなさい未婚者風情が」
 大きく肩を上下させ深呼吸したホセが、底知れぬ笑みを浮かべ、サムライを見据える。
 ぎらつく闘志を剥き出した、狂戦士の本性全開の笑顔。
 「吾輩の腕はワイフを抱く為にある。過去にワイフを抱いた腕で敗北を喫するなど、既婚者のプライドが許さない」 
 秀でた額に一房髪をはりつかせ、疲労困憊の顔色で息を荒げつつ、ホセが勝負にでる。逆転を賭けた最後の猛攻。まずい。これ以上の持久戦は不利と踏み、一気に勝負をつける気だ。
 ホセのパンチには瞬発力がある、それは渡り廊下での抗争で実証済みだ。ホセが素手でナイフを砕いた瞬間を僕はこの目で目撃しているから間違いないが、腕相撲となると話が違う。ホセの誤算か、いや、早期に決着をつけるつもりがサムライの頑張りに苦戦を強いられたのか、持久戦に持ちこめばどちらか一方の体力が底を尽くまでの純粋な体力勝負となる。
 この場で求められるのは瞬発力よりもむしろ持久力なのだ。
 「!っ、ぐ」 
 サムライの顔が苦痛に歪み、ホセに押えこまれた手首が急激に高度を下げてゆく。万力めいた握力でサムライの指を締め上げ、手首に圧力をかける。サムライの額に脂汗が滲み、ズボンの太股に滲みだした鮮血の染みが広がりつつある。今にも砕けそうな膝を気力のみで支え、今にも挫けそうな肘を気力のみで支え、全身全霊でホセに抗う。
 仲間を守りたいがために。
 僕を守りたいがために。
 胸が熱くなる。体が熱くなる。サムライが僕と苗を重ねている。だからなんだ、それでもサムライは必死に僕を守ろうとしている。サムライがそうまでして僕を守ろうとするのは、僕が苗の身代わりだからじゃなくて。
 多分、僕が彼の友人だからで。
 僕にとってのサムライがそうであるように、彼にとってもまた、僕は必要な人間で。
 ああ、わかった。
 天才のくせに、今頃こんなことに気付くなんて遅すぎる。
 
 ―「負けるな帯刀貢、君はこの天才が認めた唯一の男だ、君にはこの鍵屋崎直がついている!!この僕に信じて頼られることを誇りに思え、僕の体に触れられることを誇りに思え、貢!!」―

 僕らは互いを必要としている。
 今はそれだけで十分だ。
 鍵屋崎直は、帯刀貢を必要としている。胸が苦しくなるくらいに。

 そしてとうとう、試合終了のゴングが響き渡った。
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