ボロボロの狐を拾ったら母性強めだった

アントロ

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愛しています

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アオイは大きく息を吸い、決意した。

告白する。例えこの家を追い出されても。と。
このままは絶対に嫌だった。永遠に共にいることはどうあがいてもできない。別れまでずっとこの隠された想いと共に生きるのは嫌だ。それよりかは、しっかり想いを伝えてここを立ち去りたい。だから。

「私、レンさんが・・・好きです」

「・・・!」
アオイはそう力強く言った。レンは少し混乱した様子だった。
「・・・気持ち悪い・・・ですよね・・・でも、どうしても伝えたくて」
「気持ち悪くなんてない!」
レンは声を荒げた。アオイは少し驚いたものの、言葉の意味を少しだけ理解した。
「え・・・?じゃあ・・・男に好かれても・・・いいんですか・・・?」
「いいどころか・・・嬉しいよ・・・俺も・・・大好き」
アオイはその言葉を聞くと、また泣き始めた。
「嬉しいです・・・!凄く・・・今までで一番・・・!」
泣きじゃくるアオイを、レンは優しく抱きしめた。
「それを言うのが・・・怖かったんだな。よく頑張ったな」
「だって・・・もし嫌がられたら・・・家を追い出されたらって考えたらぁ・・・」
「そんなことしないよ」と、レンは断言した。
「今日・・・どこかに出かけようか」
レンは提案した。するとすぐに「はい!」とアオイは返事をした。その後、落ち着いたアオイとレンは、朝食を食べ、出かける準備をした。
2人が出かけたのは洋服屋だった。アオイにはレンのおさがりしかないので、新しい服を買うことにしたのだ。
「デートだな」
レンが車で服屋に向かう途中、悪戯っ子のように呟いた。
「・・・~~~!」
アオイはすぐに顔を赤くした。

幸せそうに、2人は笑った。
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