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骨の花
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催花雨に追い立てられるように北上する。
コートの肩を濡らす雨は温かい霧にも似て、鄙びた無人駅のホームベンチに座り、純白の袱紗に包んだ妻の遺骨を抱きかかえる。
葬式の日は雨が降っていた。
「涙雨っていうんだよ」と黒傘をさして孫に教えたところ、「おばあちゃんが死んじゃってお空も哀しいんだね」としんみりしていた。
岩手には妻の実家がある。
入院中の妻は実家の庭に咲く桜を大層見たがっていた。
妻に先立たれた時、私は泣けなかった。
数年間続いた介護生活が、老身から哀しむ気力も奪っていったせいだろうか。
この年になると伴侶の死は自然の流れと受け止められて、哀しみは深く潜り、枯れた涙腺が緩むこともない。
優しい雨に打たれて花開く桜を見たら、私は泣けるだろうか。
私の涙を足した催花雨が降れば、この腕に抱いた遺骨も少しは軽くなるだろうか。
優しい妻を育んだ岩手の田舎に降る雨は、彼女の死を嘆く涙雨にあらず、新しい命を芽吹かせる雨であってほしい。
こぢんまりした無人駅の改札を後にし、地肌が剥き出しの畦道を歩く。
民家は少ない。荒れ果てた畑と田んぼだけが茫漠と広がっている。人はほぼ見かけない。過疎化著しい限界集落の趣だ。
雨を吸って柔く湿った道からは濃厚な土の匂いがする。郷愁を呼び起こす懐かしい匂い。
「ずいぶん寂しくなったね。お養父さんお養母さんの葬式に来たときはもっと人がいたけれど」
それだけ時間が経ってしまった、ということか。
苦笑した口元に達観が滲む。
腕の遺骨を守りながら、知り合いたての頃に交わした他愛ない会話を反芻する。
「昔話してくれたろ、座敷童のこと。子供の頃に見たって……私もここで生まれ育ったら見えたのかな。心が清くなければだめかな。岩手には座敷童がでる旅館もあるらしい、元気な時に泊まりにきたかったね」
妻はこの世の不思議を信じていた。
虫の知らせや夢枕もありえないことではないと言っていた。私も同感だ。
頑迷に否定するより信じたいものを信じる、私たちは似た者夫婦だった。
さく、さく。土を踏む感触が小気味いい。春の雨はまどろむように温かく、スーツの肩を煙らせる。
恍惚の人になった妻は、夢と現のあわいのうわごとで、誰かの名前を呼んでいた。
「ヨシノ……幼馴染か……」
男の名前だったら初恋の人ではないかと疑ったところだが……自分のさもしさが少し悲しい。
私が会ったこともない、話したこともないヨシノとの日々を、寝たきりの妻はそれは楽しそうに回想していた。
木登り教えてヨシノちゃん。
先に行かないで。
お菓子食べるヨシノちゃん。
妻とヨシノは良い友達だったに違いない。
彼女は今どうしてるのだろうと気にかかる。
廃れた村の現状を見ると都会に出ていったのか。妻との交流は続いていたのか。
結婚式の招待客名簿では見かけなかったが、なにせ古い記憶なので確信が持てない。数十年連れ添った仲にも秘密がある。
「住所がわかれば葬式に呼べたのに。すまない」
もっとも、ヨシノの方が先に他界している可能性もあるが。
腕に抱いた妻に詫びても返事はない。
しとしと、篠突く雨。煙る視界。
かなうことならヨシノに会い、彼女だけが知っている妻の子供時代の話を聞きたかった。
やがて屋根が傾き、苔むした古民家に到着する。庭を囲む石垣は半ば崩れ落ちていた。
「ごめんください」
妻の両親が死んだのは三十年前。先に養母が死に、後を追うように養父が逝った。
女房が死ぬと男は長くもたない迷信を思い出す。対して、早くに旦那が死んだ女房は長生きするらしい。子供を産み育てなければいけないぶん、女の方が逞しくできているのか。
妻の家はすっかり寂れ、無人の廃墟と化していた。
妻の弟……長男は跡を継ぐのを嫌い都会に出ていき、以来帰ってこないと聞いた。
あばら屋の庭には一本の桜の木。蕾は綻び始めている。
「ごらん。桜だ」
すべらかな袱紗に包まれた遺骨を掲げて桜を見せる。
妻の実家に結婚の挨拶に訪れた時、この下で交わした会話を思い出す。
『私が先に死んだらお願いしたいことがあるの』
桜の花びらをてのひらでうけ、儚げに微笑んだ妻の顔が薄れていく。
晩年の妻は認知症だった。過去の約束も私との思い出もどんどん忘れていった。
それがもどかしくやりきれず、恥ずかしながら声を荒げてしまったこともある。
「今だしてあげるからね」
地面に跪き、袱紗を開封していい匂いのする白木の箱をとりだす。
さらに蓋を開けると、陶器の骨壷が安置されていた。
庭先に放置されていたスコップで桜の根元の地面を掘り返し、白い骨をひとかけらてのひらに移し、丁寧に埋め直す。
歳月をこえた追憶が脳裏を駆け巡り、まどやかな薄桃の木漏れ日がさす。
『あなたと同じお墓に入りたいけれど、もしよければ骨のひとかけらだけ、岩手のうちに帰してほしいの』
『骨は桜の木の下に埋めてほしい』
「約束は守ったよ」
若き日の妻は坂口安吾の小説を愛する、ロマンチックな女性だった。私は本を読む彼女の横顔に惹かれたのだ。
「せっかくだ、お義父さんたちに挨拶していくよ。随分無沙汰をしてしまったからね」
妻の実家の墓所はこの近くだ。数年前に来たきりで些か記憶が怪しいが、寺の住職に聞けば詳しい場所がわかるはず。
ふっと口元に微笑が浮かぶ。
実家の墓に入りたいというならともかく、実家の庭に埋まりたいとは、やはり少々変わっていると言わざるえない。
ともあれ、妻の願いは叶えた。私にできる最後の孝行だ。満足してもらえるといいのだが……。
「おかえり」
「え?」
鈴振るような幼子の声に顔を上げる。
蕾が綻び始めた桜の枝に、5・6歳ほどの赤い吊りスカートの少女が腰かけていた。
気付かなかった。近所の子か。忽然と現れた少女に狼狽する。
「危ないよ、おりてきなさい。お母さんは?」
少女は足を揺する。もとより体重がないかのように、枝は撓みもしない。
「いないよ。みんないない。私が最後の一人。でもみぃんな私だからさみしくない」
最後の……不吉な言葉にほんのりと哀愁が垣間見える。
今どき珍しく、艶やかな黒髪を肩で切り揃えた少女は、利発そうな円らな目を光らせ、いたずらっぽく手招きする。
「特別だよ」
人懐こいというか、まるで物怖じしない子だ。こちらの方が困惑する。
少女が器用に木から滑りおり、私を先導してぐるりと木を回り込む。
少女の背中を追って反対側へ行くと、節くれた幹の表面に相合傘が彫られ、片方に妻の名前があった。
もう片方には「ヨシノ」と彫られている。
「ソメイヨシノ」
桜の品種と同じ。
「君は……」
座敷童?桜の精?
喉元で閊えた無粋な疑問は無邪気な微笑みの前に霧散する。
少女が握りこぶしにした手をゆっくりと開き、そこにあるものを見て目を見張る。
今さっき私が埋めたはずの妻の骨のかけら。
てのひらの骨を愛おしげに見詰めてから、人さし指と親指で摘まみ、大きく開けた口の中に放り込む。
「よせ」
叫んだ時には既に遅し、ハッカ味のドロップのように妻の骨を含む。
カリ、コリ。口の中で儚く砕ける音が響き、続いて小さく喉を動かして飲み下す。
まさかと思い、少女をほったらかして桜の根元に駆け寄り、素手で掻いて柔い土を掘り返す。だがしかし、今しがた埋めたはずの骨は跡形もなくなっていた。
「来年は骨の花が咲くよ。真っ白い花が」
亡き妻の骨を食べ、妻と同化した少女が微笑む。
「会いに来てね」
昔何かで読んだ。
現存するソメイヨシノは全て同一クローンであり、日本各地に分布する樹は、すべて人が接ぎ木や挿し木で増やしたものらしい。
妻もまた、挿し木で芽吹くことを望んだのだろうか。
来年まで命が続くなら再び妻に会いに来ようと誓った。
コートの肩を濡らす雨は温かい霧にも似て、鄙びた無人駅のホームベンチに座り、純白の袱紗に包んだ妻の遺骨を抱きかかえる。
葬式の日は雨が降っていた。
「涙雨っていうんだよ」と黒傘をさして孫に教えたところ、「おばあちゃんが死んじゃってお空も哀しいんだね」としんみりしていた。
岩手には妻の実家がある。
入院中の妻は実家の庭に咲く桜を大層見たがっていた。
妻に先立たれた時、私は泣けなかった。
数年間続いた介護生活が、老身から哀しむ気力も奪っていったせいだろうか。
この年になると伴侶の死は自然の流れと受け止められて、哀しみは深く潜り、枯れた涙腺が緩むこともない。
優しい雨に打たれて花開く桜を見たら、私は泣けるだろうか。
私の涙を足した催花雨が降れば、この腕に抱いた遺骨も少しは軽くなるだろうか。
優しい妻を育んだ岩手の田舎に降る雨は、彼女の死を嘆く涙雨にあらず、新しい命を芽吹かせる雨であってほしい。
こぢんまりした無人駅の改札を後にし、地肌が剥き出しの畦道を歩く。
民家は少ない。荒れ果てた畑と田んぼだけが茫漠と広がっている。人はほぼ見かけない。過疎化著しい限界集落の趣だ。
雨を吸って柔く湿った道からは濃厚な土の匂いがする。郷愁を呼び起こす懐かしい匂い。
「ずいぶん寂しくなったね。お養父さんお養母さんの葬式に来たときはもっと人がいたけれど」
それだけ時間が経ってしまった、ということか。
苦笑した口元に達観が滲む。
腕の遺骨を守りながら、知り合いたての頃に交わした他愛ない会話を反芻する。
「昔話してくれたろ、座敷童のこと。子供の頃に見たって……私もここで生まれ育ったら見えたのかな。心が清くなければだめかな。岩手には座敷童がでる旅館もあるらしい、元気な時に泊まりにきたかったね」
妻はこの世の不思議を信じていた。
虫の知らせや夢枕もありえないことではないと言っていた。私も同感だ。
頑迷に否定するより信じたいものを信じる、私たちは似た者夫婦だった。
さく、さく。土を踏む感触が小気味いい。春の雨はまどろむように温かく、スーツの肩を煙らせる。
恍惚の人になった妻は、夢と現のあわいのうわごとで、誰かの名前を呼んでいた。
「ヨシノ……幼馴染か……」
男の名前だったら初恋の人ではないかと疑ったところだが……自分のさもしさが少し悲しい。
私が会ったこともない、話したこともないヨシノとの日々を、寝たきりの妻はそれは楽しそうに回想していた。
木登り教えてヨシノちゃん。
先に行かないで。
お菓子食べるヨシノちゃん。
妻とヨシノは良い友達だったに違いない。
彼女は今どうしてるのだろうと気にかかる。
廃れた村の現状を見ると都会に出ていったのか。妻との交流は続いていたのか。
結婚式の招待客名簿では見かけなかったが、なにせ古い記憶なので確信が持てない。数十年連れ添った仲にも秘密がある。
「住所がわかれば葬式に呼べたのに。すまない」
もっとも、ヨシノの方が先に他界している可能性もあるが。
腕に抱いた妻に詫びても返事はない。
しとしと、篠突く雨。煙る視界。
かなうことならヨシノに会い、彼女だけが知っている妻の子供時代の話を聞きたかった。
やがて屋根が傾き、苔むした古民家に到着する。庭を囲む石垣は半ば崩れ落ちていた。
「ごめんください」
妻の両親が死んだのは三十年前。先に養母が死に、後を追うように養父が逝った。
女房が死ぬと男は長くもたない迷信を思い出す。対して、早くに旦那が死んだ女房は長生きするらしい。子供を産み育てなければいけないぶん、女の方が逞しくできているのか。
妻の家はすっかり寂れ、無人の廃墟と化していた。
妻の弟……長男は跡を継ぐのを嫌い都会に出ていき、以来帰ってこないと聞いた。
あばら屋の庭には一本の桜の木。蕾は綻び始めている。
「ごらん。桜だ」
すべらかな袱紗に包まれた遺骨を掲げて桜を見せる。
妻の実家に結婚の挨拶に訪れた時、この下で交わした会話を思い出す。
『私が先に死んだらお願いしたいことがあるの』
桜の花びらをてのひらでうけ、儚げに微笑んだ妻の顔が薄れていく。
晩年の妻は認知症だった。過去の約束も私との思い出もどんどん忘れていった。
それがもどかしくやりきれず、恥ずかしながら声を荒げてしまったこともある。
「今だしてあげるからね」
地面に跪き、袱紗を開封していい匂いのする白木の箱をとりだす。
さらに蓋を開けると、陶器の骨壷が安置されていた。
庭先に放置されていたスコップで桜の根元の地面を掘り返し、白い骨をひとかけらてのひらに移し、丁寧に埋め直す。
歳月をこえた追憶が脳裏を駆け巡り、まどやかな薄桃の木漏れ日がさす。
『あなたと同じお墓に入りたいけれど、もしよければ骨のひとかけらだけ、岩手のうちに帰してほしいの』
『骨は桜の木の下に埋めてほしい』
「約束は守ったよ」
若き日の妻は坂口安吾の小説を愛する、ロマンチックな女性だった。私は本を読む彼女の横顔に惹かれたのだ。
「せっかくだ、お義父さんたちに挨拶していくよ。随分無沙汰をしてしまったからね」
妻の実家の墓所はこの近くだ。数年前に来たきりで些か記憶が怪しいが、寺の住職に聞けば詳しい場所がわかるはず。
ふっと口元に微笑が浮かぶ。
実家の墓に入りたいというならともかく、実家の庭に埋まりたいとは、やはり少々変わっていると言わざるえない。
ともあれ、妻の願いは叶えた。私にできる最後の孝行だ。満足してもらえるといいのだが……。
「おかえり」
「え?」
鈴振るような幼子の声に顔を上げる。
蕾が綻び始めた桜の枝に、5・6歳ほどの赤い吊りスカートの少女が腰かけていた。
気付かなかった。近所の子か。忽然と現れた少女に狼狽する。
「危ないよ、おりてきなさい。お母さんは?」
少女は足を揺する。もとより体重がないかのように、枝は撓みもしない。
「いないよ。みんないない。私が最後の一人。でもみぃんな私だからさみしくない」
最後の……不吉な言葉にほんのりと哀愁が垣間見える。
今どき珍しく、艶やかな黒髪を肩で切り揃えた少女は、利発そうな円らな目を光らせ、いたずらっぽく手招きする。
「特別だよ」
人懐こいというか、まるで物怖じしない子だ。こちらの方が困惑する。
少女が器用に木から滑りおり、私を先導してぐるりと木を回り込む。
少女の背中を追って反対側へ行くと、節くれた幹の表面に相合傘が彫られ、片方に妻の名前があった。
もう片方には「ヨシノ」と彫られている。
「ソメイヨシノ」
桜の品種と同じ。
「君は……」
座敷童?桜の精?
喉元で閊えた無粋な疑問は無邪気な微笑みの前に霧散する。
少女が握りこぶしにした手をゆっくりと開き、そこにあるものを見て目を見張る。
今さっき私が埋めたはずの妻の骨のかけら。
てのひらの骨を愛おしげに見詰めてから、人さし指と親指で摘まみ、大きく開けた口の中に放り込む。
「よせ」
叫んだ時には既に遅し、ハッカ味のドロップのように妻の骨を含む。
カリ、コリ。口の中で儚く砕ける音が響き、続いて小さく喉を動かして飲み下す。
まさかと思い、少女をほったらかして桜の根元に駆け寄り、素手で掻いて柔い土を掘り返す。だがしかし、今しがた埋めたはずの骨は跡形もなくなっていた。
「来年は骨の花が咲くよ。真っ白い花が」
亡き妻の骨を食べ、妻と同化した少女が微笑む。
「会いに来てね」
昔何かで読んだ。
現存するソメイヨシノは全て同一クローンであり、日本各地に分布する樹は、すべて人が接ぎ木や挿し木で増やしたものらしい。
妻もまた、挿し木で芽吹くことを望んだのだろうか。
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