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ドライアグレッション 後
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「ぁっ、ぁ」
どけ、ぶっ殺すぞ。喉元に殺到した罵倒の数々を抽送の衝撃が散らす。相変わらず顔は見えず、声と音と匂いを頼りに機嫌を窺うしかない。
薫が遊輔の腰を抱え、的確に狙いを突く。
「ふッ、うっ、んん゛ッ、ぁ゛っぐ」
「もっと上手に喘いでくれなきゃ興ざめです」
「エゲツねえ突っ込まれ方してんのに、ふぐッ、できるか、よっ!」
「可愛げないところも可愛いですね、少しは慣れたでしょアナルセックス」
「言う、な、ん゛ッぶ」
「頬の内側噛むのもナシで。口内炎になっちゃいますよ」
膝裏に手を通す。鎖が伸びきる。詰め物された腹が苦しい。ペニスと粘膜が擦れ、ベッドが弾む度に痛みを上回る快感が爆ぜる。
挿入されてもまだ薫はこんなことをしないと、常日頃から彼が与える優しさや、負担を労わるセックスに甘やかされた心が信じたがっていた。
正面にいるのが本物か偽物か、目隠しを剥いで確かめたい衝動に駆られる。
歪んだ顔には汗と涙と涎がしとどに溶け混ざり、目隠しの布がぴっちり張り付いて息苦しい。
「目隠し、とれ、頼む、見えねッ」
視界を圧する暗闇に本能的恐怖を感じ、舌足らずに懇願する。
「涙と汗と涎でドロドロぐちゃぐちゃの情けない顔、ひと回りも年下に見られて構わないんですか」
「~クソガキが」
粉々に砕け散ったプライドをかき集め、犬歯を剥いて凄む。薫の手が頬を包み、首筋にキスが降り注ぐ。
「遊輔さんは男に抱かれる方が似合ってますよ、ノンケ上がりのウブな反応がそそるんです。赤く染まった首筋やシャープな鎖骨のライン、しっとり湿って張り付く髪の毛も色っぽい。嗜虐心そそるっていうのかな……貧相に見せかけて脱げば引き締まってるし、喧嘩で鍛えた腹筋のバネが括約筋と連動して」
「乳のでけえ女の方が好きだ、ぁぐっ」
「こんなに乳首弱いのに?元カノはいじってくれなかったでしょ」
「攻める方が性に合ってんだよ」
「中、ギュッと縮んでますね。すっかり俺の形覚えちゃって、夢中で腰振って、本当可愛い」
言葉で辱めテクで堕とす。腹の中のペニスがまた膨らみ、固さ太さを増して直腸をこそぐ。
「んッ、んッ、んッ」
頬の内側を噛む。鉄錆の味が喉を焼く。調子付かせるのが癪で、喘ぎ声だけは意地でも漏らすまいと唇を引き結ぶ。ピッチを上げた抽送がもたらす快感の荒波は手を結んで開いて辛うじてやり過ごす。
「強情だな」
どうして無理矢理突っ込まれて感じまくってるのか、心と乖離して先走る体に慄く。
「薫ッ、よせもっ、気ぃ済んだろ」
「全然」
ぐちゃぐちゃ腹を裏漉しされ胃袋がでんぐり返る。
「ドライオーガズムの快感は射精の快感の十倍。遊輔さん、壊れちゃうんじゃないですか」
気持ち良すぎて意図せぬ声を漏らす。膝裏がぐんにゃり弛緩し、目の前が真っ白に爆ぜ、連続で何度も絶頂する。
嘗て取材したウリ専の証言が脳裏を巡り、体の主導権を奪われた絶望が脈を乱す。
「抜けッ、ぁぐ、キツ」
「ギリギリまで追い詰められても許してとかごめんなさいとか言わないんですね。そんなんだからいじめたくなっちゃうんですよ」
腰を叩き付けるのと並行しペニスを掴んで塞き止める。行き場を失くした射精欲が暴れ狂い、イきたくてイきたくてイくことしか考えられなくなる。
「気持ちいいですか。顔、蕩けてますよ。中もぐちゃぐちゃ、どんどん熱くなってる。実は被虐願望あったり……」
「~~~~~~~~~!」
蹴りは空振り。頭突きは躱された。
「繋がってるのに暴れちゃ駄目じゃないですか、深く刺さって苦しいのはそっちでしょ」
「くそったれ」
「最上さんと何話してたんですか」
「カウンター裏に盗聴器仕掛けとけ、ストーキングはお手のもんだろ」
「よく回る舌ですね。喋るのも辛いでしょうに」
「口先三寸で世渡りしてきたからな」
「処世術ってヤツですか」
「リップサービスならくれてやる」
「噛みちぎられそうでおっかない」
「大暴投の勘違いで拘束目隠しプレイかます独りよがりのフニャチンはお呼びじゃねえってこった」
薫の声が遠く近く響き、昨夜の情景が曖昧に像を結ぶ。
「……なんで」
「え?」
「気に食わねえならシカトすりゃいいのに、カクテル一杯、サービスしにきた」
「あれか」
「偵察?」
「当てこすりですね」
昨日の夜、遊輔たちの前に立った薫はシェイカーを振り、タンブラーに注いだカクテルを提供した。
名前は確か。
「アプリコットフィズ。レモンジュースをソーダで割り、砂糖水にルジェ・クレーム・ド・アプリコットを混ぜた甘口カクテル」
ああ、薫で間違いねえ。
今の今まで本人と信じきれず、疑い続けた心を流暢な解説が打ちのめす。
カットレモンとロックアイスを沈めた琥珀色の酒。タンブラーを透かした笑顔は、どこか寂しげじゃなかったか。
「貴方の連れだから特別扱いしたんじゃありません、新規のお客様にはウェルカムドリンクをサービスするのがウチの流儀なんです」
「第一印象込みで?」
「遊輔さんに初めて淹れたカクテル覚えてますか」
「……、」
「忘れたんだ」
「スクリュードライバー」
「適当言うなよ」
「!ぃぐ、」
際どい角度で前立腺に食い込む。
「汗みずくですね」
カリ、と音がした。唇に固形物。口移しで氷を運ぶ。しかし咥え損ね、鎖骨のくぼみに取りこぼす。
「ちゃんと受け取ってください」
もういちど、口移しで氷を運ぶ。不器用に顔を傾け、おずおず舌を絡め、ガリゴリ噛み砕く。
「ごちそうさん」
胸元で音が鳴る。スマホの着信音。薫が背広をまさぐりだす。
「てめえ勝手に、」
スピーカーに切り替わる。
『風祭か』
耳元で最上の声がした。予想外の事態に硬直。
「話して」
逆らえば何をされるかわからない。ギュッと目を瞑り、唇を舐めて湿す。
たっぷり一呼吸おき、無愛想に平らげた声を吹き込む。
「……俺だけど。何?」
『起きてたか。ウチが今追ってる汚職政治家の話詳しく聞きてえって言ってたろ、さっきメールしたから見てくれ』
「サンキューな、い゛っ」
熱い肉が粘膜を巻き返し、突っ張った下肢が弛緩と硬直を繰り返す。
「……急ぎじゃなけりゃ切るぜ」
『ツレねえな~。覚えてんだろ、二・三年前にウチでバイトしてたミカちゃん。お前がお持ち帰りした……あの子にアドレス教えていい?元気にしてるか気にしてた』
ペニスが前立腺を押す。腰が浮く。
「ッ、ぐ」
『えっ駄目?』
「付き合ってたワケじゃねえし、変に気を持たせるふりしたくねえ」
『それもそうか』
「てかさ、俺をダシにして落とそうって下心見え見え。物にしてェなら実力で口説け」
『バレちまった』
幸いにして気付かれてない。男に犯されてると察しろという方が無茶か。
『バンダースナッチの件よろしく頼む』
野郎、最悪のタイミングで地雷を踏みやがった。
「断ったろ」
『貸しがある』
「一万円ぽっちで恩着せんな」
『返してから言え』
正論。最上は遊輔の情報網に期待している。どうやってごまかそうか考え、のろくさ口を開く。
「~~~~~~~~~~~~~!」
前触れなく抽送が再開された。あと一秒歯を食い縛るのが遅ければ、死ぬほど恥ずかしい喘ぎ声を聞かれていた。
『風祭?どうした?』
「なんでもねッ、ぁ」
『具合悪ィのか。飲みすぎ?』
「二日酔い、でッ、へばってるだけ、ッぁぐっ、気にすんな」
『置いてっちまってすまねえな、バーテンの子が後は任せろって言うもんだから。きちんと送ってもらったか』
声。やべえ、聞かれる。
抽送のペースが上がり、捏ね回された結合部がぐちゃぐちゃ音をたてる。目が見えない。苦しい。上下する暗闇の重圧、蒸発する理性、燃え上がる羞恥心。
「ん゛ッ、ん゛っ、ん゛っ」
衰え知らずの怒張を咥え込んだ体内が収縮し、突き上げに乗じた痙攣を引き起こす。
「早っ、く、切れ、も、限界」
息を荒げる遊輔。
『そっちが切れよ』
訝しむ最上。
「手ェ塞がってんだよ!!」
『デリヘル嬢と3P?川の字で腕枕かよ色男め』
意地悪い指が鈴口に栓し、待ち望んだ射精の瞬間をじらしにじらして引き伸ばす。
片や抉りこむように腰を打ち付け、急ピッチで追い上げていく。
「はッ、ぁっ、ンん゛っ、あっ、ぁっあ」
『風祭?おい大丈夫か、しっかりしろ』
「ほっとけ、ッぐ、ぁふ、ンっん゛、余裕ねェ、あとで掛け直す、ッから」
薫が手荒く腰を揺さぶり、仰け反る首筋や鎖骨を吸い立てる。直腸の襞がうねり、音速の快感が脊髄を貫く。
「イってください」
絶頂。
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!」
射精は許されない。薫の手で禁じられている。そのぶん初体験のドライオーガズムは強烈で、もどかしげにシーツを蹴って咳き込む。
「かはっ」
『一体どうし』
最上の声が中途半端に切れる。通話の強制終了。目の前は相変わらず真っ暗だ。
「最後まで気付きませんでしたね。内心怪しんでたのかな、3Pどうとか言ってたし」
「はぁっ、はぁっ」
「大丈夫ですか」
「イかせてくれ」
「イったばかりなのに」
「前、で、擦って」
「メスイキじゃ満足できないんですか、欲張りだな」
「苦しい。切ねえ。頼む」
「許してほしい?」
頷く。
目隠しの下に指一本ねじこみ、覗き込んだ青年が微笑む。
「いいですよ」
次の瞬間、求めていた刺激が弾けた。長くしなやかな指がペニスに巻き付き、一際強くしごき立てる。
「ぁっ、あっ、ぁあっ」
ドライオーガズムの余韻がまだ冷めやらぬ内に刺激され、腰椎を引き抜く勢いで熱い迸りが駆け抜けた。
射精と入れ違いに急激に意識が遠のき、手錠が取り外される。
「ごめんなさい。やりすぎちゃいました」
ぐったりした遊輔を寝室から運び出し、リビングのソファーに寝かせる。
起きた時に文句を言われないようにシャツの前はしっかり閉じ、汚れた下着は取り替えてズボンを上げておく。
「全く……」
この人は無防備すぎる。
昨夜の薫がどんな気持ちで遊輔たちを迎えたのか、どんな気持ちでアプリコットフィズを出したのか、ちっとも察してくれない。
「遊輔さんが悪いんですよ。俺なんか甘やかすから、勘違いして付け上がっちゃうんだ」
抱くか抱かれるか選べと言われ後者を選んだのは、独占欲を拗らせた支配欲を持て余してるから。
薄々勘付いてる。
遊輔が向ける矢印と自分の矢印を比べたら、薫の方が強く大きい。
心の奥底では常に遊輔を独占したいと望み、自分の部屋に監禁し、束縛したいと願っていた。
「……同じ位執着してほしいなんて、身の程知らずなわがままだよな」
レイプした事に勿論罪悪感はある。なのに何故笑ってるのか。
それはたぶん、遊輔の泣き顔が可愛かったせいだ。同じ所に堕ちてきて安心するからだ。
念のため手首を裏返し、傷がないのを確める。遊輔が薄目を開ける。
「起きました?」
「眼鏡」
「どうぞ」
恭しく捧げられた眼鏡をひったくり、無言で顔に掛け、右手を握りこむ。
次の瞬間、鳩尾に衝撃が炸裂した。
「ぐふっ」
「接客業でよかったな。じゃなきゃ顔面いってた」
腹を庇って咳き込む薫を見下ろし、背広のポケットから煙草を取り出す。
「夢じゃねえよな」
「はい」
「くだんねー言い訳したら鼻っ柱へし折ってた。で?マジでバラすと思ったの」
苛立たしげにライターのスイッチを押す。
「俺が最上に売り込むって」
「……少しだけ」
「具体的に」
「アプリコットフィズに入れるソーダ水位」
「へえ~え」
棒読みで受け流しスマホ検索、アプリコットフィズのレシピを睨む。
「ほぼ半々の適量じゃねえか!」
ツッコミと共に投げられたライターが肩で跳ね、カーペットに落下する。
正座のまましょんぼり俯く薫の前、背凭れに腕を掛けてファンが回る天井を仰ぎ、盛大に煙を吐く。
「バンダースナッチの片割れがバーテンのお仕着せで働いてるって宣伝すりゃ、店の客増えてマスターに感謝されっかな」
「本気ですか」
「見損なうな」
指に挟んだ煙草をへし折る。
「お前んことチクって復帰したって、相棒だった事実が消えねえかぎり身バレにビク付いて生きる羽目になる。わかりやすく麻雀でたとえるとだな、九連宝燈で上がった時に『ひょっとしてあなたがあのバンダースナッチさんですか、平日の真っ昼間っからこんな場末の雀荘にいらっしゃるんですね、配信者って暇人なんだ』なんて卓仲間に言われたら興ざめの極みで役満の喜びが吹っ飛ぶだろ」
「麻雀詳しくなくて」
「あのさ、無茶苦茶ヤった後でも反省したフリすりゃ許してもらえるとか考えてんの」
「すいません」
「手錠は通販?」
「結束バンドと迷いました。親指同士を縛ると抜けないって聞いて」
「計画的犯行に情状酌量の余地ねえぞ」
「もとから持ってました」
隠し撮りで自慰していた頃から遊輔に似合いそうなグッズを買い集め、セフレに使ったり使われたりしていたのは秘密にしたい。
「詮索はやめとく」
「賢明です」
「じゃねえ」
「昨日の事本当に覚えてませんか。最上さん同伴して来店した後、酔って騒いで暴れたじゃないですか」
「は?俺が?」
「挙句に高いボトル割ったの、都合よく忘れちゃいました?」
肩を竦める。
「お店が被った損害考えたら、俺が逆襲したくなっても仕方ないんじゃないかな」
「ふかせボケ。どうせデマだろ」
「疑うなら最上さんに電話で聞いてみたらいいじゃないですか」
「あーあーそうするよ」
スマホを掴んだ姿勢で急停止。
「掛けないんですか」
……掛けられるわけがない。
「そうですね、その方がいいですよ。誤差バレしちゃうかもしれないし友情にひびが入ったら大変だ」
「ぬけぬけと」
世の中嘘も方便だ。経験則で痛感してる。証言の裏付けの為、自作自演で割ったボトルの破片を保管していて良かった。
「俺は信じてますよ遊輔さんのこと、裏切ったりしないって」
「捕まりゃもろとも共犯だもんな」
「アブノーマルなプレイに挑む口実欲しかったんです」
「ドン引く勢いでノリノリだった」
「お互い様でしょ」
肘掛けに腰を下ろし、遊輔が咥えた煙草を掠めとる。
「ボディに一発で許してくれるなんて甘すぎます」
深々と吸い込んで煙を吐く。遊輔は憮然としたまま、素早く取り返した煙草を噛む。
「舌が馬鹿になる」
「興味があるのはハッカーの俺だけじゃないんですか」
「過小評価だな」
小首を傾げる薫にしたたかな流し目をよこし、斜に構えた手付きで煙草をふかす。
「『Lewis』に最上を連れてったのは、一番うまい酒を出す店だからだよ」
「それって」
「腕利きのバーテンがいんの。俺の推し」
「……はは」
乾いた笑いを漏らす。
「ホントずるい。後出しかよ」
「赤くなってんぞ」
「そういうところですよ」
くしゃりと横髪を握り潰す。
「一人で空回って馬鹿みたいだ」
めでたく誤解がとけ、初めて罪悪感と羞恥心が湧いてきた。申し訳なさで顔を上げられず、小さくなる薫をあえて無視し、スマホで検索する。
「『振り向いてください』」
言われた通りにする。
「アプリコットフィズのカクテル言葉」
「―ですね」
昨晩、薫が望んだのはたったそれだけ。最上と話すのに夢中な遊輔は、結局一度も叶えてくれなかった。
「欲張りなんだか謙虚なんだか。わかりやすく伝えろ、こんな感じで」
煙草臭いキスが口を塞ぐ。仄かにアプリコットフィズの味がした。
遊輔がくしゃみを放ち、再び時が動き出す。
「風邪ですか」
「今度氷のっけたらシャンパンバケットでアイスバケツチャレンジさせっかんな」
「お風呂沸かしてきます。一緒にシャワーを」
「とっとと行け」
煙草の箱を投げ付けられ、いそいそと退散する。
途中でドアが少し開いた自室に立ち寄り、壁一面に遊輔の隠し撮り写真が貼られた室内を見回す。
「……結構欲張りですよ、俺」
再びドアを閉ざし、後ろ手に鍵をかける。
案の定遊輔は風邪をひいた。
どけ、ぶっ殺すぞ。喉元に殺到した罵倒の数々を抽送の衝撃が散らす。相変わらず顔は見えず、声と音と匂いを頼りに機嫌を窺うしかない。
薫が遊輔の腰を抱え、的確に狙いを突く。
「ふッ、うっ、んん゛ッ、ぁ゛っぐ」
「もっと上手に喘いでくれなきゃ興ざめです」
「エゲツねえ突っ込まれ方してんのに、ふぐッ、できるか、よっ!」
「可愛げないところも可愛いですね、少しは慣れたでしょアナルセックス」
「言う、な、ん゛ッぶ」
「頬の内側噛むのもナシで。口内炎になっちゃいますよ」
膝裏に手を通す。鎖が伸びきる。詰め物された腹が苦しい。ペニスと粘膜が擦れ、ベッドが弾む度に痛みを上回る快感が爆ぜる。
挿入されてもまだ薫はこんなことをしないと、常日頃から彼が与える優しさや、負担を労わるセックスに甘やかされた心が信じたがっていた。
正面にいるのが本物か偽物か、目隠しを剥いで確かめたい衝動に駆られる。
歪んだ顔には汗と涙と涎がしとどに溶け混ざり、目隠しの布がぴっちり張り付いて息苦しい。
「目隠し、とれ、頼む、見えねッ」
視界を圧する暗闇に本能的恐怖を感じ、舌足らずに懇願する。
「涙と汗と涎でドロドロぐちゃぐちゃの情けない顔、ひと回りも年下に見られて構わないんですか」
「~クソガキが」
粉々に砕け散ったプライドをかき集め、犬歯を剥いて凄む。薫の手が頬を包み、首筋にキスが降り注ぐ。
「遊輔さんは男に抱かれる方が似合ってますよ、ノンケ上がりのウブな反応がそそるんです。赤く染まった首筋やシャープな鎖骨のライン、しっとり湿って張り付く髪の毛も色っぽい。嗜虐心そそるっていうのかな……貧相に見せかけて脱げば引き締まってるし、喧嘩で鍛えた腹筋のバネが括約筋と連動して」
「乳のでけえ女の方が好きだ、ぁぐっ」
「こんなに乳首弱いのに?元カノはいじってくれなかったでしょ」
「攻める方が性に合ってんだよ」
「中、ギュッと縮んでますね。すっかり俺の形覚えちゃって、夢中で腰振って、本当可愛い」
言葉で辱めテクで堕とす。腹の中のペニスがまた膨らみ、固さ太さを増して直腸をこそぐ。
「んッ、んッ、んッ」
頬の内側を噛む。鉄錆の味が喉を焼く。調子付かせるのが癪で、喘ぎ声だけは意地でも漏らすまいと唇を引き結ぶ。ピッチを上げた抽送がもたらす快感の荒波は手を結んで開いて辛うじてやり過ごす。
「強情だな」
どうして無理矢理突っ込まれて感じまくってるのか、心と乖離して先走る体に慄く。
「薫ッ、よせもっ、気ぃ済んだろ」
「全然」
ぐちゃぐちゃ腹を裏漉しされ胃袋がでんぐり返る。
「ドライオーガズムの快感は射精の快感の十倍。遊輔さん、壊れちゃうんじゃないですか」
気持ち良すぎて意図せぬ声を漏らす。膝裏がぐんにゃり弛緩し、目の前が真っ白に爆ぜ、連続で何度も絶頂する。
嘗て取材したウリ専の証言が脳裏を巡り、体の主導権を奪われた絶望が脈を乱す。
「抜けッ、ぁぐ、キツ」
「ギリギリまで追い詰められても許してとかごめんなさいとか言わないんですね。そんなんだからいじめたくなっちゃうんですよ」
腰を叩き付けるのと並行しペニスを掴んで塞き止める。行き場を失くした射精欲が暴れ狂い、イきたくてイきたくてイくことしか考えられなくなる。
「気持ちいいですか。顔、蕩けてますよ。中もぐちゃぐちゃ、どんどん熱くなってる。実は被虐願望あったり……」
「~~~~~~~~~!」
蹴りは空振り。頭突きは躱された。
「繋がってるのに暴れちゃ駄目じゃないですか、深く刺さって苦しいのはそっちでしょ」
「くそったれ」
「最上さんと何話してたんですか」
「カウンター裏に盗聴器仕掛けとけ、ストーキングはお手のもんだろ」
「よく回る舌ですね。喋るのも辛いでしょうに」
「口先三寸で世渡りしてきたからな」
「処世術ってヤツですか」
「リップサービスならくれてやる」
「噛みちぎられそうでおっかない」
「大暴投の勘違いで拘束目隠しプレイかます独りよがりのフニャチンはお呼びじゃねえってこった」
薫の声が遠く近く響き、昨夜の情景が曖昧に像を結ぶ。
「……なんで」
「え?」
「気に食わねえならシカトすりゃいいのに、カクテル一杯、サービスしにきた」
「あれか」
「偵察?」
「当てこすりですね」
昨日の夜、遊輔たちの前に立った薫はシェイカーを振り、タンブラーに注いだカクテルを提供した。
名前は確か。
「アプリコットフィズ。レモンジュースをソーダで割り、砂糖水にルジェ・クレーム・ド・アプリコットを混ぜた甘口カクテル」
ああ、薫で間違いねえ。
今の今まで本人と信じきれず、疑い続けた心を流暢な解説が打ちのめす。
カットレモンとロックアイスを沈めた琥珀色の酒。タンブラーを透かした笑顔は、どこか寂しげじゃなかったか。
「貴方の連れだから特別扱いしたんじゃありません、新規のお客様にはウェルカムドリンクをサービスするのがウチの流儀なんです」
「第一印象込みで?」
「遊輔さんに初めて淹れたカクテル覚えてますか」
「……、」
「忘れたんだ」
「スクリュードライバー」
「適当言うなよ」
「!ぃぐ、」
際どい角度で前立腺に食い込む。
「汗みずくですね」
カリ、と音がした。唇に固形物。口移しで氷を運ぶ。しかし咥え損ね、鎖骨のくぼみに取りこぼす。
「ちゃんと受け取ってください」
もういちど、口移しで氷を運ぶ。不器用に顔を傾け、おずおず舌を絡め、ガリゴリ噛み砕く。
「ごちそうさん」
胸元で音が鳴る。スマホの着信音。薫が背広をまさぐりだす。
「てめえ勝手に、」
スピーカーに切り替わる。
『風祭か』
耳元で最上の声がした。予想外の事態に硬直。
「話して」
逆らえば何をされるかわからない。ギュッと目を瞑り、唇を舐めて湿す。
たっぷり一呼吸おき、無愛想に平らげた声を吹き込む。
「……俺だけど。何?」
『起きてたか。ウチが今追ってる汚職政治家の話詳しく聞きてえって言ってたろ、さっきメールしたから見てくれ』
「サンキューな、い゛っ」
熱い肉が粘膜を巻き返し、突っ張った下肢が弛緩と硬直を繰り返す。
「……急ぎじゃなけりゃ切るぜ」
『ツレねえな~。覚えてんだろ、二・三年前にウチでバイトしてたミカちゃん。お前がお持ち帰りした……あの子にアドレス教えていい?元気にしてるか気にしてた』
ペニスが前立腺を押す。腰が浮く。
「ッ、ぐ」
『えっ駄目?』
「付き合ってたワケじゃねえし、変に気を持たせるふりしたくねえ」
『それもそうか』
「てかさ、俺をダシにして落とそうって下心見え見え。物にしてェなら実力で口説け」
『バレちまった』
幸いにして気付かれてない。男に犯されてると察しろという方が無茶か。
『バンダースナッチの件よろしく頼む』
野郎、最悪のタイミングで地雷を踏みやがった。
「断ったろ」
『貸しがある』
「一万円ぽっちで恩着せんな」
『返してから言え』
正論。最上は遊輔の情報網に期待している。どうやってごまかそうか考え、のろくさ口を開く。
「~~~~~~~~~~~~~!」
前触れなく抽送が再開された。あと一秒歯を食い縛るのが遅ければ、死ぬほど恥ずかしい喘ぎ声を聞かれていた。
『風祭?どうした?』
「なんでもねッ、ぁ」
『具合悪ィのか。飲みすぎ?』
「二日酔い、でッ、へばってるだけ、ッぁぐっ、気にすんな」
『置いてっちまってすまねえな、バーテンの子が後は任せろって言うもんだから。きちんと送ってもらったか』
声。やべえ、聞かれる。
抽送のペースが上がり、捏ね回された結合部がぐちゃぐちゃ音をたてる。目が見えない。苦しい。上下する暗闇の重圧、蒸発する理性、燃え上がる羞恥心。
「ん゛ッ、ん゛っ、ん゛っ」
衰え知らずの怒張を咥え込んだ体内が収縮し、突き上げに乗じた痙攣を引き起こす。
「早っ、く、切れ、も、限界」
息を荒げる遊輔。
『そっちが切れよ』
訝しむ最上。
「手ェ塞がってんだよ!!」
『デリヘル嬢と3P?川の字で腕枕かよ色男め』
意地悪い指が鈴口に栓し、待ち望んだ射精の瞬間をじらしにじらして引き伸ばす。
片や抉りこむように腰を打ち付け、急ピッチで追い上げていく。
「はッ、ぁっ、ンん゛っ、あっ、ぁっあ」
『風祭?おい大丈夫か、しっかりしろ』
「ほっとけ、ッぐ、ぁふ、ンっん゛、余裕ねェ、あとで掛け直す、ッから」
薫が手荒く腰を揺さぶり、仰け反る首筋や鎖骨を吸い立てる。直腸の襞がうねり、音速の快感が脊髄を貫く。
「イってください」
絶頂。
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!」
射精は許されない。薫の手で禁じられている。そのぶん初体験のドライオーガズムは強烈で、もどかしげにシーツを蹴って咳き込む。
「かはっ」
『一体どうし』
最上の声が中途半端に切れる。通話の強制終了。目の前は相変わらず真っ暗だ。
「最後まで気付きませんでしたね。内心怪しんでたのかな、3Pどうとか言ってたし」
「はぁっ、はぁっ」
「大丈夫ですか」
「イかせてくれ」
「イったばかりなのに」
「前、で、擦って」
「メスイキじゃ満足できないんですか、欲張りだな」
「苦しい。切ねえ。頼む」
「許してほしい?」
頷く。
目隠しの下に指一本ねじこみ、覗き込んだ青年が微笑む。
「いいですよ」
次の瞬間、求めていた刺激が弾けた。長くしなやかな指がペニスに巻き付き、一際強くしごき立てる。
「ぁっ、あっ、ぁあっ」
ドライオーガズムの余韻がまだ冷めやらぬ内に刺激され、腰椎を引き抜く勢いで熱い迸りが駆け抜けた。
射精と入れ違いに急激に意識が遠のき、手錠が取り外される。
「ごめんなさい。やりすぎちゃいました」
ぐったりした遊輔を寝室から運び出し、リビングのソファーに寝かせる。
起きた時に文句を言われないようにシャツの前はしっかり閉じ、汚れた下着は取り替えてズボンを上げておく。
「全く……」
この人は無防備すぎる。
昨夜の薫がどんな気持ちで遊輔たちを迎えたのか、どんな気持ちでアプリコットフィズを出したのか、ちっとも察してくれない。
「遊輔さんが悪いんですよ。俺なんか甘やかすから、勘違いして付け上がっちゃうんだ」
抱くか抱かれるか選べと言われ後者を選んだのは、独占欲を拗らせた支配欲を持て余してるから。
薄々勘付いてる。
遊輔が向ける矢印と自分の矢印を比べたら、薫の方が強く大きい。
心の奥底では常に遊輔を独占したいと望み、自分の部屋に監禁し、束縛したいと願っていた。
「……同じ位執着してほしいなんて、身の程知らずなわがままだよな」
レイプした事に勿論罪悪感はある。なのに何故笑ってるのか。
それはたぶん、遊輔の泣き顔が可愛かったせいだ。同じ所に堕ちてきて安心するからだ。
念のため手首を裏返し、傷がないのを確める。遊輔が薄目を開ける。
「起きました?」
「眼鏡」
「どうぞ」
恭しく捧げられた眼鏡をひったくり、無言で顔に掛け、右手を握りこむ。
次の瞬間、鳩尾に衝撃が炸裂した。
「ぐふっ」
「接客業でよかったな。じゃなきゃ顔面いってた」
腹を庇って咳き込む薫を見下ろし、背広のポケットから煙草を取り出す。
「夢じゃねえよな」
「はい」
「くだんねー言い訳したら鼻っ柱へし折ってた。で?マジでバラすと思ったの」
苛立たしげにライターのスイッチを押す。
「俺が最上に売り込むって」
「……少しだけ」
「具体的に」
「アプリコットフィズに入れるソーダ水位」
「へえ~え」
棒読みで受け流しスマホ検索、アプリコットフィズのレシピを睨む。
「ほぼ半々の適量じゃねえか!」
ツッコミと共に投げられたライターが肩で跳ね、カーペットに落下する。
正座のまましょんぼり俯く薫の前、背凭れに腕を掛けてファンが回る天井を仰ぎ、盛大に煙を吐く。
「バンダースナッチの片割れがバーテンのお仕着せで働いてるって宣伝すりゃ、店の客増えてマスターに感謝されっかな」
「本気ですか」
「見損なうな」
指に挟んだ煙草をへし折る。
「お前んことチクって復帰したって、相棒だった事実が消えねえかぎり身バレにビク付いて生きる羽目になる。わかりやすく麻雀でたとえるとだな、九連宝燈で上がった時に『ひょっとしてあなたがあのバンダースナッチさんですか、平日の真っ昼間っからこんな場末の雀荘にいらっしゃるんですね、配信者って暇人なんだ』なんて卓仲間に言われたら興ざめの極みで役満の喜びが吹っ飛ぶだろ」
「麻雀詳しくなくて」
「あのさ、無茶苦茶ヤった後でも反省したフリすりゃ許してもらえるとか考えてんの」
「すいません」
「手錠は通販?」
「結束バンドと迷いました。親指同士を縛ると抜けないって聞いて」
「計画的犯行に情状酌量の余地ねえぞ」
「もとから持ってました」
隠し撮りで自慰していた頃から遊輔に似合いそうなグッズを買い集め、セフレに使ったり使われたりしていたのは秘密にしたい。
「詮索はやめとく」
「賢明です」
「じゃねえ」
「昨日の事本当に覚えてませんか。最上さん同伴して来店した後、酔って騒いで暴れたじゃないですか」
「は?俺が?」
「挙句に高いボトル割ったの、都合よく忘れちゃいました?」
肩を竦める。
「お店が被った損害考えたら、俺が逆襲したくなっても仕方ないんじゃないかな」
「ふかせボケ。どうせデマだろ」
「疑うなら最上さんに電話で聞いてみたらいいじゃないですか」
「あーあーそうするよ」
スマホを掴んだ姿勢で急停止。
「掛けないんですか」
……掛けられるわけがない。
「そうですね、その方がいいですよ。誤差バレしちゃうかもしれないし友情にひびが入ったら大変だ」
「ぬけぬけと」
世の中嘘も方便だ。経験則で痛感してる。証言の裏付けの為、自作自演で割ったボトルの破片を保管していて良かった。
「俺は信じてますよ遊輔さんのこと、裏切ったりしないって」
「捕まりゃもろとも共犯だもんな」
「アブノーマルなプレイに挑む口実欲しかったんです」
「ドン引く勢いでノリノリだった」
「お互い様でしょ」
肘掛けに腰を下ろし、遊輔が咥えた煙草を掠めとる。
「ボディに一発で許してくれるなんて甘すぎます」
深々と吸い込んで煙を吐く。遊輔は憮然としたまま、素早く取り返した煙草を噛む。
「舌が馬鹿になる」
「興味があるのはハッカーの俺だけじゃないんですか」
「過小評価だな」
小首を傾げる薫にしたたかな流し目をよこし、斜に構えた手付きで煙草をふかす。
「『Lewis』に最上を連れてったのは、一番うまい酒を出す店だからだよ」
「それって」
「腕利きのバーテンがいんの。俺の推し」
「……はは」
乾いた笑いを漏らす。
「ホントずるい。後出しかよ」
「赤くなってんぞ」
「そういうところですよ」
くしゃりと横髪を握り潰す。
「一人で空回って馬鹿みたいだ」
めでたく誤解がとけ、初めて罪悪感と羞恥心が湧いてきた。申し訳なさで顔を上げられず、小さくなる薫をあえて無視し、スマホで検索する。
「『振り向いてください』」
言われた通りにする。
「アプリコットフィズのカクテル言葉」
「―ですね」
昨晩、薫が望んだのはたったそれだけ。最上と話すのに夢中な遊輔は、結局一度も叶えてくれなかった。
「欲張りなんだか謙虚なんだか。わかりやすく伝えろ、こんな感じで」
煙草臭いキスが口を塞ぐ。仄かにアプリコットフィズの味がした。
遊輔がくしゃみを放ち、再び時が動き出す。
「風邪ですか」
「今度氷のっけたらシャンパンバケットでアイスバケツチャレンジさせっかんな」
「お風呂沸かしてきます。一緒にシャワーを」
「とっとと行け」
煙草の箱を投げ付けられ、いそいそと退散する。
途中でドアが少し開いた自室に立ち寄り、壁一面に遊輔の隠し撮り写真が貼られた室内を見回す。
「……結構欲張りですよ、俺」
再びドアを閉ざし、後ろ手に鍵をかける。
案の定遊輔は風邪をひいた。
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